新NISAスタ-ト!好決算発表で上方修正期待の中小型株10選

投資情報部 鈴木 英之 栗本奈緒実
2024/01/24

当ページの内容につきましては、SBI証券 投資情報部長 鈴木による動画での詳しい解説も行っております。東証グロース市場・スタンダード市場の中小型株を中心に、好業績が期待される銘柄や、投資家の皆様が気になる話題についてわかりやすくお伝えします。
新興株ウィークリー
※YouTubeに遷移します。
信用取引において必要となるその他諸費用の詳細は信用取引のサービス概要をご確認ください。
新NISAスタ-ト!好決算発表で上方修正期待の中小型株10選
東証グロース市場の1/23(火)終値は、1/16(火)終値に対し、0.4%の上昇となりました。同期間、日経平均株価は2.5%上昇しており、引き続き大型株優位の展開が続いています。
米国ではインフレ指標が落ち着きをみせる反面、景気指標はねばり強さをみせ、「適温相場」が続いています。主要株価指標のうち、S&P500とNYダウが過去最高値を更新しています。米国株高が追い風となった他、旺盛な外国人買いを背景に東京株式市場も上昇基調が続いています。ただ物色的には引き続き、流動性に富み知名度も高い大型株中心の動きとなっており、中小型株のパフォーマンスは相対的に劣後する展開になっています。
こうした中、先週、東証は同プライム市場に上場する1,600社について、重要情報の英文開示を義務付ける方針を明らかにしました。海外投資家にとって、日本株投資の情報面でのハードルが下がることになります。反面、IRの面でプライム市場銘柄とその他市場の銘柄の格差が開くことにもなります。幅広い投資家を呼び込むには、スタンダード市場やグロース市場に上場する銘柄にとっても、英文開示の検討が必要になるように思われます。
さて、東京株式市場では、1/24(水)にオービック(4684)、ディスコ(6146)、ニデック(6594)等の決算発表日になっています。これを契機に、主力3月決算企業等が相次ぎ、23年10~12月期の決算を発表する季節になります。これに先立ち、今月半ばまでには2月決算企業等の発表が行われてきました。市場の関心が3月決算銘柄等に集まりやすくなる時期ではありますが、好決算を発表済みで、業績予想上方修正を期待できる銘柄については、しっかりチェックしておきたい所です。
そこで、今回の新興株ウィークリーでは、決算発表が終わり、今後も業績予想の上方修正が期待できる銘柄を抽出すべく以下のスクリーニングを行ってみました。
(1)東証グロース市場、または東証スタンダード市場に上場
(2)時価総額1,000億円未満
(3)1/19(金)まで過去20営業日の1日当たり平均出来高が2万株以上
(4)2月決算銘柄
(5)24.2期1Q、2Qの営業利益がともに前年同期比で黒字転換、または10%以上の増益
(6)24.2期3Q(3ヵ月)の営業利益が前年同期比で黒字転換、または50%以上の増益
(7)24.2期3Q(累計)営業利益の通期会社予想営業利益に対する進捗率が75%以上
(8)24.2期(通期)会社予想営業利益が前期比30%以上の増益
(9)信用規制銘柄を除く
図表の銘柄は上記のすべての条件を満たしています。掲載は3Q(累計)営業増益率の順です。
【参考】 日経平均株価と東証グロース市場指数の推移

