株式市場
2025年10月は、プライベート・クレジットの融資先における不正問題を背景に懸念された米銀の信用懸念が一時後退したことや日本でも高市政権誕生による政策期待の高まり等で底堅い動きとなりました。その後、同年11月から12月にかけては、AI関連企業の巨額の投資計画に対する警戒感から米テック株を中心に調整局面が見られました。一方で、米英で利下げが実施されたことが下支えとなりつつも、国や地域による選別色を強めながらの推移となりました。2026年1月には、AI関連株の買戻しや資源・エネルギー関連株への物色が進み、回復基調となりました。同年2月には、米国ではAI関連を中心に再び不安定な推移となった一方、日本では衆院選で与党が圧勝し政権の安定化への期待等から株価が大幅に上昇し、地域差が鮮明となりました。しかし、同年3月には、米国とイスラエルによるイランへの軍事侵攻を契機に原油価格が急騰し、景気の先行き不透明感が強まったことから、株式市場は世界的に低調に推移しました。為替市場
日米の金融政策スタンスの違いと日本の財政運営に対する見方が、ドル/円相場の主な変動要因となりました。2025年10月の高市政権の発足以降、日本の積極財政による財政悪化懸念や日銀の利上げに慎重な姿勢が意識され、「高市トレード」と呼ばれる円売り・ドル買いの動きが断続的に強まりました。一方で、米国の景気指標や金利動向を受けて円高・ドル安方向に振れる場面もあり、特に2026年1月には日米為替介入観測などを背景に急激な円高が進行しました。その後は、日銀による早期利上げ観測の後退などから再び円安圧力が強まり、同年3月には、地政学リスクの高まりを背景に、基軸通貨であるドルに資金が集中したことなどから、最終的に2025年9月末比で7.31%の円安・ドル高となりました。金市場
株式市場の不安定化や地政学リスクの高まりを背景に安全資産としての需要が高まり、2026年1月末にかけて大幅に上昇し、史上最高値を更新しました。その後、中央銀行による売却等で利益確定売りが優勢となり、同年3月にはリスクオフ局面にもかかわらず安全資産としての需要よりも換金需要による資金流出が広がり大きく下落しました。このような市場環境の中で、「AIラップ」がどのようなパフォーマンスだったのか、約半年間を振り返ります。2025年度下期のパフォーマンス
2025年9月末から2026年3月末の期間における「AIラップ」のパフォーマンスは+6.62%(※1,3)となりました。なお、一般的なロボアドバイザーは+7.01%(※2,3)でした。「AIラップ」は同期間において、貴金属市場の急落等を受けて2月初に実施した臨時リバランスも含めて、2026年2~3月に金や株式資産の動きに比較的うまく対応できたことがプラスに寄与しました。一方で、特に2026年1月は、金が記録的な上昇を見せる中、その保有を最低比率としていたことが上昇局面での恩恵を限定的なものとし、パフォーマンスの伸びが抑えられました。 結果として3月末時点では一般的なロボアドバイザーとの比較で-0.38ptとなりました。※「AIラップ」の投資対象である8種類の専用投資信託(以下、「投資対象ファンド」と表示)は、米国市場の終値を翌営業日に取り込み基準価額に反映しています。本レポートの運用実績は、2026年3月30日までの米国市場の値動きが反映されています。
※「AIラップ」と一般的なロボアドバイザーの2025年9月末から2026年3月末までの騰落率である+6.62%と+7.01%との比較が-0.38ptです。小数第3位以下を切り捨てて計算している箇所があるため、小数第2位の数値が必ずしも一致しない場合があります。
リバランスと「AI予測」を振り返る
「AIラップ」は、2025年10月初から2026年3月末までに、臨時リバランスを含めて計7回のリバランスを行いましたが、以下のグラフの通り、2025年10月に相対的に株式資産(米国株式、先進国株式、新興国株式)を多く保有していましたが、同年11月には株式資産のうち新興国株式の保有を減らし、債券資産(米国債券、米国ハイイールド債券、新興国債券)と不動産の配分を増やしました。同年12月には不動産を減らしさらに債券資産へシフトを強め、2026年1月も概ね同様の方針を継続しました。その後、2026年2月には4日の「臨時」、6日の「通常」の2度のリバランスで債券資産の比率を下げつつ、金の比率を高めるといった動きをみせました。また、米国・イスラエルによるイランへの軍事侵攻後の3月6日のリバランスでは、金の保有を減らし、安全資産である債券資産とリスク資産である株式資産をそれぞれ増やしました。 こうしたリバランスの結果、2025年10月は株式資産を8割超保有する積極的な投資配分としていましたが、その後は株式資産を6割程度に抑えつつ、2026年2月以降は金の乱高下に合わせて金の配分を大きく変更し、2026年3月には株式・債券という伝統的資産を中心としたリスクのバランスを意識する投資配分となりました。※グラフが示す投資配分の推移は、実際に各月に実施されたリバランス約定日時点の比率を示しています。
この期間の「AI予測」(8つの資産の将来リターンに関する予測)は、以下のように推移しました。- 10月は株式資産のうち新興国株式と米国株式が強気の見通しでしたが、11月は新興国株式のリターン予測が低下し、新興国債券の見通しが改善しました。
- 12月と1月は株式資産に対して強気の見通しを維持しつつ、債券資産の中では新興国債券の見通しが改善傾向でした。
- 2月は新興国株式の見通しが後退し、金のリターン予測がマイナスからプラスへ大きく改善しました。
