FANG+が不振だった6ヵ月! 金と日本!? オルカン超え好成績バランスファンドは?

投資情報部 川上雅人
2026/02/24
FANG+が不振だった6ヵ月! インデックスファンドのパフォーマンスは?
「ミラノ・コルティナ五輪で日本人選手が活躍し、衆議院選挙では高市自民党が圧勝したことで国内株式は上昇しているのに、米国株式ファンドが最近不調なのはなぜか?」といった問い合わせが増えています。
SBI証券における売れ筋上位のインデックスファンド7本(重複インデックスは除く)の2025年7月末から直近までの約6ヵ月半のパフォーマンスを比較したものが図表1となります。参考として、投資信託の基準価額の計算に使われるドル円TTMの値動きも参考として表示しました。
2026年に入ってから、国内株式の日経平均やTOPIXのインデックスファンドやアジア株式の比率が高い新興国株式のインデックスファンドが好調な一方で、米国株式が約6割のオルカンは伸び悩み、米国株式ファンドではS&P500、NASDAQ100、FANG+がそれぞれ下落しており、特にFANG+の不振が目立ちます。
足元における米国株式の下落要因としては、米国のビックテック企業が巨額のAI(人工知能)投資を行うことに対する回収見通しへの不安やAIがソフトウェアなどの役割を代替するとの懸念などが意識されて、大型ハイテク株やソフトウェア関連株の株価が下落していることが挙げられます。そのため、大型ハイテク株の構成比が高いFANG+やNASDAQ100のインデックスファンドが低迷しています。
また、米国株式ファンドは米ドルの比率が100%のため、1月以降の円高ドル安が基準価額の下落要因となっています。
長期の積立投資においては、ファンドの基準価額下落局面は安く購入できる好機といえるため、米国株式ファンドの積立を淡々と続けていけば良いといえます。
ただし、ある程度まとまった資金で運用していて、米国株式一辺倒の方や米国株式(米ドル)の比率が高いと不安に思われている方は、様々な投資対象資産への分散投資を検討すべきタイミングと思われます。
そこで今回は米国株式インデックスファンド、特にFANG+インデックスファンドが伸び悩んだ6ヵ月間で、好調だったバランスファンドに注目します。これらのバランスファンドの中身を確認することが、米国株式からの効果的な分散投資を目指す上で参考になると考えます。
運用期間3年以上で、NISAで買える好成績バランスファンド(SBI証券取り扱い)の一覧が図表2となります。これら8ファンドの6ヵ月リターンにおいては、すべてのファンドが株式100%となっているオルカンの実績を上回りました。それぞれのファンドについてコメントします。
図表1 売れ筋インデックスファンドのパフォーマンス比較 (2025年7月末~2026/2/18 2025年7月末=100)
- ※QUICKデータをもとにSBI証券作成
- ※日経平均、TOPIX、新興国株式、オルカン、S&P500はeMAXIS Slim、NASDAQ100はニッセイ、FANG+はiFreeNEXT
- ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません
図表2 NISAで買える 6ヵ月好成績バランスファンド一覧
| 順位 | ファンド名 | 特徴 (投資対象) |
6ヵ月 リターン |
3年 リターン (年率) |
5年 リターン (年率) |
5年 標準偏差 (年率) |
5年 シャープ レシオ |
| 1 | ピクテ・ゴールデン・リスクプレミアム・ファンド(愛称:ポラリス) | 世界の様々な資産(株式、債券、金、リート等)に投資、市場環境に応じて魅力的なリスクプレミアムが期待できる資産を選定 | 28.28% | 22.58% | 16.92% | 9.68 | 1.74 |
| 2 | ダイワ FEグローバル・バリュー(為替ヘッジなし) | 割安と判断される世界の株式等に投資し、金ETF、債券、転換社債など、株式以外の資産も投資対象 | 26.53% | 23.84% | 20.71% | 10.55 | 1.96 |
| 3 | グローバル経済コア | 世界の株式、債券、リート、金に分散投資し、各投資対象市場の代表的な指数への連動を目指す | 21.66% | 19.75% | 13.28% | 8.09 | 1.64 |
| 4 | ダイワ FEグローバル・バリュー(為替ヘッジあり) | 割安と判断される世界の株式等に投資し、金ETF、債券、転換社債など、株式以外の資産も投資対象(為替ヘッジあり) | 21.16% | 11.90% | 7.94% | 10.74 | 0.73 |
| 5 | NZAM・ベータ 日本2資産(株式+REIT) | 日経平均株価(配当込み)と東証REIT指数(配当込み)の比率を均等とした合成指数への連動を目指す | 19.63% | 17.23% | 11.16% | 10.38 | 1.07 |
| 6 | 日本株式・Jリートバランスファンド | 日経平均株価(配当込み)と東証REIT指数(配当込み)の比率を均等とした合成指数への連動を目指す | 19.54% | 17.24% | 10.97% | 10.41 | 1.05 |
| 7 | ピクテ・アセット・アロケーション・ファンド(1年決算型)(愛称:ノアリザーブ1年) | 主に世界の株式、債券、金などに分散投資、市場環境に応じて資産配分を機動的に変更 | 18.87% | 13.66% | 7.40% | 6.48 | 1.13 |
| 8 | 日本株&Jリート 好配当フォーカスファンド(愛称:インカムフォーカス) | 好配当の日本株と好配当のJリートに投資、各資産への投資割合は50%ずつを中心として、30%〜70%の範囲で決定 | 18.63% | 19.76% | 14.96% | 8.55 | 1.74 |
| 参考 | eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)(愛称:オルカン) | 全世界株式(日本を含む)インデックスファンド | 16.41% | 26.42% | 20.77% | 13.31 | 1.56 |
| 参考 | iFreeNEXT FANG+インデックス | 米国IT企業10銘柄で構成されたNYSE FANG+指数(配当込み、円ベース)への連動を目指す | 4.35% | 51.44% | 27.41% | 27.04 | 1.01 |
- ※ウエルスアドバイザー等のデータをもとにSBI証券作成
- ※「バランス」カテゴリーのNISA・成長投資枠対象ファンド(SBI証券取り扱い、運用期間3年以上)を6ヵ月リターン順に表示(2026年1月末基準)
- ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません
金と日本!? 6ヵ月好成績バランスファンドの特徴は?
