NISA 成長投資枠 2023年 デビューファンド 1年リターンランキングは?

投資情報部 川上雅人
2024/12/02
NISA 成長投資枠 2023年デビューファンド 1年リターンランキングは?
2024年11月26日時点で業界全体でのNISA・成長投資枠対象ファンド数は、今後の設定予定なども含めると2,000本を超える水準となってきました。
約2,000本の成長投資枠対象ファンドを対象として、ファンド設定日を暦年毎にファンド本数を集計したものが、図表1となります。
ここでは2010年以降での集計となりますが、最も多かったのが新NISAスタート直前の2023年となり、その設定ファンド数は214本となっています。これは、新NISAによる残高増に期待した駆け込みでのファンド設定が多かったことが要因といえます。
そこで今回はボリュームゾーンといえる2023年設定ファンドの1年リターンに注目してみました。SBI証券取り扱いの2023年設定ファンドの1年リターンランキングは図表2となります。10月末時点の1年リターンランキングのため、2023年11月以降の設定ファンドは対象とはなりません。
なお、このランキングにおいては、より傾向が分かるように同種のインデックスファンドは1年リターン上位ファンド1本に限定しています。それぞれのファンドについてコメントします。
図表1 NISA・成長投資枠対象ファンド(投資信託(非上場))の設定年別の本数 (2024年11月26日時点)

- ※投資信託協会のNISA成長投資枠の対象商品・投資信託(非上場)対象商品リストをもとにSBI証券作成
- ※11月26日時点での予定ファンドも含む
図表2 2023年設定ファンド 1年リターンランキング
順位 | ファンド名 | 特徴 | 設定日 | 純資産 総額 (億円) |
6ヵ月 リターン |
1年 リターン |
設定来 リターン (累積) |
1年 標準偏差 |
1 | <購入・換金手数料なし>ニッセイSOX指数インデックスファンド 米国半導体株 | SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)インデックスファンド | 2023/3/31 | 416 | 6.19% | 65.45% | 90.38% | 26.08 |
2 | <購入・換金手数料なし>ニッセイNASDAQ100インデックスファンド | NASDAQ100インデックスファンド | 2023/3/31 | 2,225 | 12.56% | 46.91% | 85.47% | 19.94 |
3 | たわらノーロード S&P500 | S&P500インデックスファンド | 2023/3/30 | 679 | 11.85% | 44.96% | 68.17% | 15.62 |
4 | ダイワ・US-REIT・オープン(為替ヘッジなし/奇数月決算型) | 配当利回りを重視し米国のリート(不動産投資信託)に投資、隔月決算型 | 2023/9/27 | 45 | 19.60% | 44.85% | 38.00% | 12.95 |
5 | eMAXIS Slim 全米株式 | 米国株式市場全体をカバーするインデックスファンド | 2023/9/15 | 146 | 11.38% | 44.63% | 36.60% | 15.11 |
6 | SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)(愛称:サクっと純金(為替ヘッジなし)) | 円換算ベースの金現物価格の値動きに連動をめざすファンド | 2023/6/8 | 223 | 16.39% | 42.00% | 54.77% | 16.85 |
7 | アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Eコース隔月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型 | 成長の可能性が高いと判断される米国株式に投資、予想分配の隔月決算型 | 2023/10/3 | 236 | 8.86% | 40.71% | 36.58% | 19.77 |
8 | NZAM・ベータ・先進国株式 | 日本を除く先進国株式インデックスファンド | 2023/3/28 | 49 | 9.55% | 40.70% | 64.11% | 13.64 |
9 | Tracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式) | 日本を含む全世界株式インデックスファンド | 2023/4/26 | 50 | 8.81% | 39.00% | 54.68% | 13.02 |
10 | インベスコ 世界厳選株式オープン(為替ヘッジなし)(奇数月決算型)(愛称:世界のベスト) | 成長・配当・割安の視点で世界の株式に厳選投資、隔月決算型 | 2023/9/22 | 41 | 8.75% | 36.38% | 31.49% | 9.51 |
- ※NISA・成長投資枠対象のSBI証券取り扱いファンド(ネット購入可)における1年リターンランキング(2024年10月末基準)
- ※同じ指数を投資対象としているインデックスファンドは1年リターンがトップのファンドのみを表示
- ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません
2023年デビュー 1年好成績ファンドの特徴は?
