オルカンの資金流入3兆円超 2026年の人気ファンドTOP10とその成績を検証

オルカンの資金流入3兆円超 2026年の人気ファンドTOP10とその成績を検証

投資情報部 川上雅人

2026/10/13

皆さま、2026年のマーケットはどのように感じているでしょうか。世界の株式市場は乱高下の場面もありましたが、半導体株が相場をけん引し、国内株式や新興国株式も健闘した約9ヵ月間でした。今回は、代表的なインデックスファンドの値動きを振り返ったあと、2026年に多くの資金が流入した人気ファンド(運用期間3年以上)TOP10を、リターンとリスクの両面から紹介します。

2026年のマーケットを振り返る

下記(図表1)のチャートは、代表的なインデックスファンドの年初来パフォーマンス(2025年12月30日=100、2026年10月6日まで)です。

図表1 主なインデックスファンドの2026年のパフォーマンス比較 (2025年12月30日=100、10月6日まで)

  • ※QUICKのデータ(ファンドは課税前分配金再投資換算基準価額)をもとにSBI証券作成
  • ※ファンド名は略称で、日経半導体株がeMAXIS、SOX指数とNASDAQ100がニッセイ、日経平均・新興国株式・TOPIX・オルカン・S&P500がeMAXIS Slim、FANG+がiFreeNEXT、ゴールド(金)がiシェアーズ
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません
  • 2026年のマーケットは、年初から3月頃にかけて低迷する局面がありました。FANG+は年初から大きく下落し、NASDAQ100、S&P500、オルカンも3月末にかけて下落しました。3月末には、FANG+が85前後、NASDAQ100が92前後、S&P500が94前後、オルカンが96前後でした。その後は反発し、10月6日時点では、ゴールドを除くファンドが年初(100)を上回っています。流れを振り返ると、次のとおりです。

    3月:イラン情勢の緊迫化を受けて、世界的に株式が調整しました。
    4月以降:調整から反発に転じ、AI関連の半導体株が急上昇しました。
    6月下旬:日経半導体株が高値をつけ、一時270を超える水準まで上昇しました。
    その後:急上昇の反動で調整する場面がありましたが、9月中旬以降は再び上昇しています。

    年初来のパフォーマンスは、次の通りでした(10月6日時点)。 半導体株が突出:日経半導体株は206.4と年初の約2倍、SOX指数は184.2でした。 国内株式・新興国株式も健闘:半導体関連株の比率が高い日経平均は142.4、新興国株式は127.1、TOPIXは125.2でした。 オルカン・S&P500は半導体株や国内株式と比べると上昇率が小さい:オルカンは114.9、S&P500は114.4でした。ゴールドは95.9と、年初を下回っています。

    半導体株の値動きの大きさが目立つ一方、オルカンやS&P500は、比較的穏やかな値動きでした。 また、8月以降は円高ドル安および円高ユーロ安が進んだため、外国株式ファンドをお持ちの方は、評価額が伸び悩んだと感じた方もいるかもしれません。

オルカンの資金流入額は3兆円超、2026年の資金流入ランキングTOP10は?

このような状況下で、投資家はどのファンドを選んだのでしょうか。運用期間3年以上の公募投信(ETFを除く)を対象に、2026年(1~9月)の資金流入額(設定額-解約額)を図表2でランキングにしました。

図表2 2026年の資金流入ランキングTOP10 (運用期間3年以上)