- 3月は金の見通しが再びマイナス圏に低下し、株式資産のうち米国株式と新興国株式のリターンの改善が顕著でした。
2026年2月の投資配分と月間パフォーマンス
2026年2月の世界の株式市場は、不安定な米国に対し政策期待に沸く日本株など地域差が際立つ展開となりました。投資対象ファンドの動きを見ると、金を除く7資産全てが上昇し、特に米金利低下が下支えとなった米国不動産や日本が牽引した先進国株式の上昇が顕著でした。そのような投資環境の中、下の図のように「AIラップ」は2026年2月4日に臨時リバランスを行い、2026年2月6日に通常のリバランスを実施しました。 臨時リバランスで配分を増やした先進国株式が大きく上昇したことや債券資産などへ幅広く資産分散していたことに加えて、同じく臨時リバランスで配分を増やした金が、直後に反発しプラスに寄与する等で、「AIラップ」の2026年2月の月間パフォーマンスは+3.45%となりました。これは一般的なロボアドバイザーの+2.45%と比べて、1.00pt上回る結果でした。(※3,5)「リターンはマイナスだが、寄与度ではプラス」の原動力となったAI予測を活用した機動的な「金」のリバランス
前述の通り2月の「金」のリターンはマイナスでしたが、金の寄与度はプラスとなりました。その理由を下の図(1月30日を基準日にした2月27日までの「金」のリターン(折れ線)及び配分比率(棒グラフ)の日次推移)で解説します。「金」の配分比率は当初2%と急落時に殆ど保有していませんでした。その結果、「金」の急落による悪影響は限定的でした。そして、急落後の臨時リバランスで「金」を約13%に増やし、更に通常のリバランスで20%まで増やしました。その後、今度は「金」が比較的堅調に推移したため、その恩恵を享受することができました。このように臨時リバランスを含むAI予測を活用した機動的なリバランスを行ったことで、月間の「金」のリターンとその寄与度は対照的な結果となりました。2026年3月の投資配分と月間パフォーマンス
2026年3月の世界の株式市場は、中東情勢の緊迫化よる先行き不透明感等から低調に推移しました。原油高によるインフレ懸念が投資家のリスク回避姿勢を強めたため、基軸通貨である米ドルへの回帰が顕著でした。投資対象ファンドの動きを見ると、米ドル回帰などで「米国債券」と「米国ハイイールド債券」の2資産が上昇しましたが、リスクオフの動きが先鋭化したため、株式資産(「米国株式」「先進国株式」「新興国株式」)など残りの6資産はすべて下落しました。中でも「金」や「先進国株式」の下落が目立ちました。そのような投資環境の中、下の図のように「AIラップ」は下落した株式資産などの保有がマイナスに影響して、2026年3月の月間パフォーマンスは-4.91%となりました。しかし、大幅に下落した「金」の保有を下限一杯まで減らしていたことや、保有を増やした「米国債券」がプラスに寄与したことなどが貢献し、一般的なロボアドバイザーの-5.85%と比べて0.94pt上回る結果となり、下落幅を抑えることができました。(※3,5)相場急変時に下落幅を抑制
「AIラップ」は、AI予測を活用し、環境変化に応じて機動的に投資配分を見直すことで、「下落を抑制しつつ、上昇局面を捉える」運用を目指しています。2025年度下期を振り返ると、金融市場における大きな相場急変のトリガーとなったのは、日本時間2026年2月28日(土)に始まった米国・イスラエルによるイランへの軍事侵攻でした。突発的な地政学リスクの顕在化を受け、市場では翌営業日以降、リスク回避的な動きが強まりました。今回の米国・イスラエルによるイランへの軍事侵攻は、事前の予知・予見が極めて困難な事象であり、市場参加者に大きな驚きと不確実性をもたらしました。その結果、金融市場では流動性の低下や急激な価格変動が生じ、パニック的な動きが見られる局面もありました。下の図は侵攻開始前営業日となる2月27日を基準日(=100)とし、その前後約1ヵ月間における「AIラップ」と一般的なロボアドバイザーの推移を示したものです。このような対処が難しい相場急変局面において、3月31日時点の指数は、「AIラップ」が95.08、一般的なロボアドバイザーが94.14となり、「AIラップ」の下落幅は相対的に抑制されました。(※6)※1 「AIラップ」の運用実績について
2025年9月末から2026年3月末まで、または表示している期間において、「AIラップ」に投資していた場合の運用実績です。過去の運用実績であり将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。 リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定して計算しています。(※3)
※2 一般的なロボアドバイザーの運用シミュレーションについて
一般的な運用アルゴリズム(ノーベル賞を受賞した理論に基づき、金融機関において広く使われている平均分散法を採用。平均分散法における期待リターンはCAPMを用いて算出しており、リスク許容度はやや高めとし、5%~40%の保有比率制限を設けて最適ポートフォリオを算出)を用いて、投資対象ファンドに分散投資を行ったと仮定したシミュレーション結果を示しています。(※3)
※3 運用実績又は運用シミュレーションの計算方法について