1位のピクテ・ゴールデン・リスクプレミアム・ファンド(愛称:ポラリス)は、主に日本を含む世界の様々な資産クラス(株式、債券、金、リート等)に投資し、世界の市場環境に応じて魅力的なリスクプレミアムが期待できる資産を選定し、配分比率の決定を行うファンドです。資産配分の見直しは原則月1回で、資産構成比は株式34.2%、債券22.5%、金35.8%などとなっており、金の比率が恒常的に高いことが好パフォーマンスの要因となっています(※)。株式においては新興国にも分散投資していることや円資産が62%となっていて外貨建て資産の比率が低いこともパフォーマンスの安定に寄与しています。
2位のダイワ FEグローバル・バリュー(為替ヘッジなし)、4位のダイワ FEグローバル・バリュー(為替ヘッジあり)は、割安と判断される世界の株式等に投資を行っており、金ETF、債券、転換社債など株式以外の資産も投資対象としています。運用はファースト・イーグル・インベストメント・マネージメントが行っており、主な投資先ファンドの資産構成比は北米株式42.8%、欧州株式18.5%、日本株式5.9%、その他株式9.0%、金関連(金ETFと金関連株式)15.7%などとなっています(※)。半年間では米ドルやユーロが対円で上昇したため為替ヘッジなしのファンドが上位となりました。
3位のグローバル経済コアは日本を含む世界の株式、債券、不動産投資信託証券(リート)、金に分散投資し、各投資対象市場の代表的な指数への連動を目指す運用を行います。株式、債券の基本組入比率は、地域別(日本、先進国、新興国)のGDP(国内総生産)総額の比率を参考に決定しているファンドです。資産構成比は国内株式3.3%、外国株式18.9%、新興国株式12.2%、国内債券2.4%、外国債券18.9%、新興国債券12.0%、国内リート4.8%、グローバルリート4.8%、金(為替ヘッジあり)22.2%となっています(※)。金や新興国株式の組入れが好パフォーマンスの要因となっているといえます。
5位のNZAM・ベータ 日本2資産(株式+REIT)、6位の日本株式・Jリートバランスファンドは、ともに日経平均株価(配当込み)と東証REIT指数(配当込み)に均等投資を行っているインデックスファンドです。そのため、両ファンドの運用実績はほぼ類似しています。
7位のピクテ・アセット・アロケーション・ファンド(1年決算型)(愛称:ノアリザーブ1年)は、主に世界の株式、債券、金などに分散投資し、市場環境に応じて資産配分を機動的に変更するファンドです。資産構成比は株式40.4%、債券32.7%、金20.6%などとなっており、金の比率が恒常的に高いことが好パフォーマンスの要因となっています(※)。株式への投資においては地域の偏りがなく様々な運用スタイルの株式ファンドに分散投資していることに加えて、円の比率が47.4%で米ドルの比率が高くないこともパフォーマンスの安定化につながっているようです。
8位の日本株&Jリート 好配当フォーカスファンド(愛称:インカムフォーカス)は、4位と5位のファンドと同様に国内2資産が投資対象ですが、中身は好配当の国内株式アクティブファンドと好配当の国内リートのアクティブファンドとなっており、それぞれのファンドの組入比率は30%~70%の範囲で調整するという違いがあります。資産構成比は国内株式が66.0%、国内リートが33.7%となっています(※)。
6ヵ月好成績バランスファンド8本の共通点としては、①世界の株式と金に幅広く分散投資しているファンド、②国内株式、国内リートの2資産に分散投資しているファンド、の大きく2つに分けられます。キーワードは金と日本に分散投資です。
8ファンドは値動きの振れ幅を示す標準偏差(5年)で見ると、オルカン対比で5割から8割程度の値となっており、リスクが抑えられたファンドといえます。
米国株式中心の投資家においては、金や国内株式(国内リート)、幅広い通貨に分散投資している世界の株式などを加えることが、リスクを抑えて運用効率を高めることにつながるといえます。その際には、これらの6ヵ月好成績バランスファンドやSBIセレクトの国内株式ファンドや国内リートファンドなどを活用することが有効な選択肢になると考えます。
(※)ポートフォリオの情報は2026年1月末基準
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