NISA は何歳からはじめられる?18歳から始めるメリットを解説

NISA は何歳からはじめられる?18歳から始めるメリットを解説

松岡 紀史

2024/10/08

2024年からNISA制度が新しくなり、非課税投資枠の拡大や制度の恒久化などで、幅広い年代に使いやすい制度になりました。一方、2023年まであったジュニアNISAは廃止され、後継となる制度もないため、何歳からNISA口座を開設できるのか疑問を持つ人もいるでしょう。

この記事では、NISAを利用できる年齢と、早めに始めるメリット、そして年代ごとにNISAを利用した運用方法のポイントを紹介していきます。

NISAの年齢制限!18歳からが対象

NISAは18歳以上から口座開設ができます。ただし、18歳になるとすぐ口座開設できるわけではなく、利用する年の1月1日時点で満 18歳以上でなければなりません。

例えば、2024年5月1日に18歳になった人の場合、2024年1月1日時点では17歳であるため、2024年内はNISA口座の開設ができません。NISAが利用できるのは、2025年からになります。

なお、満年齢は誕生日の前日に年齢を加算するため 、18歳の誕生日が2024年1月2日までの人が2024年からNISAを利用できます。

ジュニアNISAは2023年末で終了

2023年までのNISA(以下旧NISA)には、18歳未満でも利用できるジュニアNISAがありましたが、この制度は2023年末で終了となりました。NISAにはジュニアNISAを引き継ぐ制度がないため、2024年以降は18歳未満の人がNISA口座を開設することはできません。

なお2023年までにジュニアNISAで投資をしていた場合、今保有している金融商品は18歳まで非課税で保有できますが、2024年以降は年齢に関係なくいつでも払い出すこともできます。
ただし、一部のみ払い出すことはできず、ジュニアNISAで保有するすべての金融商品を払い出すことになりその後ジュニアNISA口座は廃止されます。

また、18歳まで保有しても、2024年以降はNISAの非課税投資枠にロールオーバーすることはできません。

NISA移行によるメリット

NISAでは、非課税で投資できる金額が大幅に増えた上、非課税投資枠の再利用が可能になり、制度自体も恒久化されたため、より長期にわたってNISAを利用することができるようになったというメリットがあります。

NISAの主なメリットは次のとおりです。

2024年からのNISAの制度変更について詳しくはこちら

より長期の非課税投資が可能

NISAの最大の特徴は、投資した金融商品による利益が非課税になることです。

旧NISAでは、この非課税保有期間が、一般NISAで最長5年、つみたてNISAで最長20年と決まっていましたが、NISAでは無期限になっています。

旧NISA 新NISA
つみたてNISA 一般NISA つみたて投資枠 成長投資枠
非課税保有期間 最長20年間 最長5年間 無期限 無期限
口座開設期間 2023年まで 2023年まで 恒久化 恒久化
スクロールできます

出典:金融庁「NISAを知る」

そのため、例えば20代で投資した金融商品を、老後資金のために60歳まで非課税で保有するなど、より長期的な利用が可能になりました。

ライフイベントに合わせた資産運用が可能

旧NISAでは、非課税保有限度額の総額が、一般NISAで600万円、つみたてNISAで800万円と決まっており、非課税投資枠は再利用ができませんでした。

一方、NISAでは非課税保有限度額が1,800万円と大幅に増額され、さらに非課税投資枠の再利用が可能になっています。

旧NISA 新NISA
つみたてNISA 一般NISA つみたて投資枠 成長投資枠
制度の併用 併用不可(選択制) 併用可
年間投資枠 40万円 120万円 120万円 240万円
非課税保有限度額
(総額)
800万円 600万円 1,800万円※1 1,200万円(内数)※2
スクロールできます
  • ※1簿価残高方式で管理(枠の再利用が可能)
  • ※2つみたて投資枠と合わせて1,800万円まで

出典:金融庁「NISAを知る」

例えば、20代から年間40万円を積立投資してきた場合を比較してみましょう。旧NISA(つみたてNISA)では、投資できる期間が2018年から2037年までとなっていたため、20年後に結婚資金200万円分*、住宅ローンの頭金で500万円分売却すると、残りの非課税保有限度額は100万円になります。

*非課税保有限度額は簿価金額、つまり買ったときの金額で管理されるので、上記の200万円分は、200万円で買った金融商品の時価評価金額(元金+運用利益)という意味になります(500万円分、下記の700万円分も同じ)。

しかし、NISAでは非課税投資枠が再利用できるため、20年後に700万円分売却しても、翌年にはその700万円が新たに投資できるようになります。
つまり、700万円分売却した後も総額1,800万円まで保有できるため、教育資金や老後資金もNISAで運用するといった利用が可能になります。

