【アメリカNOW!】 ロッキードマーチン、ユナイテッドヘルスなど過去3週間の好決算銘柄

【アメリカNOW!】 ロッキードマーチン、ユナイテッドヘルスなど過去3週間の好決算銘柄

投資情報部 榮 聡

2026/10/26

先週の米国株式市場は、半導体株を中心とするテクノロジー株の下落が続いて、S&P500指数とナスダック指数は下落の一方、ダウ平均はプラスを維持しました。今週の株価材料として、7-9月期決算発表、FOMC、中東情勢が注目されます。

今回は過去3週間に四半期決算を発表した銘柄から、ロッキード マーチン(LMT)、ユナイテッドヘルス グループ(UNH)、ブラックロック A(BLK)、スペース エクスプロレーション テクノ A(SPCX)、台湾セミコンダクター ADR(TSM)を選んでご紹介いたします。

図表1 S&P500指数の一目均衡表(日足、3ヵ月)

8月から始まったもみ合いレンジの下限近くに到達しています。一目均衡表の「雲」が下値支持帯として機能するか注目です。

図表2 業種別指数騰落率・個別銘柄騰落率

S&P500業種指数騰落 5日 1ヵ月 3ヵ月
エネルギー 1.5% 12.0% 16.6%
ヘルスケア 1.5% 4.9% 10.3%
不動産 0.9% 1.9% -7.4%
公益事業 0.8% 7.7% -8.0%
金融 0.7% 1.9% -0.7%
一般消費財・サービス 0.5% 1.5% 4.8%
生活必需品 0.5% 7.6% 6.1%
素材 -0.1% 2.2% 1.1%
情報技術 -0.3% -5.5% 5.1%
S&P500 -0.5% -1.5% 2.9%
資本財・サービス -1.9% -3.5% -9.8%
コミュニケーションサービス -6.2% -8.5% 0.6%
騰落率上位(5日) 騰落率
サービスナウ 12.0%
ロッキード・マーチン 9.4%
インターナショナル・ビジネス・マシーンズ 9.2%
アクセンチュア 8.6%
アドビ 7.6%
騰落率下位(5日) 騰落率
ラムリサーチ -12.8%
GEベルノバ -11.5%
AT&T -10.7%
ゼネラル・モーターズ -9.6%
メタ・プラットフォームズ -9.4%

注:個別銘柄の騰落率上位、下位はS&P100指数が母集団です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

先週の米国株式市場

S&P500指数は週間で0.5%、ナスダック指数は0.7%の下落でした。一方、ダウ平均は0.4%の上昇でした。

半導体株に対する売り圧力が継続して、相場下落をリードしました。フィラデルフィア半導体株指数は先々週の大幅下落に続いて3.2%下落して、9/14(月)安値を下抜け、7/29(水)安値に接近しています。

メタプラットフォームズ、テスラ、ラムリサーチなど主要なテクノロジー株の決算に対する市場の反応は低調となりました。一方、防衛関連、P&G、3Mなどテクノロジー企業以外の決算に対する反応はポジティブなものが目立ち、ダウ平均の上昇に寄与しました。

米10年国債は「安全資産」としての性質が注目され、テクノロジー株から資金が流入していると見られ、利回りは5%を下回る水準に低下しました。

業種指数では、原油価格上昇の恩恵を受けるエネルギー、ディフェンシブのヘルスケアと公益事業、長期金利低下の恩恵を受ける不動産などが上昇しました。メタ、ネットフリックスの下落が効いたコミュニケーションサービスが大幅に下落、AI関連が下落した資本財・サービスも下落しました。情報技術は半導体株が下落したものの、ソフトウェア株は上昇して全体としては小幅下落でした。

今週の米国株式市場

好調な7-9月期決算の発表が進むにつれて、AI・半導体株の見直しが進むと考えられます。ただ、来週の11/3(火)には米国の中間選挙投票を控え、また、足もとでも中東情勢の不安定さが足かせとなっており、動きにくい相場となりそうです。

今週の株価材料として、7-9月期決算発表、FOMC、中東情勢が注目されます。

7-9月期決算発表は、アルファベット、マイクロソフト、アマゾン、インテル、サンディスクなどテクノロジー企業のほか、コカコーラ、ビザ、イーライリリィなどが予定されています。ハイパースケーラー各社のAI投資に対するコメントが注目されます。また、サンディスクの決算では、半導体メモリー市場の現状に関するコメントが注目されます。

