【アメリカNOW!】 今四半期決算で売上高増加率の加速が見込まれている銘柄群

投資情報部 榮 聡
2026/10/13
先週の米国株式市場は、長期金利や原油価格の上昇が株価を抑える場面があったものの、7-9月期の好決算に対する期待から週間では上昇しました。今週の株価材料として、7-9月期決算発表、9月物価指標、原油価格の動向が注目されます。
今回は、今四半期の決算で売上高増加率が前四半期から加速すると見込まれている銘柄群から、アプライド マテリアルズ(AMAT)、デル テクノロジーズ C(DELL)、ラムリサーチ(LRCX)、ブロードコム(AVGO)、 アリスタ ネットワークス(ANET)を選んでご紹介いたします。
図表1 S&P500指数の一目均衡表(日足、3ヵ月)
最高値圏でのもみ合いとなっています。上放れの機会をうかがっているように見えます。
※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成
図表2 業種別指数騰落率・個別銘柄騰落率(「5日」は10/5(月)終値から10/12(月)終値によります。)
| S&P500業種指数騰落 | 5日 | 1ヵ月 | 3ヵ月 |
| 生活必需品 | 4.6% | 2.6% | 1.8% |
| エネルギー | 4.2% | 2.2% | 20.8% |
| 公益事業 | 4.1% | -1.2% | -8.3% |
| 不動産 | 3.1% | -2.9% | -5.1% |
| ヘルスケア | 2.8% | 4.2% | 6.9% |
| 金融 | 2.1% | -3.6% | -1.2% |
| 一般消費財・サービス | 2.0% | 0.1% | -2.2% |
| コミュニケーションサービス | 0.7% | 3.6% | 1.0% |
| S&P500 | 0.4% | 2.0% | 3.1% |
| 素材 | 0.3% | -1.6% | -1.3% |
| 資本財・サービス | -0.5% | -1.7% | -7.0% |
| 情報技術 | -1.9% | 4.5% | 7.7% |
| 騰落率上位(5日) | 騰落率 |
| アメリカン・タワー | 12.5% |
| パランティア・テクノロジーズ | 10.3% |
| アクセンチュア | 10.2% |
| ウォルマート | 7.6% |
| インテュイット | 7.5% |
| 騰落率下位(5日) | 騰落率 |
| インテル | -12.8% |
| ラムリサーチ | -10.5% |
| アプライド・マテリアルズ | -8.3% |
| TモバイルUS | -7.8% |
| ディア | -7.3% |
注:個別銘柄の騰落率上位、下位はS&P100指数が母集団です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
先週の米国株式市場
S&P500指数は週間で1.2%、ダウ平均は0.9%、ナスダック指数は0.6%の上昇でした。
週前半は主要7ヵ国(G7)による石油備蓄の放出表明をきっかけとする原油価格の下落が相場を押し上げて、10/6(火)にS&P500指数、ナスダック指数とも史上最高値を更新しました。
一方、10/7(水)には米10年国債利回りが一時直近の高値を上回ったことを受けて株価は反落しました。また、週後半にかけて中東での紛争継続を巡る懸念が再燃し、原油価格が上昇に転じたことから株価を抑える要因になりました。
先々週に上昇が目立っていたフィラデルフィア半導体株指数は週間で0.4%の下落となりました。最近の株価上昇に対する利食い売りに加え、10/8(木)にはブロードコムやオラクルが大規模な債券発行を模索しているとの情報が株価下落につながりました。
業種指数では、中東情勢の悪化懸念を受けて、ディフェンシブの生活必需品と公益事業、原油価格上昇が恩恵となるエネルギーなどが上昇しました。半導体株が売られた情報技術が下落しました。
今週の米国株式市場
好調な企業業績が相場を押し上げる力になると期待される一方、政策金利の引き上げ期待、長期債利回りの動向、中東情勢などが株価を抑える要因になる状況が続きそうです。
なお、10/12(月)の米国株式は、サウジアラビアの空港への攻撃を受けて原油価格が上昇したほか、半導体メモリーのマイクロンテクノロジーが中国企業との競争激化懸念から半導体株の下げを主導したことで、S&P500指数とナスダック指数が下落しました。
今週の株価材料として、7-9月期決算発表、9月物価指標、原油価格の動向が注目されます。
