海運、インバウンド~上昇してきた日経平均採用銘柄が示唆する日本株の方向感は?

海運、インバウンド~上昇してきた日経平均採用銘柄が示唆する日本株の方向感は?

投資情報部 鈴木 英之

2022/06/07

6月第1週(5/30~6/3)の日経平均株価終値は前週末比3.7%高と、週足ベースでは、3週続伸となりました。同じ期間、米国ではNYダウ、ナスダック、S&P500指数が押しなべて下落しており、日本株の相対的な強さが目立ちました。

ちなみに、今回の日経平均株価の上昇局面は5/12(木)を安値に、6/6(月)まで8%超の値上がり(終値ベース)となっています。この間はどんな銘柄が上昇したのでしょうか。また、そうした物色方向は、投資家にどのような示唆を与えているのでしょうか。

円安を追い風に、日経平均株価の相対的な強さが目立つ

6月第1週(5/30~6/3)の日経平均株価終値は27,761円57銭となり、前週末比979円89銭(+3.7%)高と週足ベースでは、3週続伸となりました。週間の上昇率としては10週ぶりの「大幅高」でした。同じ期間、米国ではNYダウ、ナスダック、S&P500指数がともに下落しており、日本株の相対的な強さが目立ちました。

6月第1週末のNYダウは前週末比0.9%安となりました。5月ISM製造業指数や、同月雇用統計など、重要な米経済指標は総じて米国経済の強さを示し、米10年国債利回りは5/27(金)の2.74%から6/3(金)には2.94%まで上昇しました。この週はWTI原油先物相場も、節目とみられた1バレル115ドルを上回る展開でした。インフレ・金利上昇懸念が再燃した形となり、米国株への逆風となりました。

なお、米10年国債利回りの上昇を受け、外為市場では、6/6(月)には1ドル130円84銭の円安・ドル高水準を付けました。これまでは、5/9(月)の130円78銭が対円でのドルの高値になっていましたが、それを突破する形となりました。ちなみに、ドル・円相場は3/7(月)から5/9(月)においてドルは対円で13.7%も上昇しましたが、同期間の日経平均株価の上昇率は4.4%にとどまりました。
しかし、今回は5/23(月)から6/6(月)の130円84銭まで、ドルが対円で2.4%上昇する中、同期間の日経平均株価は3.4%上昇しています。ドル・円相場と日経平均株価の相関性が強まる傾向にあり、足元は円安・ドル高が日本株の上昇要因になっているとみられます。

6/3(金)の米国市場では、5月雇用統計の強い内容を受け、NYダウは前日比348.58ドル安と急反落しました。それを受けて、6/6(月)の日経平均株価は売りが先行しましたが、上記のように1ドル130円台に乗せた円安・ドル高の流れを味方につけ、結局続伸で終わり、日本株の相対的な強さを印象付ける結果となりました。

日経平均株価採用銘柄の上昇率上位(5/30~6/6)では、川崎重工業(7012)が値上がり率トップとなりました。岸田首相が5/23(月)、日米首脳会談後の記者会見で防衛費の大幅増額を示唆したことが買い材料となりました。さらに5/28(土)の日本経済新聞では、政府が今年度内にも防衛装備品の輸出に関する規制を緩和するとの見通しを報道しました。同社は防衛関連の一角と捉えられており、特に5/27(金)~6/6(月)は7営業日続伸となり、年初来高値更新となっています。

円安・ドル高が追い風になりやすい輸送用機器の中では、SUBARU(7270)の上昇が目立ちました。同社は今期、1ドル120円を前提為替レートとしていますが、期中平均レートが同130円の場合は、それを10円上回る計算となります。報道等によると同社は1ドル1円、円安・ドル高が進むと営業利益が105億円上振れると推定されています。現在のドル・円相場は営業利益で1,050億円程度の上振れ要因になっているとみられます。

