下落時こそ積立投資が効果的! 新NISAでの急落 落ち着いて考えよう
投資情報部 川上雅人
2024/08/08
下落時にこそ効果を発揮する積立投資
8月1日から8月5日にかけて、日本や米国の株式市場は連日の大幅安となり、為替市場では急速に円高ドル安が進みました。
3日間で東証株価指数(TOPIX)は▲20.3%、日経平均は▲19.5%、NASDAQ総合は▲8.0%、S&P500は▲6.1%、ドル円(TTM)は▲4.6%の下落となりました。
マーケット急変動の主な要因は、7月31日の日銀の追加利上げと今後の早期利上げに前向きな姿勢を示したことや、米国の景気減速懸念などによるものといえます。
保有しているファンドの評価損益を見て、新NISAで初めて投資を始めた方の中には、投資が怖くなり積立投資を止めようかと考えてしまったり、資産を売却したくなってしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここで知っておいていただきたいのが、積立投資は下落時にこそ効果を発揮する投資方法ということです。
株価下落時に積立投資を継続していれば、ファンドの基準価額が元に戻らくても評価益がプラスになることもあるため、下落時でも怖がらずに落ち着いて、積立投資を継続することが大切です。
実際にファンドの基準価額が下落したあとに元の基準価額まで戻るまで、①積立投資を続けた場合と、②下落時に慌てて積立投資をやめてしまった場合について考えてみましょう。どちらもAファンドに毎月10万円を投資した場合の損益比較が図表1となります。
これはあくまでも一例ではありますが、下落したあとに基準価額が積立投資スタート時まで戻っていくケースで、積立投資を続けた場合は、途中でやめた場合と比べて、早いタイミングで損益がプラスに転じているのが分かります。
また、基準価額が元に戻った時の損益についても、下落時にコツコツと積立投資をしている場合の方が大きくなることが分かります。
これは、毎月の積立投資を同じ金額で続けたことによって、下落時に多くの口数を購入できているからです。
図表1 ファンドの基準価額推移 / ①積立を続けた場合と ②積立をやめてしまった場合の損益比較
- ※ 計算された数値は、あくまでもシミュレーションであり、将来の市場環境の変動や運用成果等を示唆および保証するものではありません
積立投資は長期視点で考えよう 山もあれば谷もある
図表2では米国株式(S&P500)と日本株式(日経平均)の約20年間のパフォーマンス推移を示しました。S&P500は米ドルベースで、それぞれの株価指数は配当を考慮していません。2つの株価指数はこれまでもいくつかの下落局面はあったものの、長期的に株価は右肩上がりで推移しています。
図表1のようなケースは下落が短期的であったパターンとはいえますが、10年、20年といった長い期間でみれば、過去の大きな下落局面についても短期的だったと捉えることができます。
世界経済の成長に伴う企業業績の拡大などによって日米の株価指数は今後も長期的には上昇していくことが期待されます。こうした前提に立つと、株式投資においてはマーケットに居続けることが重要といえます。
そのため、積立投資を行っている方は、今回の下落によって含み損になってしまっていても、踏ん張って積立をやめないことが重要といえます。図表1のような下落局面における積立投資の特徴を味方につけるべきだと考えます。
新NISAでの積立投資はまだ始まったばかりです。山もあれば谷もあるということを受け入れながら長期の視点で、積立投資を続けていくことが肝要といえます。
図表2 約20年のS&P500と日経平均のパフォーマンス推移 (2004年7月~2024年8月* 月末値 2004年7月=100)
- ※QUCKデータをもとにSBI証券作成(2024年8月は5日迄のデータ)
- ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません
運用会社からのマーケットレポートもご参考に!
マーケットが大幅に変動した際は運用会社から臨時レポートが発行されています。
慌てて売買するのではなく、まずは落ち着いてマーケットで何が起きているのかを把握することが大切です。
【大和AM】
日本株の急落について 株価急落でバリュエーション面からの割安感強まる
【三井住友DS】
日経平均株価の歴史的な急落と急騰 ~一体何が起きており今後どうなるのか
米景気下振れ懸念とナスダックの調整局面入りについて
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