2024年も有望テーマ?~AI(人工知能) 好業績期待の関連銘柄10選

2024年も有望テーマ?~AI(人工知能) 好業績期待の関連銘柄10選

投資情報部 鈴木 英之 栗本奈緒実

2023/12/06

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2024年も有望テーマ?~AI(人工知能) 好業績期待の関連銘柄10選

11月相場が終わりました。月間パフォーマンスは、日経平均が8.5%上昇したのに対し、東証グロース市場指数は9.2%の上昇、東証スタンダード市場指数は5.7%の上昇でした。同じ期間、米10年国債利回りが10月末4.93%から11月末には4.33%と低下し、金利低下に強いグロース銘柄が買われやすい展開でした。

物色的には、23.7~9期の決算発表だったこともあり、好業績や業績上方修正を発表した銘柄の上昇が目立ちました。その意味では、テーマや業種に基づいた物色は、それ程本格的ではなかったとみられます。

そうした中、2023年もいよいよ「師走相場」となりました。市場参加者の多くが2024年の株式市場について思い描く季節になったと言えるでしょう。SBI証券の投資ツールの中で、テーマ株投資を応援する「テーマキラー!」をみると、12/5(火)現在のアクセスランキング(過去72時間のアクセス順)では、第1位「半導体」、第2位「生成AI」、第3位「AI」となっています。第2位と第3位を類似するテーマと考えれば、AI(人工知能)は引き続き、投資家による関心の強いテーマであり、2024年も有望であると考えられます。

そこで、今回の「新興株ウィークリー」では、2024年も有望とみられる「投資テーマ」のうち、AI(人工知能)関連銘柄を取り上げることとしました。スクリーニング条件は以下の通りです。

(1)東証グロース市場、または東証スタンダード市場に上場

(2)12/1(金)までの20営業日で1日当たり平均出来高が2万株超

(3)SBI証券の検索ウインドウに「AI(人工知能)」、「人工知能」、「生成AI」と入力すると出力される銘柄

(4)直近四半期(累計)営業利益が前年同期比で黒字転換、または増益率が通期会予想営業増益率を超過

  ※会社予想利益に営業利益を使っていない銘柄は、分析を純利益で代替

  ※前年同期が単独決算、当期が連結決算の場合は単純比較

  ※直近の決算が本決算の場合は、今期会社予想営業利益が増益

(5)直近四半期(3ヵ月)の営業利益が1億円以上で、前年同期比で増益

図表の銘柄は上記のすべての条件を満たしています。掲載はコード番号順となっています。

【参考】 日経平均株価と東証グロース市場指数の推移

【参考】 11/28(火)~12/5(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

■図表 2024年も有望テーマ?~AI(人工知能) 好業績期待の関連銘柄10選

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名  株価
(12/4・終値)
行っているAI事業
2354 2354 2354 2354 YE DIGITAL 837 AIを用いた故障予知サービス
2987 2987 2987 2987 タスキ 1,343 AIを活用したSaaS型土地活用シミュレーター
3652 3652 3652 3652 ディジタルメディアプロフェッショナル 2,870 AI技術から最適なソリューションを提供
3773 3773 3773 3773 アドバンスト・メディア 1,830 音声認識専業企業。音声認識AIで課題を解決
3900 3900 3900 3900 クラウドワークス 1,225 AIの仕事を依頼・外注する
3993 3993 3993 3993 PKSHA Technology 3,190 国内シェアNo1のFAQシステム
4371 4371 4371 4371 コアコンセプト・テクノロジー 2,730 IoT/AIソリューションを活用し、DXを支援
4414 4414 4414 4414 フレクト 5,330 IoT/AIを実際に使われる顧客体験として形にする
7095 7095 7095 7095 マクビープラネット 15,450 AIやデータ技術を駆使し、企業の販促活動を支援
7105 7105 7105 7105 三菱ロジスネクスト 1,343 大型フォークリフト用人検知システム
  • ※Bloombergデータ、会社公表データをもとにSBI証券が作成。
  • ※コメントは掲載企業とAI(人工知能)とのつながりを示す例であり、必ずしも、当該企業の主力事業であるとは限りません。
  • ※PKSHA Technologyは、会社予想利益の対象が純利益のため、スクリーニング条件(4)(5)での分析に純利益を使いました。
  • ※コアコンセプト・テクノロジーの四半期営業利益比較は、23.12期(連結)と22.12期(単独)を単純に比較したものです。

一部掲載銘柄を詳細に解説!

