新NISAスタ-ト!20万円未満で買える!?好業績・割安銘柄

新NISAスタ-ト!20万円未満で買える!?好業績・割安銘柄

投資情報部 鈴木 英之 栗本奈緒実

2024/01/17

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新NISAスタ-ト!20万円未満で買える!?好業績・割安銘柄

東証グロース市場の1/16(火)終値は、1/9(火)終値に対し、0.6%の下落となりました。同期間、日経平均株価が5.5%上昇、プライム市場指数が3.8%上昇したことと比較すると、相対的な弱さが目立ちました。

この間、海外株式市場の上昇が顕著だった訳でも、特別に好材料が出た訳でもありません。新NISAのスタートを契機に個人投資家の新規資金が入った可能性や、それによる需給の好転を意識した海外投資家の買いが、日本株の上昇に寄与したとみられます。

ただ、個人投資家の新規資金にせよ、海外投資家の買いにせよ、業務内容の理解度が少ない中小型株ではなく、知名度があり、流動性もある主力大型株に行きやすかったとみられます。また、同期間は高配当株50指数も4%超上昇しています。大型株の方が配当面でも魅力ある銘柄が多いことも、影響したとみられます。

さらに、東証によるPBR改善策の策定要請に対し、経営への取り組みを23年末までに開示したのは、東証プライム市場の40%、スタンダード市場の12%であったと報道(1/6付・日経新聞)されています。割安な状態を解消したいという真剣度の面でも、主力大型株が中小型株に対し勝っていると考えられます。

そうした中、中小型株に投資することは、現状ではやや「回り道」になるかもしれません。しかし逆に考えれば、割安な銘柄の割安感がさらに強まっているケースもありそうです。そこで、今回の「新興株ウィークリー」では、業績が堅調で、配当も実施しながらも、PBR1倍割れに低迷している中小型株を抽出すべく、以下のスクリーニングを行ってみました。

スクリーニング条件は以下の通りです。

(1)東証グロース市場、または東証スタンダード市場に上場

(2)時価総額100億円以上1,000億円未満

(3)1/15(月)まで過去20営業日の1日当たり平均出来高が2万株超

(4)株価(1/16終値)が2,000円未満

(5)PBR1倍未満

(6)今期、配当を実施予定

(7)今期予想営業利益が黒字

(8)直近四半期(3ヵ月)の営業増益率が会社予想営業増益率を上回っている

(9)今期に入り、利益予想の下方修正を行っていない

図表の銘柄は上記のすべての条件を満たしています。掲載はPBRの低い順です。

【参考】 日経平均株価と東証グロース市場指数の推移

【参考】 1/9(火)~1/16(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

■図表 新NISAスタ-ト!20万円未満で買える!?好業績・割安銘柄

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名  株価
(1/16・終値)
PBR
6932 6932 6932 6932 遠藤照明 1,274 0.53
9369 9369 9369 9369 キユーソー流通システム(11) 919 0.57
6637 6637 6637 6637 寺崎電気産業 1,941 0.58
4113 4113 4113 4113 田岡化学工業 739 0.63
6882 6882 6882 6882 三社電機製作所 1,295 0.78
6145 6145 6145 6145 NITTOKU 1,966 0.95
6626 6626 6626 6626 SEMITEC 1,808 0.98

※Bloombergデータ、会社公表データをもとにSBI証券が作成
※銘柄名右横カッコ内の数値は決算月。無印の企業は3月決算

一部掲載銘柄を詳細に解説!

■遠藤照明(6932) ~グローバルに展開する老舗照明器具メーカー。電気代の高騰で、LEDへの需要が増加!

★日足チャート(1年)

  • ※データは2024/1/17 (日足)10:30時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■老舗照明器具メーカー。業務用LEDではトップクラスのシェア

1967年創業、大阪発の照明器具メーカーです。

2010年からLED照明器具の本格販売を開始。業務用LED照明器具のシェアでは、トップクラスです。百貨店や大型商業施設、美術館、ホテルなど多岐に亘る分野で納入実績を有しています。

1989年のタイ工場開設を足掛かりに、早くから海外事業に進出。海外売上高比率は38%(23.3期)です。タイ・中国・欧州に生産・販売拠点を有します。

以下の事業を展開しています。

▹ 照明事業(売上高構成比:79%、23.3期)

照明器具の製造販売を行う主力事業です。開発・生産・品質保証部門が集結する「中央研究所」で、高品位な製品開発をスピーディに実施しています。

▹ 環境ソリューション事業(同:19%、同)

LED照明器具や空調機器などをレンタルしています。

他には、インテリア家具の販売を行うインテリア家具事業(同:2%、同)があります。

■電気代の高騰で、LEDへの需要が増加!

