WBC開幕直前! 優勝候補 日本 vs 米国 第1回大会からの株価指数では?

WBC開幕直前! 優勝候補 日本 vs 米国 第1回大会からの株価指数では?

投資情報部 川上雅人

2023/02/27

日本 vs 米国 WBC第1回大会・2006年からの株価指数では?

球春到来の季節になってきました。今年の春は野球ファンにとってはいつもとは違います。

まずは、待ちに待ったプロ野球の声出し応援が4年ぶりに復活します。高校野球・センバツ甲子園でも声出し応援が復活することが決まりました。そしてWBCの復活です。野球の国・地域別対抗戦、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が3月8日に開幕します。WBCは2017年以来6年ぶりの開催です。過去最強メンバーといえる日本代表・侍ジャパンの活躍に注目が集まります。

そこで今回は、WBCの優勝候補と予想されている第1回大会(2006年)と第2回大会(2009年)の優勝国である日本と前回・第4回大会(2017年)の優勝国である米国。2ヵ国について第1回大会・2006年からの株価指数を比較します。日本株式は東証株価指数(TOPIX)、米国株式はS&P500指数で確認します。

まず、これらの株価指数の2005年末から2022年末までの17年間の推移は図表1となります。17年間では米国株式は金融危機による2008年からの下落局面がありましたが、それを除くとほぼ右肩上がりの上昇となっています。一方、日本株式は2007年から2011年まで長期の低迷期があったことなどにより、17年間の上昇率は小幅にとどまっています。

17年間で米国株式は約3.1倍になっているのに対して、日本株式は15%の上昇にとどまっています。17年間では米国の圧勝です。

この17年間を1年毎(暦年毎)に見たものが図表2です。17年間の累計では圧勝の米国ですが、暦年毎では日本が勝った年が5回あります。2012年は日銀の金融緩和策を好感したこと、2013年はアベノミクスの後押しがありました。2015年は前年の消費税引き上げによる景況感悪化に対応した追加の金融緩和策を好感しました。2017年は上昇局面で僅差での勝利。2022年は米国株式の大幅下落に助けられて下落局面での勝利でした。

ちなみに、WBC開催の年は4回ありますが、日本も米国もその年の株価指数は揃って上昇しました。

2012年からで見ると日米の勝敗は拮抗しています。日本が5勝6敗です。拮抗している2011年末から2022年末までの11年間での株価推移を見たものが図表3です。この11年間で見ると日本株式の上昇率が米国株式の上昇率に近づいています。米国株式が205%の上昇に対して、日本株式は160%の上昇となっています。

この11年間では、2年連続して下落した年は日本も米国もありません。

2022年は日本と米国が揃って下落しましたが、2023年はWBCとともに株式でも復活が期待されます。

図表1 TOPIXとS&P500の推移① (2005年12月~2022年12月 月末値)

※QUICKのデータをもとにSBI証券作成

図表2 TOPIXとS&P500 暦年毎の騰落率など(2006年~2022年)

※QUICKデータをもとにSBI証券が作成

図表3 TOPIXとS&P500の推移② (2011年末~2022年末 月末値) 

※QUICKのデータをもとにSBI証券作成

日米の株式が組入れられたカテゴリー 5年の好成績ファンドは?

次に日本と米国の株式が一緒に組入れられているファンドの運用成績をチェックします。

日本と米国の株式が組み入れられているカテゴリーといえる国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)において、5年リターンでランキングしました(図表4)。

5年リターンでインデックスファンドで最も成績の良かったSBI・先進国株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(先進国株式))も参考として比較しました。組入銘柄の日米の構成比率も表示しました。

この5年間は、図表3にあるように日米の株式はともに最終的には右肩上がりではありましたが、最初の1年(2018年)は日米ともに下落、2020年はコロナショックによる下落と上昇、2022年は米国株式が大幅下落となるなど変動の大きい期間でした。

その中で健闘しているファンド(好成績ファンド)は注目に値すると考えます。5年リターンでトップ9(ベスト9)に入ったファンドとその特徴は図表4になります。

1位と2位のファンドと3位と4位のファンドは兄弟ファンドです。数ではヘルスケアファンドがトップです。ヘルスケア株は株価指数の下落局面で下落幅が小さかったことが要因と考えられます。ブランド企業に投資しているファンドがカテゴリートップですが、同ファンドは米国比率はそれほど高くはなく、欧州の比率が高くなっています。欧州のブランド企業の株価が堅調だったことが好調の要因として挙げられます。

他ではEV関連、ロボット関連のファンドが上位となりました。これらのファンドは中身を見ると半導体株の比率が高く、これらの株価が堅調であったことが要因と考えられます。なお、当社取り扱いではない半導体株を投資対象としたファンドがこの5年間では好調となっています。

国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)のカテゴリーのベスト9(5年リターン)は、ヘルスケアファンドを除くと意外にも米国比率が比較的低いファンドが多くなりました。

今後もこのカテゴリーは米国や日本以外の国への投資がポイントになると考えます。

株価指数の変動が大きかった5年間を乗り越えて、好成績となっているアクティブファンドに今後も注目です。

図表4 日米の株式ファンド 5年リターンのランキングと特徴

  ファンド名 特徴
(投資対象)
日本比率 米国比率 1年リターン 5年リターン
(年率)
1 iTrustプレミアム・ブランド ブランド企業 2.6% 41.7% 9.07% 13.16%
2 ピクテ・プレミアム・ブランド・ファンド(3ヵ月決算型) ブランド企業 2.6% 41.7% 8.95% 12.95%
3 ブラックロック・ヘルスサイエンス・ファンド(為替ヘッジなし) ヘルスケア 1.4% 75.7% 18.23% 12.36%
4 ブラックロック・ヘルスサイエンス・ファンド(為替ヘッジなし/年4回決算型) ヘルスケア 1.4% 75.7% 18.11% 12.24%
5 グローバルEV関連株ファンド(為替ヘッジなし)(愛称:EV革命) EV関連 9.4% 40.2% 8.77% 11.92%
6 グローバル好配当株オープン 好配当株 8.9% 30.2% 10.55% 11.89%
7 グローバル株式トップフォーカス クオリティ企業 2.2% 65.4% 4.16% 11.84%
8 JPM グローバル医療関連株式ファンド ヘルスケア 2.4% 80.7% 18.84% 11.81%
9 iTrustロボ ロボット関連 9.9% 59.1% -2.29% 11.55%
参考 SBI・先進国株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま(先進国株式)) インデックス 7.1% 63.7% 5.69% 9.27%


※5位のファンドは、一部の金融商品仲介業者経由の対面でお取引をされているお客さまのみご購入できるファンドとなっており、インターネットコースのお客さまは購入いただけませんのでご了承ください。
※ SBI証券取り扱いの「国際株式・日本を含む(F)」 カテゴリーを5年リターンでランキング(2023年1月末基準)
※ 日本と米国の比率は運用会社のマンスリーレポート(2023年1月末)より抜粋

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