成長+分配 で新NISAフル活用?! 5年好成績の定期分配型ファンドは?

成長+分配 で新NISAフル活用?! 5年好成績の定期分配型ファンドは?

投資情報部 川上雅人

2024/02/19

新NISAで注目! 毎月分配型ファンドの代替? 好成績の定期分配型ファンド

新NISAの成長投資枠では毎月分配型ファンドが対象から外れました。QUICKの集計によると、ファンド別の資金流入額ランキング上位50(国内公募追加型株式投信、ETFを除く)の中で、毎月分配型ファンドが12月は7本ランクインしていましたが、新NISAスタートの1月は3本まで減少しました。毎月分配型ファンドが新NISAの対象にならなかったことで、毎月分配型離れが進んでいるようです。

ファンドにおいては運用益を分配金として受け取るのではなく、元本に上乗せして運用することが効率良く資産を増やすことで知られています。いわゆる複利運用による効果です。そのためファンドへの投資においては、分配金を支払わないファンドで運用して、必要に応じて資産を取り崩す(ファンドの一部を売却する)ことが長期では効率的といえます。

しかし、その取り崩しの手間をファンドで行いたいというニーズが中高年層を中心に高いため、新NISAでは成長投資枠対象となっている分配実績のある定期分配型ファンドを毎月分配型ファンドの替わりとして活用したいというニーズが一定程度見込まれます。

そのような観点から今回は、成長投資枠対象となっている好成績の定期分配型ファンドに着目します。定期分配型ファンドは決算頻度を隔月・年4回・年2回の3種類と定義して、ウェルスアドバイザー集計で分配金利回り10%以上のファンドを5年リターンでランキングしたのが図表1となります。5年リターンで年率15%以上の好成績ファンドは以下の9本となりました。

図表1 毎月分配型代替候補?! 5年好成績の定期分配型ファンド一覧

順位 ファンド名 特徴
(投資対象)
1年
リターン
3年
リターン
(年率)
5年
リターン
(年率)
決算頻度 基準価額(円)(24/2/13) 直近分配金
(税込・円)
1 フィデリティ・米国株式ファンド Dコース(分配重視型・為替ヘッジなし) 将来有望な成長企業や株価が割安な企業へ投資 52.37% 20.88% 21.34% 年4回 14,335 600
2 グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回決算型) 世界のロボティクス関連企業の株式 40.44% 16.50% 21.22% 年2回 11,971 1,000
3 ダイワ・ダイナミック・インド株ファンド インド経済の発展に関連するインドの株式 38.76% 24.88% 18.46% 年2回 10,722 750
4 グローバル・セキュリティ株式ファンド(3ヵ月決算型) 情報・身体・移動等の安全を支えるサービスを提供する企業の株式 36.75% 16.80% 18.35% 年4回 12,584 580
5 次世代米国代表株ファンド(愛称:メジャー・リーダー) 次世代の米国経済の主役となり得ると判断した企業の株式 38.27% 21.56% 18.05% 年4回 11,326 297
6 GS 米国成長株集中投資ファンド 年4回決算コース 長期的に優れた利益成長が期待できると判断する米国企業の株式 48.26% 16.94% 17.38% 年4回 11,624 965
7 フランクリン・テンプルトン・アメリカ高配当株ファンド(3ヵ月決算型) 米国の金融商品取引所に上場している高配当株等に投資 29.33% 24.53% 16.64% 年4回 10,747 600
8 米国連続増配成長株オープン(3ヵ月決算型)(愛称:女神さま・オープン(3ヵ月決算型)) 米国の連続増配銘柄および米国の経済環境や社会構造の変化をとらえることで高い成長が期待できる銘柄 25.38% 16.04% 16.00% 年4回 10,876 500
9 日本株配当オープン(愛称:四季の実り) 相対的に配当利回りが高い銘柄を中心に増配期待銘柄にも投資 39.08% 20.67% 15.58% 年4回 12,986 525

※ウエルスアドバイザーのファンド検索(2/14時点)をもとにSBI証券作成(リターンは2024年1月末基準)
※新NISA・成長投資枠対象でSBI証券取り扱いファンド、隔月・年4回・年2回決算で分配金利回り10%以上の5年リターンランキング
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません

5年好成績の定期分配型ファンドの特徴は?

