2024年からのNISA ファンド選びとポートフォリオはどうする?
投資情報部 川上 雅人
2024/1/9
2024年からのNISA 対象ファンド数は?
2024年からのNISAで対象となる投資信託(ファンド)(非上場、ETF等を除く)についてコメントします。
まず、2024年からのNISAにおける成長投資枠のファンドは、これまでの一般NISAとは違って一定の要件が加わりました。
一定の要件とは、
①信託期間が無期限または20年以上
②毎月分配型ではないこと
③ヘッジ目的の場合などを除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと
というものです。
これらの要件に加えて、ファンドの純資産総額が少ないといった効率性の観点から運用会社の判断で除外されたファンドもありました。そのため、成長投資枠の対象ファンド数は、2023年までの一般NISAの対象ファンド数から比べると半分以下に減少しています。
業界全体の成長投資枠の対象ファンド数は、ウエルスアドバイザーの集計によると2023年12月28日時点で1,820本(一部成長投資枠取扱可能前のファンドも含む)となっています。
一方で、つみたて投資枠の対象ファンドは、2023年までのつみたてNISA対象ファンドが引き継がれることとなり、業界全体では272本(2023年12月28日時点)となっています。
このような状況下で、SBI証券の取り扱いファンド数(2024年1月4日時点)は、成長投資枠の対象ファンドが1,153本、つみたて投資枠の対象ファンドが218本となっています。
成長投資枠はこれまでの一般NISAと比べて長期投資に向いたファンドの割合が高いといえるため、これまでよりもファンドが選びやすくなったといえます。
SBI証券の「投資信託 パワーサーチ」にある「つみたて投資枠対象銘柄」、「成長投資枠対象銘柄」をクリックするとそれぞれの対象ファンドが一覧で見ることができます。一覧で「投資指標」をクリックすれば、トータルリターンのランキングなどを確認することができます。
ファンド選びとポートフォリオはどうする?
つみたて投資枠の対象ファンドは、ほとんどが成長投資枠の対象ファンドにもなるため、成長投資枠でのファンド購入はつみたて投資枠の対象ファンドが一定の割合を占めることが予想されます。
一方で、成長投資枠はある程度まとまった資金で運用がスタートできること(年間240万円)や売却枠の再利用が売却翌年からできること(年間投資上限額まで)からリバランス(資産の再配分)や一時売却による現金化なども可能となります。投資対象も幅広いため、多様なニーズの資金が成長投資枠に入ってくることが見込まれます。
あくまでも私見ですが、2024年からのNISA・成長投資枠によって残高拡大が期待できると考えるファンドとその理由は以下です。
①つみたてNISAでは対象となっていない債券ファンドやREITファンド、高配当株ファンドなどインカムに着目したファンド
中高年層を中心にキャッシュフローニーズが高いことや日本の物価上昇率に対応するという視点でも相対的に高いインカムを生み出す資産が好まれると予想します。債券ファンドは海外の金利が以前よりも上昇したことも追い風といえます。
②複数の資産に投資するバランスファンド
資産運用の入口商品として一定の支持を得ることや、まとまった資金で運用する場合にリスクとリターンのバランスを考慮して活用されることが見込まれます。
③長期でインデックスファンドを上回る実績を獲得しているアクティブファンド
つみたて投資枠で人気のインデックスファンドは市場平均のリターンを得るのに効率的なファンドといえますが、長期で市場平均のリターンを上回っている有望なアクティブファンドは成長投資枠で躍進するファンドとして期待されます。
こうした有望なアクティブファンドが多く含まれていると考えているのが、「SBIセレクト」になります。SBIセレクトとは、成長投資枠対象ファンド1,000本超からSBI証券が長期投資の観点から優れていると考えるファンド50本に絞り込みました。SBIセレクトのファンドを活用してポートフォリオを組むのも1つの方法です。
最後に筆者が考えるNISAのポートフォリオ(2024年)のイメージは図表1となります。
つみたて投資枠と成長投資枠を有効に活用し、ファンドと個別株などにバランス良く投資する予定です。ファンドへの投資においては、究極の時間分散投資となる毎日積立をメインに、マーケットが下がった時の押し目買いも行いポートフォリオを構築します。2024年は米国の金利低下でやや円高ドル安が進むと予想し、外貨の比率を減らして日本円の比率を高めとしつつ、外国通貨の資産分散を図る予定です。
図表1 NISAポートフォリオの一例
※投信(積立買付)予定などをもとに著者作成
※あくまでも作成日時点でのイメージです
NISAのご注意事項
次に掲げる事項は、それぞれ2024年以降のNISA(成長投資枠・つみたて投資枠)のことをいいます。
• 配当金等は口座開設をした金融機関等経由で交付されないものは非課税となりません。NISAの口座で国内上場株式等の配当金を非課税で受け取るためには、配当金の受領方法を「株式数比例配分方式」に事前にご登録いただく必要があります。
• リスク及び手数料について
