恋愛や人付き合いにおいて、良い関係を保つには相性が大事だと言いますが、それは資産運用でも同じです。それはなぜでしょうか? 実は、資産運用にもさまざまな方法があり、人と同じようにそれぞれ違った性質を持っているからなのです。
資産運用における「相性が良い」というのは、自分の性格と投資対象の特性が協調し、長期で付き合っていく上で精神的なストレスや不安が少ない状態を指します。もしも、ストレスや不安を感じてしまえば、せっかく投資を始めてもすぐに手放すことになりかねません。
そこで今回は個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」や少額投資非課税制度「NISA(ニーサ)」、「つみたてNISA」と末長く付き合っていくために、どのような性質を持っているのかを確認し、さらに長く付き合うためのコツを解説していきます。
NISA(ニーサ)やiDeCo(イデコ)はちょっぴりミステリアスなパートナー
それではNISAやiDeCoと実際にどのように付き合っていけばうまくいくでしょうか。それぞれのタイプを考えてみましょう。
● お金の使い方の波長があう人はNISA
NISAはどのような性質を持っているのでしょうか。NISAは1年間で120万円、非課税期間が5年なので最大600万円までの非課税投資ができる制度です。毎月の購入額は自由なので、余裕がある月に多めに買ったり、お金を使いすぎた月には全く買わなかったりすることもできます。そのため、お金の使い方に波がある人との相性はぴったりです。
● コツコツ堅実派はつみたてNISA
また、2018年新たにスタートしたつみたてNISAは、年間40万円を上限として、毎月一定額を積み立てていく少額投資非課税制度です。長期投資、積み立てに適した低コストの投資信託等に商品が限られているため、投資初心者にも始めやすい制度となっています。こちらは非課税期間が20年もあるので、お金を少しずつコツコツ積み立てていきたい人との相性が良いかもしれません。
● 貯蓄に挫折しそうになる人はiDeCo
iDeCoもまた、毎月一定額を積み立てていく投資非課税制度です。毎月5,000円から設定でき、運用期間は60歳までありますので、始める年齢によってはつみたてNISAより長期間の運用が可能です。ただし、iDeCoはNISAと異なり、年金という位置付けですので、60歳まではお金を受け取れないのが特徴です。これはデメリットのように感じるかもしれませんが、老後資金を貯めたいのに、すぐに挫折してしまう人との相性は最高。途中でくじけそうになっても、最後までやり抜くための制度と言ってもいいでしょう。
ただし、NISAもiDeCo(元本確保型商品を除く)も、預貯金とは違い元本は保証されていません。価格変動があるため、損をしてしまう可能性もあります。しかし、運用結果次第では資産を増やすことも可能です。恋人に例えるなら、安定的ではないものの、程よくスリルを味わせてくれるタイプです。スリリングゆえにお金に対して慢心することなく、知らず知らずのうちに意識を高めてくれる理想のパートナーとも言えます。
長く付き合うために大事なのはライフプランと投資方針
では、そんな理想のパートナーと末長く付き合っていくためには、何に気をつければ良いでしょうか?
まずはNISAやiDeCoに費やす金額を、無理のない範囲で設定することです。なるべく多くの資産を貯めるためには限度額まで買うのが理想ですが、生活に支障をきたす金額を投じてしまってはすぐに息切れしてしまいます。まずはライフプランを立てて、何歳までにいくら必要か明確にしてから毎月の金額を無理のない範囲で設定しましょう。
恋愛も結婚も、パートナーとどのような未来を築きたいのか将来的なプランを見据えることが大事なように、資産運用も同じく長期的な見通しが大事なのです。
投資方針にあった商品を組み合わせて!
恋愛では自分の性格にあったパートナーを選ぶことが大事なように、NISAやiDeCoも自分の考えに即した商品で運用することが長く続ける秘訣です。ハイリスクでもいいのでハイリターンを望むという人であれば、株式や新興国の割合が多めの投資方針にすると希望を叶えやすくなります。逆にローリスクローリターンを望む安全志向の人は、債券や先進国の割合が多い投資信託を選ぶと比較的低リスクで運用することができます。
運用する商品同士の相性も考慮して選択することも大事です。外国株一択などは避け、なるべくリスクを分散させるようにバランスをとって組み合わせを考えて投資しましょう。それがNISAやiDeCoと長く付き合う秘訣です。
「理想と違った!」と喧嘩別れにならないために
恋人同様、第一印象だけでNISAやiDeCoの運用商品を決めるのはリスクが高い行為と言えます。商品選びの際には、運用方針に加えてライフプランに即した商品をじっくり選ぶことが不可欠です。たまたまその日に評価損益が上がっていた、人気のある企業の株だからなど、外見だけで判断してしまうと、大幅に値下がりして「思っていたのと違った!」とがっかりして手放すことになるかもしれません。
過去のパフォーマンスなども調べた上で、長期投資に適した商品なのか、それとも短期の運用に向いているのかなどの情報を調べてから選ぶことが重要です。情報の入手先はニュース、新聞、ネット上のコラムなどの他に、各証券会社等のメールマガジンなどでも知ることができます。
慌てずにじっくり商品の性質を調べてから購入することが長く付き合うコツです。背伸びしたり、見栄を張ることのないようくれぐれもご用心!
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