旧NISA放置にご注意!実践編
投資情報部 川上雅人
2024/10/22
旧NISAの非課税期間満了までに確認しておきたいこと
2024年からのNISA(以下、新NISA)では非課税期間が無期限になりましたが、2023年までのNISA(以下、旧NISA)の非課税期間は、一般NISAで5年、つみたてNISAで20年と期間が設けられています。放置したまま非課税期間満了を迎えると自動で課税口座(特定口座/一般口座)へ払い出しされますので、ご自身の旧NISA預りと非課税期間満了期限を確認しておきましょう。
図表1
旧NISA年別確認画面はこちらからご確認ください。(要ログイン)
図表2
旧NISAの非課税期間中にできる選択肢は3つです。
①非課税期間中に売却し新NISAで再度購入
②非課税期間中に売却し現金化
③非課税期間中に売却はせず、課税口座へ自動払い出し(移管)
3つの選択を検討するうえで注意すること
①②の非課税期間中に売却する場合、売却益は非課税になりますが、受渡日が非課税期間内(非課税期間満了となる年の12月最終営業日まで)となる取引が対象です。期限を過ぎると課税対象となりますのでご注意ください。
また、非課税期間内に支払われる配当金・分配金は、非課税となりますが、非課税期間満了後(年をまたいで)に支払われる配当金・分配金は非課税になりません。
受渡日が年内となるよう売却する場合の最終営業日はこちらからご確認ください。
③特段のお手続きをしない場合は自動で課税口座に払い出し(移管)されますが、移管後の売却益や配当金・分配金等は課税対象となります。また、課税口座へ移管すると、当初の価格ではなく、年末時点(非課税期間満了時)の時価(終値等)が基準になり、評価損益が計算されます。年末時点の時価(終値等)によっては、当初買付時からは下がっていたとしても売却時に課税される場合があります。
例えば、図表3のように2020年の旧NISA預りで当初50万円で買付した株式が、現在は値下がりして30万円となり、このままの株価で移管されたと仮定します。2025年以降に課税口座で40万円で売却すると、10万円が利益とみなされ20.315%の課税対象となります。当初買付時に支払った50万円よりも値下がりしていても課税される可能性があるのでご注意ください。
売却せず課税口座へ移管した場合のイメージ
図表3
非課税期間が満了する年の預り分だけ売却するには
NISA口座で複数年にわたり同一銘柄を購入している場合、非課税期間満了となる分だけ売却したいということもあるかと思います。
売却時は預りごとに取得日や取得時間の古い預りから売却する仕組みとなっているため、例えば、2020年~2023年で同一銘柄を購入している場合、株式であれば2020年に購入した株数分を売却、投資信託であれば2020年に購入した口数分を売却すると、自動的に2020年分だけの売却が可能です。
一方、取得年の古い預りから売却するため、2021年以降に取得した分を先に売却することはできません。詳細はこちら
旧NISA年別保有口数はこちらからご確認ください。(要ログイン)
図表4
旧NISAで国内株式をお持ちの場合は「クロス取引」で新NISAに乗り換えができます
国内株式を旧NISAで非課税期間中に売却する場合には、「クロス取引」を用いることで同じ銘柄を同じ価格で新NISAに乗り換えることができます。
クロス取引とは、同一市場において同一銘柄の売注文と買注文を同一時刻、同一価格で約定させる取引形態のことです。
なお、一部のクロス取引は不公正取引の未然防止の観点から注文が制御されておりますので、ご注意ください。詳細はこちら
旧NISAの売却と新NISAの買付のクロス取引の例
- ・旧NISAの国内株式預りを「成行」or「指値」で売却注文
- ・同じ銘柄を新NISA預りで「寄成」or「寄指」買い注文
売却注文後に、同銘柄・同数量を「NISA預り」で「寄成」or「寄指」で買い注文を出すことでクロス取引ができます。
旧NISAでの売却と新NISA買付を同じ株価で約定させるためには、市場が開始する9時前もしくは後場開始前の11:30-12:30までに両注文を成行で実施することをおすすめします。
旧NISA放置にご注意!注意点をチェックするならこちら
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