イラン情勢緊迫化で市場が不安定化した2026年3月 逆行高となったファンドは?

イラン情勢緊迫化で市場が不安定化した2026年3月 逆行高となったファンドは?

投資情報部 川上雅人

2026/04/06

イラン情勢緊迫化で市場が不安定化した2026年3月 逆行高となったファンドは?

2026年3月は、イラン情勢の緊迫化を背景に原油価格が大幅に上昇し、これを受けて世界的にリスク回避姿勢が強まりました。その結果、グローバル市場では株式を中心に急速な調整が進み、主要国の株価指数は大幅に下落となりました。

こうした市場環境の変化により、3月は多くの投資信託(ファンド)で基準価額が大幅に下落する展開となりました。図表1では、SBI証券における主要な販売金額上位ファンドについて、2025年初からのパフォーマンスと3月の月間下落率を比較しました。

3月の動向を見ると、代表的な国内外株式インデックスファンドに加え、株式とは相関が低く、相対的に安定資産とされてきた金(ゴールド)ファンドについても下落が目立ち、幅広い資産クラスで調整が生じていることが確認できます。

こうした環境下で、SBI証券のファンド検索から騰落率(前月比)のデータに着目して、3月に逆行高となったファンドで、1ヵ月リターン上位に該当するファンドを取り上げたものが、図表2となります。

3月は金ファンドや国内外の株式インデックスファンドが大幅下落となる中で、原油価格に連動するファンド、商品(コモディティ)ファンド、エネルギー関連株(関連資産)ファンドが上昇しました。これらのファンドの特徴と活用方法についてコメントします。

図表1 主要な販売金額上位ファンドのパフォーマンス(2025年末~2026/3/31 2025年末=100) と 2026年3月の下落率

  • ※QUICKデータをもとにSBI証券作成
  • ※金ファンドはSBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)、TOPIX・日経平均・オルカン・S&P500はeMAXIS Slimシリーズ、FANG+はiFreeNEXT FANG+インデックス
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません

図表2 2026年3月 1ヵ月好成績ファンド一覧

順位 ファンド名 特徴
(投資対象)
1ヵ月
リターン
1年
リターン
3年
リターン
(年率)
5年
リターン
(年率)
5年
標準偏差
(年率)
NISA
対象
1 UBS 原油先物ファンド ETFに投資し、世界の代表的商品市況を表すUBS CMCI指数のWTI原油指数(円換算)への連動を目指す 33.79% 4.17% 8.64% 20.30% 24.12 対象外
2 iシェアーズ コモディティインデックス・ファンド コモディティ市場を代表する指数であるS&P GSCIトータルリターン指数(円換算)に連動する運用成果を目指す 30.09% 18.73% 12.74% 20.30% 20.60 対象外
3 ダイワ/“RICI”コモディティ・ファンド 世界のコモディティ指数であるロジャーズ国際コモディティ指数(RICI)の動き(円換算)に連動する投資成果を目指す 21.49% 15.70% 10.48% 17.82% 17.66 対象外
4 DWS コモディティ戦略ファンド(年1回決算型)Bコース(為替ヘッジなし) 世界のコモディティ市場へ投資するアクティブファンド、為替ヘッジなし 19.45% 24.14% 12.74% 17.17% 17.26 対象外
5 DWS コモディティ戦略ファンド(年1回決算型)Aコース(為替ヘッジあり) 世界のコモディティ市場へ投資するアクティブファンド、為替ヘッジあり 17.06% 13.73% 2.63% 4.58% 15.73 対象外
6 世界シェールガス株ファンド 世界の「シェールガス」の探査、開発、生産及びその関連業務を行なう企業の発行する株式に投資 15.72% 23.86% 13.76% 22.77% 21.91 成長投資枠
7 eMAXISプラス コモディティインデックス コモディティを実質的な投資対象資産とするETFに投資、ブルームバーグ商品指数(円換算)に概ね連動する投資成果を目指す 15.23% 23.64% 12.96% 17.63% 16.40 対象外
8 シェール関連株オープン 米国、カナダ、メキシコのシェール関連企業の株式(DR(預託証券)を含む)に投資 10.76% 26.08% 15.95% 26.21% 22.73 成長投資枠
9 米国エネルギー革命関連ファンド(年1回決算型)為替ヘッジなし(愛称:エネルギ―レボリューション) 米国上場のエネルギー関連事業等に投資するMLPを主要投資対象とする投資信託証券等に投資 9.05% 47.77% 40.49% 42.90% 19.99 対象外
  • ※ウエルスアドバイザー等のデータをもとにSBI証券作成(1ヵ月リターンのみ2026年3月末基準、それ以外のデータは2026年2月末基準)
  • ※ブルベア除くSBI証券取り扱いファンドを1ヵ月リターン順に表示
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません

1ヵ月好成績ファンドの特徴と活用方法は?