このようにNISAは非課税投資枠の再利用をすることで、幅広いライフイベントにも柔軟に対応できるようになりました。

NISAを18歳からはじめる3つのメリット

NISAを早期にはじめることで、主に以下の3つのメリットが期待できます。

  • ・複利効果が高くなる
  • ・リスク分散ができる
  • ・投資習慣を身につけられる

生活資金に余裕があれば、少額でもいいので18歳からはじめてみることを検討しましょう。

複利効果が高くなる

投資では獲得した利益を元本に加えることで、より大きな利益が期待できます。これを複利効果といいますが、この複利効果は投資期間が長ければその効果も大きくなります。

例えば、100万円の元金を40年間、年利3%で運用した場合を比べてみます

10年後 20年後 30年後 40年後
単利 130万円 160万円 190万円 220万円
複利 約134万円 約181万円 約243万円 約326万円
差額 約4万円 約21万円 約53万円 約106万円
スクロールできます

このように、投資期間が長くなればなるほど、複利効果が大きくなっていることがわかります。

リスク軽減につながる

多くの人にとって投資が心配なのは、金融商品を価格が高いときに買い、安いときに売って損失が出てしまうことでしょう。これも投資期間を長く取ることである程度避けることができます。

例えば、長期にわたって積立投資をした場合、金融商品の価格が高くても低くても一定額ずつ購入するわけですから、価格が低いときはたくさん買え(購入口数が増加)、価格が高いときはあまり買えません(購入口数は減少)。

短期的な投資の場合、価格が安いときに購入できれば高く売ることで利益が得られますが、高いときに買ってしまうと期待どおりのリターンを得るのが難しくなります。
NISAで長期的に投資を行うことで、全体としてみた場合に平均の購入価格を抑えられ、リスクの軽減に繋がります。

投資習慣を身につけられる

投資には知識も大切ですが、口座開設の手続きや金融商品の実際の売買、また利益や損失が出たときの自分の心理状態など、実際に経験しなければわからないことがたくさんあります。

NISAの中でも、特につみたて投資枠の投資信託は、長期の積立、分散に適した商品に厳選されているため、若い人が早めに投資習慣を身につける手段としても適していると言えるでしょう。

NISAの年代別運用ポイント

NISAは、制度の恒久化や非課税投資枠の拡大、そしてつみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能になったことなどで、若年層から高齢層まで利用しやすい制度になりました。

ここでは各年代別にNISAの運用ポイントをご紹介します。

20代から始める人

20代の強みは、なんといっても投資期間を長くとれることです。NISAの制度が恒久化されたため、早く始めれば始めるほど、非課税で保有する期間を長く確保できます。

ただし、20代では収入が高くないことも多く、自己投資や交友関係などにお金をかけたい人もいるはずです。生活に無理のない範囲で投資を行いましょう。

始めるタイミングとしては、緊急時のために3カ月から1年分の生活費の貯金ができてからが安心です。つみたて投資枠を中心に、毎月数千円からでも始めてみると良いでしょう。
この年代ではまず実際に投資を経験してみることが大切です。

30代~40代で始める人

30代〜40代は、マイホームの購入や子どもの進学、また自身のキャリアの転機など、さまざまなライフイベントが考えられる年代です。これらのライフイベントにかかる資金を、貯金とNISAを併用して上手に準備しましょう。

たとえば、3年後にマイホームを購入したい場合、リスクがある投資より貯金での準備が適切かもしれません。
しかし、ある程度運用期間が長くとれる子どもの大学進学資金や、10年後に起業を考えている場合の資金などは、インフレへの対策も含め、NISAを利用して準備することを検討してもよいでしょう。

20~30代の新しいNISA活用法とよくある質問はこちら

50代~60代から始める人

子どもが独立し、定年退職が視野に入った50代〜60代の資産運用の目的は、老後資金の準備と退職金の運用がメインになるかと思います。

この年代では、40代までと比べ運用期間が長く取れないことに加え、もし投資で損失が出ても労働時間を増やしてカバーすることが難しくなります。
したがって、特に投資が初めての人は、債券など比較的値動きの少ない金融商品も候補に入れた運用を考えましょう。

まとまった金額が期待できる退職金の運用は、10年20年と積立投資を行うよりも、成長投資枠を利用して早めにバランスよく分散投資をしても良いでしょう。

40~50代の新しいNISA活用法とよくある質問はこちら

SBI証券でNISA口座を開設しよう

NISAは18歳から始めることができます。旧NISAと比べ、非課税保有期間が無期限になり、口座開設の時期も恒久化されたため、若い世代ではもちろん、そのほかの年代にとっても使いやすい制度になっています。

NISAを始めるなら、取扱商品の豊富さや手数料の安さ、そしてネット銀行との連携のしやすさ、クレジットカード決済のポイント付与のメリットから、SBI証券がおすすめです。投資を考えている人はSBI証券のNISAから始めてみてはいかがでしょうか。

