レポート・コラム

<SBIラップ 匠の運用コース 2024年8月の実績>

<SBIラップ 匠の運用コース 2024年8月の実績>

2024年8月の実績、投資配分、寄与度

「SBIラップ 匠の運用コース(愛称:匠ラップ)」(以下、「匠ラップ」といいます)は、野村アセットマネジメント独自の投資戦略と、同社が厳選したアクティブファンドを活用することで、リスクを抑えながら効率的にリターンを追求することを目指す「おまかせ運用」サービスです。2023年7月15日より提供を開始し、2023年7月19日に運用を開始しています(※1)。2024年8月の世界の株式市場を振り返ると、上旬は前月来の急激な円高・ドル安に加えて、加熱していた米国AI関連投資への期待の剥落や、景気後退を予見させる米国経済指標の発表が更なる円高・ドル安と主要国株価の急落を招きました。しかし、中旬から下旬にかけ、米国景気後退懸念の緩和を受けて多くの国では急落前の水準程度まで回復しました。一方、8月5日には1日あたりの下落幅が過去最大となった日本は株価回復の途上にあり、経済成長の鈍化が深刻な中国は下旬に再び下落基調となりました。為替は、前月末の日銀によるサプライズ利上げと年内追加利上げの示唆で急激な円高・ドル安となり、米国景気後退懸念の高まりからその傾向を強めました。マーケットへの過度な不安の解消とともに一時的に円安・ドル高となる場面もあったものの、9月に見込まれる米国利下げを前に日米金利差が縮小し、下旬には再度円高・ドル安となりました。以下は、そのような環境下における2024年8月の約1ヵ月間の匠ラップのパフォーマンスと各投資対象ファンドの騰落率(円建て)、および匠ラップの投資配分です。(※1,5,7)
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2024年8月のパフォーマンスの振り返り

2024年8月の匠ラップは、以下のような投資環境を想定し、株式、REIT、米国ハイ・イールド債券という比較的リスクが高い資産への投資比率を61.0%として、匠ラップの運用戦略において参考とする株式60%、債券40%と同程度のリスク水準で運用を行いました。
  • 世界経済への影響が大きい米国(*)と中国(**)の需要が低調に推移することで世界景気は減速する見込みが大きいものの、その景気減速の程度は大きいものとはならない可能性が高いとの想定
    • (*)米国では金融引き締めに伴う景気減速の兆候が消費者ローンの延滞率上昇などに現れていることに加えて、コロナ禍後に過熱を見せていた労働市場も直近は落ち着きを見せており雇用者の増加ペースや賃金上昇率も減速していることから、消費が大きく拡大する可能性は低いと見られる一方で、以前から警戒していたような米商業用不動産市場の悪化や金融機関の貸し渋りが多くは発生していないことから、深刻な景気後退は避けられると評価
    • (**)中国では、景気刺激策の効果がこれまでのところ小さいことや不動産市場の落ち込みが深刻であることから、急回復は見込めないと評価
  • 金融資産全般に関しては、米国の緩和方向への政策転換をきっかけとして株価や債券価格が上昇しやすい環境になると想定(***)する一方で、日本は欧米の金融政策循環に遅れてこれから引き締め局面が始まると見られることから、国内債券に対しては慎重な投資姿勢で臨むべきだとの想定
    • (***)先進国の中ではユーロ圏やカナダが利下げを開始し、世界経済への影響力が大きい米国は現時点では利下げに慎重な姿勢を維持しつつも、インフレ率だけでなくこれまで堅調だった労働市場にも減速傾向が確認されることから今秋にも利下げが実施される可能性が高いと予想
 月間では、円高・ドル安の影響を受けて多くの投資対象ファンドが下落したものの、匠ラップでは世界経済の減速に備え、為替変動リスクを直接受けない「国内債券」、「外国債券(国債型)」(為替ヘッジあり)、「J-REIT」を合わせて35%超と比較的多く保有していたことなどがマイナス幅を一部打ち消し、8月のパフォーマンスは-0.38%となりました。(※1,6)以下のグラフは、匠ラップのリターンに対する各資産の寄与度(どの資産がどのくらい匠ラップの騰落に影響を与えているか)です。(※7)
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リリース来の実績

以下の折れ線グラフは「匠ラップ(※1)(赤色線)」「合成指数(※2)(青色線)」の比較グラフで、開始点は2023年7月19日です。運用開始日の2023年7月19日から2024年8月30日の期間で、匠ラップの運用実績は+11.46%(※1,3)となり、参考とする合成指数(※2,3)との比較では-4.14%(※4)となりました。
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また以下は、直近1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年および匠ラップのリリース来のパフォーマンスです。(※6)
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*合成指数の値は運用にかかる費用等を考慮していません。

