読売333 vs 日経225 日本株インデックスファンドは何を選ぶ?

投資情報部 川上雅人
2025/03/31
読売株価指数(読売333)が公表開始 日経225やTOPIXとの違いは?
3月18日の米メジャーリーグ日本開幕に続いて、28日には日本のプロ野球が開幕となりました。いよいよ本格的に球春到来です。
そのような中で24日、読売新聞社は読売株価指数(読売333)の公表を開始しました。読売333は国内株式市場に上場する銘柄から時価総額や流動性を考慮して選定された333銘柄からなる等ウェート型の株価指数です。
読売333は、なぜ333銘柄にしたのか? 333銘柄への均等投資の場合は、1銘柄の組入比率が0.3%になります。そして、読売といえばプロ野球球団の読売ジャイアンツ(法人名は株式会社読売巨人軍)。読売ジャイアンツといえばミスタージャイアンツと呼ばれた終身名誉監督である長島茂雄氏の背番号3にちなんで、333銘柄になったのではないかと想像します。
読売333の比較対象となるのが、国内株式の代表的な指数といえる日経平均株価(日経225)と東証株価指数(TOPIX)です。それぞれの株価指数のポイントをまとめたものが図表1となります。3つの株価指数は、国内株式市場全体を捉える指数ではあるものの、算出方法が等ウェート、株価平均型、時価総額加重型とそれぞれ異なるため、値動きの特徴が異なる指数といえます。
この3つの株価指数(配当込み)をデータ取得可能な23年間でパフォーマンスを比較したものが図表2となります。2019年頃までは読売333が首位となっていましたが、23年間では日経225が首位となり、読売333、TOPIXの順となりました。直近5年間では逆にTOPIXが首位となりました。
日経と読売は共に新聞社であるため、お互い株価指数のパフォーマンスを競い合うのではないかと思われます。日経225については過去何度も採用銘柄の入替が行われましたが、読売333においても今後は効果的な定期銘柄入替(年1回で11月最終金曜日の引け後)が行われることなどで、好パフォーマンスの株価指数となることが期待されます。読売333の構成銘柄一覧およびルールブックはこちら(外部サイトに遷移します)をご参照ください。
読売333と日経225は、日本を代表する上場企業が組み入れられているといえます。読売333と日経225の違いについて、プロ野球球団の親会社(持株会社含む)または関係会社(本拠地球場の運営会社など)の採用がどうなっているのかを確認してみました(図表3)。上場会社がない中日とロッテを除く10球団では、読売333採用が9球団、日経225採用が7球団となりました。巨人、広島、ソフトバンク、日本ハム、楽天、オリックスの6球団は両方の株価指数に採用されていました。採用銘柄数は読売333の方が多いため、日経225に採用されていなくても読売333に採用されたパターンとして阪神とヤクルトと西武の3球団がこれに当てはまりました。日経225に採用されているのに読売333に採用されなかったのが、2024年のポストシーズンで日本一となったDeNAの1球団となりました。
こうした点もプロ野球ファンが今後の日本株インデックスファンドを選ぶ上で、1つの基準になるのかも知れません。
図表1 国内株価指数(読売333/日経225/TOPIX)の比較表

- ※読売新聞東京本社および野村フィデューシャリー・リサーチ&コンサルティング、日本経済新聞社、日本取引所グループの資料・データをもとにSBI証券
- ※TOPIXの構成銘柄数は2025年2月末時点
図表2 日本株インデックスの長期パフォーマンス比較 (2002年2月~2025年2月 月末値 2002年2月=100)

- ※読売新聞東京本社および野村フィデューシャリー・リサーチ&コンサルティング、BloombergデータをもとにSBI証券作成
- ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません
図表3 プロ野球球団の親会社または関連会社の株価指数採用状況

- ※読売新聞東京本社、日本経済新聞社、各種資料をもとにSBI証券作成(2025年3月24日時点)
- ※2024年の公式戦順位でセントラル・リーグ、パシフィック・リーグの順に表示
- ※巨人と中日の親会社はそれぞれ読売新聞社と中日新聞社であるが、ともに非上場のため、巨人は本拠地・東京ドームの親会社である三井不動産に、中日は上場会社はなしと判定
読売333など 日本株インデックスファンドの活用方法は?
読売333の公表開始に伴い、読売333への連動を目指す投資信託 eMAXIS Slim国内株式(読売333)が3月26日に設定されました。3月27日には読売333への連動を目指す上場投資信託(ETF) MAXIS読売333日本株上場投信(348A)が上場しました。
金額指定での購入や積立投資などを活用したい方は投資信託を、マーケットを見て買いたいという方はETFが選択肢となります。それぞれNISA・成長投資枠での購入が可能です。詳細については特集ページをご参照ください。
読売333、日経225、TOPIXのそれぞれのファンドの選び方としては、株式市場が中小型株も含めて幅広い銘柄が上昇していくマーケットが想定される場合は、読売333が選択肢になると考えます。
日経225はファーストリテイリング、東京エレクトロン、アドバンテスト、ソフトバンクグループの4銘柄が26%を占める指数(3月24日時点)となっています(※)。大型成長株が中心となって上昇していくマーケットが予想される場合は、日経225が優位となる可能性があります。
TOPIXについては、時価総額加重平均型のため、時価総額の大きいトヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャルグループ、ソニーグループ、日立製作所、リクルートホールディングス、三井住友フィナンシャルグループが構成比で上位となっています(1月末時点)(※)。TOPIXは割安株のウエイトが高いため、割安株が相対的に優位となる足元のようなマーケットが続くと考えるなら有望な指数といえます。
図表4では、日本株インデックスファンドのパフォーマンスを比較しました。日本株インデックスファンドも様々あります。5年リターンでは日経225よりもTOPIXが優位となり、さらにTOPIXを上回るファンドとして連続増配に着目したファンドやESG評価に着目したファンド、資本効率に着目したファンドがありました。
2025年は円高進行や米ハイテク株の調整もあって米国株インデックスファンドよりも日本株インデックスファンドが相対的に優位となっています。
それぞれのファンドの特徴をおさえた上で、円資産への分散投資としてこれらのファンドを活用してみてはいかがでしょうか。
(※)個別銘柄の取引を推奨するものではありません。
図表4 日本株インデックスファンドのパフォーマンス比較
順位 | ファンド名 | 特徴 (投資対象) |
1年 リターン |
3年 リターン (年率) |
5年 リターン (年率) |
5年 標準偏差 |
5年 シャープ レシオ |
1 | SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン | 連続増配に着目したS&P/JPX配当貴族指数への連動を目指す | 10.11% | 20.29% | 17.53% | 12.32 | 1.42 |
2 | Smart-i 国内株式ESGインデックス | ESG評価に着目したMSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数への連動を目指す | 5.32% | 15.66% | 15.17% | 13.06 | 1.16 |
3 | <購入・換金手数料なし>ニッセイJPX日経400インデックスファンド | 資本効率に着目したJPX日経インデックス400への連動を目指す | 2.61% | 15.40% | 14.84% | 13.23 | 1.12 |
4 | 東京海上セレクション・日本株TOPIX | TOPIXインデックスファンド | 2.52% | 15.19% | 14.75% | 12.68 | 1.16 |
5 | iFree 日経225インデックス | 日経225インデックスファンド | -3.74% | 13.93% | 13.91% | 16.26 | 0.85 |
- ※NISA・成長投資枠対象(SBI証券取り扱い)の国内株式カテゴリーのインデックスファンドを5年リターン順に表示(2025年2月末基準)
- ※同じ投資対象となっているファンドは5年リターントップのファンドのみを表示
- ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません
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