図表1 日経平均株価およびNYダウの値動きとその背景

  日経平均株価(終値) 前日比 NYダウ(終値) 前日比 国内株式市場の動き 米国株式市場の動き
5/30(月) 27,369.43 +587.75 33,212.96 +575.77 大幅続伸。グロース市場指数は小幅続落。
・前週末の米国株式の大幅高を好感。
・急騰していた海運株は反落。
TOPIX浮動株比率見直しリバランスに伴い売買代金は4兆3000億円超え。
メモリアルデー
31(火) 27,279.80 -89.63 32,990.12 -222.84 反落。
・EUのロシア産原油禁輸合意を受け、原油価格高騰。関連株が連れ高。米長期金利が時間外で上昇。
・30日に続き
TOPIX浮動株比率見直し。リバランスに伴い売買代金は5兆5000億円超え。
・米経済指標の発表を夜に控え、方向感に欠ける。
反落。
・米欧の経済指標によりインフレ懸念が強まり、売り優勢。長期金利が上昇。
・5月の消費者信頼感指数は想定より楽観的結果となり、前週からの一般消費財の買戻しが継続。
・翌1日に5月ISM製造業景況指数の発表を控え、インフレ加速の方向性を見定める為に様子見姿勢。
6/1(水) 27,457.89 +178.09 32,813.23 -176.89 反発。
・米欧の長期金利上昇を受け、円安ドル高が進行。輸出関連株が物色される。
・OPEC増産可能性が報じられ、原油価格が下落。関連株が連れ安。
・上海ロックダウン解除が、経済再開期待要因として好感される。
経済指標がインフレ問題長期化の様相を呈し、続落。全面安商状。(エネルギー以外)
・5月ISM製造業景況指数は、市場予想を上回り上昇。FRBの金融引締め姿勢を支持する形となり、長期金利は上昇。
・セールスフォースが急騰。前日の決算発表にて利益見通しを上方修正し、好感された。
・経済指標の結果は堅調な需要を示し、原油価格が上昇。関連株が買われる。
2(木) 27,413.88 -44.01 33,248.28 +435.05 反落。
・米金利上昇を受け、グロース売りが広がる。ドル円は一時130円台まで跳ね上がった。
・鉱業、医薬品の売りはが前日から持ち越される。
・週末にかけて米雇用統計の発表を控え様子見か。
主要3指数揃って反発。
・経済指標軟化を受け、金融引締め強化への警戒感が後退。エネルギーを除き全面高。
・OPECとOPECプラスが増産合意。しかし、原油価格は上昇。要因として増産幅の小ささを指摘する見方も。
・FRB副議長が9月利上げ休止の可能性は非常に低く、物価の改善がない限り現行姿勢を継続すると述べた。
3(金) 27,761.57 +347.69 32,899.70 -348.58 反発。
・米国市場に連れ高。
・ファストリが急上昇。2日に既存店の売上高増収を発表していた。
・米金利上昇鈍化を受け、グロース中心に物色される。保険やその他金融業は売られる。
・原油価格の上昇を受け、空運業が安い。
反落。
・5月雇用統計(非農業部門)は市場予想を上回り、FRBの金融引締め姿勢維持の見方が広まった。長短金利が上昇し、ハイテク株中心に下落。
・前日に続き原油価格が上昇。関連株が高い。
・テスラが急落。従業員の削減計画が伝わった。なお、CEOは経済に関して「非常に悪い予感がする」と示している。
6(月) 27,915.89 +154.32 32,915.78 +16.08 続伸。
・「Go To トラベル」再開案浮上の報道を受け、陸運や空運が買われる。
・前週に続いた原油価格の上昇で、関連株が連れ高。
・米国株式先物とアジア株式の上昇が下支えした。
長期金利3%台になるも小幅反発。
・週中に多数の国債の新規発行予定や、終盤にCPI発表を控え長期金利が急上昇。株価上昇の抑制要因になった。
・株式分割(1:20)後のアマゾンを中心に、大型IT株が物色される。
・中国ADRが全面高。中国当局による滴滴への調査終了の報道があった。
  • ※日経平均株価・NYダウ等各種株価データ、各種資料をもとにSBI証券が作成。