順位 ファンド名 1~9月累計
資金流入額
(億円)
年初来
リターン
3年
リターン
(年率)
3年
標準偏差
(年率)
3年
シャープ
レシオ
NISA
1 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(愛称:オルカン) 34,670 13.27% 24.02% 14.35% 1.65 つみたて+成長
2 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 17,289 12.43% 24.67% 16.12% 1.51 つみたて+成長
3 インベスコ世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)(愛称:世界のベスト) 13,985 7.51% 19.33% 14.38% 1.32 対象外
4 フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンド Dコース(毎月決算・予想分配金提示型・為替ヘッジなし) 6,741 13.59% 31.79% 24.83% 1.27 対象外
5 WCM 世界成長株厳選ファンド(予想分配金提示型)(愛称:ネクスト・ジェネレーション) 4,656 8.77% 42.03% 22.08% 1.89 対象外
6 eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) 2,595 22.92% 23.63% 13.27% 1.76 つみたて+成長
7 ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし) 2,365 -3.88% 31.42% 22.32% 1.40 成長
8 ノムラ・ジャパン・オープン 2,126 34.31% 33.66% 20.30% 1.65 成長
9 iFreeNEXT FANG+インデックス 2,116 19.87% 39.26% 26.90% 1.45 つみたて+成長
10 eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) 1,854 34.44% 30.03% 21.76% 1.37 つみたて+成長
  • ※ウエルスアドバイザーのデータをもとにSBI証券作成(2026年9月末基準)
  • ※NISA項目のつみたてはつみたて投資枠対象、成長は成長投資枠対象
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません
  • 1位はオルカン(3兆4,670億円)、2位はS&P500(1兆7,289億円)で、この2本に資金が集中しました。3~5位には毎月決算型のアクティブファンドが入り、7位のゴールド、9位のFANG+など、テーマ型の人気も目立ちます。また、国内株式ファンドが3本ランクインしたことも特徴です。6位のTOPIX、8位のノムラ・ジャパン・オープン、10位の日経平均の3本です。

    オルカンと同じ「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に連動する新ファンドも、SBIアセットマネジメントから11月17日に設定されます。2本とも超低コストで、こどもNISA専用のファンドは信託報酬ゼロ、SBIオールカントリーは業界最低水準*の信託報酬です。

    ・SBI・ゼロ・オールカントリー・インデックス・ファンド(愛称:ゼロカン)
    ⇒2027年1月開始予定のこどもNISA専用で、信託報酬は0.00%。成人後は、こどもNISAの残高が通常のNISAに引き継がれ、信託報酬0.00%のまま保有できます。
    ・SBI・オールカントリー・インデックス・ファンド(愛称:SBIオールカントリー)
    ⇒ゼロカンと同じマザーファンドに投資し、NISA口座・課税口座などで購入できます。信託報酬は年率0.055%(税込)です。

    *MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)に連動する公募投信(ETFを除く)の中から比較。ウエルスアドバイザーのデータをもとにSBI証券調べ(2026年10月1日時点)。
    詳細は「こちら」のリンクページをご覧ください。

    NISA対象かどうかも見ておきましょう。1、2、6、9、10位の5ファンドがNISAの両枠の対象ですが、3~5位の毎月決算型3本はどちらの枠でも対象外です。7位と8位は成長投資枠のみ対象となります。

人気ファンドの運用成績は?

毎月決算型3本の成績は、ファンドごとに明暗

3~5位の毎月決算型3本には、合計で2兆5,382億円(TOP10の約29%)が流入しました。分配金を毎月受け取れる魅力が支持されたと考えられます。
ただ、成績を見ると、年初来では、インベスコ(7.51%)とWCM(8.77%)がオルカン(13.27%)、S&P500(12.43%)を下回りました。フィデリティ(13.59%)は、両ファンドをわずかに上回っています。
一方、3年リターン(年率)では、ファンドによって結果が分かれます。インベスコ(19.33%)はオルカン(24.02%)、S&P500(24.67%)の両方を下回りましたが、フィデリティ(31.79%)とWCM(42.03%)は上回っています。ただし、標準偏差(3年)はフィデリティ24.83%、WCM22.08%と、オルカン(14.35%)、S&P500(16.12%)より高く、値動きの幅は小さくありません。
次に、シャープレシオを見てみましょう。シャープレシオは、リターンから無リスク金利(リスクをとらずに得られる金利)を差し引いた値を、標準偏差(値動きの大きさ)で割った指標です。リスクを取った分に見合うリターンが得られたかどうかを示します。数値が大きいほど、リスク対比で効率よくリターンを得られたことになります。
シャープレシオ(3年)では、WCMが1.89とオルカン(1.65)、S&P500(1.51)を上回りました。一方、インベスコは1.32、フィデリティは1.27で、どちらも両ファンドを下回っています。リターンが高くても、リスク対比では見劣りするファンドがあり、毎月決算型といっても、ファンドごとに事情が異なります。
また、毎月決算型の3本はNISAの対象外です。NISAを使って運用している方は、これらのファンドを同じ枠で買うことができません。分配金の大きさだけでなく、分配金を含むトータルリターンとリスク、そしてNISAを使えるかどうかも含めて比べる視点が大切です。

