中小型株市場をリードするAI(人工知能)関連銘柄は?

中小型株市場をリードするAI(人工知能)関連銘柄は?

投資情報部 鈴木 英之 栗本奈緒実

2024/03/06

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中小型株市場をリードするAI(人工知能)関連銘柄は?

東京株式市場の上昇が続いています。日経平均株価は2/22(木)に過去最高値(1989年の大納会終値=38,915円87銭)を更新。3/4(月)には、終値が史上初めて4万円の大台に乗せてきました。

米国では、AI(人工知能)向け半導体に強いエヌビディアが連騰し、高値更新の動きとなっています。それにけん引される形で、ハイテク株の多いナスダックが2021/11/19に付けた16,057ポイントの史上最高値を更新してきました。東京株式市場も東京エレクトロン(8035)が6営業日続伸(2/27~3/5)するなど、半導体関連株の堅調が続いています。

そうした中、東証グロース市場の2/28(水)終値は前年末比9.5%上昇となり、全体にツレ高する展開になっています。反面、引き続き、相対的には動きが鈍い状況です。足元の東京グロース市場指数は2/28の984.47ポイントを高値に、そこから少し下押す展開になっています。

ただ、物色的には興味深い動きとなっています。

東証グロース市場上場銘柄のうち、3/5(火)終値が2/27(火)と比較して大きく上昇した銘柄をみてみると、トップは、オーダーメイド型のAIを開発するLaboro.AI(5586)となりました。生成AI開発等をてがけるヘッドウォータース(4011)も買われています(2/26に日々公表銘柄に指定)。これらは、個別に買い材料が出た訳ではなく、米エヌビディアの株高を受け、AI(人工知能)関連株として人気を集めたものと思います。

そこで、今回の「新興株ウィークリー」では、改めて中小型のAI関連株を採り上げることにしました。スクリーニング条件は以下の通りです。

(1)東証スタンダード市場、またはグロース市場上場銘柄
(2)3/4(月)までの20営業日で1日当たり平均出来高が2万株以上
(3)SBI証券の銘柄検索ウィンドウに「AI(人工知能)」と入力し、出力された銘柄(3/5時点)
(4)直近四半期(3ヵ月)の営業利益が1億円以上で、前年同月比で50%超の増益または黒字転換
  ※前年同期と比較できない場合は、四半期(3ヵ月)として過去最高営業利益を形状
(5)信用規制銘柄に該当していない
(6)今週(~3/8)決算発表を予定している銘柄は除く

図表の銘柄は上記の条件をすべて満たしています。掲載の順番は、年初来の株価上昇率が高い順に12銘柄となっています。

【参考】 日経平均株価と東証グロース市場指数の推移

【参考】 2/27(火)~3/5(火)で株価上昇が大きかった東証グロース市場指数構成銘柄

■図表 中小型株市場をリードするAI(人工知能)関連銘柄は?

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名  株価
(3/5・終値)
AI(人工知能)との関連性
3993 3993 3993 3993 PKSHA Technology 6,580 AI SaaSの代表格。FAQシステム、AIチャットボットは国内シェアNo1
4488 4488 4488 4488 AI inside 11,180 AIを用いた手書き文字認識、データ化サービス
5577 5577 5577 5577 アイデミー 2,468 AI/DXのデジタル人材育成と、内製化支援サービス
4414 4414 4414 4414 フレクト 6,960 IoT/モビリティやAIサービス、ECサービス等、企業のデジタル化を支援
6185 6185 6185 6185 SMN 365 ソニーグループのマーケティングテクノロジー会社。独自開発のAIを搭載した広告主向けツールを提供
7105 7105 7105 7105 三菱ロジスネクスト 1,806 AI が見守るフォークリフト人検知システム『グッドファインダ―』
4371 4371 4371 4371 コアコンセプト・テクノロジー 2,768 AIやIoTを活用した製造業・建設業のDX支援等を展開
4286 4286 4286 4286 CLホールディングス 1,028 販促などのマーケティングサービを展開。AIを用いたデータ分析基盤を活用し、IPコンテンツの分析・需要を予測
3652 3652 3652 3652 ディジタルメディアプロフェッショナル 3,130 AI機器に組み込まれるAI LSIの開発・販売、AIに必要なIP開発等
3967 3967 3967 3967 エルテス 920 「AI×セキュリティ」。AIを用いた内部不正検知サービス、SNSリスク投稿監視サービス等
5161 5161 5161 5161 西川ゴム工業 2,048 AIを用いた外観不良検査を導入し、作業時間を短縮
3653 3653 3653 3653 モルフォ 1,755 画像解析をメインにAIソリューションを提供。複雑な資料のテキスト化や、カメラの自動検知等
  • ※Bloombergデータ、各種資料をもとにSBI証券が作成。

一部掲載銘柄を詳細に解説!