【参考】 1/16(火)~1/23(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

■図表 新NISAスタ-ト!好決算発表で上方修正期待の中小型株10選
取引 | チャート | ポートフォリオ | コード | 銘柄名 | 株価 (1/23・終値) |
四半期累計 営業増益率 |
今期会社予想 営業増益率 |
3063 | 3063 | 3063 | 3063 | ジェイグループホールディングス | 650 | 黒転 | 黒転 |
3030 | 3030 | 3030 | 3030 | ハブ | 745 | 黒転 | 黒転 |
2789 | 2789 | 2789 | 2789 | カルラ | 501 | 黒転 | 黒転 |
2687 | 2687 | 2687 | 2687 | シー・ヴイ・エス・ベイエリア | 715 | 3350.9% | 425.0% |
1712 | 1712 | 1712 | 1712 | ダイセキ環境ソリューション | 1,052 | 172.2% | 112.4% |
2354 | 2354 | 2354 | 2354 | YE DIGITAL | 715 | 171.2% | 48.4% |
9876 | 9876 | 9876 | 9876 | コックス | 255 | 124.2% | 181.0% |
5018 | 5018 | 5018 | 5018 | MORESCO | 1,398 | 105.5% | 167.7% |
4413 | 4413 | 4413 | 4413 | ボードルア | 3,410 | 77.6% | 30.2% |
4270 | 4270 | 4270 | 4270 | BeeX | 3,765 | 60.6% | 42.4% |
- ※Bloombergデータ、会社公表データをもとにSBI証券が作成
- ※コックス(9876)の24.2期通期会社予想営業利益は11億円~13億円のレンジ予想になっているため、増益率の計算には中央値である12億円を使用しています
- ※「四半期累計」は24.2期3Q累計(23.3~23.11期)
- ※「四半期累計営業増益率」と「今期会社予想営業増益率」はBloombergデータより取得
一部掲載銘柄を詳細に解説!
■ダイセキ環境ソリューション(1712) ~土壌汚染対策をワンストップで提供。今期最高益予想も株価は調整気味
★日足チャート(1年)

- ※データは2024/1/23 (日足)15:00時点。
- ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
- ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
★業績推移(百万円)

- ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。
■土壌汚染調査・処理がメイン
産業処理廃棄物大手ダイセキ(9793)が53.9%の株式を保有(23.8末)する親会社です。
おもな事業は以下の2つです。
(1)土壌汚染調査・処理事業(23.2期売上構成比81%)
(2)廃石膏ボードリサイクル事業(同14%)
企業にとって土壌汚染を放置することは、大きなリスクです。(1)の事業においては、コンサルティングから土壌調査、環境分析、浄化工事までワンストップで対応することができ、対応力、価格競争力、情報漏洩防止力などが強みになっています。
(2)では廃石膏ボードのリサイクルを行っています。石膏ボードは有用な建築資材である反面、そのまま廃棄すると、人体に有害な硫化水素を発生することがあります。同社では、建物の解体現場から排出される廃石膏ボードを選別・粉砕・ふるい分けを経て製造した石膏粉を、石膏ボードメーカに納品するとともに、石膏粉を主原料とした土壌固化材を製造販売しています。
■3Qまでで年度ベースでの最高益を更新
1/5(金)に24.2期3Qの決算発表を実施しました。営業利益は1Q=8.9億円(前年同期比376%増)、2Q=8.5億円(同216%増)に続き、3Qも7.9億円(同66%増)と順調で、累計では25億円(前年同期比171%増)となりました。大規模土壌処理・工事案件が好調に推移。営業を注力したコンサル売上比率も前年同期で大幅に伸長しました。
3Q累計ベースでは、売上・利益が過去最高を達成。24.2通期の予想営業利益を25億円から29億円に上方修正しました。また年間予想配当についても、10円から12円に増額実施が発表されました。
3Q累計営業利益は、修正後の予想営業利益に対し進捗率が86%となっています。さらなる上方修正の余地も残っているとみられます。中期的にも、環境に対する規制は厳しくなる方向であり、同社の安定成長が可能であるとみられます。
最高益が見通せるにもかかわらず、株価は昨年7月高値1,445円から27%下げた位置にあります。予想PERも10倍弱にとどまっており、再評価される可能性は十分ありそうです。
■MORESCO (5018)~研究開発部門発の化学品メーカー。ニッチ分野で多数のトップシェア
★日足チャート(1年)

- ※データは2024/1/23 (日足)15:00時点。
- ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
- ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
★業績推移(百万円)

- ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。
■ニッチ分野で多数のトップシェア製品擁する化学品メーカー
1958年創業、神戸に本社を置く化学品メーカーです。松村石油*から、研究開発部門が分離独立して設立。かつては輸入品が主力であった「特殊潤滑油」を国産化すべく設立されました。
(*11.5%保有の筆頭株主。23.8末時点)
多数のシェアNo.1製品を擁します。ディスクを薄膜で保護する「ハードディスク表面潤滑材」、高い安定性と耐熱性、耐酸化性から自動車部品に使用される「自動車向け高温用グリース基油」は世界シェア100%です。
半導体やシリコンウエハの真空装填に使用される「高真空ポンプ油」、自動車用部品等の鋳造で使用される「ダイカスト用離型剤」、「紙おむつ用ホットメルト接着剤」、皮膚保護や保湿効果のため化粧品に使用される「流動パラフィン」...etc、多岐に亘る分野の製品で国内No.1シェアを誇ります。
用途別売上高構成比(23.2期)は、自動車向けが43%を占めており、自動車生産台数の動向の影響を受けやすい傾向です(2位は衛生材料18%、その他13%、以下はいずれも10%未満)。
1995年、タイでの現地法人を皮切りにグローバル進出を加速。世界12拠点を有します。海外売上高比率(23.2期)は35%で、うちアジア(インド含む)が30%、中国が20%です。
■タイムラグを要した業績回復。今期2Q以降に本格化
コロナ禍以降、販売増により21.2期以降の売上高は右肩上がりでした。一方で、利益は低迷。特に前期(23.2期)は、原材料価格や輸送費、エネルギーコストの高騰が痛手となり営業利益は5.2億円(前期比64%減、参考:18.2期23億円)まで落ち込みました。同様の要因を背景に、23年2月に24.3期までの中計目標の下方修正を実施し、株価は一段安した後、横ばいでの低迷が続いていました。
今期(24.2期)は、1Qが前年同期比で28%の営業増益・16%の経常減益でした。しかしその後、タイムラグを要していた製品価格の是正の効果が表れ始め、2Q(23.3-8期)では前年同期比78%の営業増益を達成。3Q(23.3‐10期)も同105%増と業績回復が本格化した形です。
株価は20/2以来、約4年ぶりの高値を付けています。過去3年の累積売買高のボリュームゾーンを抜けており、高値更新に期待感が持てる水準でしょう。
新着記事(2024/01/24)

国内株式
【日経平均5万円への道】日本株の今後の見通しについてたけぞう氏が解説!
【日経平均5万円への道】5万円到達のカギは半導体銘柄!?日本株の今後の見通しについてたけぞう氏が解説します!
たけぞう
2024/05/09

国内株式
今が買いどき?!上方修正期待の中小型株
大型連休が明けました。5/7(火)の日経平均株価終値は前月末比1.1%と反発しました。一時37,000円台を割り込んだ4/19(金)をボトムとする反発局面が続いています。FOMC(米連邦公開市場委員会)後の記者会見(5/1)で、パウエルFR...
投資情報部 鈴木英之/栗本奈緒実
2024/05/08

外国株式
アメリカNOW! 今週の5銘柄 ~好決算のアマゾン、イーライリリィ、コカコーラほか~
先週は4/30(火)の強い1-3月期雇用コスト指数で急落したものの、週末にかけて景気と雇用市場の鈍化を示す経済指標を受けて米長期金利が反落、株式相場は回復しました。今週の株価材料として、1-3月期決算発表、米10年国債利回り、中国貿易統計、...
投資情報部 榮 聡
2024/05/07
口座開設・管理料は
無料!
信用取引口座開設
信用取引を行うには、信用取引口座の開設が必要になります。 WEBサイト上でのお手続きだけで「最短翌日」口座開設完了!
※信用取引において必要となるその他諸費用の詳細は信用取引のサービス概要をご確認ください。
ご注意事項
※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
※NISA口座で上場株式等の配当金を非課税で受け取るためには、配当金の受領方法を「株式数比例配分方式」に事前にご登録いただく必要があります。詳細はこちら
免責事項・注意事項
・本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。
【手数料及びリスク情報等】
SBI証券で取り扱っている商品等へのご投資には、各商品毎に所定の手数料や必要経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等は価格の変動等により損失が生じるおそれがあります(信用取引、先物・オプション取引、商品先物取引、外国為替保証金取引、取引所CFD(くりっく株365)では差し入れた保証金・証拠金(元本)を上回る損失が生じるおそれがあります)。各商品等への投資に際してご負担いただく手数料等及びリスクは商品毎に異なりますので、詳細につきましては、SBI証券WEBサイトの当該商品等のページ、金融商品取引法等に係る表示又は契約締結前交付書面等をご確認ください。