NISA 約2年 オルカンを20%上回った 「SBIセレクト」ファンドは?

NISA 約2年 オルカンを20%上回った 「SBIセレクト」ファンドは?

投資情報部 川上雅人

2025/12/08

2024年からのNISA 約2年 オルカンを上回ったファンドは?

2024年から大幅拡充となったNISA制度ですが、もうすぐ丸2年を迎えようとしています。

2024年からの約2年間の日米欧の株式市場を振り返ると2024年夏や2025年春といった短期間での大幅下落局面はあったものの、期間を通しては上昇局面となりました。為替市場においては、約2年間では米ドルやユーロは対円で上昇したことから、海外資産に投資しているファンドは総じて好パフォーマンスとなりました。そのため、NISAで不動の人気ファンドであるeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(愛称:オルカン)は好調なパフォーマンスを記録しました。

そのオルカンとの比較で、どういったファンドがこの約2年で特に上昇したのか。SBI証券がNISA・成長投資枠対象ファンドの中から厳選した「長期投資×好実績」ファンドである「SBIセレクト」の中からチェックしてみます。

SBIセレクトは、12月1日に原則年1回の定量評価によるファンドの見直しが行われました。11月までは50ファンドで構成されていましたが、今回の見直しでは、以下の9ファンドが追加となり、12ファンドが除外となって、47ファンドで厳選されています。

【国内株式】

キャッシュフロー経営評価オープン(愛称:選球眼)

厳選ジャパン

三井住友・配当フォーカスオープン

【米国株式】

グローバル・メタバース株式ファンド

三菱UFJ NASDAQオープン Bコース

ニッセイ宇宙関連グローバル株式ファンド(資産成長型・為替ヘッジなし)(愛称:スペース革命)

【全世界株式】

グローバル・ハイインカム・ストック・ファンド

【新興国株式】

アジア好配当株投信

【国際REIT】

ダイワ・グローバルREITオープン(為替ヘッジなし/資産成長型)(愛称:世界の街並み)

12月1日にリニューアルされたSBIセレクトの47ファンドについてはこちらのページから詳細をご確認ください。

47ファンドの中から約2年間において、オルカンのトータルリターンを20%上回ったファンドを取り上げて、パフォーマンス比較したものが図表1となります。

約2年間でオルカンのトータルリターン(+56%)を20%以上上回ったファンドは、SBIセレクトでは8ファンドとなりました。

オルカンを20%以上上回ったファンドの特徴についてコメントします。

図表1 NISA 約2年 好成績の「SBIセレクト」ファンドとオルカンとの比較 (2023年末~2025/11/28 2023年末=100)

  • ※QUICKデータをもとにSBI証券作成(ファンド名は一部略称または愛称)
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません

2年好成績 「SBIセレクト」ファンドの特徴は?

約2年のリターンで1位の野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)は、各国・地域のマクロ投資環境見通しを考慮しつつ、技術力、価格決定力、利益構造、財務内容などの観点からファンダメンタルズ分析を行ない、半導体関連企業の組入銘柄を決定しています。組入上位銘柄は、エヌビディア、ブロードコム、台湾セミコンダクター、マイクロン・テクノロジー、ASMLホールディングなどとなっており、組入銘柄数は24銘柄です(※)。エヌビディア、ブロードコムの組入比率が高いのが特徴です。

2位のWCM 世界成長株厳選ファンド(資産成長型)(愛称:ネクスト・ジェネレーション)は、参入障壁の持続可能性、企業文化、構造的成長力、バリューエーション等に基づき世界の株式に投資するファンドです。組入上位銘柄は、アプリケーション技術プラットフォームを提供する米国のアップラビン、消費者向けインターネット企業であるシンガポールのシー、ドイツのエネルギー企業のシーメンス・エナジー、航空宇宙・輸送・防衛・エネルギー・産業・医療・家電向け高性能特殊合金(チタン、ニッケル、コバルトを含む)などの製造・販売を手がける米国のカーペンター・テクノロジー、民間・軍事向け航空機エンジンなどを開発・製造する英国のロールス・ロイス・ホールディングスなどとなっており、組入銘柄数は33銘柄です(※)。欧州株の組入比率が35%と高いのが特徴です。

