つみたてNISA開始から5年 S&P500を上回った好成績米国株ファンドは?
投資情報部 川上雅人
2023/05/22
つみたてNISA開始から5年 S&P500を上回った好成績米国株ファンドは?
少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度「つみたてNISA」は、2018年1月の制度開始から5年4ヵ月が経過しました。
つみたてNISAがきっかけで人気を集めたファンドといえば、米国の株価指数であるS&P500に連動を目指すファンド(以下、S&P500ファンド)です。実はS&P500ファンドはつみたてNISAスタート時はあまり注目されていませんでした。
実際に2018年1月の制度開始時につみたてNISA適格となっていたS&P500ファンドは2本(iFree S&P500インデックス(運用会社:大和アセットマネジメント)、米国株式インデックス・ファンド(同:ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ))しかありませんでした。
国内公募株式投信(除くETF)で純資産総額最大のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)や純資産総額8,700億円超のSBI・V・S&P500インデックス・ファンド(愛称:SBI・V・S&P500)は、2018年1月には存在していませんでした。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が設定されたのは2018年7月3日であり、SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(愛称:SBI・V・S&P500)の設定日は2019年9月26日となります。
S&P500ファンドはコロナショック後の2020年3月以降、米国株の上昇と円安ドル高局面で好パフォーマンスとなったこともあって急速に残高を拡大させ、S&P500ファンドの残高は2023年5月17日現在、上位4ファンドで3兆円超となっています(図表1)。
上位4ファンドの2017年末から年次での純資産総額合計は図表2となります。S&P500ファンドは2020年末から急速に残高を拡大させていることが分かります。
今回はつみたてNISAの期間が多く含まれる直近5年リターンで、S&P500ファンドの運用成績を上回っている米国株ファンドを確認します。5年リターンで比較可能なS&P500ファンドは、iFree S&P500インデックスと米国株式インデックス・ファンドになりますが、わずかにiFree S&P500インデックスが好成績のため、比較対象ファンドはiFree S&P500インデックスとしています。
5年リターンでS&P500ファンドを上回った米国株ファンドの一覧が図表3になります。
図表1 残高上位のS&P500ファンド一覧
ファンド名 | 設定日 | 2023/5/17 純資産総額 (億円) |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 2018/7/3 | 20,155.83 |
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(愛称:SBI・V・S&P500) | 2019/9/26 | 8,731.82 |
iFree S&P500インデックス | 2017/8/31 | 931.25 |
米国株式インデックス・ファンド | 2017/9/29 | 570.88 |
4ファンド合計 | - | 30,389.78 |
※SBI証券ホームページより作成
図表2 残高上位のS&P500ファンド4本 純資産総額の推移
※QUICKデータをもとにSBI証券作成 (直近は2023年5月17日)
図表3 5年リターンでS&P500ファンドを上回った米国株ファンド
順位 | ファンド名 | 特徴 (投資対象) |
1年リターン | 3年リターン (年率) |
5年リターン (年率) |
1 | iFreeNEXT FANG+インデックス | NYSE FANG+指数(10銘柄) | 19.71% | 28.08% | 23.35% |
2 | 米国製造業株式ファンド(愛称:USルネサンス) | 米国の製造業に関連した株式 | 8.71% | 25.63% | 18.51% |
3 | アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Bコース(為替ヘッジなし) | 高成長の可能性が高い米国株式 | 5.82% | 18.60% | 16.51% |
4 | 三菱UFJ NASDAQオープン Bコース | 長期の成長が期待できるNASDAQ銘柄 | 0.57% | 18.84% | 16.27% |
5 | 米国インフラ関連株式ファンド<為替ヘッジなし>(愛称:グレート・アメリカ) | 米国の生活インフラ関連企業の株式 | 11.06% | 27.56% | 15.54% |
比較 | iFree S&P500インデックス | S&P500 | 4.19% | 22.28% | 15.20% |
※SBI証券取り扱い「国際株式・北米」カテゴリーの5年リターンランキング(2023年4月末基準)(同一マザーファンドに投資するファンドは上位1本のみを表示)
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
好成績米国株ファンドの特徴は?