S&P500指数採用企業のEPS(既発表企業の実績と未発表企業の予想を混合)は前年同期比29.5%増が予想されています(FactSet社集計、10/23(金)時点)。

10/28(水)にFOMCの結果発表があります。FedWatchでは、据え置きとなる確率が91%まで上昇しています。一方、12月FOMCでは、利上げの確率が72%と、年内1回利上げの予想が優勢となっています(日本時間10/26(月)午前9時)。

中東情勢では、イエメン「フーシ派」とイエメンの暫定政権およびサウジアラビアの間で攻撃の応酬が激化しています。また、米国とイスラエルは、中間選挙後のイラン攻撃計画を策定したと報じられ、紛争が収束する目途が立っていません。このような状況を反映して、原油のWTI先物価格は、再び100ドル台に乗せています。相場を抑える要因として注意が必要でしょう。

経済指標では、10/27(火)に米国の10月コンファレンスボード消費者信頼感(前月の81.9から80.9に悪化の予想)、9月新築住宅販売件数(前月比-4.8%の予想)、10/29(木)に9月個人消費支出物価指数(前年比+3.6%の予想、前月は同+3.4%)、米国の7-9月期実質GDP(前期比年率+3.2%の予想)などの発表が予定されています。

今週の5銘柄

今回は過去3週間に好決算を発表して、株価の反応も悪くなかったと考えられる銘柄から、ロッキード マーチン(LMT)、ユナイテッドヘルス グループ(UNH)、ブラックロック A(BLK)、スペース エクスプロレーション テクノ A(SPCX)、台湾セミコンダクター ADR(TSM)を選んでご紹介いたします。

AI・半導体銘柄については、ウエスタン デジタル(WDC)、コンフォート システムズUSA(FIX)など好決算を記録したものがありましたが、物色の流れの中で株価の反応が悪かったため、リスクが相対的に小さい台湾セミコンダクターを選ぶにとどめました。

防衛関連は取り上げたロッキードマーチンを含め、他の銘柄も揃って好決算、好反応でした。ユナイテッドヘルス、ブラックロックは、AI関連から遠い分野の企業として選びました。スペース エクスプロレーションは、AI関連ということで10/22(木)に売られましたが、AIに関連しないロケット打ち上げ、コネクティビティも好決算に寄与していたため、取り上げました。

図表3 今週の5銘柄の投資指標

注:予想PERは今期予想EPSに基づいて計算しています。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

今週の注目銘柄

取引 チャート 銘柄 株価
(10/23)
予想PER
(倍)
ポイント
買付チャートロッキード マーチン(LMT)604.18ドル41.6

【ミサイル売上が好調】

・米国の防衛大手です。航空(戦闘機)、ミサイル・火器管制、ロータリー・ミッションシステム(軍用ヘリなど)、宇宙(衛星など)の4部門があります。

・7-9月期決算は、売上が前年同期比11%増、EPSが同15%増と堅調で、通期のEPSガイダンスを引き上げました。4部門全てが増収増益となり、特にミサイル・火器管制の売上が前年同期比24%増となって全体をけん引しました。米国軍の武器・弾薬の在庫需要を背景に受注残高は2,920億ドルに達して過去最高を更新しています。

買付チャートユナイテッドヘルス グループ(UNH)418.09ドル17.9

【業績の改善傾向が確認された】

・医療保険最大手。医療保険を提供するユナイテッドヘルスと、医療情報サービスを提供するオプタムの2本柱。2024年、2025年と連続で営業減益となりましたが、2026年1-3月期に事業が安定化しつつあることが確認され、4-6月期、7-9月期と営業利益率の改善傾向が確認されました。

・7-9月期の売上は前年同期比0.4%減となっていますが、医療保険の加入者減少や収益性の低い事業からの撤退・整理などを進めているためです。EPSは前年同期比61%増加して、市場予想を14%上回りました。

買付チャートブラックロック A(BLK)1,118.25ドル17.2

【シクリカルな業績改善局面】

・世界最大の独立系資産運用会社です。ETFでは「iシェアーズ」シリーズを提供します。運用資産残高は、2026年9月末時点で15.5兆ドルです。運用手数料の低下圧力を受けて業績が伸び悩んでいましたが、2026年に入って業界環境はシクリカルな改善局面にあるとみられています。

