家族信託の相談先:各専門家の特徴と選び方 (株式会社ファミトラ 2025.6.10)

家族信託は、認知症等による資産凍結対策や資産承継の手段として注目を集めていますが、その複雑さゆえに専門家のサポートが不可欠です。しかし、どの専門家に相談すべきか迷う方も多いでしょう。この記事では、家族信託の主な相談先である専門家の特徴と、適切な相談先の選び方について詳しく解説します。

司法書士

司法書士は、家族信託の相談先として最も一般的な専門家です。その理由は以下の通りです:

主な理由

  • 不動産を信託する際には登記手続きが必要になるが、司法書士はその専門家である
  • 成年後見制度に精通している
  • 相続や遺言に関する知識が豊富

メリット

  • 信託契約書の作成から登記の手続きまでワンストップで対応可能

デメリット

  • 契約書作成の専門家ではない
  • 万が一のトラブル発生時に対応できない

司法書士は特に不動産の信託登記が必要な場合に強みを発揮します。

弁護士

弁護士も家族信託の相談先として適しています。

主な特徴

  • 法律全般に関する幅広い知識
  • 契約書作成の専門家
  • 紛争解決のエキスパート

メリット

  • 複雑な法律問題にも対応可能
  • 将来的なトラブルを見据えた契約設計が可能
  • 訴訟リスクの観点からのアドバイスが可能

デメリット

  • 不動産を信託する場合は、別途司法書士に登記を依頼する必要がある
  • 費用が比較的高額になる傾向がある

弁護士は、法律の専門家として家族信託の設計から契約書作成まで幅広くサポートできます。特に、複雑な家族関係や大規模な資産がある場合に適しています。

税理士

税理士は、家族信託の税務面でのアドバイスに強みを持ちます。

主な特徴

  • 税務の専門家
  • 財務分析のスキルを持つ
  • 相続税対策に精通

メリット

  • 税務面での最適な信託設計が可能
  • 財産評価や節税対策のアドバイスが可能
  • 相続税申告との連携がスムーズ

デメリット

  • 法律面での専門知識が弁護士や司法書士に比べて少ない
  • 単独では信託契約書の作成が難しい場合がある

税理士は、特に相続税を考慮した家族信託の設計に強みを発揮します。ただし、法律面でのサポートには限界があるため、他の専門家との連携が必要になることが多いでしょう。

行政書士

行政書士も家族信託の相談に対応できる場合があります。

主な特徴

  • 行政手続きの専門家
  • 中小企業の経営相談にも対応

メリット

  • 比較的低コストでの対応が可能
  • 幅広い分野の知識を活かした提案が可能
  • 中小企業オーナーの事業承継にも対応可能

デメリット

  • 登記や訴訟に関する業務は行えない
  • 家族信託の経験が少ない場合がある

行政書士は、特に中小企業オーナーの事業承継と絡めた家族信託の相談に適しています。ただし、登記手続きなどは他の専門家と連携する必要があります。

金融機関への相談

一部の金融機関でも家族信託のサービスを提供しています。

主な特徴

  • 金融商品と組み合わせた提案が可能
  • 資産運用のアドバイスが得られる
  • 相談先の金融機関で信託口口座を開設できる

メリット

  • ワンストップでの金融サービス提供が可能
  • 長期的な資産管理のサポートが期待できる
  • 信託口座の開設がスムーズ

デメリット

  • 法律や税務の専門的なアドバイスを受ける場合は、別途費用が発生する場合がある

金融機関は、特に金融資産の管理を中心とした家族信託の相談に適しています。

専門のコンサルティング会社

家族信託に特化したコンサルティング会社も増えています。

主な特徴

  • 家族信託に関する総合的な知識
  • 複数の専門家とのネットワークを持つ
  • ワンストップサービスの提供が可能

メリット

  • 家族信託に関する豊富な経験と知識
  • 複数の専門家の意見を統合した提案が可能
  • 長期的なサポート体制が整っている場合が多い

デメリット

  • 会社によってサービスの内容や対応が異なる

専門のコンサルティング会社は、複雑なケースや大規模な資産の家族信託に適しています。多くの場合、弁護士や司法書士、税理士などと連携し、総合的なサービスを提供します。

適切な相談先の選び方

家族信託の相談先を選ぶ際は、以下のポイントを考慮しましょう:

  1. 専門性: 家族信託に関する十分な知識と経験を持っているか確認する。
  2. 対応範囲: 自分のニーズ(不動産、金融資産、事業承継など)に合った対応が可能か確認する。
  3. 連携体制: 必要に応じて他の専門家と連携できる体制があるか確認する。
  4. コミュニケーション: 質問や疑問に対して丁寧で分かりやすい説明ができるか確認する。
  5. 費用: 初回相談から契約締結、その後のサポートまでの費用体系を確認する。
  6. 実績: 過去の家族信託の取扱実績や成功事例を確認する。
  7. アフターフォロー: 信託設定後のサポート体制が整っているか確認する。

まとめ

家族信託の相談先には、司法書士、弁護士、税理士、行政書士、金融機関、専門のコンサルティング会社など、様々な選択肢があります。

それぞれに特徴があり、メリット、デメリットがあります。

家族信託は近年増加傾向ではあるものの、まだ一般的には知られていない制度です。そのため、過去の実績や経験が少ない専門家も多いです。

重要なのは、自分のニーズや状況を十分に理解し、それに合った専門家を選ぶことです。また、必要に応じて複数の専門家の意見を聞くことも検討しましょう。十分な検討を重ねた上で、最適な家族信託の設計を行うことが大切です。

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