新NISAスタ-ト!好決算発表で上方修正期待の中小型株10選

新NISAスタ-ト!好決算発表で上方修正期待の中小型株10選

投資情報部 鈴木 英之 栗本奈緒実

2024/01/24

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新NISAスタ-ト!好決算発表で上方修正期待の中小型株10選

東証グロース市場の1/23(火)終値は、1/16(火)終値に対し、0.4%の上昇となりました。同期間、日経平均株価は2.5%上昇しており、引き続き大型株優位の展開が続いています。

米国ではインフレ指標が落ち着きをみせる反面、景気指標はねばり強さをみせ、「適温相場」が続いています。主要株価指標のうち、S&P500とNYダウが過去最高値を更新しています。米国株高が追い風となった他、旺盛な外国人買いを背景に東京株式市場も上昇基調が続いています。ただ物色的には引き続き、流動性に富み知名度も高い大型株中心の動きとなっており、中小型株のパフォーマンスは相対的に劣後する展開になっています。

こうした中、先週、東証は同プライム市場に上場する1,600社について、重要情報の英文開示を義務付ける方針を明らかにしました。海外投資家にとって、日本株投資の情報面でのハードルが下がることになります。反面、IRの面でプライム市場銘柄とその他市場の銘柄の格差が開くことにもなります。幅広い投資家を呼び込むには、スタンダード市場やグロース市場に上場する銘柄にとっても、英文開示の検討が必要になるように思われます。

さて、東京株式市場では、1/24(水)にオービック(4684)、ディスコ(6146)、ニデック(6594)等の決算発表日になっています。これを契機に、主力3月決算企業等が相次ぎ、23年10~12月期の決算を発表する季節になります。これに先立ち、今月半ばまでには2月決算企業等の発表が行われてきました。市場の関心が3月決算銘柄等に集まりやすくなる時期ではありますが、好決算を発表済みで、業績予想上方修正を期待できる銘柄については、しっかりチェックしておきたい所です。

そこで、今回の新興株ウィークリーでは、決算発表が終わり、今後も業績予想の上方修正が期待できる銘柄を抽出すべく以下のスクリーニングを行ってみました。

(1)東証グロース市場、または東証スタンダード市場に上場

(2)時価総額1,000億円未満

(3)1/19(金)まで過去20営業日の1日当たり平均出来高が2万株以上

(4)2月決算銘柄

(5)24.2期1Q、2Qの営業利益がともに前年同期比で黒字転換、または10%以上の増益

(6)24.2期3Q(3ヵ月)の営業利益が前年同期比で黒字転換、または50%以上の増益

(7)24.2期3Q(累計)営業利益の通期会社予想営業利益に対する進捗率が75%以上

(8)24.2期(通期)会社予想営業利益が前期比30%以上の増益

(9)信用規制銘柄を除く

図表の銘柄は上記のすべての条件を満たしています。掲載は3Q(累計)営業増益率の順です。

【参考】 日経平均株価と東証グロース市場指数の推移

【参考】 1/16(火)~1/23(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

■図表 新NISAスタ-ト!好決算発表で上方修正期待の中小型株10選

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名  株価
(1/23・終値)
四半期累計
営業増益率
今期会社予想
営業増益率
3063 3063 3063 3063 ジェイグループホールディングス 650 黒転 黒転
3030 3030 3030 3030 ハブ 745 黒転 黒転
2789 2789 2789 2789 カルラ 501 黒転 黒転
2687 2687 2687 2687 シー・ヴイ・エス・ベイエリア 715 3350.9% 425.0%
1712 1712 1712 1712 ダイセキ環境ソリューション 1,052 172.2% 112.4%
2354 2354 2354 2354 YE DIGITAL 715 171.2% 48.4%
9876 9876 9876 9876 コックス 255 124.2% 181.0%
5018 5018 5018 5018 MORESCO 1,398 105.5% 167.7%
4413 4413 4413 4413 ボードルア 3,410 77.6% 30.2%
4270 4270 4270 4270 BeeX 3,765 60.6% 42.4%
  • ※Bloombergデータ、会社公表データをもとにSBI証券が作成
  • ※コックス(9876)の24.2期通期会社予想営業利益は11億円~13億円のレンジ予想になっているため、増益率の計算には中央値である12億円を使用しています
  • ※「四半期累計」は24.2期3Q累計(23.3~23.11期)
  • ※「四半期累計営業増益率」と「今期会社予想営業増益率」はBloombergデータより取得

一部掲載銘柄を詳細に解説!

