好業績!隠れた値上がり期待株を探る

好業績!隠れた値上がり期待株を探る

投資情報部 鈴木英之 髙田航輝

2026/05/20

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好業績!隠れた値上がり期待株を探る

キオクシア(285A)が5/15(金)に2026年3月期通期決算を発表しました。市場予想を上回る好決算のため株価は素直に反応し、5/18(月)はストップ高となり、改めて半導体市況の力強さを認識しました。一方で足元の株式指数の動きを見ていくと、利益確定の売りに押され下落しています。

国内長期金利の上昇も株価の重しになっています。5/18(月)に長期金利の指標である、新発10年物国債利回りが一時2.8%まで上昇し、株式の相対的な割高感が意識されました。

また、5/20(水)(日本時間5/21(木)早朝)には半導体大手のエヌビディアの決算発表を控えており、市場では様子見ムードが広がっていると思われます。

5/13(水)~5/19(火)の各指数のパフォーマンスは以下のとおりです。

日経平均株価:-4.3%

TOPIX:-1.8%

東証スタンダード市場指数:-3.0%

東証グロース市場指数:-1.1%

さて、国内では決算発表が一部を除いて終了し、各社の業績が出そろってきました。今回の新興株ウィークリーも業績面から期待の値上がり株を探していきたいと思います。本業のもうけを示す営業利益に注目して銘柄を抽出しました。

今回のスクリーニング条件は以下のとおりです。

・東証スタンダード市場または東証グロース市場に上場

・3月決算銘柄

・5/18(月)時点における直近20営業日の1日当たり平均出来高が2万株以上

・直近四半期(2026年1~3月期)の営業利益が1億円以上で、かつ前年同期比で黒字転換、または20%以上の増益

・2026年3月期の営業利益が1億円以上で、かつ前年同期比で黒字転換、または20%以上の増益

・2027年3月期の会社予想営業利益が前期比で10%以上の増益

・決算発表日から5/19(火)までの株価が下落していないこと

・信用規制・注意喚起銘柄を除外

図表に掲載している銘柄は、上記条件をすべて満たしています。掲載順については、2027年3月期会社予想営業利益について、前年同期比の増益率が高い順としています。



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【銘柄一覧】好業績!隠れた値上がり期待株を探る

取引 チャート ポートフォリオ コード 銘柄名 株価
【5/19・円】
2026年1~3月期営業増益率 2026年3月期営業増益率 2027年3月期会社予想
営業増益率
4419 4419 4419 4419 Finatextホールディングス 1,205 141.8% 100.0% 75.6%
7318 7318 7318 7318 セレンディップ・ホールディングス 2,070 122.9% 198.0% 59.9%
3611 3611 3611 3611 マツオカコーポレーション 2,453 黒字転換 402.1% 56.4%
4259 4259 4259 4259 エクサウィザーズ 1,058 117.2% 6,830.4% 44.3%
4417 4417 4417 4417 グローバルセキュリティエキスパート 2,909 47.6% 38.6% 31.3%
9380 9380 9380 9380 東海運 405 166.2% 26.1% 30.3%
7089 7089 7089 7089 フォースタートアップス 1,569 97.5% 147.3% 25.0%
3891 3891 3891 3891 ニッポン高度紙工業 6,550 168.1% 43.6% 24.5%
6928 6928 6928 6928 エノモト 3,475 9,185.2% 166.8% 21.2%
2780 2780 2780 2780 コメ兵ホールディングス 5,200 226.6% 50.4% 16.3%
5592 5592 5592 5592 くすりの窓口 2,975 67.4% 37.3% 15.6%
7987 7987 7987 7987 ナカバヤシ 574 42.0% 60.9% 14.8%
6317 6317 6317 6317 北川鉄工所 1,686 105.6% 43.6% 11.6%
  • ※Bloombergデータ、会社公表データをもとにSBI証券が作成。

一部掲載銘柄を詳細に解説!