年初来では国内株式ファンドが健闘
もう一つ注目したいのは、国内株式ファンドの健闘です。6位のTOPIX、8位のノムラ・ジャパン・オープン、10位の日経平均の3本がランクインし、年初来リターンは日経平均34.44%、ノムラ・ジャパン・オープン34.31%、TOPIX22.92%でした。オルカン(13.27%)、S&P500(12.43%)を大きく上回っています。
リスクとの兼ね合いでは、TOPIXの標準偏差(3年)は13.27%とオルカン(14.35%)よりやや小さく、シャープレシオ(3年)は1.76とオルカン(1.65)、S&P500(1.51)を上回りました。ノムラ・ジャパン・オープンも1.65で、オルカンと同水準です。日経平均は1.37で、オルカン、S&P500、TOPIXを下回りました。リターンが大きい分、値動きも大きかったことがわかります。
3本のNISA対象は、TOPIXと日経平均が両枠、ノムラ・ジャパン・オープンが成長投資枠のみです。

ここで、オルカンとS&P500の中身を確認しておきましょう。S&P500は米国株式のみに投資するファンドで、日本株は含まれません。オルカンは全世界の株式に投資しますが、2026年8月末時点の月次レポートによると、国内株式の比率は約5%にとどまり、米国が8月末で約6割(62.8%)を占めています。そのため、今年の国内株式の上昇について、S&P500は恩恵を受けられず、オルカンも約5%分の恩恵にとどまります。


まとめ:国内株式ファンドへの分散投資を提言
2026年の資金流入は、全世界株式と米国株式のインデックスファンドに集中しました。一方、運用成績では国内株式ファンドが目立ちました。S&P500は米国株式のみ、オルカンも国内株式は約5%と、どちらも国内株式の比率は小さいファンドです。

S&P500で積み立てている方はもちろん、オルカンで積み立てている方にも、国内株式ファンドへの分散投資は有効と考えます。理由は次の3つです。

・年初来の成績:日経平均(34.44%)、ノムラ・ジャパン・オープン(34.31%)、TOPIX(22.92%)は、オルカン(13.27%)、S&P500(12.43%)を大きく上回りました。
・リスク対比の効率:TOPIXのシャープレシオ(3年)は1.76で、オルカン(1.65)、S&P500(1.51)を上回ります。ノムラ・ジャパン・オープンも1.65で、オルカンと同水準です。TOPIXは、3年リターン(年率)がオルカン、S&P500とほぼ同水準(23.63%)で、標準偏差は13.27%と小さく、リスク対比で効率よくリターンを得てきました。
・直近の円高局面での強さ:ドル円(TTM)が164円台のピークをつけた7月24日から10月6日までの騰落率は、日経平均が+10.08%、TOPIXが+5.23%、S&P500が+1.26%、オルカンが+0.23%でした(いずれもeMAXIS Slimシリーズ、分配金再投資基準価額ベース)。円高ドル安が進むなかでも、国内株式ファンドは優位性を発揮しました。為替ヘッジなしの外国株式ファンドは、円高による円建ての評価額が目減りしやすい一方、国内株式ファンドは為替の影響を直接受けません。ただし、円高が企業業績を通じて間接的に影響することもあります。また、この比較は約2か月半の限られた期間の結果であり、期間の取り方や今後の為替動向によって、結果は変わる可能性があります。

なお、国内株式ファンドには、さまざまな選択肢があります。今回の資金流入上位で取り上げたインデックスファンドやアクティブファンドのほかにも、3年リターン(年率)やシャープレシオ(3年)の高い順に並べて探すと、候補が見つかります。値動きを抑えたい方は、標準偏差(3年)の小さい順に見る方法もあります。
ただし、いずれも過去の実績であり、過去の好成績が今後も続くとは限りません。将来の投資成果を保証するものではありませんので、リターンだけでなくリスクもあわせて確認し、NISAの対象かどうかも見て、ご自身に合ったファンドを探してみてはいかがでしょうか。

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