60代から考える、NISAを活用した「親から成人した子への資産承継」
人生100年時代を迎え、ミドルシニア~シニア世代にとって「自分たちの老後資金」の確保と同時に、「子世代への資産のバトンタッチ」は大きな関心事となっています。特に、NISAは、単なる税制優遇制度ではなく、親から子へ資産を継承し、かつ子世代の資産形成を促すためのツールとして注目されています。
本コラムでは、NISAを活用した資産承継のメリットや具体的な進め方、そして注意すべき税務上のポイントについて詳しく解説します。
※NISAは、日本在住の18歳以上の方であれば、どなたでも利用可能な制度です。
なぜNISAが資産承継におすすめなのか
私たちがNISAを活用した資産承継をおすすめする理由は、主に「非課税メリット」と「無期限の運用期間」の2点からです。
- 非課税メリット: NISA口座内での運用益や配当金、分配金には通常約20%かかる税金が発生しません。この非課税効果は、運用期間が長くなればなるほど、複利の力によって雪だるま式に大きくなると言われています。
- 非課税保有期間の無期限化: 現行のNISA制度では、非課税で保有できる期間が無期限です。これにより、ライフステージの変化に合わせて、柔軟に売却や運用継続を選択できるようになっています。
NISAを活用した資産承継の4つのステップ
では、実際にNISAを使って資産承継のプランニングをするにあたって、4つのステップを追っていきましょう。
ステップ1: お子さまの年齢確認(成人しているか)
令和8年度(2026年)の税制改正において、2023年末に廃止されたジュニアNISAの後継として、2027年1月から新たに「こどもNISA」の創設が予定されています。しかし、こどもNISAが開始される前の2026年4月時点でNISA口座を開設できるのは、日本国内に居住する18歳以上の成人に限られます。未成年の場合は、現状NISA口座を持つことができないため、成人を待つか、他の方法を検討する必要があります。
ステップ2:贈与制度の選択
親から子へ投資資金を贈与する際、主に2つの制度があります。
- 暦年課税制度: 年間110万円までの贈与が非課税となる方法です。
- 相続時精算課税制度: 令和5年度の税制改正により、この制度を選んでも年間110万円までは非課税(申告不要)となり、使い勝手が向上しました。
※税制の詳細に関しては、所轄の税務署または税理士等の専門家にご相談ください。
ステップ3: 利用する投資枠の決定
NISAには「つみたて投資枠(年間120万円)」と「成長投資枠(年間240万円)」があり、併用が可能です。資産承継においては、長期的な形成を目指す「つみたて投資枠」を主軸にしつつ、一部高いリターンを追求する目的で「成長投資枠」を組み合わせるのがおすすめです。
ステップ4:資金計画
- 親が全額贈与:贈与税の基礎控除額(年間110万円)を超えないで、親がNISAの投資資金をすべて贈与する方法です。子どもの自己資金は必要ありません。
- 親が一部贈与+子どもも自己資金を負担:この方法は、子どもが投資に「自分ごと」として向き合うきっかけになります。
例えば、親が年初に100万円を贈与し、子どもが残りの20万円を自分で用意することで、つみたて投資枠の年間上限(120万円)をフル活用できます。この場合、子どもは毎月約1万6千円をご自身で積み立てることになります。
毎月10万円を積み立て、年率3.0%で運用できたと仮定すると、15年後の将来的な資産額は2,262万円(※)に達する計算となります。※複利計算をしています。計算結果は小数点以下を四捨五入しています。計算の便宜上、手数料等は考慮しておりません。シミュレーションは、将来の運用成果を保証するものではありません。
「定期贈与」とみなされないための注意点
良かれと思って毎年同じ金額を子どもの口座に振り込んでいると、税務署から「定期贈与」とみなされ、多額の贈与税が課されるリスクがあります。これを避けるための3つのポイントをご紹介します。
- 毎年、贈与額を変動させる: 毎年100万円ちょうどではなく、ある年は90万円、ある年は110万円にするなど、年ごとの個別の意思決定であることを示します。
- 贈与契約書を作成する: 毎回「いつ、誰が、誰に、いくら」を合意したか記録を残すことで、証拠能力を高めます。
- 贈与された資金はすぐにNISAでの運用を開始: 資金が長期間、子どもの銀行口座に滞留していると、単なる名義貸しとみなされるリスクもゼロではありません。
※ここで紹介した手法は、ご家族の状況や税制改正によって有効性が異なります。税務に関するご相談は、必ず税理士へご相談ください。
投資経験という「見えない資産」の承継
子どもの投資をサポートする上で、特に大切なのは、「投資判断は子ども自身に委ねる」ことです。ついつい「この商品がいい」「これはダメだ」と口を出したくなりますが、子どもが自分で悩み、投資判断を行うプロセスこそが代えがたい財産となります。
失敗も含めた経験が、将来的に親から相続するであろう、より大きな資産を適切に管理する力へとつながるのです。
資産承継をきっかけに親子でお金の話をすることは、子どものお金を育てる力を高めるだけでなく、自身の運用や相続を見つめ直す良い機会になります。
「投資の経験がないから教えられない」「NISAの仕組みを説明できない」と、お一人で悩む必要はありません。私たちIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)が、中立的な立場から、ご家族に適したプランを一緒に考えます。
相談料は何回でも無料です。親から子へ、確かな知識とともに「資産のバトン」をつなぐために。まずはリラックスしてお話をお聞かせください。
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