2025年 NISA インデックスファンドランキング オルカンからの分散投資候補は?

2025年 NISA インデックスファンドランキング オルカンからの分散投資候補は?

投資情報部 川上雅人

2025/12/22

2025年 好成績インデックスファンドの投資対象/テーマは? 

年末が近づき2026年のNISAをどう使うかを検討する時期となってきました。
成長投資枠を使って投資信託(ファンド)に投資する場合は、つみたて投資枠で投資しているファンドを選ぶのも1つの方法ではありますが、ポートフォリオ全体でより高いリターンやより高い運用効率を狙うなら、成長投資枠でしか買えない好成績ファンドや保有ファンドとは異なる値動きが期待できるファンドに分散投資することが有効と考えます。

そこで今回は、2025年はどのような資産・テーマが上昇したのか、投資対象や投資テーマが明確といえるインデックスファンドに絞って傾向をチェックしてみます。

SBI証券取り扱いで、NISA・成長投資枠で買える2025年(11ヵ月)好成績のインデックスファンドをランキングしたのが図表1となります。多くの投資対象ファンドを取り上げるために、例えば金(ゴールド)に投資するファンドでは11ヵ月リターンが1位のファンドのみをランキングしました。

図表1ではNISAで人気のeMAIXS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(愛称:オルカン)を参考として比較しましたが、今回取り上げた2025年好成績のインデックスファンド10本はオルカンのリターンを10%~38%上回る結果となりました。

それぞれのファンドの特徴についてコメントします。

なお、インデックスファンドに限定していない2025年の10ヵ月リターンによるランキングについては、「年内NISA使い切り!? オルカンを超越!? 2025年 MVP候補ファンドは?」のコラムもご参照ください。

図表1 NISAで買える 2025年好成績インデックスファンド

順位 ファンド名 特徴
(投資対象)
11ヵ月
リターン
3年
リターン
(年率)
5年
リターン
(年率)
3年
標準偏差
(年率)
3年
シャープ
レシオ
1 SMT ゴールドインデックス・オープン(為替ヘッジなし) 金現物に投資する上場投資信託証券に投資、LBMA金価格(円換算)に連動する投資成果を目指す 56.62% 38.08% 27.68% 15.16 2.51
2 eMAXIS Neo クリーンテック 日本を含む世界各国のクリーンテクノロジー関連企業の株式に投資するインデックスファンド 55.93% 5.59% - 36.11 0.15
3 インベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンド(愛称:世カエル) 日本を含む世界各国のブロックチェーン関連株式に投資するインデックスファンド 47.58% 46.02% 23.37% 36.51 1.26
4 たわらノーロード フォーカス AI 国内外のAI関連企業の株式に投資するインデックスファンド 33.07% 41.14% 23.82% 21.28 1.93
5 eMAXIS Neo 宇宙開発 日本を含む世界各国の宇宙開発関連企業の株式等に投資を行うインデックスファンド 32.95% 33.23% 26.32% 20.57 1.61
6 eMAXIS Neo 水素エコノミー 日本を含む世界各国の水素エコノミー関連企業の株式等に投資を行うインデックスファンド 32.85% 10.74% - 34.03 0.31
7 eMAXIS 新興国リートインデックス S&P新興国リートインデックス(配当込み・円換算)に連動する投資成果を目指す 29.55% 16.83% 18.85% 11.20 1.49
8 eMAXIS 日経アジア300インベスタブル・インデックス 日本を除くアジア諸国・地域の企業の株式等に投資を行うインデックスファンド 29.10% 21.55% 14.02% 16.03 1.34
9 インデックスファンドDAX(ドイツ株式) ドイツ上場株式に投資、DAX指数(円換算)の動きに連動する投資成果を目指す 28.65% 25.92% 19.31% 12.27 2.10
10 NZAM・ベータ 日本2資産(株式+REIT) 日経平均(配当込み)と東証REIT指数(配当込み)の比率を均等とした合成指数に連動を目指す 28.48% 14.68% 12.21% 9.98 1.46
参考 eMAIXS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(愛称:オルカン) 全世界株式(日本を含む)インデックスファンド 18.13% 24.33% 21.34% 13.23 1.83
  • ※ウエルスアドバイザーのデータをもとにSBI証券作成
  • ※NISA・成長投資枠対象のインデックスファンド(SBI証券ネット取り扱い、運用期間3年以上)を11ヵ月リターン順に表示(2025年11月末基準)
  • ※ 同じ投資対象のファンドは11ヵ月リターンの1位ファンドのみを表示
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません

NISAで買える 2025年好成績インデックスファンドの特徴は?

