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資産運用

なぜ毎月分配の投資信託が人気なのか?

今まで順調に資金が流入していた投資信託ですが、今年に入って減少に転じています。そんな中でも根強い人気があるのが、毎月分配型の投資信託です。資金の流入や純資産総額などのランキングには、必ずといっていいほど毎月分配型の投資信託が含まれています。

ただ、毎月分配型の投資信託はタコ足分配といわれているように、運用益以上に純資産の中から分配している商品が多くあり、問題視されている点もあります。

自分で運用することがないので、専門知識がなくても利用できるのが投資信託です。根強い人気の毎月分配型投資信託の魅力はどこにあるのでしょうか。

毎月もらえるお小遣いとして利用したい購入者

投資信託の主な購入者は高齢者で、50代以上に多いのが特徴です。購入する高齢者の多くは、退職金などを受け取ったりする年代で、年金受給者世代が主になります。退職金などのまとまった資金を運用する目的の一つとして、自分で運用する必要のない投資信託を購入するようです。

年金の受け取りは2ヵ月に1回のため、毎月決算がある投資信託を購入することで、年金のない月にも受け取りができるという点が魅力的だとされています。購入時の分配金の受け取り金額を聞いて、リターンが大きいと勘違いしやすいこともあるようです。

例えば、基準価格5,000円で毎月100円の分配がでているものを500万円で購入した場合、月に10万円を受け取ることができます(税金、手数料考慮せず)。さらに、購入時に毎月受け取ると考えて年間だと120万円、500万円分購入したと考えると2割以上のリターンを得られると思ってしまうようです。

元本の払い戻しの商品

毎月分配型の投資信託に関しては、以前からタコ足分配が問題視されています。投資信託は本来、純資産の運用益部分を投資家に分配するという目的がありますが、毎月分配型の場合は運用益部分だけでは足りないので、集めた純資産の元本の中から払い出す傾向があります。

毎月分配型は基本的に毎月決算を行うので、高金利の新興国など外国に投資している商品がほとんどです。運用益を上げるために、リスクの高い商品で運用する必要があるのです。そのため、新興国などの景気の影響にはとても敏感になります。

先に例としてあげた、基準価格が5,000円で月に100円分配していた投資信託も、基準価格が3,000円、分配金が50円に下がる可能性があるということです。そうなると、分配金で10万円もらえると見込んでいたのが5万円の受け取りになります。さらに解約した場合、500万円の資金を投入して戻ってくる資金が300万円と▲200万円も損になってしまいます(税金、手数料考慮せず)。もちろん、こういったリスクは販売会社で説明することが義務付けられており、購入する投資家も理解して購入しているのです。

それでもなぜ購入するのか?

それでも毎月分配型を購入する理由の一つは、多くの購入者が高齢者ということで、将来の値上がり益を待つよりも先に受け取りたいと考えている人が多いためです。高齢者は、いつまで自分が生きられるかわからないため、予測不能な将来を待って運用益を享受するよりも先に、受け取りを確保したいと考えています。

その一方で、仮に分配金が元本の払い戻しになったり、基準価格が下がったりしたとしても、毎月分配金を受け取ることによって長期で保有すれば、個別元本が調整され、購入した金額との差損が縮まっていくという考えもあるようです。

銀行の預貯金の金利ではいい運用が見込めないため、ハイリスクハイリターンの投資信託を購入するという高齢者の思惑で、今でも毎月分配型の投資信託に資金が流入し、根強い人気があるのです。

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