2024年からのNISAで変わるファンド選び !?

投資情報部 川上 雅人

2023/2/10

新しいNISA 成長投資枠の対象ファンド数は?

2022年12月に公表された「令和5年度税制改正大綱」に基づく2024年1月からの新しいNISAでは、非課税期間の無期限化や投資上限枠の拡大など、現行NISAと比較して大幅拡充される予定です。
今回は新しいNISAにおける投資信託(ファンド)の対象商品の変更(予定)に絞って、今後の可能性について私見を述べたいと思います。

*NISAについての制度概要や新しいNISAに関する変更点に関しての詳細は下記をご参照ください。
金融庁 NISAとは(外部サイトに遷移します)

まず、現行のつみたてNISAでは、ファンドの運用コストである信託報酬率が一定以下であることなどの条件をクリアした金融庁に届出されている220本(2023年2月2日時点)が対象商品となっています。投資信託が213本、ETFが7本です。投資信託の213本は主に指定インデックスの投資信託となっています。2024年1月から始まる新しいNISAのつみたて投資枠は、現行のつみたてNISAの対象商品と同様になる予定です。

一方で現行の一般NISAにおいては、投資信託やETFに加えて、国内株式、外国株式、REITなど幅広い金融商品が対象となっており、制度としては各商品について対象条件を設けていません。
ただし、投資信託については購入する金融機関によって、一般NISAの対象商品を絞っている場合があります。例えばSBI証券においては、買付が金額指定で購入できない一部の投資信託などは除外していているものの、投資信託のほとんどが一般NISAで購入できます。

一般NISAの後継といえる新しいNISAの成長投資枠では、投資信託においては一定の要件が加わる予定です。
その一定の要件とは、
①信託期間20年未満は除外
②毎月分配型は除外
③高レバレッジ型は除外
というものです。

投資信託評価会社・ウエルスアドバイザーのファンド検索によるとETFを除く投資信託の数は4,532本(ETF・DC専用・ラップ口座専用を除く、2023年2月7日基準)です。
ここから①の長期投資に向かない信託期間20年未満を除外すると1,820本まで絞られます。
さらに②の毎月分配型を除外すると1,520本になります。
最後に③の高レバレッジ型であるブル・ベア型を除くと1,511本です(図表参照)。

実質的な高レバレッジ型の投資信託はブル・ベア型以外にもあるため、それらの投資信託も除外する必要がありますが、ここではその点は考慮しないこととします。
現時点では1,500本程度の投資信託が新しいNISA・成長投資枠の対象といえそうです。
成長投資枠では長期投資に向いたファンドに絞られるため、一般NISAよりもファンド選びがしやすくなるといえます。

図表 新しいNISA「成長投資枠」における対象ファンドのイメージ

※ウエルスアドバイザーホームページのファンド検索よりSBI証券作成(2023年2月7日基準)

②成長投資枠で躍進するファンドに期待!

つみたて投資枠の対象商品は、成長投資枠の対象商品にもなるため、成長投資枠でのファンド購入は今のつみたてNISA対象ファンドが一定の割合を占めることが予想されます。
ただし、成長投資枠ではある程度まとまった資金で運用がスタートできること(年間240万円)や売却枠の再利用もできることから1年後からのリバランス(資産の再配分)や一時売却による現金化なども可能となります。多様なニーズの資金が新しいNISAの成長投資枠に入ってくることが見込まれます。

あくまでも私見ですが、2024年からの新しいNISAの成長投資枠によって躍進すると考えるファンドとその理由は以下です。

①つみたてNISAでは対象となっていない債券ファンドやREITファンド、高配当株ファンドなどインカムに着目したファンド。日本の物価上昇率に対応するという視点でインカム資産が好まれると予想します。債券ファンドは海外の金利が上昇したことも追い風といえます。
②複数の資産に投資するバランスファンド。資産運用の入口商品として一定の支持を得ると予想します。
③長期でインデックスファンドを上回る実績を獲得しているアクティブファンド。つみたてNISAで人気のインデックスファンドは市場平均のリターンを得るのに効率的なファンドといえますが、つみたてNISAの対象ファンドとなっていない有望なアクティブファンドは成長投資枠で躍進するファンドとして期待されます。