7-9月期決算発表では、10/13(火)、10/14(水)の大手銀行に加え、10/15(木)の台湾セミコンダクターが注目されます。大手銀行の株価は、バンクオブアメリカのCEOが9/14(月)に7-9月期のトレーディング収入は前年同期比横ばいにとどまるとコメントしてから市場平均を大幅にアンダーパフォームしてきました。今回の決算発表が悪材料出尽くしとなるのか注目されます。台湾セミコンダクターの決算では、引き続き高成長が確認されると期待され、半導体株物色の再燃につながるか注目されます。
なお、S&P500指数採用銘柄のEPSは、7-9月期に前年同期比29.6%増の予想です(FactSet社の集計データ、10/9(金)時点)。この予想が実現すると3四半期連続で25%以上の増益となり、企業業績は非常に好調と言えます。
物価指標については、10/14(水)発表の9月消費者物価指数が前年比+3.6%の予想(前月は同+3.4%)、10/15(木)発表の9月生産者物価指数が前年比+5.4%の予想(前月は同+5.4%)です。原油価格が8月から9月半ばまで上昇していた影響がどの程度現れるか注目されます。
原油のWTI先物価格は90ドル前後でのもみ合いを経て、再び90ドル台に乗せてきました。先週トランプ米大統領は米国がイランと「建設的な」協議を行っているとした上で、11月の米中間選挙前にイランへの攻撃は実施しないとの考えを表明しました。一方、イエメンのフーシ派によるサウジアラビアへの攻撃が地域情勢の不透明感を強めています。
経済指標では上記のほか、10/13(火)に米国の9月中古住宅販売件数(前月比-0.8%の予想)、10/15(木)に米国の9月小売売上高(前月比+0.3%の予想)などの発表が予定されています。
今週の5銘柄
今回は、先週から発表が始まった7-9月期、8-10月期の四半期決算において、売上高の増加率がそれぞれ前四半期の4-6月期、5-7月期に比べて加速すると予想されている銘柄をご紹介いたします。
米国の主要銘柄からなるS&P100指数採用銘柄を対象に、売上加速の度合い(今回予想売上高増加率 - 前回売上高増加率)が大きい銘柄を図表3にリストアップしています。
ここからアプライド マテリアルズ(AMAT)、デル テクノロジーズ C(DELL)、ラムリサーチ(LRCX)、ブロードコム(AVGO)、アリスタ ネットワークス(ANET)を選んでご紹介いたします。
図表3
注:データは9/28(月)時点です。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
図表4 今週の5銘柄の投資指標
注:予想PERは今期予想EPSに基づいて計算しています。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
今週の注目銘柄
| 取引 | チャート | 銘柄 | 株価 (10/12) |
予想PER (倍) |
ポイント |
| 買付 | アプライド マテリアルズ(AMAT) | 497.53ドル | 26.8 | 【技術革新を背景に売上が加速】 ・売上成長率は、四半期では5-7月期の前年同期比25%増から8-10月期は同51%増へ、年度では2026年10月期の前年比27%増から2027年10月期の同36%増へ加速することが見込まれています。2026年後半から半導体メモリー向けの需要が売上拡大をけん引する見通しです。 | |
| 買付 | デル テクノロジーズ C(DELL) | 576.76ドル | 22.3 | 【AIサーバーが伸びる】 ・サーバー、PC、ストレージなどを扱い、PCでは世界3位です。AIサーバーの売上が急拡大しており、売上の構成比は2026年1月期の22%から2027年1月期は39%、2028年1月期は46%へ高まる見通しです。AIサーバーを提供している企業の中では、技術力や売上規模の面から競争力が高いと考えられます。 ・5-7月期決算では、AIデータセンター投資の拡大を受けてAIサーバーが前年同期比100%増、従来型サーバーも同122%増と伸びて全体をけん引しました。2027年1月期のAIサーバー売上見通しは、従来の600億ドルから740億ドルに引き上げられました。 | |
| 買付 | ラムリサーチ(LRCX) | 309.56ドル | 32.7 | 【半導体製造装置の大手】 ・半導体製造装置の大手です。半導体製造の前工程で用いる成膜装置、エッチング装置、洗浄装置に強く、エッチング装置では世界トップシェアを誇ります。半導体の回路線幅の縮小による微細化が限界に近づくにつれ、回路を垂直方向に積み上げる多層化が進むと見込まれ、同社の売上成長を支える要因になると期待されます。 ・4-6月期はフラッシュメモリー向けの売上が1-3月期から倍増して売上拡大をけん引しました。半導体製造装置の対象市場について、30%台後半のシェアを獲得することを中期目標としています。 | |