米国株ファンドといえる「国際株式・北米」カテゴリー(SBI証券取り扱い)において、5年リターンでS&P500ファンドを上回ったファンドは、同一マザーファンドに投資するファンドを1本とカウントすると、わずか5ファンドでした。言い換えると、S&P500ファンドは米国株ファンドのカテゴリーでは相対的に優秀なファンドといえます。なお、NASDAQ100に連動を目指すファンドはまだ5年が経過していないため、図表3では表示されていませんが、仮にファンドが存在したとして円ベースの株価指数から5年リターンを計算すると1位のiFreeNEXT FANG+インデックスに次ぐ2位になっていたと予想されます。
1位のiFreeNEXT FANG+インデックスiFreeNEXT FANG+インデックスは、NYSE FANG+指数(円ベース)の動きに連動した投資成果を目指すファンドです。NYSE FANG+指数は、アップル、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ、アルファベット、ネットフリックス、エヌビディア、テスラ、マイクロソフト、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、スノーフレイクの10銘柄で構成されています(※)。1・3・5年リターンの全てでS&P500ファンドを上回っていますが、10銘柄集中投資のため値動きのブレ(リスク)は大きいファンドです。2022年12月に銘柄入替が行われ、米国上場の中国株であるアリババ、バイドゥが除外され、アドバンスト・マイクロ・デバイセズとスノーフレイクが新規に採用され、純粋な米国株ファンドになったことが注目点だと考えます。
2位の米国製造業株式ファンド(愛称:USルネサンス)は、米国の製造業に関連した株式に投資するファンドです。組入上位銘柄は電気計器・電子機械装置メーカーのアメテック、総合電子通信機器メーカーのモトローラ・ソリューションズ、専門器具メーカーのダナハーなどとなっています(※)。1・3・5年リターンの全てでS&P500ファンドを上回っています。
3位のアライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Bコース(為替ヘッジなし)は高い利益成長もしくは持続的な利益成長の可能性が高いと判断される米国株式に投資を行います。組入上位銘柄はマイクロソフト、ユナイテッドヘルス・グループ、VISAなどとなっています(※)。1年リターンではS&P500ファンドを上回っていますが、3年リターンでは劣後しています。
4位の三菱UFJ NASDAQオープン Bコースは、NASDAQ銘柄の中でも、新技術・開発力、ビジネスモデル等から成長が期待できる企業に投資するファンドです。組入上位銘柄はマイクロソフト、アップル、アルファベットなどとなっています(※)。1・3年リターンではS&P500ファンドに劣後しています。
5位の米国インフラ関連株式ファンド<為替ヘッジなし>(愛称:グレート・アメリカ)は、米国の生活インフラ関連企業の株式に投資を行うファンドです。組入上位銘柄は特殊工事請負会社のクアンタ・サービシーズ、インフラ建築設計のテトラ・テック、廃棄物管理サービスのウエイスト・マネジメントなどとなっています(※)。1・3・5年リターン全てでS&P500ファンドを上回っています。
これらの5ファンドのS&P500ファンドとのパフォーマンス比較が図表4になります。iFreeNEXT FANG+インデックスは、値動きのブレが大きいですが、長期のパフォーマンスが良好です。同ファンドは2022年以降では、S&P500ファンドとの値動きが異なることからS&P500ファンドとの分散投資効果が期待できる攻めのファンドといえます。
5位の米国インフラ関連株式ファンド<為替ヘッジなし>(愛称:グレート・アメリカ)は、米国の生活インフラ関連企業の株式が投資対象となっていますが、景気減速局面では安定した収益が期待できるインフラ運営関連企業の投資比率を引き上げ、景気拡大局面では利益成長が期待できるインフラ開発関連企業の投資比率を引き上げるという運用を行っています。株式市場の上下変動が大きかった直近1年で好パフォーマンスを上げており、下落局面で下値抵抗力を発揮した守りのファンドとして注目です。
(※)個別銘柄の取引を推奨するものではありません。各ファンドの組入上位銘柄の情報は2023年4月末基準(米国製造業株式ファンド(愛称:USルネサンス)のみ2023年3月末基準)
図表4 好成績米国株ファンドのパフォーマンス比較(2018年1月末~2023年5月17日 2018年1月末=100)
※QUICKデータをもとにSBI証券作成 (ファンド名は略称または愛称)
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
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