■YE DIGITAL(2354)~AI(人工知能)を用いて故障を予知。物流等DX関連銘柄の側面も

★日足チャート(6ヵ月)

  • ※データは2023/12/6(日足)13:00時点
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■AI技術と製造現場の経験が融合

工場の自動化(FA)に取り組む安川電機(23.2末の持株比率は38%)の情報処理部門が源流です。

ビジネスソリューション(23.2期売上構成比74%)では、世界水準のDX推進力をベースに、データの一元管理等により、企業の経営を強化しています。また、IoTソリューション(同26%)では、AIやデータ分析技術を用い、あらゆるビジネスの現場に良い変化をもたらそうとしています。

同社のAIは「Paradigm(パラダイム)」と呼ばれ、AI技術と安川電機由来の製造現場における経験が融合したものです。装置の故障を予知したり、機器の異常を感知したり、製品の良/不良品を判定したり、熟練者のノウハウを継承することが可能です。このため、製造現場における労働不足の解消や、コスト削減、生産性向上、顧客満足度向上、従業員満足度向上、安全性向上等の効果を得ることが可能になっています。

なお、安川電機への売上比率が40%、富士通が12%と高めになっています(23.2期)。

■今期はさらなる上方修正も。保ち合い放れに期待

8/25に24.2期(通期)の会社予想営業利益を10億円から11億円に上方修正。9/29の2Q決算発表時には通期会社予想営業利益を11億円から12億円と、2度の上方修正をしています。

企業のシステムが老朽化してDXに支障が生じる「2025年の崖」や、スマートシティ構想、2024年問題等が商材になっている点です。中期計画において24年度の営業利益は15億円(上方修正後営業利益に対し25%増)と予想されています。その実現に向けて着実に歩んでいるといえそうです。

12/22(金)に24.2期3Qの決算発表を予定しています。3Qは1年の中でも、売上・利益の水準が低くなりやすいので一応の注意は必要でしょう。ただ、4Qは売上・利益の水準が高くなりやすく、上期と下期で比べた場合は下期に売上・利益の水準が大きくなりやすい傾向があります。

上期はDX需要の増加を背景に、営業利益は半期ベースで過去最高益を達成。通期会社予想営業利益に対する進捗率は59%あり、さらなる業績予想上方修正の可能性も大きそうです。株価は現在、保ち合いの様相を呈していますが、ROEは17%(Quickベース・12/5)と高く、予想PERも19倍にとどまっていることから、業績の上振れが続けば、株価の上放れも期待できそうです。

■クラウドワークス(3900)~フリーランス人材のオンラインプラットフォームを運営。PKSHA Technology(3993)と事業提携

★日足チャート(6ヵ月)

  • ※データは2023/12/6(日足)13:00時点
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■日本最大のクラウドソーシングサービスを展開

日本最大級のオンライン人材プラットフォームである「クラウドワークス」の運営を主軸とする企業です。フリーランスや副業人材と、企業をマッチングするプラットフォームを提供しています。

企業のテレワークや副業解禁の広がりが追い風となっているもようです。とある調査では、フリーランス人材は15年比で7割増、いまや労働力人口の2割に達するといわれています。

同社の収益構造は、案件の受注者(ワーカー)と発注者(依頼側)、双方から得られる仕組みです。

受注者(ワーカー)が働く場合、報酬額によって変動する5~20%をシステム利用料(手数料)を徴収しています。
発注者(依頼側)は、応募を多く募るための有料オプションや、データベースの閲覧・利用機能に応じた月額利用料を同社に支払っています。