| 買付 | ブロードコム(AVGO) | 354.73ドル | 18.4 | 【AI半導体売上は来期、再来期とも倍増に近い】 ・AI半導体、通信半導体、ソフトウェアを手掛ける会社です。同社のAI半導体の顧客は従来アルファベットが中心でしたが、アンソロピックやOpenAIなどへ広がっており、AI半導体の売上は2026年10月期が580億ドル、2027年10月期が1,150億ドル、2028年10月期が2,300億ドルと、急成長が続くことが示されました。 ・5-7月期決算は、売上が前年同期比86%増、EPSが同3.2倍となり、いずれも市場予想を上回りました。8-10月期の売上ガイダンスは約348億ドルとして、市場予想の350億ドルをやや下回りました。 | |
| 買付 | アリスタ ネットワークス(ANET) | 210.88ドル | 40.5 | 【7-9月期に売上加速見通し】 ・データセンター向けのネットワーク機器や関連ソフトウェアを提供する企業です。AIデータセンター向けの売上拡大に加え、800ギガビット、1.6テラビット機種への更新サイクルが重なり、大幅な売上増加となっています。 ・4-6月期決算で発表された7-9月期売上ガイダンスは前年同期比43%増相当の約33億ドルで、4-6月期の同38%増から加速が見込まれています。電子部品などの不足で売上が減速するのではとの懸念もありましたが、このような懸念が和らぎました。 |
注:予想PERはBloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。使用した予想EPSの決算期は、アプライドマテリアルズとブロードコムが2027年10月期、ラムリサーチが2027年6月期、アリスタネットワークスが2027年12月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成
主要イベントの予定
| 経済指標・イベント | 企業決算・イベント | |
| 12(月) | ・クリーブランド連銀ハマック総裁の講演 | |
| 13(火) | ・米NFIB中小企業楽観指数(9月) ・米中古住宅販売件数(9月) |
ジョンソン&ジョンソン、ユナイテッドヘルスグループ JPモルガンチェース、ゴールドマンサックス ウェルズファーゴ、シティグループ |
| 14(水) | ・米消費者物価指数(9月) ・米地区連銀経済報告(ベージュブック) |
バンクオブアメリカ、モルガンスタンレー |
| 15(木) | ・日本機械受注(8月) ・米小売売上高(9月) ・フィラデルフィア連銀製造業景気指数(10月) ・米新規失業保険申請件数(10月10日に終わる週) ・米生産者物価指数(9月) |
台湾セミコンダクター |
| 16(金) | ・米鉱工業生産(9月) | トラベラーズ |
| 19(月) | ・中国実質GDP(7-9月期) ・中国鉱工業生産・小売売上高・固定資産投資(9月) ・NAHB住宅市場指数(10月) |
|
| 20(火) | ・米住宅着工・建設許可件数(9月) ・米中古住宅販売成約(9月) |
ネットフリックス、GEエアロスペース ゼネラルモーターズ |
| 21(水) | ・米20年国債入札 | IBM、AT&T、3M、ラムリサーチ テキサスインスツルメンツ、アボットラボラトリーズ |
| 22(木) | ・米新規失業保険申請件数(10月17日に終わる週) | P&G、テスラ、ロッキードマーチン |
| 23(金) | ・S&Pグローバル日本製造業PMI(10月) ・S&Pグローバルユーロ圏製造業PMI(10月) ・S&Pグローバル米国製造業PMI(10月) ・ミシガン大学消費者信頼感(10月、確報値) |
アメリカンエキスプレス |
注:日付は現地時間によります。(E)はBloombergによる予想を示します。企業決算の赤字でのハイライトは、当社顧客保有人数の1~30位、青字のハイライトは31~50位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成
※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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