お金の貯め方って年収別に変わるもの?300万円、350万円、400万円でどう違う?

日銀が発表している資金循環統計によると2018年3月末における日本人の金融資産の内訳は、52.5%が現金預金、14.9%が株式や投資信託です。米国や英国と比較すると、現金預金の比率が高いという特徴があります。現在の日本は超低金利であるため、預金のままにしておいてもなかなか増えづらい状況が続いています。とはいえ、ある程度は現金預金で備えておくことも大切です。年収によってお金の貯め方は異なります。そこで、今回は年収別にお金の貯め方を考えてみましょう。

どうして年収でお金の貯め方が変わるの?

まず、お金を貯めることを、ただ貯蓄しなければならないと考えるよりも、貯蓄の目的に重きを置くことが大切です。年収がいくらであっても、必要な貯蓄はいざというときの生活費となる予備費です。突発的なけがや病気で働けなくなることを考えて、年収の6ヵ月分から1年分の生活費を目安にして貯めるとよいでしょう。また、こういったお金は増やすというより減らさないという意識を持つことが大切です。入用になったときにいつでも引き出しができるように、普通預金や定期預金を利用して貯めるのがよいでしょう。

予備費を貯めることができたら、教育費や老後の資金、住宅資金など、目的に合わせた貯蓄を行いましょう。向こう1〜2年以内に使う予定のお金であれば、安全性を重視して減らさない運用を意識することが大切です。もし、長期で運用できる余裕資金があるようであれば、多少のリスクをとって運用してもよいかもしれません。その際は、投資時期や投資先を分散することを心がけましょう。

このように資産形成は目的別に行うことが大切ですが、上述したとおり貯めたいと思っても収入が違えば思うように貯まらないかもしれないのです。そこで、年収別のお金の貯め方をご紹介しましょう。

年収300万円の人の貯め方

年収300万円の人は、お給料だけで生活ができるように体力をつけることが大切です。毎月の手取り金額は生活費にまわして、ボーナスで貯蓄をするといったメリハリをつけるのはいかがでしょうか。生活費を見直し、無駄がないのかを確認することも大切です。通信費、家賃、光熱費、自動車の維持費など、毎月大体決まった金額を支払っている場合はもう少し抑えられる項目がないかを確認し、貯められる金額を試算してみるのがよいですね。

年収350万円の人の貯め方

それでは、年収350万円の人はどのように貯蓄をすればよいでしょうか。まず、ボーナスだけでなく毎月のお給料からも貯蓄ができないのかを考えましょう。たとえば、生活費用の預金口座と貯蓄用の預金口座という2つの口座に分けるのが一案です。給料日などに貯蓄分をあらかじめ貯蓄用の口座に振り込み、残りのお金で生活するようにすれば、「貯蓄分はもともとなかったお金」として考えられるはずです。

ある程度まとまった金額が貯蓄できたら、貯めるだけでなく増やすことも検討します。同じ定期預金でも、利率の高い定期預金に預けたり、個人向け国債などを活用したりするのがよいでしょう。

年収400万円の人の貯め方

年収400万円の人は毎月の給与の中からいくらか貯蓄できる金額があるはずです。ボーナスだけを貯蓄するのではなく、毎月の手取り金額からも貯蓄にお金を振り分けられるように、家計に目を向けます。また、老後のための資金は、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」を活用して"少しずつ増やす"を意識することが肝心です。

iDeCoは毎月一定額の掛け金で投資信託や定期預金、保険などの金融商品を選んで運用し、60歳以降に運用した資産を受け取る制度です。掛け金は全額「所得控除」の対象となり、所得税・住民税が減ります。運用による利益だけでなく、税制優遇があるのがポイントだといえます。しかし、iDeCoには積み立てた資産を60歳まで引き出せないというデメリットもあります。

また、途中解約することも原則認められていません。iDeCoを始めるときは、予備費が十分にあるか、iDeCoに積み立てを行っても生活には影響がない金額を拠出できるのかをよく考えることが肝心だといえます。

収入に応じた貯め方を

このように年収に応じてお金の貯め方は異なります。余裕資金のないうちから生活に必要なお金を投資にまわすと、万一のときには対応できないおそれがあります。まずは、生活資金を見直し、余裕資金を持つことが大切です。そのうえで、余裕資金で増やすという意識を持ち、お金を貯めていきましょう。

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