1位のUBS 原油先物ファンドは、ETFに投資し、世界の代表的商品市況を表すUBS CMCI指数のWTI原油指数(円換算)への連動を目指すファンドです。3月の原油価格の急騰により1ヵ月リターンは際立っています。一方で、2月末までの1年・3年リターンは相対的に低迷しています。

2位のiシェアーズ コモディティインデックス・ファンドはコモディティ市場を代表する指数であるS&P GSCIトータルリターン指数(円換算)に連動する運用成果を目指すファンドです。資産構成比率はエネルギーが47.6%、農作物が14.5%、産業金属が13.9%、貴金属が12.8%、畜産物が11.3%となっています(※)。エネルギーの比率が高い分散型のコモディティ・インデックスファンドといえます。

3位のダイワ/“RICI”コモディティ・ファンドは、世界のコモディティ指数であるロジャーズ国際コモディティ指数(RICI)の動き(円換算)に連動する投資成果を目指すファンドです。資産構成比率はエネルギーが40.0%(うち原油が28.0%)、穀物が20.0%、産業金属が14.0%、貴金属が11.1%、ソフト(綿花、コーヒー等)が10.0%、家畜が3.0%、その他(ゴム等)が1.9%となっています(※)。エネルギーの比率がやや高く、分散投資されたコモディティ・インデックスファンドといえます。

4位のDWS コモディティ戦略ファンド(年1回決算型)Bコース(為替ヘッジなし)と5位のDWS コモディティ戦略ファンド(年1回決算型)Aコース(為替ヘッジあり)は、世界のコモディティ市場へ投資するアクティブファンドとなっており、為替ヘッジあり/なしが選択できます。資産構成比率はエネルギーが42.2%、農作物が28.3%、貴金属が26.8%、産業金属が18.1%、畜産物が5.5%となっています(※)。参考としているブルームバーグ商品指数の比較では、エネルギーと貴金属をオーバーウエイトとし、実質的な投資比率は120.9%となっているのが特徴です。5年間では円安ドル高局面で為替ヘッジコストが高水準だったことから為替ヘッジありのパフォーマンス劣後が目立ちます。

6位の世界シェールガス株ファンドは、世界の「シェールガス」の探査、開発、生産及びその関連業務を行なう企業の発行する株式に投資しています。組入上位銘柄は世界的な総合エネルギー企業であるエクソンモービルとシェブロン、カナダに本社を置くエネルギー企業のサンコア・エナジー、カナダに本社を置くエネルギー輸送企業のエンブリッジとペンピナ・パイプラインなどとなっており、組入銘柄数は25銘柄です。

7位のeMAXISプラス コモディティインデックスは、コモディティを実質的な投資対象資産とするETFに投資し、ブルームバーグ商品指数(円換算)に概ね連動する投資成果を目指すファンドです。資産構成比率はエネルギーが31.2%(うち原油が16.4%)、農業が28.1%、貴金属が20.2%、工業用金属が15.0%、家畜が5.5%となっています(※)。

8位のシェール関連株オープンは、米国、カナダ、メキシコのシェール関連企業の株式(DR(預託証券)を含む)に投資しています。組入上位銘柄はエクソンモービル、米国のエネルギー・インフラ会社のウィリアムズ・カンパニーズ、米国の独立系石油精製事業者のバレロ・エナジー、米国の下流部門のエネルギー会社であるマラソン・ペトロリアム、米国のパイプライン輸送・エネルギー貯蔵会社のキンダー・モルガンなどとなっており、組入銘柄数は51銘柄です。

9位の米国エネルギー革命関連ファンド(年1回決算型)為替ヘッジなし(愛称:エネルギーレボリューション)は、米国上場のエネルギー関連事業等に投資するMLPを主要投資対象とする投資信託証券等に投資するファンドです。MLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)は、米国における共同投資事業の形態の一つで、主にエネルギー関連事業を収益源とする共同投資事業形態で、安定した収益を生む資産を運営し、その一部を投資家に高い配当として還元しているのが特徴です。このファンドは主にパイプラインのMLPに投資しており、組入銘柄数は15銘柄です(※)。MLPを投資対象としているファンドは複数ありますが、このファンドは1年・3年・5年リターンでバランス良く高いリターンを獲得している優秀なファンドといえます。

各ファンドの特徴と活用方法を整理します。

① 原油価格連動型ファンド(1位)

原油価格に直接連動するため、地政学リスクが高まる局面では高いパフォーマンスを発揮します。しかし、地政学リスクが緩和される局面では、原油価格が調整し、パフォーマンスが悪化する可能性があります。そのため、このファンドはあくまでもイベントリスクを意識した短期的なリスクヘッジ用途に適しており、市場環境を的確に判断できる投資経験者(プロ向け)のファンドとなります。

② 分散型コモディティファンド(2位、3位、4位、5位、7位)

原油などのエネルギーに偏らずに貴金属や農作物など様々な商品に分散投資されているため、特定の資源価格の変動に依存しにくく、インフレ全体への耐性を持つファンドになります。コモディティの代表的なファンドは金(ゴールド)ファンドになりますが、これらの分散型コモディティファンドは、金ファンドの次のステップとしてコモディティ全体に分散投資したい投資家向けの選択肢といえます。なお、金以外のコモディティファンドの多くは、先物取引などのデリバティブを用いた運用を行っており、ヘッジ目的を超えたデリバティブ活用が含まれるためNISA・成長投資枠の対象外となっている点には注意が必要です。

③ エネルギー関連株(関連資産)ファンド(6位、8位、9位)

資源価格高騰などによるインフレヘッジや相対的に高い配当収入の獲得を同時に狙える点が特徴であり、分散投資の一部として中長期保有を前提に組み入れる戦略が考えられます。特に6位、8位のファンドは、NISA・成長投資枠の対象であるため、NISA内でインフレ耐性を高めたい投資家にとって有効な選択肢といえます。

それぞれのファンドの特徴と活用方法を正しく理解した上で、ご自身の投資目的・時間軸を踏まえ、一歩先を行く分散投資に挑戦してみてはいかがでしょうか。

(※)ポートフォリオの情報は2026年2月末基準。個別銘柄の取引を推奨するものではありません。

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