クレカ積立増額するなら? つみたて投資枠 S&P500・オルカンを上回る好成績ファンドは?

クレカ積立増額するなら? つみたて投資枠 S&P500・オルカンを上回る好成績ファンドは?

投資情報部 川上雅人

2024/04/08

クレカ積立増額で考えたい つみたて投資枠  S&P500・オルカンを上回る好成績ファンド

2024年3月8日に金融商品取引業等に関する内閣府令が改正されたことにより、クレジットカード決済による投信積立サービス(以下、クレカ積立)の上限額が月5万円から月10万円に引き上げられました。
SBI証券では現在、クレカ積立に利用できるクレジットカードはすべて10万円までの積立設定が可能となっています(詳細はこちら)。これにより、例えば新NISAのつみたて投資枠の月10万円を全てクレカ積立にするといった設定ができるようになりました。

そこで今回はクレカ積立増額で分散投資候補として検討したいS&P500インデックスファンド(以下、S&P500)とeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(以下、オルカン)をリターンで上回るつみたて投資枠の好成績ファンド(SBI証券取り扱い)をご紹介します。
S&P500とオルカンを比較するとS&P500の方が1年リターンは上位で、そのS&P500の1年リターンを上回るファンドは図表1の7本となっています。
これらのファンドとS&P500とオルカンについて、2018年12月末から2024年3月末までのパフォーマンスを比較したものが図表2となります。5年リターン(2024年3月末)とは若干計測期間が異なるため、順位が変動しましたが、iFreeNEXT FANG+インデックスiFreeNEXT NASDAQ100インデックスはS&P500との比較で大きく上昇しました。
グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(愛称:未来の世界)は世界の成長株に投資しており、S&P500とは値動きがやや異なるため分散投資効果が期待できます。一方で、フィデリティ・米国優良株・ファンドはS&P500に近い値動きとなっており、分散投資効果が小さいといえます。
日経平均高配当利回り株ファンド大和住銀DC国内株式ファンドiTrustインド株式はS&P500やオルカンとは値動きが異なり分散投資効果が期待できるファンドといえます。
値動きの振れ幅を示す標準偏差が高く、リスクの上乗せとなるもののS&P500を長期で大きく上回るファンドと、S&P500やオルカンとは値動きが異なり分散投資効果が期待できるファンドが、クレカ積立増額で分散投資を検討したいファンドと考えます。それぞれのファンドについてコメントします。

図表1 つみたて投資枠 S&P500・オルカンを上回る1年好成績ファンド

順位 ファンド名 特徴
(投資対象)
1年リターン 3年リターン
(年率)
5年リターン
(年率)
5年標準偏差
(年率)
1 iFreeNEXT FANG+インデックス 米国IT企業10銘柄で構成されるNYSE FANG+指数の動きに連動した投資成果をめざず 86.91% 28.14% 38.14% 28.30
2 iFreeNEXT NASDAQ100インデックス NASDAQ100インデックス 60.00% 24.87% 27.91% 20.54
3 グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(愛称:未来の世界) 個別企業の競争優位性、成長力の評価に基づき選定した質の高いと考えられる企業 58.75% 10.58% 18.45% 20.36
4 日経平均高配当利回り株ファンド 日経平均株価採用銘柄の中から予想配当利回りの上位30銘柄に投資 54.64% 30.90% 19.30% 17.64
5 大和住銀DC国内株式ファンド ファンダメンタル価値比割安性(バリュー)を重視し、収益性・成長性を勘案して日本の株式に投資 53.44% 22.09% 19.61% 14.32
6 iTrustインド株式 中長期的に成長が期待できるインド企業の株式 52.46% 19.13% 15.93% 20.87
7 フィデリティ・米国優良株・ファンド 米国株式の中から個別企業分析により、国際的な優良企業や将来の優良企業に投資 52.45% 23.54% 22.44% 17.46
参考 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) S&P500インデックスファンド 49.00% 23.55% 22.19% 17.19
参考 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 全世界株式(日本を含む)インデックスファンド 41.10% 18.87% 18.23% 16.38
  • ※SBI証券取り扱いの新NISA・つみたて投資枠で、参考表示している2つのインデックスファンドの1年リターンを上回るファンドを表示(2024年3月末基準)
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません

図表2 S&P500・オルカンを上回る1年好成績ファンドのパフォーマンス比較 (2018年12月~2024年3月 月末値 2018年12月=100)

  • ※QUICKデータをもとにSBI証券作成(ファンド名は一部略称)

S&P500・オルカンを上回る好成績ファンドの特徴は?

1年リターン1位のiFreeNEXT FANG+インデックスは米国IT企業10銘柄で構成されるNYSE FANG+指数(配当込み、円ベース)の動きに連動した投資成果をめざずファンドです。組入銘柄はエヌビディア、メタ・プラットフォームズ、ネットフリックス、ブロードコム、スノーフレイク、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト、アルファベット、アップル、テスラとなっています(※)。値動きの振れ幅が大きいため、個別株投資を経験している人向けのファンドといえます。
2位のiFreeNEXT NASDAQ100インデックスは、NASDAQ100指数(配当込み、円換算ベース)の動きに連動する投資成果をめざすファンドです。組入上位銘柄(個別銘柄)はマイクロソフト、アップル、エヌビディア、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズなどとなっています(※)。NASDAQ100インデックスファンドは他にもありますが、つみたて投資枠対象は運用期間が5年を経過しているこのファンドのみとなっています。
3位のグローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(愛称:未来の世界)は、投資アイデアの分析・評価や、個別企業の競争優位性、成長力の評価に基づき選定した質の高いと考えられる企業の中から、市場価格が理論価格より割安と判断される銘柄を厳選して投資を行うファンドです。米国の資産運用会社大手のモルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントが組入銘柄を選定しています。組入上位銘柄はウーバー・テクノロジー、サービスナウ、メタ・プラットフォームズ、メルカドリブレ(南米市場最大の電子取引サイトを運営)、アマゾン・ドット・コムなどとなっており、組入銘柄数は33銘柄です(※)。
4位の日経平均高配当利回り株ファンドは、日経平均株価採用銘柄の中から予想配当利回りの上位30銘柄に投資しており、上位30銘柄のウエイト調整などで高い運用実績を上げているファンドです。組入上位銘柄は三井住友フィナンシャルグループ、本田技研工業、みずほフィナンシャルグループ、神戸製鋼所、商船三井などとなっており、組入銘柄の予想配当利回り(平均)は3.7%となっています(※)。5年リターンで日経平均やTOPIXのインデックスファンドを上回る実績となっています。
5位の大和住銀DC国内株式ファンドは、ファンダメンタル価値比割安性(バリュー)を重視し、収益性・成長性を勘案して日本の株式に投資しているファンドです。組入上位銘柄は三菱UFJフィナンシャルグループ、トヨタ自動車、ソフトバンクグループ、日本電信電話、TDKなどとなっており、組入銘柄数は81銘柄です(※)。17年以上の運用実績があり、新NISAでは成長投資枠では買えずにつみたて投資枠のみで買えるファンドとなっており、5年リターンで日経平均やTOPIXのインデックスファンドを上回る実績となっています。
6位のiTrustインド株式は中長期的に成長が期待できるインド企業の株式に投資しているアクティブファンドです。つみたて投資枠で買える唯一のインド株式ファンドとなっています。

クレカ積立増額をきっかけに、これらのファンドを活用して、自前の積立オルカン(図表3参照)を設定してみてはいかがでしょうか。

(※)個別銘柄の取引を推奨するものではありません。組入銘柄の情報は2024年2月末基準。

図表3 自前の積立オルカンのイメージ

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