2025年9月末から2026年3月末までの、または表示している期間における、投資対象ファンドの基準価額(信託報酬やその他の費用、投資対象ファンドを通じて保有するETFの分配金が考慮されています。)をもとに、「(計算期間終了日時価/計算期間開始日時価)-1」で計算したものを%表示しています。運用手数料を年率0.66%(税込)徴収したと仮定して計算を行っています。本文及びグラフ上で表示している割合は年率ではありません。計算後の数値の小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。各数値の比較において、表示上の数値を用いて計算すると数値が一致せず誤差が生じる場合があります。
※4 AI予測の好事例のみを示しており、市場動向等によっては上記のような運用ができない場合があります。毎月の運用実績は、「AIラップ」ウェブサイトにてマンスリーレポートをご確認ください。
※5 表示期間における、AIラップの運用実績と一般的なロボアドバイザーの運用シミュレーションの比較です。小数第3位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を用いて計算すると数値が一致せず誤差が生じる場合があります。
※6 米・イスラエルによるイラクへの軍事侵攻前後におけるAIラップと一般的ロボアドの価格推移は、「2026年1月30日から2026年3月31日までの期間」(以下、表示期間)で、それぞれの資産の日々の評価額と2026年2月27日における評価額を基準に計算しています。表示されている数値は2026年2月27日における評価額を100とし、小数第3位以下を切り捨てています。これらのパフォーマンスは、AIラップの運用実績と一般的なロボアドバイザーの表示期間内に限った運用シミュレーションの比較であり、将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。
市場動向を振り返る
<10月>株式市場は、米銀の信用懸念の後退や米中不和への警戒が薄れたことで堅調に推移しました。日本でも高市政権誕生に伴い経済重視の積極財政への期待などから上昇し、世界同時株高の様相を呈しました。為替市場では、日銀の利上げ見送りや米追加利下げ観測の後退などを背景に円安・ドル高が進行しました。<11月>株式市場は、米利下げ観測の後退や米テック株の高値警戒感から急落する場面もありましたが、低調な米経済指標を受けて12月の米利下げ観測が再び高まったこと等を好感して、主要先進国を中心に小幅に上昇しました。為替は、高市政権の積極財政による財政悪化への警戒や12月の米利下げ観測が後退したことで、円安・ドル高が進行しました。<12月>株式市場は、米英での利下げが下支えとなり中盤以降は上昇に転じたものの、月間では欧州や中国で上昇した一方で、米国やインドでは小幅に下落するなど様々でした。為替は、米国で利下げ、日本で利上げが決定されたことで円高・ドル安に進みやすい地合いでしたが、高市政権の積極財政による財政悪化への警戒等から、一進一退の推移となり、月間では小幅に円安・ドル高となりました。<1月>株式市場は、AI関連株に加えて資源・エネルギー関連株も物色される展開となりました。グリーランドを巡る関税問題が嫌気され一時反落したものの、すぐに撤回され株式市場は復調しました。為替は、日米の通貨当局が為替介入の前段階となるレートチェックに動いたと報じられ、大幅に円高・ドル安となりました。<2月>株式市場は、米国ではAI関連銘柄を中心に不安定な推移となった一方、日本では衆院選での与党圧勝を受け政策期待が高まり、大幅に上昇するなど地域差が見られました。為替市場では、米金利低下の影響を日本の財政拡張観測や日銀の利上げ観測後退等が相殺し、小幅に円安・ドル高となりました。<3月>株式市場は、2月末に米国・イスラエルがイランへの軍事侵攻を開始し、原油高騰によるインフレ懸念や先行き不透明感などで低調に推移しました。為替市場は、地政学リスクや将来的な景気不安等から、基軸通貨のドルに資金が集まり、円安・ドル高となりました。最新の投資配分の確認方法
「AIラップ」ではAIによる予測技術を利用して投資配分を決定しています。最新の投資配分をお知りになりたい方は、「AIラップ」契約後のサマリー画面にてご確認いただくことができます。口座開設・ログインはこちらスマートフォンでの利用方法SBI証券スマートフォン専用サイトや各種アプリを経由して、スマートフォンでも「AIラップ」を便利にご利用いただけます。詳しくはコラムでご紹介しています。■本資料について
・投資環境に関する過去の事実等の情報提供や作成時点での見解をご紹介するために、「AIラップ」の投資運用業務を行う株式会社FOLIOが作成した資料です。
・記載内容は作成時点のものであり、将来の市場環境の変動や運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
・信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、その正確性、完全性等について保証するものではありません。
■株式会社SBI証券
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第44号、商品先物取引業者
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金融商品取引業者(第一種金融商品取引業、投資助言・代理業、投資運用業) 関東財務局長(金商)第2983号
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