・ベース手数料のオーガニック成長率は4-6月期の前年同期比8%増から7-9月期に同11%増へ加速した上、調整後営業利益率は47.8%と市場予想を1.6%ポイント上回りました。また、長期純資産流入額はETFを中心に1,748億ドルに達し、市場予想を10%上回って好調でした。

買付チャートスペース エクスプロレーション テクノ A(SPCX)147.49ドル41.5

【市場予想を大幅に上回る利益改善】

・スペース(ロケット打ち上げ)、コネクティビティ(衛星通信)、SI(AI)の3つの事業を手掛ける会社です。イーロン・マスク氏が創業した会社で、6/12(金)に公募価格135ドルでナスダック市場に上場しました。

・7-9月期決算は、売上が前年同期比2.6倍、調整後EPSが0.35ドルで前年同期の0.36ドルの赤字から黒字に転換、それぞれ市場予想を13%、2.4倍上回りました。営業利益は27.9億ドルとなり、前年同期の2.7億ドルの赤字、2026年4-6月期の1.4億ドルの赤字から急速に改善しました。営業利益は3部門とも改善していますが、特にコネクティビティ部門では企業・政府向けの売上拡大を受けた改善が目立ちます。

買付チャート台湾セミコンダクター ADR(TSM)418.51ドル18.7

【AI需要拡大の恩恵を受ける】

・台湾の半導体受託製造最大手です。微細化で先行して、エヌビディアやAMDなど最先端のAI半導体を提供する企業の多くが同社に製造を委託することから、AI需要拡大を相対的に低リスクで捉えることができる銘柄と考えられます。AI需要は非常に強いとして、通期の売上ガイダンスを前年比約44%増に引き上げました。

・7-9月期決算の売上は前年同期比51%増、EPSは同67%増、それぞれ市場予想を2%、4%上回りました。10-12月期の売上ガイダンスを523~543億ドルとして、市場予想を4~8%上回りました。

注:予想PERはBloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。使用した予想EPSの決算期は、いずれも2027年12月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成

主要イベントの予定

  経済指標・イベント 企業決算・イベント
26(月) ・シカゴ連銀全米活動指数(9月)
・米2年国債入札
ベライゾンコミュニケーションズ
27(火) ・米耐久財受注(9月)
・S&PコタリティCS住宅価格(8月)
・米コンファレンスボード消費者信頼感(10月)
・米新築住宅販売件数(9月)
・米5年国債入札
コカコーラ、ビザ、ソーファイテクノロジーズ
ボーイング、コーニング、ロビンフッドマーケッツ
28(水) ・FOMC政策金利 アルファベット、マイクロソフト、アンフェノール
GEベルノバ、フェデックス、SKハイニクス
29(木) ・米個人所得・個人支出(9月)
・個人消費支出物価指数(9月)
・米実質GDP(7-9月期、速報値)
・ユーロ圏主要政策金利
・米7年国債入札
アマゾン、インテル、アルトリアグループ、イーライリリィ
コインベースグローバル、ストラテジー、サンディスク
キャタピラー、メルク、サムスン電子
30(金) ・中国製造業・非製造業PMI(10月) アッヴィ、エクソンモービル、シェブロン、東京エレクトロン
11月
2(月)
・ISM製造業景気指数(10月)
・シカゴ連銀グールズビー総裁が討論に参加
アップル、パランティアテクノロジーズ
3(火) ・米中間選挙
・米求人労働異動調査(9月)
・米製造業受注(9月)
AMD、ファイザー、アリスタネットワークス
4(水) ・米ADP雇用統計(10月)
・米貿易統計(9月)
・米ISM非製造業景気指数(10月)
アームホールディングス、マクドナルド
ジョビーアビエーション、クラフトハインツ、クアルコム
5(木) ・チャレンジャー人員削減(10月)
・米新規失業保険申請件数(10月31日に終わる週)
・リッチモンド連銀バーキン総裁が討論に参加
イオンキュー、ルメンタムホールディングス
6(金) ・米雇用統計(10月)
・米ミシガン大学消費者信頼感(11月、速報値)
Dウェーブクオンタム(E)
ワーナーブラザーズディスカバリー(E)、モデルナ

注:日付は現地時間によります。(E)はBloombergによる予想を示します。企業決算の赤字でのハイライトは、当社顧客保有人数の1~30位、青字のハイライトは31~50位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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