図表2 日経平均株価

  • ※当社チャートツールを用いて作成。データは2022年6月7日13:00時点。

図表3 NYダウ

  • ※当社チャートツールを用いて作成。データは2022年6月7日13:00時点。

図表4 ドル・円相場

  • ※当社チャートツールを用いて作成。データは2022年6月7日13:00時点。

図表5 主な予定

月日 国・地域 予定 備考
6/7(火) 日本 4月景気動向指数(速報値)  
    4月家計調査  
  米国 4月貿易収支  
8(水) 日本 5月景気ウォッチャー調査  
  米国 MBA住宅ローン申請指数  
    4月卸売売上高(前月比)  
9(木) 日本 5月マネーストック  
  中国 5月貿易収支  
  欧州 ECB定例理事会 ラガルド総裁会見
10(金) 日本 5月国内企業物価指数  
    メジャーSQ  
    外国人観光客、一定の制限下で受入れ再開  
  中国 5月消費者物価指数(CPI)  
    5月生産者物価指数(PPI)  
  米国 5月消費者物価指数(CPI) 前回(前年同月比)は6.2%で、今回予想は5.9%
    6月ミシガン大学消費者態度指数  
13(月) 日本 4-6月景況判断BSI大企業全産業  
    4-6月景況判断BSI大企業製造業  
    ☆決算発表 神戸物産(3038)
14(火) 米国 FOMC(-15日まで)  
    5月生産者物価指数(PPI)  
15(水) 日本 4月機械受注  
  米国 政策金利の発表、FRB議長会見  
    5月小売売上高  
    6月NY連銀製造業景気指数  
    4月対米証券投資  
16(木) 日本 日銀金融政策決定会合(-17日まで)  
    5月貿易統計  
  米国 5月住宅着工件数  
    6月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数  
17(金) 日本 政策金利の発表、黒田総裁会見  
  米国 5月鉱工業生産  

※各種報道、WEBサイト等をもとにSBI証券が作成。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合があります。

図表6 日米欧中央銀行会議の結果発表予定

  2022年
日銀金融政策決定会合 6/17(金)、7/21(木)、9/22(木)、10/28(金)、12/20(火)
FOMC(米連邦公開市場委員会) 6/15(水)、7/27(水)、9/21(水)、11/2(水)、12/14(水)
ECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合 6/9(木)、7/21(木)、9/8(木)、10/27(木)、12/15(木)

※日米欧中銀WEBサイトを基にSBI証券が作成。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合があります。なお、ECB理事会は金融政策の議論・決定を行う会合の日程のみ掲載しています。日付は現地時間を基準に記載しています。

図表7 日経平均株価採用銘柄の上昇率上位(5/30~6/6)

コード 銘柄 業種 株価
(6/6)
株価
(5/30)
騰落率
(5/30~6/6)
7012 川崎重工業 輸送用機器 2,914 2,517 15.8%
9983 ファーストリテイリング 小売業 68,700 61,600 11.5%
6472 NTN 機械 291 262 11.1%
7270 SUBARU 輸送用機器 2,363 2,133 10.8%
5301 東海カーボン ガラス・土石製品 1,182 1,072 10.3%
7752 リコー 電気機器 1,172 1,065 10.0%
7004 日立造船 機械 872 797 9.4%
5019 出光興産 石油・石炭製品 3,800 3,490 8.9%
5202 日本板硝子 ガラス・土石製品 420 386 8.8%
5020 ENEOSホールディングス 石油・石炭製品 561.5 517.4 8.5%
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。
  • ※銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
  • ※6/6終値を5/30終値と比較し、値上がり率の大きい日経平均採用10銘柄を掲載。

図表8  日経平均株価採用銘柄の下落率上位(5/30~6/6)

コード 銘柄 業種 株価
(6/6)
株価
(5/30)
騰落率
(5/30~6/6)
2802 味の素 食料品 3,027 3,152 -4.0%
8804 東京建物 不動産業 1,720 1,790 -3.9%
6098 リクルートホールディングス サービス業 4,536 4,694 -3.4%
4755 楽天グループ サービス業 720 745 -3.4%
4042 東ソー 化学 1,828 1,885 -3.0%
5232 住友大阪セメント ガラス・土石製品 3,230 3,330 -3.0%
6702 富士通 電気機器 18,980 19,500 -2.7%
4523 エーザイ 医薬品 5257 5,397 -2.6%
4502 武田薬品工業 医薬品 3,649 3,744 -2.5%
4704 トレンドマイクロ 情報・通信業 7,420 7,610 -2.5%
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。
  • ※銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
  • ※6/6終値を5/30終値と比較し、値下がり率の大きい日経平均採用10銘柄を掲載。

上昇してきた日経平均採用銘柄が示唆する日本株の方向感は?

図表2の日経平均株価(日足)のチャートで明らかなように、今回の上昇局面は5/12(木)を安値に、6/6(月)まで8%超の値上がり(終値ベース)となっています。日経平均株価が当面の安値となった5/12(木)はソフトバンクグループ(9984)の決算発表日で、前日は時価総額トップのトヨタ(7203)の発表日でした。決算発表が佳境を迎え、日経平均株価の予想EPSがあまり下がらなかったこともあって、企業業績に関するリスク要因が後退しました。また、円安が進行したことも日本株の上昇につながったと考えられます。

ちなみに、同期間(5/12~6/6)、日経平均採用銘柄で大きく上昇した銘柄は何でしょうか。図表9は、今回の上昇局面(5/12~6/6)で大きく上昇した日経平均採用銘柄の中から、上位20銘柄をご紹介しています。