■ダイセキ環境ソリューション(1712) ~土壌汚染対策をワンストップで提供。今期最高益予想も株価は調整気味

★日足チャート(1年)

  • ※データは2024/1/23 (日足)15:00時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■土壌汚染調査・処理がメイン

産業処理廃棄物大手ダイセキ(9793)が53.9%の株式を保有(23.8末)する親会社です。

おもな事業は以下の2つです。

(1)土壌汚染調査・処理事業(23.2期売上構成比81%)
(2)廃石膏ボードリサイクル事業(同14%)

企業にとって土壌汚染を放置することは、大きなリスクです。(1)の事業においては、コンサルティングから土壌調査、環境分析、浄化工事までワンストップで対応することができ、対応力、価格競争力、情報漏洩防止力などが強みになっています。

(2)では廃石膏ボードのリサイクルを行っています。石膏ボードは有用な建築資材である反面、そのまま廃棄すると、人体に有害な硫化水素を発生することがあります。同社では、建物の解体現場から排出される廃石膏ボードを選別・粉砕・ふるい分けを経て製造した石膏粉を、石膏ボードメーカに納品するとともに、石膏粉を主原料とした土壌固化材を製造販売しています。

■3Qまでで年度ベースでの最高益を更新

1/5(金)に24.2期3Qの決算発表を実施しました。営業利益は1Q=8.9億円(前年同期比376%増)、2Q=8.5億円(同216%増)に続き、3Qも7.9億円(同66%増)と順調で、累計では25億円(前年同期比171%増)となりました。大規模土壌処理・工事案件が好調に推移。営業を注力したコンサル売上比率も前年同期で大幅に伸長しました。

3Q累計ベースでは、売上・利益が過去最高を達成。24.2通期の予想営業利益を25億円から29億円に上方修正しました。また年間予想配当についても、10円から12円に増額実施が発表されました。

3Q累計営業利益は、修正後の予想営業利益に対し進捗率が86%となっています。さらなる上方修正の余地も残っているとみられます。中期的にも、環境に対する規制は厳しくなる方向であり、同社の安定成長が可能であるとみられます。

最高益が見通せるにもかかわらず、株価は昨年7月高値1,445円から27%下げた位置にあります。予想PERも10倍弱にとどまっており、再評価される可能性は十分ありそうです。

■MORESCO (5018)~研究開発部門発の化学品メーカー。ニッチ分野で多数のトップシェア

★日足チャート(1年)

  • ※データは2024/1/23 (日足)15:00時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■ニッチ分野で多数のトップシェア製品擁する化学品メーカー

1958年創業、神戸に本社を置く化学品メーカーです。松村石油*から、研究開発部門が分離独立して設立。かつては輸入品が主力であった「特殊潤滑油」を国産化すべく設立されました。

(*11.5%保有の筆頭株主。23.8末時点)

多数のシェアNo.1製品を擁します。ディスクを薄膜で保護する「ハードディスク表面潤滑材」、高い安定性と耐熱性、耐酸化性から自動車部品に使用される「自動車向け高温用グリース基油」は世界シェア100%です。

半導体やシリコンウエハの真空装填に使用される「高真空ポンプ油」、自動車用部品等の鋳造で使用される「ダイカスト用離型剤」、「紙おむつ用ホットメルト接着剤」、皮膚保護や保湿効果のため化粧品に使用される「流動パラフィン」...etc、多岐に亘る分野の製品で国内No.1シェアを誇ります。

用途別売上高構成比(23.2期)は、自動車向けが43%を占めており、自動車生産台数の動向の影響を受けやすい傾向です(2位は衛生材料18%、その他13%、以下はいずれも10%未満)。

1995年、タイでの現地法人を皮切りにグローバル進出を加速。世界12拠点を有します。海外売上高比率(23.2期)は35%で、うちアジア(インド含む)が30%、中国が20%です。

■タイムラグを要した業績回復。今期2Q以降に本格化

コロナ禍以降、販売増により21.2期以降の売上高は右肩上がりでした。一方で、利益は低迷。特に前期(23.2期)は、原材料価格や輸送費、エネルギーコストの高騰が痛手となり営業利益は5.2億円(前期比64%減、参考:18.2期23億円)まで落ち込みました。同様の要因を背景に、23年2月に24.3期までの中計目標の下方修正を実施し、株価は一段安した後、横ばいでの低迷が続いていました。

今期(24.2期)は、1Qが前年同期比で28%の営業増益・16%の経常減益でした。しかしその後、タイムラグを要していた製品価格の是正の効果が表れ始め、2Q(23.3-8期)では前年同期比78%の営業増益を達成。3Q(23.3‐10期)も同105%増と業績回復が本格化した形です。

株価は20/2以来、約4年ぶりの高値を付けています。過去3年の累積売買高のボリュームゾーンを抜けており、高値更新に期待感が持てる水準でしょう。

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