つみたてNISAで躍進したといえる米国株式や全世界株式のインデックスファンドは、5年前のつみたてNISAスタート時はここまで純資産残高を拡大させることは想像できませんでした。
次は、新しいNISAの成長投資枠で躍進するファンドが新たに多く誕生することが、資産運用業界の発展につながり、日本の家計金融資産の拡大に寄与することが期待されます。躍進するファンドについては、これまでNISAを活用していなかった日本の投資家に広く受け入れられる必要があるため、ファンドではなく仕組みなのかもしれません。

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NISA・つみたてNISAのご注意事項

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• リスク及び手数料について
SBI証券の取扱商品は、各商品毎に所定の手数料や必要経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等は価格の変動等により損失が生じるおそれがあります。各商品等への投資に際してご負担いただく手数料等及びリスクは商品毎に異なりますので、詳細につきましては、SBI証券WEBサイトの当該商品等のページ、金融商品取引法に係る表示又は契約締結前交付書面等をご確認ください。

• 同一年において1人1口座(1金融機関)しか開設できません
NISA・つみたてNISAの口座開設は、金融機関を変更した場合を除き、1人につき1口座に限られ、複数の金融機関にはお申し込みいただけません。金融機関の変更により、複数の金融機関でNISA・つみたてNISAの口座を開設されたことになる場合でも、各年において1つの口座でしかお取引いただけません。また、NISA・つみたてNISAの口座内に保有されている商品を他の年分の勘定又は金融機関に移管することもできません。なお、金融機関を変更される年分の勘定にて、既に金融商品をお買付されていた場合、その年分について金融機関を変更することはできません。

• NISA・つみたてNISAで購入できる商品はSBI証券が指定する商品に限られます
SBI証券における取扱商品は、NISA・つみたてNISAで異なります。NISAは国内株式(現物株式、ETF、REIT、ETN、単元未満株(S株)を含む)、公募株式投資信託、外国株式(米国、香港、韓国、ロシア、ベトナム、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア、海外ETFを含む)、つみたてNISAは公募株式投資信託となります。※取扱商品は今後変更の可能性があります。

• 非課税投資枠が設定され、売却するとその非課税投資枠の再利用はできません
NISAの非課税投資枠は年間120万円、つみたてNISAの非課税投資枠は年間40万円までとなります。NISA・つみたてNISAの非課税投資枠は途中売却が可能ですが、売却部分の枠の再利用はできません。また、投資を行わなかった未使用枠の翌年以降への繰越しはできません。
投資信託における分配金のうち特別分配金(元本払戻金)は、従来より非課税でありNISA・つみたてNISAにおいては制度上のメリットは享受できません。

• 損失は税務上ないものとされます
NISA・つみたてNISAの口座で発生した損失は税務上ないものとされ、一般口座や特定口座での譲渡益・配当金等と損益通算はできず、繰越控除もできません。

• NISA とつみたてNISA はいずれかの選択制です
NISA・つみたてNISAは選択制であり、同一年に両方の適用を受けることはできず、原則として変更は各年においてお申し込みいただく必要があります。

• つみたてNISAでは積立による定期・継続的な買付しかできません
つみたてNISAでのお取引は積立契約に基づく定期かつ継続的な方法による買付に限られます。

• つみたてNISAではロールオーバーができません
つみたてNISAはNISAと異なり、ロールオーバーにより口座内に保有されている商品を異なる年分の勘定に移管することはできません。

• つみたてNISAでは信託報酬等の概算値が原則として年1回通知されます
つみたてNISAで買付した投資信託の信託報酬等の概算値を原則として年1回通知いたします。

• つみたてNISAでは基準経過日における氏名・住所の確認が求められます
つみたてNISAでは口座を設定してから10年経過日、および以後5年を経過するごとに氏名・住所等の確認が必要となります。当社がお客さまの氏名・住所等が確認できない場合にはお取引ができなくなる場合もございますのでご注意ください。

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• ジュニアNISAのご注意事項

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