・運用実績は過去のものであり、将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。

・匠ラップは、オールウェザー戦略の考えを取り入れ、株式60%、債券40%の資産配分を参考としながら、事前想定リスク年率10%程度でリターンの最大化を目指し、資産配分を決定します。本グラフでは、匠ラップの運用戦略に基づく資産配分の決定がどれだけパフォーマンスに寄与しているかを示すために、前述の資産配分の参考値に基づきFOLIOが作成した合成指数(※2)を用いて、パフォーマンスの比較を行っています。

※1 匠ラップの運用実績について

2023年7月19日(サービスリリースした7月15日に申込を行い最短で運用を開始した場合の投資対象ファンドの最初の買付約定日)から表示日まで、または表示している期間において、匠ラップに投資していた場合の運用実績です。 投資対象ファンドの基準価額(信託報酬やその他の費用が考慮されており、分配金は当該ファンドに再投資したものと仮定しています。)をもとに、「(計算期間終了日基準価額/計算期間開始日基準価額)-1」で計算したものを%表示しています。リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定し、運用手数料を年率0.77%(税込)徴収したと仮定して計算を行っています。(※3)

※2 合成指数の推移について

「合成指数」のシミュレーションにあたっては、匠ラップが参考とする資産配分である株式60%、債券40%の割合でMSCIワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)とFTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジあり・円換算ベース)を合成して計算しています。投資対象ファンドの基準価額に市場価格が反映されるタイミングを考慮し、合成指数の計算期間開始日および終了日を前倒して表示しています。(※3)

※3 運用実績および合成指数のシミュレーションについて

本文およびグラフ上で表示している割合は年率ではありません。計算後の数値の小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。分配金やリバランス時の譲渡益にかかる税金は考慮していません。

※4 表示期間における、匠ラップの運用実績と合成指数のシミュレーションの比較です。小数第3位以下を切り捨てて表示しているため、表示上の数値を用いて計算すると数値が一致せず誤差が生じる場合があります。

※5 表示の投資配分はリバランス実施時に目標とする比率であり、実際の運用では市場変動等の影響により表示の比率と乖離が発生することがあります。

※6 1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年のパフォーマンスは、それぞれ直近Nヵ月前およびN年前の資産の評価額と2024年8月30日における評価額に基づいて計算しています。匠ラップリリース来のパフォーマンスは、2023年7月19日の資産評価額と2024年8月30日における評価額をもとに計算しています。表示している割合は年率ではありません。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。

※7 騰落率グラフは2024年7月31日の基準価額を基準として、2024年8月30日における各投資対象ファンドおよび、匠ラップのリターンを示したものです。各投資対象ファンドの騰落率の計算は、「(2024年8月30日時点の基準価額/2024年7月31日時点の基準価額)-1」で行い、%表示をしています。寄与度グラフは騰落率グラフのデータを用いて、匠ラップの投資配分(指定期間の途中で行われたリバランスも考慮)に従って、匠ラップのリターンに対する各投資対象ファンドの寄与度を示したものです。投資対象ファンド毎に約定に要する日数が異なる点や計算期間中に実施されるリバランスの影響により、騰落率グラフが示す各投資対象ファンドのリターンがプラスであっても、寄与度グラフにおいてはマイナスとなる場合があります(逆の場合もあります)。匠ラップのリターンの算出方法については、※1をご参照ください。将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。

2024年8月のマーケットを振り返る

ここで2024年8月のマーケットを振り返ります。

【米国市場概況】

table us
米国株式市場の指標であるS&P500は上旬に、加熱していた米国AI関連投資への期待の剥落や景気悪化を予想させる雇用関連の経済指標の発表が相次ぎ、前月末比で終値が最大-6.08%となる場面がありました。 中旬以降は、予想を下回る物価指数の発表によりインフレ懸念が後退して、FRB(米連邦準備制度理事会)が9月にマーケットの期待通りに利下げを実施する観測が高まり、株式市場は上昇基調に転じて前月末水準を回復しました。下旬には、ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の発言で9月利下げが確実視されて、最高値圏で一進一退の推移となり、最終的に前月比+2.28%となりました。また、米国の不動産投資信託(REIT)市場は、利下げに伴う利払いコストの軽減への期待等から上昇基調となりました。

【先進国市場概況】

table dc
日本株式市場の指標であるTOPIXは上旬に、急激な円高・ドル安と米国景気悪化懸念を受けて、8月5日には1日の下落幅が過去最大となる急落を見せ、前月末比で終値が最大-20.29%となる場面がありました。中旬にかけては米国の景気悪化懸念の後退や為替変動の逆回転とともに徐々に値を戻しましたが、下旬にも再び円高・ドル安が進んだこと等が重しとなり、最終的には前月比-2.92%となりました。欧州株式市場の指標であるストックス欧州600指数は上旬に、一連の世界株価急落を受けて下落しました。中旬以降は、財政懸念のある英国では上昇がやや弱い場面はありましたが、米国の株価上昇とECB(欧州中央銀行)の利下げ観測の高まり等に伴い回復し、最終的には前月比+1.32%となりました。

