vol.3 信用取引でかかるコストとは?

マーケティング部 外国株式チーム

2022/12/27

vol.3 信用取引でかかるコストとは?

信用取引でかかるコスト

3回目となる本コラムでは、投資するにあたって気になる手数料などのコストを解説します。

取引の損益は、株を買った時と売った時の株価の差をみるだけでなく、コストも含めたトータルの損益で考える必要があります。コストを見逃すと、実は思っていたほど利益がでていないということも。コストをしっかり理解して、取引をしましょう。

それでは、信用取引にかかるコストはどのようなものがあるでしょうか。
基本的には以下の3つとなります。
①手数料
②金利・貸株料
③その他コスト(管理費・権利処理手数料)

それぞれについて解説します。

手数料

手数料は、株の取引をしたことがある方はイメージしやすいコストだと思います。
お取引の際にかかるコストで、新規建て、決済のそれぞれで発生します。

金利・貸株料

金利・貸株料は、信用取引ならではのコストです。
金利は買建をしたときに、貸株料は売建をしたときにそれぞれかかります。

信用取引では、預けた保証金を担保に証券会社から資金や株式を借りて取引を行います。(詳しくは第1回コラム「米株信用の魅力、現物取引との違いとは」をご覧ください。) そのため、資金や株式のレンタル料として資金を借りている間(=買建)は金利を、株式を借りている間(=売建)は貸株料を証券会社に支払います。

金利・貸株料はレンタル料なので、借りた金額に応じて借りていた日数分のコストが発生します。

(計算式)
買建の場合: 新規建時の単価 × 数量 × 金利(年率) ÷ 365日 × 保有日数
売建の場合: 新規建時の単価 × 数量 × 貸株料(年率) ÷ 365日 × 保有日数

ここで注意が必要なのは保有日数の考え方です。
保有日数は、国内受渡日をもとに計算します。間違って、注文が約定した日をベースに計算してしまっていると、実際のコストは想定の金額より大きくなってしまうため注意が必要です。

例えば、12/5(月)の現地取引で新規建をし、12/7(水)の現地取引で決済をしたら保有日数は何日になるでしょうか?

正解は、5日です。

考え方は、以下のようになります。
12/5(月)の現地取引で約定・・国内約定日は12/6(火)、国内受渡日は12/8(木)
12/7(水)の現地取引で約定・・国内約定日は12/8(木)、国内受渡日は12/12(月)
※国内約定日は現地約定日の翌国内営業日
※国内受渡日は国内約定日の2国内営業日後

保有日数は、12/8(木)から12/12(月)の5日です。
新規建てから2日後に決済していますが、保有日数は『新規建ての国内受渡日』から『決済の国内受渡日』までをカウントするので、週末を挟むと保有日数が長くなりますね。

保有している建玉(たてぎょく)で、どのくらいの金利・貸株料がかかっているかは、お客さまご自身で計算しなくても外株サイトや米国株アプリでかんたんに確認できます。

その他のコスト(管理費、権利処理等手数料)

その他、信用取引では、建玉の保有から1ヵ月ごとに発生する費用の管理費や、保有する建玉が配当などの権利確定日をまたぐと発生する権利処理等手数料などがあります。 いずれも、米株信用では無料となっています。(2022年12月16日現在)

また、国内信用の制度信用取引で株不足が起きた場合に発生する「逆日歩(ぎゃくひぶ)」は、米株信用では発生しません。

コストを支払うタイミングは?

現物取引では、コストは取引の都度支払うため、買付であれば買付代金に手数料をプラスして支払い、売却であれば売却代金から手数料をマイナスした金額を受け取りますが、信用取引では、取引の都度の資金の受渡は行わず、決済した時にまとめて支払いを行います。取引が損失であれば支払い代金にコストをプラスし、利益であれば受け取る代金からコストをマイナスして受け取ります。

ただし、決済した時にいきなりコストが上乗せされると、損益が把握がしにくいため、保有中は毎営業日19時半ごろに諸経費の更新を行い、決済せず保有が確定した日数分の金利・貸株料を、事前に評価損益から差し引いています。

取引を行う際は、株価の動きだけでなくコスト面も意識して取引をしましょう。

おまけ~コストで比較、現物と信用どちらがお得?~

信用取引は、金利・貸株料がかかるため、現物取引と比較すると割高に思われる方もいるかもしれません。資金の約2倍の取引ができること、現物取引にはない売建ができることなど、どちらがお得かを一概に比較することはできませんが、お取引の方法によっては現物取引より低いコストでお取引をすることができます。

A銘柄を100株150ドルで買付(新規買い)、200ドルで売却(決済売り)した例をもとに比較しました。(手数料、金利は2022/12/16時点のもので計算しています)
コスト面でお得なのは現物、信用どちらの取引でしょうか?

日計り取引 どっちがお得?

月曜に買って金曜に売却 どっちがお得?

日計り取引や、保有日数が短い場合は、信用取引の方がコスト面では有利といえそうです。

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