■エクサウィザーズ(4259)~ "企業版ChatGPT”で日本企業を取り込む「生成AI関連」の代表的存在

◎生成AI関連銘柄の代表格的存在

2016年に、元ディー・エヌ・エー会長春田氏他により設立されたAI専業企業です。日本企業向けのAI導入支援や生成AIサービスを主力事業として展開しています。近年は「exaBase生成AI」を中心に事業を拡大し、日本国内の生成AI関連銘柄の代表格の一つとして認識されることが増えています。

同社の特徴は、単なるAI開発会社ではなく、「企業の業務そのものにAIを組み込む」ことを重視している点です。AIモデルを提供するだけではなく、企業内の業務フロー、社内文書、権限管理、セキュリティ、監査対応まで含めてAI活用基盤を構築することを目指しています。

事業は大きく「AIプラットフォーム事業」と「AIプロダクト事業」の二本柱で構成されています。「AIプラットフォーム事業」では、企業ごとの課題に合わせたAI導入コンサルティングや個別システム開発を行い、「AIプロダクト事業」では以前はAI受託開発色が強い企業と見られていましたが、現在は継続課金型のAI SaaS企業への転換を進めており、「AIコンサル会社からAIプラットフォーム企業へ進化できるか」が注目されています。

◎「exaBase生成AI」とは何か

AIプロダクト事業は売上高(2026年3月期)の約41%、営業利益(同・消去前)の46%を占め、「exaBase」シリーズを中心としたSaaS型サービスを提供しています。

「exaBase生成AI」は、一言でいえば「企業向けChatGPT基盤」です。一般的な生成AIサービスを企業で利用する場合、情報漏洩、ログ監査、権限管理、社内規程との整合性など、多くの問題が発生するリスクがあります。「exaBase生成AI」では、複数のLLM(大規模言語モデル)を企業向けに安全運用できるようラッピングし、社内利用に必要な管理機能を付加しています。具体的には、社内文書検索(RAG)、アクセス権限管理、利用ログ監査、テンプレート管理、禁止ワード制御などが搭載されています。また、企業独自のマニュアルやFAQ、商品説明資料などを読み込ませることで、社内知識を踏まえた回答が可能になります。「企業の知識と業務フローをAI化する基盤」という位置づけに近い存在です。

◎プライム市場への指定替えも視野に。「AIエージェント」が次の成長テーマ

5/12(火)に発表された2026年3月期決算では、売上高119億円(前期比22.3%増)、営業利益15.94億円(前年同期は0.23億円)と増収増益でした。特に「exaBase生成AI」を中心とするAIプロダクト事業が成長を牽引しています。第4四半期に地方企業への導入が加速し、地方自治体への導入も進みました。フリーキャッシュフローは2025年3月期の2.6億円赤字から2026年3月期は6.85億円の黒字に転換しました。

2027年3月期は売上高156億円(前期比30.0%増)、営業利益23億円(同44.3%増)が会社計画です。フリーキャッシュフローの黒字化を受けて年間で1株当たり5円の配当を実施予定です。配当実施に加え、「より多様な投資家の取り込みを視野にプライム市場に向けた正式な準備を開始」(会社資料)する方針です。

同社は「AIエージェント」を次の成長テーマとして前面に打ち出しています。

AIエージェントとは、単なる会話AIではなく、業務そのものを実行するAIです。例えば、情報収集、レポート作成、ブラウザ操作、RPA連携などを自律的に行います。これは現在の生成AI市場で最も注目されている分野の一つであり、OpenAI、Microsoft、Googleなども大規模投資を行っています。エクサウィザーズは、このAIエージェントを企業業務へ組み込み、日本企業向けに展開しようとしています。決算説明資料でも、AIエージェントは今後の中長期成長ドライバーとして強調されています。

同社最大の特徴は、日本企業向け運用に特化している点である。

例えば、日本企業では、部署ごとの権限管理、稟議、承認フロー、ログ監査などが非常に重要視されます。外資系AIサービスはモデル性能が高くても、こうした日本企業特有の運用に必ずしも最適化されていません。エクサウィザーズは、この“企業運用の現実”に対応していることが大きな強みとなっています。

