vol.4 注意が必要な維持率は?

マーケティング部 外国株式チーム

2023/2/3

vol.4 注意が必要な維持率は?

維持率とは?

現物取引は、買付代金分の資金が事前に必要ですが、米株信用では取引したい金額の約半分の金額の担保が必要です。
しかし、担保は、株価の変動により、日々増えたり減ったりと変動します。取引時は約半分あった担保が、株価の変動により半分以下になることもあります。今、どのくらいの担保があるのか、目安となるのが維持率(委託保証金率)です。

信用取引はリスクが高く、怖い取引というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。株価はコントロールできませんが、維持率を正しく理解すれば、大きな損失が出る前に決済したり、担保を増やしたりとリスクコントロールができるようになります。

それでは、維持率はどのように計算するのでしょうか。

米株信用の担保となる米ドル保証金や米国株式(代用有価証券)の評価額から、決済したときに支払う可能性がある評価損、決済により支払いもしくは受け取りが確定している受渡未到来の決済損益を加減したものが、お客さまの今の担保状況(=実質保証金)となります。
実質保証金を、建玉合計で割ったものが維持率です。

維持率が高ければ、建玉に対して担保が十分ある状況です。例えば、維持率100%の場合、建玉と実質保証金が同額のため、レバレッジがかかっていない状況です。維持率50%だと、レバレッジ2倍で、担保に対し目一杯取引している状況です。
維持率が低ければ、建玉に対して担保が少ない、つまり、リスクが高い状況となります。

維持率が変動する要因

ここでは維持率が変動する要因を解説します。
維持率は「代用有価証券の評価額」「建玉評価損」の変動により変化します。
代用有価証券の評価額の下落、建玉評価損の拡大が維持率悪化の原因となります。

以下の例で、維持率の変動をみてみましょう。
米ドル保証金10,000ドル
米株(代用有価証券) A銘柄100株(終値150ドル/代用掛目70%)
建玉 30,000ドル(評価損0ドル)

この場合の維持率は68%です。

代用有価証券の株価下落があった場合、建玉の評価損が増えた場合の維持率の変化は以下のようになります。

維持率の計算に使用する株価は、原則、その日の終値です。取引時間中に株価が急変した場合、維持率が大きく変動する可能性があります。
維持率が低下した場合は、
①米ドル保証金への振替、米国株式の代用有価証券への振替により実質保証金を増やす
②建玉の決済により、必要な担保を少なくする
などの早めの対応をとることが重要です。

注意が必要な維持率は?

維持率が高いほど、担保に余裕があります。維持率がどのくらいになると注意が必要でしょうか。
米株信用では、「50%」と「30%」がポイントになります。

①維持率・・・50%
新規建てする余力があるかのラインです(SBI証券では51%)。米株信用は、担保の約2倍の取引ができるので、維持率が50%を超えていると、余っている担保をもとに新規建ての取引ができます。維持率が50%を割れていると、担保割れの状態のため、新規建ての取引ができません。

②維持率・・・30%
追加保証金(追証)が発生するラインが30%です。維持率が50%を割れると新規建て取引ができなくなりますが、さらに維持率が下がり、30%を割れると建玉を維持するために、担保(保証金)を追加する必要がでてきます。これが、追加保証金(追証)です。追証(おいしょう)が発生した場合、維持率が30%を回復するまで担保を追加するか、もっている建玉を決済して必要な担保を減らすなど対応が必要です。追証に関しては次回のコラムでご説明します。

これら2つは、取引上、節目となる維持率ですが、お客さまのリスク許容度により、この維持率を割ったら対応をするという維持率をあらかじめ決めておくことをおすすめします。

おまけ~代用有価証券ついに開始~

2023/1/28(土)より、米国株式の代用有価証券サービスがついに開始しました。これにより、保有する米国株も担保として信用取引ができるようになりました。

米国株は、価格変動のリスクがあるため、評価額の70%の金額を担保(代用有価証券)として米株信用取引ができます。
もし、米国株の現物を10,000ドル保有していた場合、これを代用有価証券として差し入れることで原則として7,000ドルの担保となり、約13,000ドルの信用取引ができるようになります。
担保として差し入れた米国株は、担保のまま売却することも、引出可能額の範囲で引き出すこともでき、米株信用取引の資金効率が高まります。
代用有価証券サービス開始についてはこちら

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【米国株式信用取引に関するリスク】

・米国株式信用取引は、株価や為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。
・米国株式信用取引は、多額の利益が得られることもある反面、多額の損失が発生する可能性をも合わせもつ取引です。特に、米国市場には値幅制限(ストップ高・ストップ安)がないため、株価の極端な急騰や急落が発生する可能性があります。米国株式信用取引にあたっては、売買代金の51%以上で、かつ30万円相当以上の額として当社が定める米ドル額の保証金(有価証券により代用することが可能です)を差し入れていただく必要があります(取引保証金の額の約2倍の取引が可能です)。
・米国株式信用取引では株価の変動等により差し入れた保証金(元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。

【米国株式信用取引の「二階建て」に関するご注意】

・委託保証金として差し入れられている代用有価証券と同一銘柄の信用買建を行うことを「二階建て」と呼びます。当該銘柄の株価が下落しますと信用建玉の評価損と代用有価証券の評価額の減少が同時に発生し、急激に委託保証金率が低下します。また、このような状況下でお客さま自らの担保処分による売却や、場合によっては「追加保証金」の未入金によって強制決済による売却が行われるような事態になりますと、当該株式の価格下落に拍車をかけ、思わぬ損失を被ることも考えられますので、二階建てのお取引については十分ご注意ください。
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