孫への相続や複雑な家族関係でも揉めない遺言書作成のポイント 特定の人に多く財産を残すには?

執筆:弁護士ドットコム

更新:2026年02月13日

大切な財産を、次世代へスムーズに渡すために

「世話になった家族に多めに財産を渡したい」「かわいい孫に相続させたい」。

ご自身が築き上げた大切な財産だからこそ、家族への感謝や事情に合わせて柔軟に配分したいと考えるのは自然なことです。

遺言書を作成すれば、ご自身の意思に沿う形で財産の分け方を指定できます。しかし、書き方を間違えると無効になり、遺言の内容を実現できません。また、配分の仕方によっては、他の相続人の遺留分(最低限の取り分)を侵害してしまうおそれがあります。

弁護士ドットコムが運営する公開型Q&Aサービス「みんなの法律相談」には、遺言書の書き方や、そもそも作るべきか?など、遺言書について悩みを抱える方から多数の相談が寄せられています。その一部を弁護士の回答とともに紹介します。

【相談事例①】娘に全財産を渡したい。息子とのトラブル対策でできることは?

数年前に離婚し、相続人は息子と娘の2人というAさん。娘に全財産を相続させたいと考えています。ただ、特定の相続人に全財産を譲る場合、他の相続人(この場合は息子)から遺留分を請求されるリスクがあることを知り、後々、娘と息子の間で揉めるのでは…と悩んでいます。特定の相続人だけに遺産を渡したい場合、どのような手順を踏めばトラブルを避けられるのでしょうか。

この相談に回答した弁護士は、トラブル防止のために、まずは、息子への説明と贈与をすることを提案。なぜ娘に全財産を渡したいのか説明し、その代わりに、ある程度の財産を息子に渡して納得を得ます。そして、家庭裁判所の許可を得て、息子に遺留分を放棄してもらい、その上で、「全ての遺産を娘に相続させる」という内容の公正証書遺言を作成するのがお勧めとのことです。

【相談事例②】子どもと孫に相続させたい。家族仲がよいから遺言は不要?

祖父の相続について疑問を抱えているBさん。祖母は高齢で資産もあるので、祖父の遺産は「①子ども2人だけ」または「②子ども2人と孫5人」で相続したいと考えているそうです。家族間で揉める心配がない場合でも、祖父に遺言書を作ってもらう方がよいのか、作らなかった場合のリスクが知りたいと相談を寄せました。

相談に回答した弁護士によると、①②いずれの場合も遺言書が必要とのこと。配偶者(祖母)は常に法定相続人となるため、法律のルール通りに相続させないのであれば、遺言書でその旨を指定する必要があります。また、孫は通常、相続人ではないため、孫に財産を渡すためにも遺言書が必要です。

ただし、遺言書で、祖母に相続させない旨を指定しても、祖母には最低限の取り分である遺留分を請求する権利が残ります。祖母が納得して請求しなければ、遺言書の通りになります。

また、遺言書なしで孫に財産を渡そうとすると、法的には「一度子ども(相続人)が相続し、それを孫に贈与した」とみなされるおそれがあると指摘。その結果、相続税に加えて贈与税まで課税される可能性があるそうです。税金面で損をせず、確実に孫に財産を残すためにも、遺言書が必須と言えるでしょう。

遺言書に関するQ&Aまとめはこちらから

以下の記事では、遺言書について、「みんなの法律相談」に寄せられた実際の相談事例と弁護士の回答をまとめて紹介します。

孫への承継や介護をしてくれた家族への配慮、複雑な家族関係における書き方の注意点など、実際の相談事例に対する弁護士のアドバイスは、あなたの想いを円満な形で実現するためのヒントになるでしょう。

▼ 介護してくれた家族に多く財産を残す遺言書の書き方は? 実際の相談事例と弁護士の回答を見る

https://www.bengo4.com/c_4/c_1049/c_1530/m_612190/

<コラムポリシー>

コラムは一般的な情報の提供を目的としており、当社で取り扱いのない商品に関する内容も含みます。また、内容は掲載日当時のものであり、現状とは異なる場合があります。

情報は当社が信頼できると判断した広告提携業者から入手したものですが、その正確性や確実性を保証するものではありません。コラムの内容は執筆者本人の見解等に基づくものであり、当社の見解等を示すものではありません。

なお、コラムの内容は、予告なしに変更、削除することがあります。

弁護士ドットコム

17時以降相談可電話相談可オンライン相談可初回相談無料土日祝日相談可WEB完結可
対応地域
全国
営業時間
24時間
アクセス
オンライン
得意分野
相続などの法律問題の解決