決算発表を経たこともあり、好業績銘柄の活躍が目立つようです。上昇率トップのベアリング大手NTN(6472)は2022年3月期の純利益が従来予想を上回ったことに加え、2023年3月期会社計画でも大幅増益が見込まれたことで、株価上昇につながりました。中国経済の動向が気になる機械セクターの銘柄でもあり、中国がロックダウン解除の方針を示したことも追い風となりました。

ちなみに、この銘柄は3/25(金)の「日本株投資戦略」でご紹介したように、防衛関連株の一角を占めています。世界的な軍事関連企業であるレイセオンやゼネラル・ダイナミクスとも取引実績があります。三菱重工業(7011)や川崎重工業(7012)、さらにIHI(7013)といった日本を代表する防衛関連銘柄も上昇率上位を占めており、「防衛」に関する銘柄が選好された可能性もありそうです。ウクライナ・ロシア戦争を契機に、世界的に軍事費が拡大の方向となっていることが影響しているとみられます。

なお、中国のロックダウンが解除の方向になったことで、中国経済の影響を強く受けやすいソフトバンクグループ(9984)、ファーストリテイリング(9983)も上昇率上位となりました。これらは、日経平均株価変動への寄与度が大きい銘柄としても知られており、これらの銘柄の大幅高が日経平均株価の上昇に大きな影響を与えたと考えられます。

海運株では川崎汽船(9107の上昇が目立ちました。海運市況の改善を意識した買いに加え、5/26(木)に日本郵船(9101が株式分割を発表したことで、川崎汽船に対する分割期待も高まりました。ただ、同社社長は、テレビ番組で、株式分割の予定については「現時点では未定」と発言しました。

この他、三越伊勢丹ホールディングス(3099)、J.フロント リテイリング(3086)など百貨店株も値上がりしました。政府が海外からの旅行者数に関し、1日当たり入国者数を1万人から2万人に増やすと発表しました。海外旅行客の増大に伴い、インバウンド需要が高まるとの期待が影響したとみられます。

このように、今回の株価上昇局面(5/12~6/6)では、防衛関連、中国経済再開関連、インバウンド関連など、テーマ株がしっかりと物色されており、相場の核となっていました。相場の核がしっかりとしていることで、株価上昇は持続しやすいと考えられます。このうち、防衛関連やインバウンド関連(さらに広く経済再開関連)は今後も、循環物色の形を取りながら、折に触れて物色される可能性もありそうです。

※SBI証券企業調査部・参考レポート

川崎汽船(9107)・・・5/23(月)「今後の株主還元実施状況に注目すべきだろう」(山崎アナリスト)

日本郵船(9101)・・・5/23(月)「好調3事業の動向を注視すべきだろう」(山崎アナリスト)

図表9  【ご参考】今回の上昇局面(5/12~6/6)で大きく上昇した日経平均採用銘柄

コード 銘柄 業種 株価
(6/6)
株価
(5/12)
上昇率(5/12~6/6)
6472 NTN 機械 291 210 38.6%
5803 フジクラ 非鉄金属 804 596 34.9%
9107 川崎汽船 海運業 10,700 8,390 27.5%
1963 日揮ホールディングス 建設業 1,860 1,465 27.0%
7012 川崎重工業 輸送用機器 2,914 2,343 24.4%
7013 IHI 機械 3,950 3,235 22.1%
9983 ファーストリテイリング 小売業 68,700 56,290 22.0%
5020 ENEOSホールディングス 石油・石炭製品 561.5 467 20.2%
9984 ソフトバンクグループ 情報・通信業 5,391 4,491 20.0%
8630 SOMPOホールディングス 保険業 6,021 5,077 18.6%
9766 コナミホールディングス 情報・通信業 8,870 7,480 18.6%
1801 大成建設 建設業 4,105 3,465 18.5%
5301 東海カーボン ガラス・土石製品 1,182 998 18.4%
6103 オークマ 機械 5,580 4,715 18.3%
7011 三菱重工業 機械 5,338 4,512 18.3%
6724 セイコーエプソン 電気機器 2,266 1,932 17.3%
3086 J.フロント リテイリング 小売業 1,132 967 17.1%
3099 三越伊勢丹ホールディングス 小売業 1,116 956 16.7%
6762 TDK 電気機器 4,640 4,010 15.7%
6976 太陽誘電 電気機器 5,620 4,865 15.5%
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。
  • ※銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
  • ※6/6終値を5/12終値と比較し、値上がり率の大きい日経平均採用20銘柄を掲載。
  • ※この表は客観的データのご提供を目的に作成されており、銘柄の推奨は意図されておりません。

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