ナスダック100が20,000ポイント突破へ?! ナスダック関連ファンドの実力は?

ナスダック100が20,000ポイント突破へ?! ナスダック関連ファンドの実力は?

投資情報部 川上雅人

2024/06/24

ナスダック100が20,000ポイント突破へ?! ナスダック関連ファンドの実力は?

米国株式市場の代表的な株価指数の1つであるナスダック100(NASDAQ100)が6月10日から18日まで7連騰を記録し、過去最高値を更新しました。主な株価指数の2024年初からのパフォーマンス比較を見ると、6月13日にNASDAQ100が日経平均を抜いてトップとなっています(図表1)。
休場明け20日のNASDAQ100は、取引時間中の高値で節目となる20,000ポイントに近づく場面もありましたが、6月の上昇を牽引していた半導体株の下落などにより8営業日ぶりの反落となりました。
NASDAQ100は米国NASDAQ市場に上場する時価総額上位100銘柄(金融を除く)で構成されています。米国の金融商品取引所上場(ニューヨーク証券取引所とNASDAQ)の約500銘柄で構成されるS&P500指数と比べて、NASDAQ100は株価が大幅上昇した大型テクノロジー企業の構成比が高い指数となっていることから2020年以降のパフォーマンスが特に良好です。2024年におけるNASDAQ100の上昇は、特に生成AI(人工知能)関連の需要が追い風となっているエヌビディアやメタ・プラットフォームズなどの株価大幅上昇が寄与しています。

NASDAQ市場を投資対象とする為替ヘッジなしのファンドは、株価上昇に加えてドル円レートの上昇も加わって2024年は2023年に続いて好成績となっています。そこで今回はNASDAQに関連したファンドのパフォーマンスをチェックします。
NASDAQに関連したファンドとしては、NASDAQ100に連動をめざすインデックスファンドやNASDAQ市場の全体の値動きを示すNASDAQ総合をベンチマークまたは参考指数とするアクティブファンドなどがあり、一定の条件で当社取り扱いのNISA成長投資枠対象ファンドで絞り込みした一覧が図表2となります。

図表1 2024年 主な株価指数の比較 (2023年末~2024/6/20 2023年末=100)

  • ※QUICKデータをもとにSBI証券作成

図表2 NISA・成長投資枠対象 ナスダック関連ファンドのパフォーマンス比較

順位 ファンド名 特徴
(投資対象)
1年
リターン
3年
リターン
(年率)
5年
リターン
(年率)
信託報酬
(年率、税込)
1 米国NASDAQオープン Bコース(為替ヘッジなし) 成長性、収益性、安定性等を総合的に勘案してNASDAQ上場株式に投資 58.77% 24.33% 28.02% 1.694%
2 三菱UFJ NASDAQオープン Bコース 新技術・開発力、ビジネスモデル等から成長が期待できるNASDAQ銘柄に投資 52.28% 22.91% 27.27% 1.672%
3 <購入・換金手数料なし>ニッセイNASDAQ100インデックスファンド NASDAQ100インデックスファンド 45.62% - - 0.2035%
4 eMAXIS NASDAQ100インデックス NASDAQ100インデックスファンド 45.15% 24.87% - 0.2035%以内
5 iFreeNEXT NASDAQ100インデックス NASDAQ100インデックスファンド(つみたて投資枠も対象) 45.10% 24.83% 29.84% 0.495%
6 インデックスファンドNASDAQ100(アメリカ株式) NASDAQ100インデックスファンド 44.93% 24.73% - 0.484%
7 NZAM・ベータ NASDAQ100 NASDAQ100インデックスファンド 44.90% 24.62% - 0.44%
8 PayPay投信 NASDAQ100インデックス NASDAQ100インデックスファンド 44.66% - - 0.2024%
9 iFreeNEXT NASDAQ次世代50 NASDAQ Q-50指数(配当込み、円ベース)の値動きに連動させることをめざす 29.96% 7.61% - 0.495%
参考 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) S&P500インデックスファンド 41.37% 22.70% 23.53% 0.09372%以内
  • ※SBI証券取り扱いのNISA・成長投資枠対象で名称にナスダック(NASDAQ)がつくファンド(設定1年未満、為替ヘッジありは除く)を1年リターン順に表示(2024年5月末基準)
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません

ナスダック関連ファンド インデックス vs アクティブ 評価ポイントは?

3位から8位までがNASDAQ100のインデックスファンドです。6ファンドの1年リターンはほとんど変わりませんが、信託報酬が最も低い<購入・換金手数料なし>ニッセイNASDAQ100インデックスファンドがわずかに好成績となっています。5年以上の実績があるのは、iFreeNEXT NASDAQ100インデックスのみですが、1年・3年・5年でS&P500インデックスファンドを上回る実績です。
9位のiFreeNEXT NASDAQ次世代50は、将来的にNASDAQ100への組み入れが見込まれるNASDAQ上場の50社で構成されるNASDAQ Q-50指数に連動をめざすファンドです。同指数はNASDAQ100よりパフォーマンスが劣後したため、1年、3年リターンでは伸び悩んでいます。

1位と2位の米国NASDAQオープン Bコース(為替ヘッジなし)三菱UFJ NASDAQオープン BコースはNASDAQ総合をベンチ―マークまたは参考指数として運用しているアクティブファンドです。これらの2ファンドは1年リターンではNASDAQ100インデックスファンドを大きく上回る好成績となっており、その要因の1つはエヌビディアの組入比率を高めたことにあります。一方で3年・5年リターンでは、ベンチマークや参考指数のNASDAQ総合には上回ったもののNASDAQ100インデックスファンドにはわずかに劣後しています。これは、NASDAQ100が2023年以降の上昇局面でNASDAQ総合を大きく上回ったことが要因です。
上記のアクティブファンド2本は、1年・3年・5年リターンでベンチマークや参考指数を上回っている好成績ファンドといえますが、多くの投資家から支持されているNASDAQ100インデックスファンドを中長期で上回ることができるファンドかどうかという視点で見ることがポイントと考えます。

AIを使って個別銘柄のリターン順位を予測し、NASDAQ総合を上回るパフォーマンスを目指すファンドであるSBI岡三 NASDAQ AIアクティブファンドが6月28日に設定されます。生成AIの市場拡大による恩恵が期待されるNASDAQ市場を舞台に、AIがマーケットの本質を捉えて、NASDAQ100インデックスファンドのリターンを上回ることができるファンドとなるのか、その運用力に注目します。

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