1位のフィデリティ・米国株式ファンド Dコース(分配重視型・為替ヘッジなし)は、個別企業分析により、将来有望な成長企業や、ファンダメンタルズに対し株価が割安な 企業へ投資を行なう米国株式ファンドです。組入上位銘柄はメタ・プラットフォームズ、バークシャー・ハサウェイ、マイクロソフト、エヌビディアなどとなっており、組入銘柄数は264銘柄です(11月末基準)(※)。同じマザーファンドに投資しているフィデリティ・米国株式ファンド Bコース(資産成長型・為替ヘッジなし)はSBIセレクトのファンドです。分配金が不要であればBコースが選択肢となります。(SBIセレクトの詳細はこちら)

2位のグローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回決算型)は、世界のロボティクス関連企業の株式に投資するファンドで、銘柄選定は株式のアクティブ運用に注力する米ラザード社の徹底した調査に基づき行っています。組入上位銘柄はキーエンス、インテューイティブ・サージカル、ロックウェル・オートメーション、マイクロソフトなどとなっており、組入銘柄数は56銘柄です(12月末基準)(※)。国内株式の比率が約25%と高いファンドで、SBIセレクトのファンドです。

3位のダイワ・ダイナミック・インド株ファンドは、インド経済の発展に関連するインドの株式に投資しています。組入上位銘柄はHDFC銀行、ICICI銀行、アクシス銀行、コングロマリットのラーセン&トゥブロなどとなっており、組入銘柄数は34銘柄です(12月末基準)(※)。インド株式ファンドの中では3年・5年で中位のパフォーマンスです。

4位のグローバル・セキュリティ株式ファンド(3ヵ月決算型)は、情報・身体・移動等の安全を支えるサービスを提供する企業の株式に投資しています。組入上位銘柄はフェア・アイザック、クラウドストライク・ホールディングス、サイバーアーク・ソフトウェア、ゼットスケーラーなどとなっており、組入銘柄数は50銘柄です(12月末基準)(※)。

5位の次世代米国代表株ファンド(愛称:メジャー・リーダー)は、次世代の米国経済の主役となり得ると判断した企業の株式に投資しており、参考指数はNYダウのアクティブファンドです。組入上位銘柄はマイクロソフト、ユナイテッドヘルス・グループ、アメリカン・エキスプレス、ゴールドマン・サックス・グループなどとなっており、組入銘柄数は30銘柄です(1月末基準)(※)。

6位のGS 米国成長株集中投資ファンド 年4回決算コースは、長期的に優れた利益成長が期待できると判断する米国企業の株式に投資しています。組入上位銘柄はアルファベット、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、イーライリリー、マスターカードなどとなっており、組入銘柄数は18銘柄です(12月末基準)(※)。

7位のフランクリン・テンプルトン・アメリカ高配当株ファンド(3ヵ月決算型)は、米国の金融商品取引所に上場している高配当株等に投資しています。投資先の大半が株式となっていますが、リートやエネルギーMLPにも投資しています。組入上位銘柄はエネルギーMLPのエナジー・トランスファー、投資ファンド運用会社のブラックストーン、マイクロソフト、エネルギーMLPのエンタープライズ・プロダクツ・パートナーズなどとなっており、組入銘柄数は47銘柄です(1月末基準)(※)。

8位の米国連続増配成長株オープン(3ヵ月決算型)(愛称:女神さま・オープン(3ヵ月決算型))は、米国の連続増配銘柄および米国の経済環境や社会構造の変化をとらえることで高い成長が期待できる銘柄に投資しています。組入上位銘柄はメルク、ブロードコム、フィフス、サード・バンコープ、JPモルガン・チェースなどとなっており、組入銘柄数は90銘柄です(1月末基準)(※)。

9位の日本株配当オープン(愛称:四季の実り)は、相対的に配当利回りが高い銘柄を中心に増配期待銘柄にも投資するファンドです。組入上位銘柄はトヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三菱商事、三井物産などとなっており、組入銘柄数は90銘柄で、組入銘柄の予想配当利回りは2.78%です(12月末基準)(※)。

新NISAの成長投資枠で定期的に分配金を受け取りたい方は、ニーズに応じて上記の定期分配型ファンドに投資することも選択肢になるといえます。

また、直近5年間は株高・円安になっていたため、これらの定期分配型ファンドが好成績となっており、それが相対的に高い分配金につながったといえます。しかし、マーケットの下落局面などは分配金が少なくなること、または分配金の支払いがゼロになることも想定する必要があるといえます。

加えて、決算の直前で定期分配型ファンドを購入した場合は、受け取る分配金が元本払戻金(特別分配金)となる場合があります。元本払戻金を受け取ると、その部分は非課税枠の有効活用ができなくなります。

これらの留意点を踏まえた上で、新NISAにおいて異なる特徴を持つ好成績の定期分配型ファンドに分散投資をすることが、成長+分配の2つの効果を享受することにつながると期待されます。

(※)個別銘柄の取引を推奨するものではありません。

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