【新興国市場概況】

table ec (1)
中国株式市場の指標である上海総合指数は上旬に、世界株安を受けて下落しました。中旬に相場急変の不安後退とともに株価を戻す場面もありましたが、下旬にかけて、根強い中国の景気の先行き懸念とEV(電気自動車)への関税を巡る欧米との摩擦等により再び値を下げ、最終的に前月比-3.28%となりました。インド株式市場の指標であるインドSENSEXは上旬に、世界株安を受けて下落しました。中旬以降は世界の株式市場の落ち着きとともに上昇し、9月の米国利下げ期待によりインドからの外貨流出懸念が後退したことや、政府による景気刺激策期待等から上昇基調を保ちました。月末には最高値を更新し、最終的に前月比+0.76%となりました。

【為替・その他】

table ex
ドル/円為替相場は、7月末の日銀によるサプライズで日本の長期金利が急激に上昇したことや、景気後退懸念から米国の長期金利が急低下したこと等が急激な円高・ドル安を招きました。また、歴史的な規模まで膨らんでいた円売りポジションを解消する動きがその流れを加速しました。過度な変動に対する反発で一時的に戻す場面はありましたが、下旬にかけて米国長期金利にある程度連動する形で推移し、最終的には前月比で2.54%の円高・ドル安となりました。米国10年債利回りは、月初に急低下した後は米国経済指標やFRBパウエル議長の発言による9月利下げ期待の変化に伴って上下し、最終的に3.90%付近で8月を終えました。金は米国の利下げ期待等から相対的な投資妙味を高め、前月に続き上昇しました。

各指数等のデータはBloombergが提供する値を用いています。表示されている値(米国10年債利回りを除く)は、小数第3位以下を切り捨てています。

運用会社FOLIOからのメッセージ

8月月間で「合成指数」を上回るパフォーマンス

2024年8月の匠ラップの月間パフォーマンスは-0.38%と下落しましたが、参考としている「合成指数」を0.23%上回りました。(※4,5)なお「合成指数」とは、代表的な株式インデックス指数の「MSCIワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」と債券インデックス指数の「FTSE世界国債インデックス(除く日本、ヘッジあり・円換算ベース)」を用いて、株式60%、債券40%の割合(匠ラップが投資配分を決定する上で参考とする割合)で合成した値のことを指します。(※2)2024年8月の匠ラップにおいては、「匠」の戦略が詰まったアクティブファンドの活用が奏功し、「合成指数」よりも効率的な運用により変動の大きい相場の中でも下落を抑えられたものと考えています。アクティブファンドの活用の例として、「世界株(グロース)」とその参考指数である「MSCIワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」を比較してみると、いずれも為替の影響を受けながらも「世界株(グロース)」は金融セクターや一般消費財・サービスセクターでの銘柄選択効果などがプラスに寄与し、8月月間で-0.48%と参考指数を1.19%上回りました。(※8)
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今後も「匠」ならではの運用によって、投資環境に左右されにくい安定した収益の獲得を目指します。

※8 グラフ等について

・将来の傾向や投資収益等を示唆又は保証するものではありません。

・「世界株(グロース)」は野村アセットマネジメント社から提供された「ラップ専用・世界株式アクティブ(グローバル・マルチテーマ)」の分配金再投資基準価額データ(信託報酬等の費用考慮後)を用い、またBloombergが提供する「MSCIワールド・インデックス(配当込み)」をFOLIOにて円換算したデータを参考指数として用いて、2024年7月31日を基準としてFOLIOにて計算し作成したものです。小数第3位以下を切り捨てて表示しています。

・「ラップ専用・世界株式アクティブ(グローバル・マルチテーマ)」の基準価額に市場価格が反映されるタイミングを考慮し、「MSCIワールド・インデックス(配当込み)」の計算期間開始日および終了日を前倒して表示しています。

・「ラップ専用・世界株式アクティブ(グローバル・マルチテーマ)」と「MSCIワールド・インデックス(配当込み)」の2024年8月の月間騰落率である-0.48%と-1.67%との比較が+1.19%です。小数点以下第3位を切り捨てて計算している箇所があるため、小数点以下第2位の数値が必ずしも一致しない場合があります。

・信頼できると考えられる情報を用いて算出しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。

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■本資料について

・投資環境に関する過去の事実等の情報提供や作成時点での見解をご紹介するために、匠ラップの投資運用業務を行う株式会社FOLIOが作成した資料です。

・記載内容は作成時点のものであり、将来の市場環境の変動や運用成果等を示唆または保証するものではありません。

・信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、その正確性、完全性等について保証するものではありません。

■株式会社SBI証券

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第44号、商品先物取引業者 加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本STO協会、日本商品先物取引協会

■株式会社FOLIO

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