SBI証券 NISAの口座開設手続きはこちら

執筆者プロフィール

松岡 紀史

ライツワードFP事務所代表
日本FP協会認定CFP。筑波大学大学院でファイナンスを学ぶ。ファイナンシャル・プランナーのライフプラン提案が金融商品の販売を前提としていることに疑問を感じ、2010年、保険・投資信託を販売しない独立系FP事務所を兵庫県神戸市に設立。「節約・貯金」「保険」「投資」いずれかに偏ることのない、バランスを重視した包括的なライフプランの提案をおこなっている。

NISAのご注意事項

次に掲げる事項は、それぞれ2024年以降のNISA(成長投資枠・つみたて投資枠)のことをいいます。 • 配当金等は口座開設をした金融機関等経由で交付されないものは非課税となりません。NISAの口座で国内上場株式等の配当金を非課税で受け取るためには、配当金の受領方法を「株式数比例配分方式」に事前にご登録いただく必要があります。

• リスク及び手数料について
SBI証券の取扱商品は、商品毎に所定の手数料や必要経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等は価格の変動等により損失が生じるおそれがあります。各商品等への投資に際してご負担いただく手数料等及びリスクは商品毎に異なりますので、詳細につきましては、SBI証券WEBサイトの当該商品等のページ、金融商品取引法等に係る表示又は契約締結前交付書面等をご確認ください。

• 同一年において1人1口座(1金融機関)しか開設できません
NISAの口座開設は、金融機関を変更した場合を除き、1人につき1口座に限られ、複数の金融機関にはお申し込みいただけません。金融機関の変更により、複数の金融機関でNISA口座を開設されたことになる場合でも、各年において1つの口座でしかお取引いただけません。また、NISA口座内に保有されている商品を他の年分の勘定又は金融機関に移管することもできません。なお、金融機関を変更される年分の勘定にて、既に金融商品をお買付されていた場合、その年分について金融機関を変更することはできません。NISAの口座を仮開設して買い付けを行うことができますが、確認の結果、買付後に二重口座であったことが判明した場合、そのNISA口座で買い付けた上場株式等は当初から課税口座で買い付けたものとして取り扱うこととなり、買い付けた上場株式等から生じる譲渡益及び配当金等については、遡及して課税いたします。

• NISAで購入できる商品はSBI証券が指定する商品に限られます。
SBI証券における取扱商品は、成長投資枠・つみたて投資枠で異なります。成長投資枠の取扱商品は国内上場株式等(現物株式、ETF、REIT、ETN、単元未満株(S株)を含む※)、公募株式投資信託(※)、外国上場株式等(米国、香港、韓国、ロシア、ベトナム、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア、海外ETF、REITを含む※)、つみたて投資枠の取扱商品は長期の積立・分散投資に適した一定の公募株式投資信託となります。取扱商品は今後変更する可能性があります。 ※SBI証券が指定する制限銘柄(上場株式等)、デリバティブ取引を用いた一定の商品及び信託期間20年未満又は毎月分配型の商品は除きます。

• 年間投資枠と非課税保有限度額が設定されます。
N年間投資枠は成長投資枠が240万円、つみたて投資枠が120万円までとなり、非課税保有限度額は成長投資枠とつみたて投資枠合わせて1,800万円、うち成長投資枠は1,200万円までとなります。非課税保有限度額は、NISA口座内上場株式等を売却した場合、売却した上場株式等が費消していた非課税保有限度額の分だけ減少し、その翌年以降の年間投資枠の範囲内で再利用することができます。 投資信託における分配金のうち特別分配金(元本払戻金)は、非課税でありNISAにおいては制度上のメリットは享受できません。

• 損失は税務上ないものとされます
NISAの口座で発生した損失は税務上ないものとされ、一般口座や特定口座での譲渡益・配当金等と損益通算はできず、繰越控除もできません。


• 出国により非居住者に該当する場合、NISA口座で上場株式等の管理を行うことはできません。 出国の際には、事前に当社に届出が必要です。出国により非居住者となる場合には、NISA口座が廃止され、当該口座に預りがある場合は、一般口座で管理させていただきます。なお、海外転勤の場合にNISAで継続保有することが可能な特例措置については当社では対応しておりません。

• つみたて投資枠では積立による定期・継続的な買付しかできません。
つみたて投資枠でのお取引は積立契約に基づく定期かつ継続的な方法による買付に限られます。

• つみたてNISAでは信託報酬等の概算値が原則として年1回通知されます
つみたて投資枠で買付した投資信託の信託報酬等の概算値を原則として年1回通知いたします。

• NISAでは基準経過日における氏名・住所の確認が求められます。
NISAでは初めてつみたて投資枠を設定してから10年経過した日、及び以後5年を経過するごとに氏名・住所等の確認が必要となります。当社がお客さまの氏名・住所等が確認できない場合にはお取引ができなくなる場合もございますのでご注意ください。

• 2023年までのNISA・つみたてNISAのご注意事項
• ジュニアNISAのご注意事項

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