オルカンだけじゃない?NISA1,800万円の使い方を整理|50代のモデルポートフォリオ例

オルカンだけじゃない?NISA1,800万円の使い方を整理|50代のモデルポートフォリオ例

SBI証券の川上です。
「NISAでオルカンを積み立てているけれど、このままでいいのかな?」「1,800万円の枠を、どう使い切ればいいんだろう?」—そんな疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。オルカンは、全世界の株式に1本で分散できる選択肢の一つですが、NISAの使い方は、それだけではありません。今回は、50代の方が株式100%で1,800万円を使い切る例を、順番にご紹介します。

最初に、今回のポイントを5つにまとめます。オルカンは全世界の株式に1本で投資できますが、NISA 1,800万円の使い方は、それだけではありません。

・オルカンの中身:国内株式は5.2%、外貨建て資産は94.7%です(2026年9月30日時点)
・枠の使い分け:1,800万円は、成長投資枠1,200万円とつみたて投資枠600万円の2対1。どちらの枠も、国内株50:外国株50
・設計の考え方:日本の年金基金の株式部分を参考に、国内株と外国株を約50%ずつにして、為替変動の影響を抑える
・内訳の工夫:国内株は高配当株を中心に成長株、バリュー株など、外国株は成長株、バリュー株などに分散。個別株・ETFが難しければ、投資信託のみも選択肢
・投資のペース:最短は毎年360万円を5年、65〜70歳をゴールにした例は年120万円を15年

オルカンとは

まず、オルカンの中身を確認しておきましょう。オルカンは、日本を含む先進国・新興国の株式に1本で投資できる投資信託で、国内株式は5.2%にとどまります。

資産構成は、先進国株式(除く日本)が82.7%、新興国株式が12.0%、国内株式が5.2%です。先進国・新興国株式の外貨建て資産が94.7%を占めるため、円高局面では基準価額が下押しされる点は、知っておきたいところです。
参考までに、組入上位国・地域の1位は米国で、米国株式の比率は63.4%です。

出所:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(愛称:オルカン)の月次レポートをもとにSBI証券作成(2026年9月30日時点)。ファンド概要は委託会社の開示情報による。

※表示桁未満の数値がある場合、四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。

ポートフォリオの設計の考え方

では、今回のモデルはどのように組み立てたのでしょうか。設計の軸は3つで、日本の年金基金の株式部分を土台に、外貨建て比率を50%に整えています。
・つみたて投資枠の対象:株式100%、またはバランスファンドが投資対象です。今回は、株式100%の攻め型で組みます。
・日本の年金基金の株式部分を参考にする:日本の年金基金(4資産均等型)は、期待リターン・リスク・相関係数をもとに、必要利回りを最小限のリスクで実現するために策定されたポートフォリオ。その株式部分を抜き出します。国内株・国内債券・外国株・外国債券を各25%持つ中から、国内株と外国株を半々に持つ考え方を土台にしました。
・外貨建て比率は50%:国内株約50%、外国株約50%。外貨建て資産を50%にとどめ、為替変動の影響を抑えます。

モデルポートフォリオ:成長投資枠とつみたて投資枠が2対1
50代の現役世代が、NISA 1,800万円(簿価)を株式100%で使い切る例です。成長投資枠1,200万円とつみたて投資枠600万円を、2対1で組み合わせました。

株式100%で、国内株・外国株は約50%ずつです(投資信託は国内株1:外国株3の想定)。

枠ごとの内訳:成長投資枠とつみたて投資枠の使い分け
枠ごとの使い分けを見ていきましょう。成長投資枠は個別株・ETF・投資信託で分散投資、つみたて投資枠は投資信託による積み立て投資です。


成長投資枠(1,200万円):国内株500万円は、税制メリットを得やすい高配当株を中心に、成長株、バリュー株などで分散します。外国株300万円は、成長株、バリュー株などに分散します。投資信託400万円は、国内外の成長株、バリュー株、テーマ株などに分散し、国内株1:外国株3の割合にします。
つみたて投資枠(600万円):国内株投信300万円と外国株投信300万円です。国内株投信はインデックス、高配当、バリューなど、外国株投信はインデックス、米国成長株などを組み合わせます。
外貨建て比率:国内株900万円(50%)、外国株900万円(50%)になります。

なお、成長投資枠での個別株・ETFへの投資は、ベテラン投資家向けかもしれません。銘柄選びが難しいと感じる場合は、投資信託のみで組み立てるのも一つの選択肢です。

投資イメージ:最短は5年、65〜70歳をゴールにした例は15年
気になるのは、「いつまでに、いくら積めばいいのか」ではないでしょうか。そこで、2つの例を用意しました。どちらも2対1のまま、1,800万円(簿価)に到達します。違いは、期間と毎年の投資額です。

どちらも、最後は1,800万円(成長投資枠1,200万円+つみたて投資枠600万円)に到達します。
積立・一括のどちらでも構いません。年内の投資方法は区別せず、各年末時点の簿価の累計で示しています。
65〜70歳をゴールにするなら、50歳で始めて65歳、55歳で始めて70歳で、1,800万円に到達します。年120万円は月10万円にあたりますので、無理なく続けられるかどうかも、あわせて考えてみてください。
また、購入時期の分散も意識してみてはいかがでしょうか。
・成長投資枠:一括投資と積立投資を組み合わせます。
・つみたて投資枠:月1回などの積立投資で、購入時期を分散します。

まとめ

・オルカンは全世界の株式に1本で分散できるが、国内株式は約5%で、外貨建て資産が約95%を占める
・生涯投資枠1,800万円は、成長投資枠1,200万円とつみたて投資枠600万円(2対1)で組み立てる

・日本の年金基金の株式部分を参考に、国内株と外国株を約50%ずつにして、為替変動の影響を抑える
・最短は毎年360万円を5年、65〜70歳をゴールにした例は年120万円を15年で、どちらも1,800万円に到達する

オルカンは、全世界の株式に分散できる選択肢の一つです。そのうえで、枠の使い分けや購入時期を工夫すれば、NISAの使い方は広がります。ご自身の家計やライフプランに合わせて、ぜひ組み立てを考えてみてください。なお、本モデルケースは一例であり、特定の資産配分を推奨するものではありません。実際の資産配分は、運用期間やリスク許容度等を考慮のうえ、ご自身に合った形でご検討ください。


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