3位の東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし)は、高い技術力や競争力等を持つ宇宙関連企業の株式等に投資しています。組入上位銘柄は、ビッグデータ分析のほか、防衛や情報収集を目的とした宇宙関連アプリケーションのソフトウエア・プラットフォームを開発する米国のパランティア・テクノロジーズ、光通信と産業用レーザー製品を供給している米国のルメンタム・ホールディングス、小型衛星の打ち上げサービスが主力事業の米国のロケット・ラブ、米国カリフォルニア州サンディエゴを本拠とする防衛企業のクラトス・ディフェンス&セキュリティー・ソリューションズ、エヌビディアなどとなっており、組入銘柄数は65銘柄です(※)。

4位のグローバル・メタバース株式ファンドは、世界の上場株式の中から、メタバースに関連するビジネス(バーチャル世界・インフラストラクチャ・次世代インターネットの基幹技術等)を行う企業の株式に投資するファンドです。メタバースとは、「メタ(超越)」と「ユニバース(宇宙)」を組み合わせた造語で、一般にデジタル上に構築された3次元のバーチャル世界および関連サービスを指します。組入上位銘柄は、半導体メーカーのアドバンスト・マイクロ・デバイセズ、オンライン・エンターテイメント・プラットフォームを展開するロブロックス、マルチチャネル・プラットフォームを提供しているショッピファイ、オンライン証券のロビンフッド・マーケッツ、メタ・プラットフォームズなどとなっており、組入銘柄数は40銘柄です(※)。

5位の情報エレクトロニクスファンドは、電気機器、精密機器などエレクトロニクスに関連する企業群や情報ソフトサービス、通信など情報通信に関連する企業群の株式を主要投資対象としているファンドです。組入上位銘柄はソフトバンクグループ、フジクラ、古河電気工業、東京エレクトロン、富士通などとなっており、組入銘柄数は43銘柄です(※)。

6位の厳選ジャパンは、優れた経営者の質・ビジョン、新しいビジネスモデル等により企業価値の増大が期待できる企業の中から、20銘柄程度に厳選して投資しているファンドです。組入上位銘柄はフジクラ、コナミグループ、富士電機、イビデン、日本電気などとなっており、組入銘柄数は23銘柄です(※)。

7位のキャッシュフロー経営評価オープン(愛称:選球眼)は、キャッシュフロー・バリュエーションモデルによる割安度評価と、アナリスト業績予想による業績モメンタム評価に基づく銘柄選択を行うファンドです。組入上位銘柄はソフトバンクグループ、三井住友フィナンシャルグループ、三菱電機、太陽誘電、豊田通商などとなっており、組入銘柄数は62銘柄です(※)。

8位の三菱UFJ NASDAQオープン Bコースは、新技術・開発力、ビジネスモデル等から成長が期待できるNASDAQ銘柄に投資しているファンドです。組入上位銘柄はエヌビディア、アルファベット、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、ブロードコムなどとなっており、組入銘柄数は49銘柄です(※)。

2025年は日本におけるインフレ定着、旺盛な自社株買い、高市政権の政策期待などから国内株式や国内REITのファンドが相対的に好成績を収めました。また、AI半導体や防衛・宇宙といった今後の業績拡大が期待できる企業の株価上昇が目立ったため、オルカン+αの運用が有効な年となりました。

2026年のNISA枠でオルカンだけではない一歩先行く分散投資を目指すならSBIセレクトファンドの活用も1つの選択肢となります。

SBIセレクトでは株式ファンドだけでなく、株式ファンドとは値動きが異なる債券ファンドやREITファンドも選択できますので、2026年はこれらの資産への分散投資も検討してみてはいかがでしょうか。

(※)ポートフォリオの情報は2025年10月末基準。個別銘柄の取引を推奨するものではありません。

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