ビットコイン上昇の1年! NISAで買える 好成績関連ファンドは?

ビットコイン上昇の1年! NISAで買える 好成績関連ファンドは?

投資情報部 川上雅人

2024/12/16

ビットコイン上昇の1年! NISAで買える好成績関連ファンドは?

2024年は世界株式の中では米国株式が特に上昇した年となりそうですが、その米国株式を大きく上回る価格上昇となっているのがビットコインです。
ビットコインとは、インターネット上で取引や通貨発行が行われる分散型暗号資産の一種で、発行主体が存在しない世界初の分散型通貨で、政府や中央銀行等の中央機関を介さず、P2P(ピア・トゥー・ピア)ネットワーク上で取引が行われます。仲介手数料が安く、世界中どこでも誰とでも迅速に取引や決済を行うことができるとされています。ビットコインは暗号資産(仮想通貨)の中で、最も時価総額が大きく、取引量が多い通貨です。
年初に4万ドル台であったビットコインは、1月の米証券取引委員会(SEC)によるビットコインETFの承認などを受けて上昇しましたが、3月以降は調整局面に入りました。しかし、大統領候補のトランプ氏が暗号資産を支持する姿勢を明確化したこともあり、11月の米大統領選を前にビットコインは上昇基調となり、10月には円建てで1,000万円の大台を突破しました。 トランプ氏が大統領選で勝利したことに加えて、暗号資産推進派のポール・アトキンス氏が次期長官に指名されたこともあって、ビットコイン(米ドル建て)は12月5日に一時10万ドルという大台もつけました(図表1)。
こうしたことから、2024年のビットコイン価格は、12月10日時点で米ドル建てが128%の上昇、円建てが147%の上昇となっています。

ビットコインが上昇した直近1年間において、ビットコイン(暗号資産)関連銘柄の株式が組み入れられた投資信託(ファンド)が上昇しました。SBI証券取り扱いでNISA・成長投資枠で買えるビットコイン関連ファンドの一覧といえるのが図表2となります。

図表1 ビットコイン価格の推移 (米ドル建て/円建て) (2019年末~2024/12/10)

  • ※QUICKデータをもとにSBI証券作成 (2024年の上昇率は12/10まで)
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません

図表2 NISA・成長投資枠 ビットコイン関連ファンド 1年リターンランキング

順位 ファンド名 特徴
(投資対象)
1年
リターン
3年
リターン
(年率)
5年
リターン
(年率)
1年
標準偏差
1 グローバル・フィンテック株式ファンド(年2回決算型) 世界の株式の中から主にフィンテック関連企業に投資、年2回決算 66.62% 1.54% 14.32% 28.35
2 グローバル・フィンテック株式ファンド 世界の株式の中から主にフィンテック関連企業に投資、年1回決算 66.56% 1.64% 14.54% 28.33
3 インベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンド(愛称:世カエル) 日本を含む世界各国のブロックチェーン関連株式に投資するインデックスファンド 66.45% 6.09% 27.96% 41.77
4 eMAXIS Neo フィンテック 日本を含む世界各国のフィンテック関連企業の株式に投資するインデックスファンド 64.87% 13.02% 17.25% 27.55
5 たわらノーロード フォーカス フィンテック 国内外のフィンテック関連企業の株式に投資するインデックスファンド 63.80% 13.02% - 18.71
6 デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド(愛称:ゼロ・コンタクト) 今後の成長が期待されるゼロ・コンタクト・ビジネス(非接触型ビジネス)関連企業の株式に投資 50.69% -2.81% - 26.26
参考 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) S&P500インデックスファンド 36.65% 21.05% 22.79% 14.97
  • ※NISA・成長投資枠対象のSBI証券取り扱いファンド(ネット購入可)の1年リターンランキングからビットコイン(暗号資産)に関連する銘柄の株式が一部組入れられたファンド(為替ヘッジありは除く)を抜粋(2024年11月末基準)
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません

1年好成績ビットコイン関連ファンドの特徴は?