さらに同社は、創業当初から「高齢化」「労働力不足」「医療」「介護」など、日本の社会課題解決をテーマに掲げてきました。そのため、介護AIや医療AIなど独自領域も保有しています。

■ニッポン高度紙工業(3891)~ AIサーバー関連需要が業績の追い風に

◎電気機器に欠かせない部品を製造する会社

ニッポン高度紙工業は1941年8月に高知県にて創業しました。アルミ電解コンデンサ用セパレータや機能材をメインに扱っており、一般的にイメージする製紙業とは異なる事業を行っています。そのため、メインの顧客はエレクトロニクス業界の会社となります。

主な製品分野は「アルミ電解コンデンサ用セパレータ」と「機能材」に分かれています。アルミ電解コンデンサを簡単に説明すると、電気を一時的にためて、電圧を安定させる部品です。電気を利用する機器に使われ、身近なものでいうとパソコンやテレビ、エアコン、電気自動車などにも使われています。同社では、このアルミ電解コンデンサ内に使用するセパレータを製造しているため、電気機器に欠かせない部品を作っている会社といえます。

「機能材」は電池や蓄電デバイス向けのセパレータ・機能紙を作る事業です。次世代電池向けの機能紙などを開発しています。

2026年3月期売上高の内訳は「アルミ電解コンデンサ用セパレータ」が約75%、「機能材」が約25%でした。

◎好業績を発表し株価上昇。今期は過去最高益予想。

4/24(金)に2026年3月期通期の決算発表が行われました。売上高は186億2,400万円(前期比16.2%増)、営業利益は35億3,300万円(同43.6%増)でした。AIサーバー関連の需要が好調に推移しており、「アルミ電解コンデンサ用セパレータ」事業の売上を押し上げました。また、年間配当は1株当たり90円となり前期実績の60円と比較して1株当たり30円の増配となりました。同社は連結配当性向40%を目標とし、連結株主資本配当率(DOE)については3%を下限とする株主還元策を基本方針としています。

同社が発表した2027年3月期通期の業績予想は売上高210億円(前期比12.8%増)、営業利益44億円(同24.5%増)と増収増益予想です。営業利益は2022年3月期の水準を超えて過去最高を予想しています。また年間配当予想も1株当たり110円としており、前期から20円の増配計画です。

株価は好決算に対し素直に反応、上昇しました。同社の決算発表は4/24(金)14:00の取引時間中に行われ、同日の終値は5,150円(前日比+15%)まで上昇しました。その後も株価は上昇、高値圏で推移しており、5/19(火)の終値は6,550円となっています。

今後の展開とリスク

同社に対しては電気自動車関連の銘柄というイメージが強かったかもしれません。たしかに、アルミ電解コンデンサ用セパレータは電気自動車にも欠かせない部品であり、電気自動車関連として連想されやすい銘柄です。しかし、今回注目したいのはAIサーバー関連としての一面です。AIサーバーでは高性能半導体や電源関連部品の使用量が増え、電圧を安定させるアルミ電解コンデンサの重要性も高まります。今回の決算ではAIサーバー関連需要が業績に寄与していることが確認されました。さらに成長市場向けの高付加価値セパレータ生産・拡販に対応するため、本社工場での自動倉庫新設等の設備投資も進めています。

また、2026年3月期の売上高営業利益率は18.9%(2025年3月期は15.3%)となっており、利益率が改善していることにも注目です。

リスクとしては株価が急騰しておりバリュエーションが高くなっていることが挙げられます。決算発表前日の4/23(木)と5/19(火)の終値を比較すると約47%上昇しています。予想PERも20倍を超える水準まで上昇しています。また、AIサーバー需要の鈍化、中東情勢悪化に伴う各種コスト増、為替変動などのリスクもあります。

足元では好業績とAIサーバー関連銘柄として買いが集まっていると思われ、株価は急騰しています。短期的には割高感・過熱感が出ており、利益確定の売りや株価の下振れに注意が必要です。一方、AIサーバー向け電子部品需要の拡大は中長期的な成長テーマの一つであり、関連銘柄として注目したいです。

新着記事(2026/05/20)

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