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投資を考えるうえで重要な「リスク」と「リターン」の関係とは
投資を行ううえで、リスクは必ずついて回ります。そのため、リスクとリターンを上手にコントロールしながら投資をしていくことが、成功の秘訣となります。ここでは、金融商品のリスクとリターンについて考えていきましょう。
金融商品に存在するリスクとは
金融商品を購入する場合、皆さんが一番心配なのは購入時より解約時に価格が下がることでしょう。個別株や投資信託は、銀行の普通預金や定期預金と違い元本が保証されていません。これらの商品は、値動きのある株式や債券に投資するため、株価や投資信託の値段である基準価額が株式や債券市場などの動向により変わってくるからです。
しかし、「リスク」とはこのような元本割れをする「危険性」についてのみを指すわけではないのです。金融商品でいうところの「リスク」とは、株価や基準価額の「ブレ」の大きさのことをいいます。このブレのことを「ボラティリティ」といいます。そして一般的に、「リスク」は「標準偏差」という指標を用います。数値が大きければ大きいほど値動きが大きい、つまり「リスクの高い=ボラティリティが高い」ということになります。これらの「リスク」の要因は、投資対象によってあらかじめ予想できます。事前に予測できれば、いざ何かが起こったとき対処しやすくなるのです。
リスクの種類
それでは、金融商品における主な「リスク」を見ていきましょう。
1. 信用リスク
株式や債券などの発行会社の経営状態が悪化したり、経営が破たんしたりすることなどにより、金融商品に投資した元本や、利子の支払いが滞るリスクのことをいいます。
この信用度を判断する材料として「格付け」制度があります。これは、元利金支払いの確実性を格付け会社が評価し、それをランク付けしたものです。AAAやAaaなどといった格付けがそれに当たります。
2. マーケットリスク(市場リスク)
価格が変動する金融商品は、売却したときの受取金額が当初支払った金額を上回る場合もあれば下回る場合もあります。株式や投資信託の価格が変動する理由は、企業の業績や景気動向による影響からです。
皆さんが金融商品を購入した瞬間から、損益の不確実性に直面し、マーケットリスクにさらされることとなります。
3. カントリーリスク
国内金融商品だけでなく、海外企業や債券などに投資範囲を広げた場合、購入先の国の政治情勢や経済状況の変化が金融商品にも影響を与えることがあります。最近の例では、イギリスのEU離脱がこれに当たります。
4. 為替変動リスク
円以外の通貨を元本とする外貨建て金融商品を購入した場合に発生するリスクです。為替は時々刻々と変化しますが、短期間の上下動を予想することは困難です。しかし、長期で眺めてみると、為替の大きな流れはファンダメンタルズの動向により把握しやすいものです。購入時より円安になると円での手取り額が増え、逆に円高になると手取り額が減ります。
リスクとリターンの関係
前に金融商品の値動きの幅が「リスク」だとお話ししましたが、この値動きの幅(リスク)が大きい商品ほど、リターン(収益)が高い傾向があります。
値動きが大きければ、自分にとって「良い値段」にも「悪い値段」にもなる可能性が高くなります。逆に値動きが小さければ、「良い値段」や「悪い値段」になりにくいといえます。つまり、値動きの幅(リスク)の大きい資産ほど期待できる収益(リターン)が高い傾向にあるのです。ですからローリスクハイリターンといった夢の商品は存在しないのです。
自分がとれるリスク、すなわち将来このくらいの価格の変動なら耐えられるという水準を意識しながら商品選択をしていくことが、投資を成功させる秘訣だといえます。取り得るリスクと期待するリターンをわかりやすく「見える化」することが重要となります。
実際に見える化するにはどうしたらいいのか、なにから手をつけたらいいのか分からない人も多いかもしれません。そんな時は専門家に相談するのも有効な手段だといえます。何もわからないままやみくもに行動するのはリスクが伴います。その不安要素やリスクを減らすためにも、必要な場合は専門家の力を借りることも視野にいれてみましょう。
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