新NISAで分配金に着目!? 成長と分配を狙う 「自前オルカン」 の作り方は?

新NISAで分配金に着目!? 成長と分配を狙う 「自前オルカン」 の作り方は?

投資情報部 川上雅人

2024/03/11

2月の売れ筋ファンドは新NISAでの分配金に着目!?

2月の資金流入額上位20ファンド(QUICK集計、ETFを除く追加型株式投信)では、インデックスファンドが8本、アクティブファンドが12本となっています(図表1)。

アクティブファンド12本の内訳は、新NISAでは対象となっていない毎月分配型ファンドが2本 、新NISA対象が10本となっています。新NISA対象のアクティブファンド10本のうち2本が2023年に設定されたファンドでまだ決算期を迎えていないため分配金実績はなし、1本が分配金実績のないファンドとなっています。残りの7本(図表1の塗りつぶしされたファンド)は分配金実績のあるアクティブファンドとなっています。

分配金実績のあるアクティブファンドはすべて1年リターンで全世界株式(オール・カントリー)(通称「オルカン」)とS&P500のインデックスファンドをそれぞれ上回る実績となっており、好実績と分配金実績が投資家から支持を得ている理由と考えられます。

ファンドにおいては運用益を分配金として受け取るのではなく、元本に上乗せして運用する方が効率良く資産を増やす秘訣であることが知られています。いわゆる複利運用による効果です。そのためファンドへの投資においては、分配金を支払わないファンドで運用して、必要に応じて資産を取り崩す(ファンドの一部を売却する)ことが長期では効率的といえます。

しかし、その取り崩しの手間をファンドで行いたいというニーズがあるため、新NISAでは対象とならなかった毎月分配型ファンドの替わりに分配金実績のあるファンドを活用したいというニーズが一定程度見込まれると筆者は考えていました。2月の分配金実績のあるファンド群の資金流入の拡大からも、その動きが新NISA口座で顕在化しつつあるのではないかと考えています。

図表1 2024年2月 業界全体の資金流入額上位20ファンドの一覧

長期投資×好実績ファンド 「SBIセレクト」 の分配金実績は?

SBI証券では成長投資枠のファンドを対象として、長期投資×好実績ファンド 「SBIセレクト」 を厳選しています。SBIセレクトの詳細はこちらをご参照ください。

SBIセレクトの過去1年間の分配金実績をまとめたものが図表2となります。購入できるSBIセレクトのファンドは50本となっていますが、そのうち22本が過去1年で分配金実績があるファンドとなっています。2月の売れ筋ファンドといえる資金流入上位20本の中で、分配金実績のあるファンド7本のうち6本をSBIセレクトはカバーしています。

新NISAの成長投資枠で定期的に分配金を受け取りたい方は、ニーズに応じて図表2のファンドに投資することも選択肢になるといえます。

また、直近3年間は株高・円安となったため、これらファンドが好成績となっており、そのことが相対的に高い分配金につながったといえます。しかし、マーケットの下落局面などは分配金が少なくなること、または分配金の支払いがゼロになることも想定する必要があるといえます。

加えて、決算の直前で分配金実績のあるファンドを購入した場合は、受け取る分配金が元本払戻金(特別分配金)となる場合があります。元本払戻金を受け取ると、その部分は非課税枠の有効活用ができなくなります。

これらの留意点を踏まえた上で、新NISAにおいて異なる特徴を持つ好成績の分配金実績のあるファンドに分散投資することが、成長+分配の2つの効果を享受することにつながると期待されます。

図表2 SBIセレクト 分配金実績カレンダー(2023年3月~2024年2月)

成長と分配を狙う 「自前オルカン」 の作り方は?

分配金実績のあるファンドへの分散投資アイデアとしては、SBIセレクトでファンド分類が異なることで値動きが異なると考えられるファンド4本(全世界株式、米国株式、国内株式、新興国株式)を組み合わせて、「自前オルカン」を作るのが1つの方法といえます。

3年リターン上位の組み合わせで選ぶなら、野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Bコース(為替ヘッジなし)日経平均高配当利回り株ファンドHSBC インド・インフラ株式オープンの4ファンドで作る「成長重視の自前オルカン」が考えられます。

過去1年の分配金実績が高いファンドの組み合わせで選ぶなら、グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回決算型)netWIN GSテクノロジー株式ファンド Bコース(為替ヘッジなし)日本ニューテクノロジー・オープン(愛称:地球視点)イーストスプリング・インド消費関連ファンドの4ファンドで作る「分配重視の自前オルカン」が考えられます。

2つの自前オルカンは、比較可能な2018年11月末から4ファンドに均等投資をして持ち続けたと仮定し、オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))とのパフォーマンスを比較したものが図表3と図表4となります。

図表3はファンドの実力といえる分配金を受け取らずに再投資した場合での計算です。成長重視の自前オルカン、分配重視の自前オルカンともに5年3ヵ月間でオルカンを大きく上回る実績となっています。

図表4は分配金を受け取った場合での計算です。成長重視の自前オルカンは分配金の再投資効果がない分配金受取でもオルカンを大きく上回りました。分配重視の自前オルカンは分配金の水準が高いことによる、再投資効果の減少部分が大きかったためオルカンをわずかに下回りました。

成長と分配を狙うなら、SBIセレクトの運用実績や分配金実績などを参考にして、自前オルカンによる分散投資にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

図表3 自前オルカンとオルカンのパフォーマンス比較(分配金再投資) (2018年11月~2024年2月 月末値 2018年11月=100)

※QUICKデータ(分配金再投資換算基準価額)をもとにSBI証券作成
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません

図表4 自前オルカンとオルカンのパフォーマンス比較(分配金受取) (2018年11月~2024年2月 月末値 2018年11月=100)

※QUICKデータ(分配金受取換算基準価額)をもとにSBI証券作成
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません

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