前期(23.3期)は、過去最高の売上高を更新。電気代高騰の影響で、LED照明器具への需要増が背景あります。一方、円安(海外から仕入れをする)や原材料の高騰が痛手となり、営業利益は前期比20%弱の減益でした。

今上期(23.4-9期)では、売上高239億円(前年同期比12%増)、営業利益20億円(同73%増)と増収・大幅増益となりました。LEDへの需要が引き続き堅調に推移している他、価格改定による増益効果が出たと会社側は述べています。会社計画に対する進捗率は、営業利益が42%ですが、掲載図表のよう年度後半とくに4Qに利益が増える傾向があります。

株価は今期の増益見通しと、中計での売上上方修正を、2023/4末に示して以降は横ばいが続いています。利益拡大が本格化しやすい下期以降に堅調な業績推移を示すことができ、株価が23年5月高値の1,435円を超えてくれば株価上昇にはずみがつく展開もありそうです。

今期3Q(23.10-12月期)決算発表予定日は1/31(水)です。

■キューソー流通システム(9369) ~2024年問題は商機?低いROEに改善余地

★日足チャート(1年)

  • ※データは2024/1/17 (日足)10:30時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■キューピー傘下の物流企業

1966年にキューピー(2809)の倉庫部門を母体として設立された物流企業です。現在でも同社が43.29%を保有(23.5末)する親会社です。

事業セグメントは3つで、カッコ内は前期(23.11期)の売上構成、および営業利益構成比です。

(1)共同物流事業(69%、38%)・・・全国共同配送、全国小口輸配送、原料輸送等をサービス

(2)専用物流事業(21%、34%)・・・GMS、食品スーパー、コンビニエンスストア、外食チェーン、ドラッグストア等を顧客とし物流を包括的に請け負う

(3)関連事業(10%、27%)・・・車両や燃料の販売、施設管理・保守、および海外物流等をサービス

全国に広がる物流網や、総合力、情報システムが強みで、物流の上流から下流までワンストップでソリューションを提供しています。食品の物流において大切な温度管理については、「常温」「定温」「冷蔵」「冷凍」という4つの温度帯で、その食品の特性に応じた、最も適した温度を維持する品質管理を徹底しています。

■24.11期は増収増益予想~安定配当を継続中

1/10(水)に23.11期本決算を発表しました。

・売上高 1,846億円(前期比2%増)

・営業利益 40億円(同9%増)

・純利益 13.34億円赤字(前期は14億円黒字)

「関連事業」において、海外における新規・既存の取引拡大が増収増益をけん引しました。一方、共同物流事業における一部資産(物流機器)で34億円の減損処理(特別損失)を行い減益となりました。

24.11期については、売上高1,880億円(前期比1%増)、営業利益46億円(同14%増)、純利益16億円(黒字転換)を目指します。2024年問題もあり、運送・倉庫コストや人件費の増加が見込まれますが、料金適正化と海外事業の拡大により、増収増益を見込んでいます。

食品メーカーや小売などの事業環境の変化に応じ、戦略的パートナーとして物流の問題解決に協力することで、事業拡大が期待できそうです。低温物流事業の温度管理技術を有する事業者が限られていることも、ビジネスチャンスにつながりそうです。

株価は直近1年間、おおむね900円台での往来相場になっています。1/16(火)時点でPBRが0.57倍とかなり低水準にとどまっており、今期会社予想でも3.9%と低いROEにも改善余地が大きいとみられます。

株主還元については、「安定配当」が基本方針です。今期は5期連続(株式分割前を遡及計算)で1株23円の予定であり、予想配当利回り(1/16時点)は2.5%の計算で、東証スタンダード市場の平均である2.19%を上回っています。

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