11ヵ月リターン1位のSMT ゴールドインデックス・オープン(為替ヘッジなし)は、金現物に投資する上場投資信託証券(ETF)に投資し、金価格との連動を目指す、いわゆる金(ゴールド)ファンドです。2025年は金価格の上昇を受けて56.62%の好成績で、オルカンを38%上回りました。値動きの振れ幅を示す標準偏差(3年)もオルカン対比でそれほど大きくなく、高い運用効率(3年シャープレシオ)を実現しています。

2位のeMAXIS Neo クリーンテックは、日本を含む世界各国のクリーンテクノロジー関連企業の株式に投資を行うファンドで、S&P Kensho Cleantech Index(配当込み、円換算)の値動きに連動する投資成果を目指しています。組入上位銘柄は、米国の電力機器メーカーのブルーム・エナジー、再生可能エネルギー・ストレージ向けエネルギー貯蔵・最適化ソフトウェアの提供を手がける米国のフルエンス・エナジー、カナダの太陽光発電機器メーカーのカナディアン・ソーラー、公益事業規模・マイクログリッド・商業・産業向けの革新的な亜鉛ベースのエネルギー貯蔵ソリューションを設計・開発・製造・販売する米国のイオス・エナジー・エンタープライゼス、中国・上海を拠点とし、ポリシリコンやウェーハの提供を手掛けるダクォ・ニュー・エナジーなどとなっており、組入銘柄数は31銘柄です(※)。2024年までは苦戦していましたが、2025年からのAI普及などによる電力需要の拡大で好成績です。標準偏差はかなり大きいファンドです。

3位のインベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンド(愛称:世カエル)は、日本を含む世界各国のブロックチェーン関連株式に投資するファンドで、コインシェアーズ・ブロックチェーン・グローバル・エクイティ・インデックス(円換算)の動きに連動する投資成果を目指しています。ブロックチェーンとはブロックと呼ばれる単位でデータを管理し、鎖(チェーン)のように連結して保管する金融取引履歴などで利用される技術のことで、ほとんどの暗号資産でブロックチェーン技術が使われています。組入上位銘柄は、米国が事業基盤のビットコインマイニング企業である米国のサイファー・マイニング、SBIホールディングス、ラテンアメリカ最大級のデジタル金融サービス企業であるブラジルのヌー・ホールディングス、大手暗号資産取引プラットフォーム企業である米国のコインベース・グローバル、暗号資産などの取引サービスを提供している米国のオンライン証券・ロビンフッド・マーケッツなどとなっており、組入銘柄数は45銘柄です(※)。ビットコイン価格の上昇などから3年、5年でも好成績ですが、標準偏差はかなり大きくなっています。

4位のたわらノーロード フォーカス AIは、国内外のAI関連企業の株式に投資するインデックスファンドです。組入上位銘柄は、データストレージデバイスやソリューションの開発・製造・提供を手がける米国のサンディスク、世界最大級のハードディスクドライブメーカーの米国のウエスタンデジタル、アルファベット、アイルランド登記の米系データ記憶装置(ストレージ)メーカーのシーゲイト・テクノロジー・ホールディングス、オランダの半導体製造装置メーカーのASMLホールディングなどとなっており、組入銘柄数は31銘柄です(※)。AI関連企業の株式に投資しているインデックスファンドは複数ありますが、2025年はこのファンドが際立った成績となっており、テーマ型株式ファンドの中でも標準偏差が比較的小さくなっています。