1位のグローバル・フィンテック株式ファンド(年2回決算型)は、世界の株式の中から主にフィンテック関連企業に投資するアクティブファンドで、米国のアーク社の調査力を活用しています。2位のグローバル・フィンテック株式ファンドは1位と同じマザーファンドに投資している年1回決算型です。組入上位銘柄は、暗号資産の取引を行うことができるオンライン証券会社のロビンフッド・マーケッツ、商取引プラットフォームなどを提供しているショッピファイ、暗号資産取引所を運営するコインベース・グローバル、総合的な決済ソリューション・プラットフォームを展開するブロック、南米のオンライン取引会社のメリカドリブレなどとなっており、組入銘柄数は40銘柄です(※)。
3位のインベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンド(愛称:世カエル)は、日本を含む世界各国のブロックチェーン関連株式に投資するファンドで、コインシェアーズ・ブロックチェーン・グローバル・エクイティ・インデックス(税引後配当込み、円換算ベース)の動きに連動する投資成果をめざしています。ブロックチェーンとはブロックと呼ばれる単位でデータを管理し、鎖(チェーン)のように連結して保管する金融取引履歴などで利用される技術のことで、ほとんどの暗号資産でブロックチェーン技術が使われています。組入上位銘柄は、ビットコインを保有し、エンタープライズ分析ソフトウェア開発メーカーであるマイクロストラテジー、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング、マネックスグループ、SBIホールディングス、ビットコインのマイニング企業のライオット・プラットフォームズなどとなっており、組入銘柄数は44銘柄です(※)。
4位のeMAXIS Neo フィンテックは、日本を含む世界各国のフィンテック関連企業の株式に投資し、S&P Kensho Democratized Banking Index(配当込み、円換算ベース)の値動きに連動する投資成果をめざして運用を行うファンドです。クラウド型のAI融資プラットフォームを運営するアップスタートホールディングス、投資家と資金の借り手を結びつけるオンライン・マーケットプレイスを手がけるレンディングクラブ、ビットコインマイニング事業などを展開しているビット・デジタル、中小金融機関向けデジタルバンキングソリューションを提供するQ2ホールディングス、リアルタイムのデジタル決済を促進するソフトウェア企業のACIワールドワイドなどとなっており、組入銘柄数は67銘柄です(※)。
5位のたわらノーロード フォーカス フィンテックは国内外のフィンテック関連企業の株式に投資し、Solactive Fintech Index(円換算ベース、配当込み、為替ヘッジなし)に連動する投資成果をめざしているファンドです。組入上位銘柄は、世界中の投資家にクロスマーケット、マルチプロダクト投資体験を提供する統合金融テクノロジープラットフォームの運用を展開するUPフィンテック・ホールディング、テンセント出身の李華CEOが立ち上げた香港拠点のオンライン証券会社であるフートゥー・ホールディングス、金融サービスプロバイダーのソーファイ・テクノロジーズ、信用技術サービスを提供する中国を拠点とする会社であるチーフ―・テクノロジー、レンディングクラブなどとなっており、組入銘柄数は48銘柄です(※)。
6位のデジタル・トランスフォーメーション株式ファンド(愛称:ゼロ・コンタクト)は、今後の成長が期待されるゼロ・コンタクト・ビジネス(非接触型ビジネス)関連企業の株式に投資しているアクティブファンドで、米国のアーク社の調査力を活用しています。組入上位銘柄は、情報分析ソフトウェアを開発するパランティア・テクノロジーズ、暗号資産など新たな金融商品を販売しているオンライン証券会社のロビンフッド・マーケッツ、ショッピファイ、家庭用ビデオストリーミング端末などを提供するロク、ゲーミングプラットフォームを展開するロブロックスなどとなっており、組入銘柄数は40銘柄です。

これらの1年好成績ビットコイン関連ファンドは、ビットコイン(暗号資産)関連株の組み入れは一部といえますが、直近1年ではS&P500インデックスを大きく上回る実績を上げました。一方で3年リターンで見ると総じて苦戦しています。これはビットコイン価格の低迷が一因といえます。さらに5年リータンで見るとまだ実績のないファンドもありますが、インベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンド(愛称:世カエル)は、5年でもS&P500インデックスファンドを大きく上回る実績です(図表3)。
ビットコイン関連ファンドは、ビットコイン価格などに連動して値動きが大きいという特性があるため、ファンドの値動きの振れ幅を示す標準偏差が大きいことに留意する必要がありますが、ビットコインなどの暗号資産の将来性に期待するなら投資対象としての魅力があるといえます。
日本においては、ビットコインへの投資は投資信託(ETFを含む)ではできないため、これらの好成績ビットコイン関連ファンドを代替として分散投資するのも一考に値するのではないでしょうか。

(※)個別銘柄の取引を推奨するものではありません。組入銘柄の情報は10月末基準。

図表3 1年好成績ビットコイン関連ファンド 約5年のパフォーマンス比較 (2019年末~2024/12/10 2019年末=100)

  • ※QUICKデータをもとにSBI証券作成(ファンド名は愛称または略称)
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません

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