■PKSHA Technology(3993)と事業提携

前期(23.9期)は、売上高132億円(前期比24%増)、営業利益11億円(同23%増)で過去最高益を更新し、堅調でした。

WEB/外注領域で生成AI活用による事業展開が加速。AI関連案件の事業流通取引総額(GMV)は22.9期比約3倍となりました。また、今回図表に掲載しているPKSHA Technology(3993)と事業提携し、マッチングの改善に取り組んでいます。

今期(24.9期)の見通しは、売上高158億円(前期比20%増)、営業利益12億円(同10%増)と、連続で過去最高を更新する計画です。アカウントセールス体制による契約額向上や、生産性の向上、継続的なM&A等を行ってゆくとしています。

■マクビープラネット(7095)~AIやデータ技術を活用し、企業の販促活動を支援

★日足チャート(6ヵ月)

  • ※データは2023/12/6(日足)13:00時点
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■LTV(顧客生涯価値)マーケティングのリーディングカンパニー

LTV(Life Time Value)マーケティングのリーディングカンパニーです。

消費者が、自社と取引を始めてから関係が終わるまで、トータルで得られる価値がLTVです。LTVマーケティングとは、消費者がなるべく多くの金額を、なるべく長期間落としてくれるように販売促進活動を行うことです。同社は、独自のAI(人工知能)やデータ技術を使い、LTVマーケティング市場でリーディングカンパニー的存在になっています。

事業セグメントは2つです。
アナリティクスコンサルティング事業(23.4期売上構成比:91%)では、自社開発のデータ解析プラットフォーム(ハニカム)にデータを集積し、LTVが高い消費者を予測し、いつ、だれに、どんなメディアに、どんな広告をだせば、費用対効果を高められるのかを計画し、顧客企業の広告出稿まで行います。インターネットでの集客コストがかかるため、営業利益率は11%とあまり高くなく、広告代理店に近いビジネスモデルです。

マーケティングテクノロジー事業(同:9%)は、その多くがRobeeというツールの販売で、基本的に原価が発生せず、営業利益率は75%と高く、営業利益の約4割を占めています。このツールは、上記のアナリティクスコンサルティング事業で集客した消費者を、WEB上で接客し、LTVの高い消費者へ転換する役割を果たします。

■インターネット広告市場の成長を上回る成長も期待

同社が属するインタ-ネット広告市場は2008年~2022年に年率11%のペースで成長し、3兆円以上の規模の市場に成長しました。
しかし、インターネット広告の37%は、広告効果の薄い消費者に届いているのが現実です(同社資料より)。広告が必ずしも売上に届かない、Cookie規制(閲覧履歴の利用制限)が強化されてきた、広告代理店の担当者のスキル次第で広告効果が変動するなど、課題も増えています。

同社は顧客企業の長期的な売上高に貢献している他、独自のデータ取得技術でCookieに依存していないこと、AIによる最適化等が武器となっており、強い競争力を有しているとみられます。

M&Aにも積極的です。21年4月には、AIマーケットプラットフォームを展開する「Alpha」を完全子会社化。AIを用いた独自の配信アルゴリズムや3D技術を吸収。本年1月には、ライバル企業でもあるネットマーティング社を子会社化しています。

9/13(水)に発表された24.4期1Q決算では、売上高91億円(前年同期比102%増)、営業利益10億円(同123%増)と順調なスタート。春先に需要が集まりやすい美容業界の好調や、ネットマーケティングの増益等が貢献しました。通期では、売上高350億円(前期比78%増)、営業利益28.5億円(同31%増)が会社計画です。

SBI証券企業調査部も、同社をカバーしています。9/20(水)レポートで、目標株価29,750円、投資判断「買い」としています。予想営業利益については、24.4期32.8億円、25.4期40.5億円と成長継続を見込んでいます。

米長期金利の上昇や東証グロース市場の低迷もあり、株価は年初来高値23,450円(7/11)から4割近く下げた水準です。成長が見込め、ROEも28%(Quick)と高く、予想PER29倍前後(11/6)も割高感は乏しいといえそうです。

24.4期2Qの決算発表は、12/14(木)の予定です。

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