S&P500・オルカン超え?! 新NISA・成長投資枠 「個別株感覚で買える」ファンドは?

S&P500・オルカン超え?! 新NISA・成長投資枠 「個別株感覚で買える」ファンドは?

投資情報部 川上雅人

2024/01/22

新NISA・成長投資枠 「個別株感覚で買える」ファンドは?

2024年から新NISAがスタートしました。1月の途中経過では投資信託の業界全体ではかなりのハイペースでの資金流入が見られており、その増加要因の大半が非課税枠が大幅拡大となった新NISAによる買いと予想されます。

こうした中で今回は新NISA・成長投資枠における新たな投資視点をご提案します。

成長投資枠での投資商品については、大きく分けると投資信託(ファンド)と個別株(国内株式と外国株式(ETFを含む))になるといえます。これまでつみたてNISAをやっていた人は、新NISAではつみたて投資枠に加えて、幅広い商品に投資できる成長投資枠も併用できるようになったため、成長投資枠で個別株にチャレンジしたいと考えている方が多いのではないでしょうか?

しかし、個別株を買ってみたいけど、銘柄選びが分からない、複数の個別株に分散投資したいけど注文を出すのがちょっと面倒そうだと思っている方も多いのかもしれまん。そのような方におすすめなのが、個別株の値動きをより実感しつつも、分散投資によるリスクの低減も期待できる、「個別株感覚で買える」ファンドです。

筆者の私見により、成長投資枠で「個別株感覚で買える」ファンドは図表1の4本です。参考としてNISAで人気の代表的なインデックスファンド3本と比較しました。「個別株感覚で買える」ファンド4本は、米国株式(テクノロジー株)と全世界株式(半導体株)、国内株式の2本です。これらのファンドはすべて1年リターンでインデックスファンドのS&P500とオルカン(全世界株式(オール・カントリー))を上回る実績となっています。それぞれのファンドについてご紹介します。

図表1 「個別株感覚で買える」ファンドの特徴と運用成績

順位 ファンド名 特徴
(投資対象)
1年リターン 3年リターン
(年率)
5年リターン
(年率)
5年
標準偏差
1 iFreeNEXT FANG+インデックス NYSE FANG+指数(配当込み、円ベース)に連動した投資成果をめざす 110.14% 23.68% 37.43% 28.10
2 野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資) 世界各国の半導体関連企業の株式、ファンダメンタルズ分析で組入銘柄を決定 93.57% 33.90% 37.19% 28.72
3 トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンド トヨタ自動車とそのグループ企業の株式にバランス良く投資 43.87% 16.19% 14.29% 21.30
4 ダイヤセレクト日本株オープン 三菱グループ企業の株式から流動性や信用リスク等を勘案して組入銘柄を決定 35.89% 24.50% 12.77% 16.56
参考 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 米国株式(S&P500)インデックスファンド 34.63% 22.26% 21.34% 17.13
参考 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 日本を含む全世界株式インデックスファンド 30.42% 17.79% 17.70% 16.42
参考 eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) TOPIXインデックスファンド 28.11% 11.99% 12.19% 13.84

※新NISA・成長投資枠で「個別株感覚で買える」ファンド(SBI証券取り扱い)の1年リターンランキング(2023年12月末基準)
※参考としてカテゴリー毎にNISAで人気のインデックスファンド3本を表示
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません

S&P500・オルカン超え?! 4ファンドの特徴は?

1位のiFreeNEXT FANG+インデックスはNYSE FANG+指数(配当込み、円ベース)の値動きに連動した投資成果をめざすインデックスファンドで、米国テクノロジー株10銘柄に投資しています。組入銘柄はマグニフィセントセブン(M7)と総称されるアップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、テスラとブロードコム、ネットフリックス、スノーフレイクとなっています(※)。これ1本でM7にまとめて投資ができ、つみたて投資枠でも買えるファンドとなっています。3年、5年でもS&P500インデックスファンドを上回る実績のファンドです。

2位の野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)は、世界各国の半導体関連企業の株式に投資しているアクティブファンドです。組入上位銘柄と構成比は、エヌビディア(23.3%)、ブロードコム(13.4%)、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(8.1%)、インテル(7.4%)、クアルコム(6.3%)などとなっており、組入銘柄数は23銘柄です(※)。エヌビディアの構成比が23.3%と高く、エヌビディアの株価変動の影響が大きいファンドといえます。AI関連半導体で高成長が期待できそうなエヌビディア株を買ってみたいが、それ以外の半導体株にも分散投資したいというニーズに合致するファンドといえます。半導体株の上昇で3年、5年でもオルカンを大きく上回る実績となっており、SBIプレミアムセレクトのファンドとなっています(SBIセレクト、SBIプレミアムセレクトの詳細はこちら)。

3位のトヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドは、トヨタ自動車とそのグループ企業の株式にバランス良く投資するアクティブファンドです。組入上位銘柄と構成比は、トヨタ自動車(49.9%)、デンソー(17.3%)、豊田自動織機(9.6%)、豊田通商(7.6%)、SUBARU(5.0%)などとなっており、組入銘柄数は19銘柄です(※)。トヨタ自動車の構成比がほぼ半分のためトヨタ自動車の株価変動の影響が大きいファンドです。トヨタ自動車株の上昇などで、1年、3年、5年すべての期間でTOPIXインデックスファンドを上回る実績となっています。

4位のダイヤセレクト日本株オープンは三菱グループ企業の株式から流動性や信用リスク等を勘案して組入銘柄を決定しているアクティブファンドです。組入上位銘柄と構成比は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8.5%)、三菱商事(8.5%)、東京海上ホールディングス(8.5%)、三菱電機(8.1%)、三菱重工業(7.4%)などとなっており、組入銘柄数は24銘柄です(※)。組入上位銘柄はNISAで人気を集めている高配当株が多くなっているといえます。また、比較的業種が分散された資産構成となっており、1年、3年、5年すべての期間でTOPIXインデックスファンドを上回る実績となっています。

上記4ファンドは値動きのブレを示す標準偏差が、組入銘柄数が少ないことや業種が集中していることからインデックスファンドと比べて大きくなっているため、積立投資による時間分散が有効です。ただし、これらのファンドは個別株投資と比べると値動きのブレは小さいといえます。

iFreeNEXT FANG+インデックスや野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)は、既に新NISAで人気が高まっていますが、それ以外の国内株式ファンド2本も好パフォーマンスとなっていることから、新NISA・成長投資枠における新たな投資視点のファンドとして注目が集まるのではないかと予想します。

(なお、現時点では成長投資枠の対象とはなっていない「個別株感覚で買える」ファンドとしては、日本製鉄グループ株式オープンソフトバンク&SBIグループ株式ファンド、中国のテック企業10銘柄に投資するインデックスファンドのiFreeNEXT ATMX+もあり、非課税枠にこだわらなければ、ニーズに合わせて選択肢になるといえます。)

このコラムをご覧いただいて、NISAで個別株にも投資してみたい、国内株式の参考銘柄が知りたいと思われている方は、国内株式コラム【新NISA】デビュー向き!?好業績期待の主力銘柄をご参照ください。

(※)個別銘柄の取引を推奨するものではありません。組入銘柄の情報および資産構成比は2023年12月末基準。

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