
マーケティング部 外国株式チーム
2022/11/24
vol.2 日米の信用取引の違いとは?
米株信用の基本ルール
2回目となる本コラムでは、米株信用を取引するにあたっておさえておきたい基本的なルールを国内株式信用取引と比較しながら解説します。
米株信用の取引ルールは国内株式の信用取引ルールを参考に、日本証券協会が設置し、各証券会社の担当者がメンバーとなるワーキング・グループでの議論やパブリックコメントなどを通じて意見等を集約し、決定されました。以下は、SBI証券の信用取引の比較です。
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信用区分 | 一般信用 | 制度信用・一般信用 |
対象銘柄 | 日本証券業協会のガイドラインに基づき 当社が選定した銘柄 |
東証プライム・スタンダード・グロース上場の 当社が定める銘柄 |
最低委託保証金 | 30万円相当の米ドル | 30万円 |
委託保証金率 | 51% | 31% |
最低委託保証金率 | 30% | 20% |
保証金 | 米ドル | 日本円 |
代用有価証券 | 米国株式 | 国内株式・投資信託 |
その他コスト | 金利・貸株料 | 金利・貸株料・管理費・ 名義書換料・逆日歩・HYPER料 |
米株信用、国内信用の大きな違いの一つはレバレッジです。国内信用では最低委託保証金30万円を差し入れると約3倍となる約100万円の取引ができますが、米株信用では30万円相当の米ドルを差し入れると約2倍となる60万円相当の米ドル分の取引ができるようになります。
米国株式には為替変動のリスクがあること、ストップ高・ストップ安がないためアップルやアマゾンなどの大型銘柄であっても決算発表などで大きく株価が変動することがあることなどから、米株信用は国内信用に比べレバレッジが低く抑えられています。
また、日本時間の夜間に取引が行われ、相場が急変してもすばやく対応できない可能性があるため、最低委託保証金率(追証判定ライン)も30%と高めに設定されていたり、代用有価証券(SBI証券では今後拡充予定)の掛目も低めに設定されるなど、国内信用のルールと比較するとリスクを抑えた設計になっています。
日米 信用取引活用のポイント
信用取引には国内、米国それぞれの信用取引口座の開設が必要ですが、保証金となる通貨や代用有価証券が異なるため、日中、国内信用を取引した方も、夜は米株信用を取引するなど資産を分けて取引することができます。

日中は、日本円や日本株を担保に国内信用!
夜は、米ドルを担保に米株信用!
国内株式をメインに取引しているお客さまが米国株式の投資をはじめる際、米国株式の株価がリアルタイムでないことや国内株式のような板情報がないことを心配される声をいただきます。
SBI証券では、だれでも無料でNasdaqのリアルタイム株価、板情報が閲覧できるので、相場の動きを逃さず確認できます。

おまけ~米株信用の金利は高い?~
米株信用の金利年4.5%は国内信用と比較し高いというお声をいただきます。国内信用の制度取引の金利は年2.8%のため、金利だけみると高く設定されています。
日本でも最近はインフレや値上げをニュースで耳にする機会が増えてきましたが、米国でも歴史的なインフレが続いています。そのため、FRB(米連邦準備理事会)はインフレ抑制に向け利上げを継続しており、政策金利であるFF金利は4%になりました(2022/11/15現在)。マイナス金利が続く日本とは状況が異なっています。
米株信用では、お客さまに米ドルを貸し出すため、証券会社は米ドルを銀行などから借りるなどし、あらかじめ準備しておく必要があります。米ドル準備する際の金利は、金利上昇とともに上昇傾向にあります。今後の米国の金利動向次第では、米株信用金利の見直しがあるかも!?今後もFRBの動向から目が離せません。
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【手数料等およびリスク情報について】
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お取引に伴う為替取引には、当社為替スプレッドがかかります。当社為替スプレッドについてはこちらをご確認ください。
米国株式信用取引は、株価や為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。
米国株式信用取引は、多額の利益が得られることもある反面、多額の損失が発生する可能性をも合わせもつ取引です。特に、米国市場には値幅制限(ストップ高・ストップ安)がないため、株価の極端な急騰や急落が発生する可能性があります。
米国株式信用取引にあたっては、売買代金の51%以上で、かつ30万円相当以上の額として当社が定める米ドル額の保証金を差し入れていただく必要があります(取引保証金の額の約2倍の取引が可能です)。
米国株式信用取引では株価の変動等により差し入れた保証金(元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
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