5位のeMAXIS Neo 宇宙開発は、日本を含む世界各国の宇宙開発関連企業の株式等に投資を行うインデックスファンドです。組入上位銘柄は高性能低軌道小型衛星の所有・運用などを手がける米国のブラックスカイ・テクノロジー、航空機、人工衛星、宇宙船、打ち上げロケットなどの高性能精密モーションや流体制御に利用するシステムの設計・製造を手がける米国のムーグ、高性能構造材(炭素繊維、ハニカム材など)や強化マトリックス材の開発・製造・販売を手がける米国のへクセル、世界有数の防衛関連企業である米国のノースロップグラマン、高度外科手術システムと関連機器等の開発を手がける米国のインテュイティブ・サージカルなどとなっており、組入銘柄数は33銘柄です(※)。テーマ型株式ファンドの中では、標準偏差が比較的小さくなっています。

6位のeMAXIS Neo 水素エコノミーは日本を含む世界各国の水素エコノミー関連企業の株式等に投資を行うインデックスファンドです組入上位銘柄は、化学製品の垂直統合型グローバル製造販売会社である米国のオリン、ガス・液体分子用プロセス技術・機器の設計、エンジニアリング、製造を手がける米国のチャート・インダストリーズ、幅広い業種の顧客に産業ガスや関連機器を提供している米国のエア・プロダクツ&ケミカルズ、アイルランドに本社機能を置く世界トップクラスの産業用ガス企業のリンデ、カナダを拠点とし、燃料電池製品の設計・開発・製造・販売・サービス提供を手がけるバラード・パワー・システムズなどとなっており、組入銘柄数は18銘柄です(※)。2位のファンドと同様に2024年までは苦戦しましたが、2025年から好調で、標準偏差が大きいファンドです。

7位のeMAXIS 新興国リートインデックスは、新興国の不動産投資信託証券(リート)に投資し、S&P新興国リートインデックス(配当込み・円換算)に連動する投資成果を目指すファンドで、国・地域別構成比では南アフリカ、メキシコ、インド、トルコ、マレーシアなどが上位となっています(※)。新興国リートは意外にも標準偏差が小さく、2025年は好成績となりました。

8位のeMAXIS 日経アジア300インベスタブル・インデックスは、日本を除くアジア諸国・地域の企業の株式等、300社を構成銘柄とするインデックスファンドです。組入上位銘柄は、台湾セミコンダクター・マニュファクチュアリング(TSMC)、テンセント、サムスン電子、アリババ・グループ・ホールディング、韓国の半導体メーカーであるSKハイニックスなどとなっています(※)。

9位のインデックスファンドDAX(ドイツ株式)は、円換算のドイツ株価指数(DAX)の動きに連動する投資成果を目指すファンドです。組入上位銘柄は欧州最大のソフトウェア開発会社のSAP、電気メーカーのシーメンス、世界有数の金融グループであるアリアンツ、航空宇宙企業のエアバス、ドイツテレコムなどとなっており、組入銘柄数は40銘柄です(※)。ドイツ株式ファンドは標準偏差がオルカンよりも小さく、高い運用効率を実現しています。

10位のNZAM・ベータ 日本2資産(株式+REIT)は、国内株式と国内リートにほぼ半々に投資しており、日経平均(配当込み)と東証REIT指数(配当込み)の比率を均等とした合成指数に連動を目指すファンドです。2025年は日本におけるインフレ定着や旺盛な自社株買いなどから国内株式と国内リートが揃って好成績でした。国内株式と国内リートは異なる値動きとなっており、それぞれ円資産のため為替リスクもないことから、標準偏差が小さいファンドといえます。

2025年の好成績ファンドがそのまま2026年の好成績につながる訳ではありませんが、それぞれの好成績ファンドの特性を考慮した上での分散投資は一考に値するといえます。
オルカン投資家は、オルカンとは異なる値動きが期待される標準偏差が比較的小さいファンドや高い運用効率を実現しているファンドに分散投資することが有効と考えます。

(※)ポートフォリオの情報は2025年11月末基準。個別銘柄の取引を推奨するものではありません。

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