■アイデミー(5577)~伴走型支援サービスが拡大し、営業利益率が拡大

★日足チャート(1年)

  • ※データは2024/3/5 (日足)15:00時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■AI/DXに関するプロダクト・ソリューション事業

AI/DX内製化支援サービスを、法人・個人向けに提供する企業です。CEOが東京大学大学院在学中の2014年に設立。実装パートナーとしてのソリューションサービスも提供中です。2023年6月には、グロース市場に新規上場を果たしました。

セグメントごとの事業内容は以下の通りです。

▷AI/DXプロダクト (23.5期の売上高構成比率:70%)
法人向けにAI/デジタル人材の育成を行うためのオンラインサービス「Aidemy BUSINESS」や「Aidemy PRACTICE」を提供。

▷AI/DXソリューション (同:13%)
法人向けに「modely」というDXプロジェクト内製化支援サービスを提供。AIモデルの開発支援や開発ナビゲーションなど、デジタル変革伴走型支援を行っています。

▷AI/DXリスキリング (同:17%)
個人向けに「Aidemy PREMIUM」を提供しています。プログラミング未経験からでも学べる、オンラインAI人材育成サービスです。

人材育成支援の「Aidemy」はリカーリング型、内製化を実際に支援する「modely」は定期的な収入が見込めるフロー型の収益です。両事業にはシナジー効果があるもようです。例えば、「人材育成支援で顧客の課題を獲得→ソリューション支援という形でコンサルティングサービスを提供→ノウハウを人材育成支援や新規プロダクト開発に還元」等が挙げられます。

■伴走型支援サービスが拡大し、営業利益率が拡大。話題性も

24.5期2Q(23.6‐11月期)累計の業績は、売上高10.5億円(前年同期比28%増・通期会社計画に対する進捗率49%)、営業利益1.9億円(同116%増、同70%)と堅調です。

特に伴走型支援サービスを行うAI/DXソリューションが前年同期比291%増と大幅に拡大。案件単価の向上で、営業利益率は18.7%まで向上しました(23.5期2Q累計は同11.0%)。

株価は2023年の新規上場時、初値が公開価格の5.2倍超をつけました。しかし、翌日にはストップ安、以降は低迷が続いていました。上記決算発表で好調な内容を示すことができ、最安値水準からは一段高となりました。また、直近の株高要因としては、「AI」関連銘柄という話題性で買われていたことが想定されます。

今後の業績に関しては、3Q(12-2月期)は閑散期ですが、4Q(3-5月期)は繁忙期です。高い業績成長期待に対し、確度を高めることができれば、さらなる株高となることが予想されるでしょう。

■フレクト(4414)~クラウドサービスを駆使し、大手企業のDXを支援

★週足チャート(1年)

  • ※データは2024/3/5 (週足)15:00時点。
  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。

★業績推移(百万円)

  • ※当社Webサイトの業績表示ツールをもとに、SBI証券が作成。

■あるべき未来をクラウドで形に

中核事業の「クラウドインテグレーション」では、社員全員が顧客データを中心に仕事を進めることを可能とするセールスフォースのクラウドサービス等を活用し、企業のDXを支援しています。IoT/モビリティやAIサービス、ECサービス等、企業の既存事業や新規事業のデジタル化を支援しています。

積極的にDXを推進する大手を中心とし安定した顧客基盤が強みで、大手企業の売上比率は9割超(24.3期3Q累計)になっています。

たとえば、コマツ(6301)向けには、ダンプトラックの動態管理アプリを開発し、効率的かつ安全な運行を支援。ANA(9202)向けには、顧客データ等とシステムを連携させるシステムを開発しています。

※大手企業・・・日経225、日経400、日経500のいずれかに採用されている企業、または当該企業のグループ企業や、売上1千億円規模の企業です(フレクトの定義)

また、「Cariot」は、法人車両のリアルタイム位置情報と車両管理業務のDXにより、現場の効率化や安心・安全を提供する自社開発のクラウドサービスとなっています。

■業績は好調。物流DXにも関連

24.3期3Q累計業績(2/6発表)は、売上高49億円(前年同期比30%増)、営業利益5.4億円(同279%増)と好調でした。旺盛なDX支援の引き合いを背景に基盤事業が伸長。売上・利益ともに四半期ベースで過去最高益となりました。

大手企業との契約(24.3期3Q・3ヵ月)は、契約数こそ、前四半期比で2件減少したものの、取引拡大を図った顧客からの受注が寄与し、顧客1件当たりの売上高は同7.4百万円拡大しました。

好調な決算を受け、会社側は24.3通期業績計画について、売上高63.9億円→68.3億円(前期比28%増)、営業利益5.5億円→6.6億円(同158%増)と上方修正しました。

株価は決算発表日(2/6 終値4,500円)以降、上昇基調を強め、3/5(火)には7,000円の高値を付けています。AIのみならず、物流等のDXにも絡んでおり、複数のテーマ性を帯びていることは強みと考えられます

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