1位の<購入・換金手数料なし>ニッセイSOX指数インデックスファンド 米国半導体株は、フィラデルフィア半導体株指数(配当込み、円換算ベース)への連動をめざすファンドです。特に年前半において世界の半導体株が好調であったことから好パフォーマンスとなっています。
2位の<購入・換金手数料なし>ニッセイNASDAQ100インデックスファンドは、NASDAQ100指数(配当込み、円換算ベース)への連動をめざすファンドです。3位のS&P500インデックスファンドであるたわらノーロード S&P500よりも好パフォーマンスとなりました。
低コストのNASDAQ100インデックスファンドとして支持され、10月末の純資産総額は2,225億円となっています。
4位のダイワ・US-REIT・オープン(為替ヘッジなし/奇数月決算型)は、配当利回りを重視し米国のリート(不動産投資信託)に投資、する隔月分配型のファンドです。同じマザーファンドに投資しているダイワ・US-REIT・オープン(年1回決算型)為替ヘッジなしは、SBI証券が厳選した長期好実績ファンドで構成されるSBIセレクトのファンドです。米国リートのファンドはS&P500インデックスファンドと同等のリターンを上げながら、値動きの振れ幅を示す標準偏差(1年)がS&P500インデックスファンドよりも小さくなっており、魅力ある分散投資対象といえます。
5位のeMAXIS Slim 全米株式は、米国株式市場全体をカバーするMSCI USAインベスタブル・マーケット指数(配当込み、円換算ベース)への連動をめざすファンドです。組入銘柄数は1,290銘柄となっています(※)。
6位のSBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)(愛称:サクっと純金(為替ヘッジなし))は、円換算ベースの金現物価格の値動きに連動をめざすファンドです。金へ投資するファンドはS&P500インデックスファンド並みの好パフォーマンスとなっています。米国株式と金との値動きは異なるため、分散投資効果が期待できます。
7位のアライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Eコース隔月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型は、成長の可能性が高いと判断される米国株式に投資する、基準価額水準に応じた予想分配の隔月決算型ファンドです。同じマザーファンドに投資しているアライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Bコース(為替ヘッジなし)はSBIセレクトのファンドです。
8位のNZAM・ベータ・先進国株式は、日本を除く先進国株式インデックスであるMSCIコクサイ(配当込み、円換算べース)への連動をめざすファンドです。
9位のTracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)は、日本を含む全世界株式インデックスであるMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(税引後配当込み、円換算ベース)への連動をめざすファンドです。
10位のインベスコ 世界厳選株式オープン(為替ヘッジなし)(奇数月決算型)(愛称:世界のベスト)は、成長・配当・割安の視点で世界の株式に厳選投資する隔月決算型のファンドです。同じマザーファンドに投資しているインベスコ 世界厳選株式オープン(為替ヘッジなし)(年1回決算型)(愛称:世界のベスト)はSBIセレクトのファンドです。9位のファンドよりも1年リターンは劣りますが、標準偏差が小さく抑えられており、運用効率の高いファンドといえます。
上記10ファンドでは1位のSOXインデックスファンド以外は、投資対象として特段目新しいファンドはありませんでした。
10本中6本がインデックスファンドであり、4本がアクティブファンドとなりました。アクティブファンドの中では3本が毎月決算型が新NISA対象にならなかったことによる代替ファンドといえる隔月決算型のファンドとなりました。
定期的な分配金を受け取りたい方は、運用効率は低下しますが、これらの好成績隔月決算型ファンドを活用するのも有効といえます。
(※)組入銘柄の情報は10月末基準
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