NISA貧乏を避ける|無理なく続ける資産形成の考え方

NISA貧乏を避ける|無理なく続ける資産形成の考え方

投資情報部 植田 雄也

2026/04/16

NISA貧乏を避ける|無理なく続ける資産形成の考え方

図表1 NISA貧乏は構造の問題で生じる?

最近、「NISA貧乏」という言葉が話題になることがあります。しかし、これはNISAそのものの問題というよりも、使い方による誤解があると考えられます。
NISAは、本来は長期的な資産形成を支援する制度であり、必要に応じて売却も可能で、積立額の調整もできる柔軟な仕組みです。では、なぜ「苦しい」と感じてしまうケースがあるのでしょうか。その背景には、いくつかの共通した構造があります。
今回は、「NISA貧乏」と呼ばれる状態が生じる理由と、無理なく活用するための考え方をやさしく整理していきます。

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■結論

NISA貧乏は投資そのものではなく、「継続できない設計」で始めることによって発生すると考えられます。

なお、NISAは必要に応じて売却でき、積立額も柔軟に調整できる制度です。無理のない範囲で活用することが前提となります。

■NISA貧乏が生じるメカニズム(図表1)

本図は筆者による独自の整理であり、以下の流れで説明できます。

① 将来不安から「投資しないリスク」を過大評価する
→ 無理をしてでも投資を始める

② 生活余力を超えた投資
→ 家計の余裕が低下する

③ 許容リスクを超え、不安が大きくなる
→ 積立停止や売却につながる

④ 継続できない
→ 長期投資の前提が崩れる

一方で、無理のない範囲で投資すれば、相場変動時でも継続しやすく、長期的な資産形成につながります。

したがって、問題は投資そのものではなく「設計」にあります。

■継続できない人・できる人の違い

以下のケースは、継続できない設計の典型例です。

・生活費を削りすぎて積立が苦しい
・相場下落で不安になり、積立停止や売却を行う
・非課税メリットを優先し、無理な投資を行う
・目的が曖昧なまま投資している

一方で、以下のようなケースでは安定して継続がしやすくなります。

・生活防衛資金を確保している
・下落しても継続できる金額に設定している
・インデックス投資を中心に分散している
・いつまでに、いくら必要かが明確になっている

無理なく続けることが、資産形成の近道

■「NISA貧乏」にならないための3つのルール
①生活防衛資金の確保

(目安)生活費の半年~1年分
→ 下落時でも生活が守られる

②目的の明確化

「いつ・何のために・いくら」
→ 判断基準ができ、感情に左右されにくい

③継続可能な金額設定

下落(-20%〜-30%)を前提に考える
例:年間60万円(毎月5万円積立)→ 約40万円まで減少
→ この状態でも続けられるかを確認

■(ご参考)資産形成の考え方

NISAでは損失が税務上なかったものとされるため、特定の高リスク資産に集中することは避けた方がよいという考え方があります。
その考えに基づくと、インデックス投資などを中心とした「コア」と、個別のテーマ投資などの「サテライト」を組み合わせるコア・サテライト運用(図表2)を意識するのも一つです。コア(安定)は資産の中心として、長期で安定的に増やす役割を担い、サテライト(攻め)は成長を狙い、リターンの上乗せ(プラスアルファ)を目指す役割を持ちます。
このように、守りと攻めを分けて運用することで、リスクを抑えながら効率的な資産形成を目指すとよいでしょう。

■最後に

NISAは、無理をして利用する制度ではありません。積立額は途中で調整でき、必要であれば売却も可能です。

気負いすぎず、ご自身のペースで活用していきましょう。

図表2 コア・サテライト戦略

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年間投資枠と非課税保有限度額が設定されます。

年間投資枠は成長投資枠が240万円、つみたて投資枠が120万円までとなり、非課税保有限度額は成長投資枠とつみたて投資枠合わせて1,800万円、うち成長投資枠は1,200万円までとなります。非課税保有限度額は、NISA口座内上場株式等を売却した場合、売却した上場株式等が費消していた非課税保有限度額の分だけ減少し、その翌年以降の年間投資枠の範囲内で再利用することができます。 投資信託における分配金のうち特別分配金(元本払戻金)は、非課税でありNISAにおいては制度上のメリットは享受できません。

損失は税務上ないものとされます。

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