vol.1 米株信用の魅力、現物取引との違いとは

マーケティング部 外国株式チーム

2022/10/31

vol.1 米株信用の魅力、現物取引との違いとは

はじめに

信用取引は現金や株式を証券会社に担保として預けることで、証券会社からお金を借りて株式を買ったり、株式を借りて売ったりすることができる取引です。2022/7の法改正により米国株式の信用取引の提供が可能となり、SBI証券でも同月より米国株式信用取引のサービスを開始しました。

米国株式の現物取引や国内株式の信用取引とのルールの違いなどから、「興味はあるけど、どのように活用すればいいのかわからない」「信用取引はリスクが高いのでは?」と思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本コラムでは米株信用の特長・メリットや注意点を数回にわたって解説していきたいと思います。
信用取引は、ルールを理解し、お客さまのリスク許容度の範囲内でお取引いただければ、決して怖いものではありません。米株信用をマスターし、米国株式投資の選択肢を広げましょう。

米株信用の3つの魅力

ここでは、米株信用を検討中の方に知ってほしい3つの魅力を解説します。

魅力①レバレッジ効果で資金の約2倍の取引ができる

信用取引は、担保を証券会社に預けることで、証券会社からお金や株式を借りて取引できる、レバレッジ取引です。米株信用では、担保として預けた米ドルの約2倍の資金や株式を借りて取引をすることができます。

現物取引では、例えば10,000ドルの株式の買付をする場合には10,000ドルの資金が必要ですが、信用取引では10,000ドルの資金があれば約20,000ドルの取引ができます(いずれも、手数料・諸費用等は考慮せず。以下同じ。)。
また、現物でA銘柄を10,000ドル買付すると、他に気になるB銘柄があっても追加で資金を準備するか、買付けたA銘柄を売却しないと、B銘柄を買付することができません。一方、信用取引の場合、A銘柄の買付を行っても残り10,000ドル分の取引ができるため、資金の追加やA銘柄の売却(決済)をしなくてもB銘柄を買付けることができ、投資効率がアップします。

レバレッジ効果で、今後、上昇が期待できると思っている銘柄があれば資金以上の株数を買付することもできますし、他銘柄の買付や相場急変時に資金を残しておくなど、資金の使い道の選択肢を増やすことができます。

魅力②売建(うりだて)で株価下落時にも利益が狙える

売建とは、証券会社から株券を借りて売却し、株価が安くなったところで株券を買い戻して証券会社に返済する取引です。通常、株式の現物取引では株価が安いところで買付し、株価が高くなったところで売却することで利益を得ることができますが、信用取引では売建ができるので株価下落局面でも利益を狙うことができます。

ベア型ETFなど株価下落時にも利益を狙える商品は増えていますが、個別銘柄で株価下落時に利益が狙える商品は少なく米株信用ならではの魅力です。

魅力③1日に何回も取引できデイトレにもおすすめ

現物取引の場合、同じ資金で同じ銘柄を取引できるのは1回転(買いと売りを1回ずつ行う)までというルールがあるため、例えばA銘柄を100株買付し100株売却した後、もう1度A銘柄を買付しようとした場合、売付代金以外の資金が必要となります。信用取引にはその制約がなく、何度でも同じ銘柄を買ったり売ったりすることができます。信用取引は、現物取引と異なり買付代金、売付代金を受け渡すのではなく、買付代金と売付代金の差額分を支払ったり、受け取ったりする差金決済取引のため回転売買が可能となります。

米国市場は日本と異なり、ストップ高ストップ安がなく、1日の値動きが大きくなることがあるため、回転売買で利益を狙うデイトレーダーの方は、資金効率が高まり取引の機会を増やすことができます。

現物取引とは違う!?信用ならではの注意点

米株信用の3つの魅力を解説いたしましたが、信用取引ならではの注意点もあります。

米株信用では、担保となる資金をもとに証券会社から資金や株券を借りて取引するため、借りた資金や株券のいわゆるレンタル料として「金利」や「貸株料」がかかります。また、信用取引で保有している株式(建玉(たてぎょく))が相場の変動によって評価損が発生してしまった場合、担保が目減りしてしまいます。担保が一定水準を下回った場合、追加で担保を差し入れる(追加証拠金)必要があります。

また、信用取引でも、現物取引と同様に権利付き日を跨いで株式を保有している場合、配当金(配当落ち調整金)を受け取ることができますが、売建玉を保有していて権利を跨いだ場合は、配当金相当額(配当落ち調整金)を支払うことになります。

これらの注意点は、3回目以降のコラムで解説していきます。次回は、国内株式の信用取引と比較しながら、米株信用のルールをもう少し詳しく解説します。

おまけ~なぜブルベアETFは信用取引できない?~

米国市場には指数型、ブルベア型、テーマ型などさまざまなETFが上場しています。SBI証券でも初心者の方から、頻繁に取引をされている方までETFの取引は増加しており、ETFの存在感は高まっています。SBI証券のETFの売買代金ランキングを見ると、ブルベア型のETFが数多く上位にランクインしています。

しかし、米株信用ではこれらのブルベア型のレバレッジETFは取引できません。
米株信用で取引できる銘柄の基準は、日本証券業協会が定める「銘柄選定等に係るガイドライン」で決められています。各社、このガイドラインをもとに米株信用の対象銘柄を決定していますが、ブルベア型ETFは対象外とガイドラインで決められているため、米株信用でブルベアETFを取引できません。

個別銘柄についても基準があり、基準を満たしているか定期的に確認することが求められています。SBI証券では毎月15日を基準に見直しを行い、基準を満たさなくなった銘柄の除外、基準を満たした銘柄の追加を行っています。

免責事項・注意事項

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【手数料等およびリスク情報について】

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米国株式信用取引は、株価や為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。
米国株式信用取引は、多額の利益が得られることもある反面、多額の損失が発生する可能性をも合わせもつ取引です。特に、米国市場には値幅制限(ストップ高・ストップ安)がないため、株価の極端な急騰や急落が発生する可能性があります。
米国株式信用取引にあたっては、売買代金の51%以上で、かつ30万円相当以上の額として当社が定める米ドル額の保証金を差し入れていただく必要があります(取引保証金の額の約2倍の取引が可能です)。
米国株式信用取引では株価の変動等により差し入れた保証金(元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
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