この際しよう「夫とお金の相談」 iDeCo(イデコ)で始まる夫婦の老後

余裕のある老後を送るには、夫が現役で働いている間に、計画的に老後資金を蓄えることが重要です。2001年に国民年金・厚生年金に上乗せする年金として、確定拠出年金が登場しました。2017年1月からは、公的年金加入者全員が、原則的に個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」へ加入することができるようになりました。

老後の資金準備としては、投資信託を運用するなどの方法がありますが、税制上優遇されるiDeCoの活用をおすすめします。夫婦の老後資金を考えてみましょう。

老後に必要な資金

みなさんは、老後に必要な資金はどれくらい必要になるかご存知でしょうか。生命保険文化センターが実施した「平成28年度 生活保障に関する調査」によると、老後に夫婦2人が暮らすのに必要な「最低日常生活費」は、平均で毎月220,000円必要であり、「ゆとりある老後生活費」については平均で月額349,000円必要だという結果が出ています。

一方で、国民年金・厚生年金に、個人年金保険などを含めた老後資金について、「充足感なし」と回答した夫婦が71%いるとの結果が出ています。

また、総務省の家計調査報告(2016年)によると、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上,妻60歳以上の夫婦)では、平均収入が約213,000円で、可処分所得が約183,000円なのに対し、消費支出が約238,000円・非消費支出(税、社会保障費など)が約30,000円で、不足額の平均が約55,000円だという結果が出ています。

これは、現在年金を受給している高齢夫婦の現状で、現役世代から比べると公的年金による支援が恵まれているのに、家計が赤字になってしまっているということがわかります。つまり、将来的に年金を受給する世代は、さらに生活費が不足してしまうことになります。

夫婦ともにiDeCo(イデコ)に入っておくと?

公的年金のうち、国民年金・企業年金については確定給付年金と呼ばれる年金で、決まった金額を年金で受け取ることになり、あなた自身が運用することはできません。

一方で、iDeCoではあなた自身が運用をすることができ、目標とする金額を設定し、一定の範囲内で掛金の金額を決めることが可能です。夫はもちろん、専業主婦の妻もiDeCoに入ることができます。さらに、iDeCoには税制上の大きなメリットが3つあります。

1つ目の税制上のメリットは、iDeCoへの掛金は所得控除の対象となる点です。iDeCoとしての掛金は全額が所得控除の対象になりますので、所得税・住民税を軽減できる可能性があります。

2つ目の税制上のメリットは、iDeCoの運用益には税金がかからない点です。株や投資信託などの一般的な金融商品では、運用益に対して20.315%の税金がかかります。しかし、iDeCoの運用益は非課税です。

例えば、23歳から60歳までの37年間、毎月23,000円の掛金で年利3%の運用をした場合、運用益は約846万円、運用益に対する税金は約169万円になりますが、iDeCoではこれが非課税になります。夫婦でiDeCoにはいると、運用益の非課税効果も大きくなります。

3つ目の税制上のメリットは、60歳以降に老齢給付金として受け取るときにも控除を受けることができる点です。老齢給付金を受け取る方法には2つの方法があります。1つは一括して受け取る方法です。老齢給付金を一括で受け取る場合は、退職所得とみなされて勤続年数に応じた一定額を差し引くことができます。

また、老齢給付金を年金として受け取る場合は、公的年金等控除が適用され、国民年金・厚生年金を含む公的年金の収入金額や年齢に応じた一定額を差し引いた金額が課税対象となります。夫婦でiDeCoに入ると税制上のメリットは大きいです。

iDeCo(イデコ)に夫婦で入るメリットは大きい

国民年金・厚生年金だけでは、余裕のある老後を送ることはできません。税制上優遇されるiDeCoに夫婦で加入して、現役時代から老後の資金計画を立てて、余裕のある老後を送りましょう。

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