SBI証券の取扱商品は、商品毎に所定の手数料や必要経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等は価格の変動等により損失が生じるおそれがあります。各商品等への投資に際してご負担いただく手数料等及びリスクは商品毎に異なりますので、詳細につきましては、SBI証券WEBサイトの当該商品等のページ、金融商品取引法等に係る表示又は契約締結前交付書面等をご確認ください。
• 同一年において1人1口座(1金融機関)しか開設できません
NISAの口座開設は、金融機関を変更した場合を除き、1人につき1口座に限られ、複数の金融機関にはお申し込みいただけません。金融機関の変更により、複数の金融機関でNISA口座を開設されたことになる場合でも、各年において1つの口座でしかお取引いただけません。また、NISA口座内に保有されている商品を他の年分の勘定又は金融機関に移管することもできません。なお、金融機関を変更される年分の勘定にて、既に金融商品をお買付されていた場合、その年分について金融機関を変更することはできません。NISAの口座を仮開設して買い付けを行うことができますが、確認の結果、買付後に二重口座であったことが判明した場合、そのNISA口座で買い付けた上場株式等は当初から課税口座で買い付けたものとして取り扱うこととなり、買い付けた上場株式等から生じる譲渡益及び配当金等については、遡及して課税いたします。
• NISAで購入できる商品はSBI証券が指定する商品に限られます。
SBI証券における取扱商品は、成長投資枠・つみたて投資枠で異なります。成長投資枠の取扱商品は国内上場株式等(現物株式、ETF、REIT、ETN、単元未満株(S株)を含む※)、公募株式投資信託(※)、外国上場株式等(米国、香港、韓国、ロシア、ベトナム、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア、海外ETF、REITを含む※)、つみたて投資枠の取扱商品は長期の積立・分散投資に適した一定の公募株式投資信託となります。取扱商品は今後変更する可能性があります。 ※SBI証券が指定する制限銘柄(上場株式等)、デリバティブ取引を用いた一定の商品及び信託期間20年未満又は毎月分配型の商品は除きます。
• 年間投資枠と非課税保有限度額が設定されます。
N年間投資枠は成長投資枠が240万円、つみたて投資枠が120万円までとなり、非課税保有限度額は成長投資枠とつみたて投資枠合わせて1,800万円、うち成長投資枠は1,200万円までとなります。非課税保有限度額は、NISA口座内上場株式等を売却した場合、売却した上場株式等が費消していた非課税保有限度額の分だけ減少し、その翌年以降の年間投資枠の範囲内で再利用することができます。 投資信託における分配金のうち特別分配金(元本払戻金)は、非課税でありNISAにおいては制度上のメリットは享受できません。
• 損失は税務上ないものとされます
NISAの口座で発生した損失は税務上ないものとされ、一般口座や特定口座での譲渡益・配当金等と損益通算はできず、繰越控除もできません。
• 出国により非居住者に該当する場合、NISA口座で上場株式等の管理を行うことはできません。
出国の際には、事前に当社に届出が必要です。出国により非居住者となる場合には、NISA口座が廃止され、当該口座に預りがある場合は、一般口座で管理させていただきます。なお、海外転勤の場合にNISAで継続保有することが可能な特例措置については当社では対応しておりません。
• つみたて投資枠では積立による定期・継続的な買付しかできません。
つみたて投資枠でのお取引は積立契約に基づく定期かつ継続的な方法による買付に限られます。
• つみたてNISAでは信託報酬等の概算値が原則として年1回通知されます
つみたて投資枠で買付した投資信託の信託報酬等の概算値を原則として年1回通知いたします。
• NISAでは基準経過日における氏名・住所の確認が求められます。
NISAでは初めてつみたて投資枠を設定してから10年経過した日、及び以後5年を経過するごとに氏名・住所等の確認が必要となります。当社がお客さまの氏名・住所等が確認できない場合にはお取引ができなくなる場合もございますのでご注意ください。
• 2023年までのNISA・つみたてNISAのご注意事項
• ジュニアNISAのご注意事項
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・投資信託は、主に国内外の株式や債券等を投資対象としています。投資信託の基準価額は、組み入れた株式や債券等の値動き、為替相場の変動等により上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。
・投資信託は、個別の投資信託毎にご負担いただく手数料等の費用やリスクの内容や性質が異なります。ファンド・オブ・ファンズの場合は、他のファンドを投資対象としており、投資対象ファンドにおける所定の信託報酬を含めてお客さまが実質的に負担する信託報酬を算出しております(投資対象ファンドの変更等により、変動することがあります)。
・ご投資にあたっては、商品概要や目論見書(目論見書補完書面)をよくお読みください。
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