「日経平均は7万円」が視野に?決算一巡、上値余地を探る

「日経平均は7万円」が視野に?決算一巡、上値余地を探る

投資情報部 鈴木英之 根津真由子

2026/05/19

決算シーズンで日経平均下落。AI・半導体には利益確定売り

■ 5月第2週(5/11-5/15)の株式市場動向

日経平均株価の5/15(金)終値は61,409円29銭で、前週末比-1,304円36銭(-2.08%)と週足ベースで大幅に下落しました。
5月第2週(5/11~5/15)は企業の決算発表が相次ぎ、市場は決算発表に左右される展開となりました。
5/14(木)には電線大手フジクラ(5803)が決算を発表。2027年3月期の純利益が減益となる見通しが嫌気されストップ安に。
キオクシアホールディングス(285A) は5/15(金)の大引け後に決算発表を予定していたため、同社の決算発表や週末を控えたことから、AI・半導体関連株に利益確定売りが先行しました。


■ 騰落率の傾向(5/8-5/15)(図表4・5)

・上昇率上位:東海カーボン(5301)が上昇率トップ。炭素製品の総合メーカーである同社は、5/13(水)に2026年12月期第1四半期の決算を発表。同四半期は売上高817億円(前年同期比+1.7%)、営業利益63億円(同-8.9%)と増収減益となった一方、2026年12月期の通期業績予想を上方修正したことや、増配(30円/株→40円/株)の計画、約150億円の自社株買いを実施すると発表したことが好感されました。

・下落率上位:SMC(6273)が下落率トップ。空気圧制御機器で世界トップクラスのシェアを誇る同社は、5/14(木)に2026年3月期の決算を発表しました。2027年3月期の営業利益見通しを2,190億円(前年比+14.9%)としましたが市場予想に届かず。また、株主還元を含めた資本政策の発表が見送られたことも投資家心理に悪影響を及ぼし、売りが増えた格好です。


■ 5月第3週のスタート(5/18)

日経平均株価の5/18(月)終値は60,815円95銭で、前週末比-593円34銭と3日続落となりました。
前週末からの日米長期金利の上昇を受け、リスク回避の売りが広がりました。
一方、前週末の15日(金)の大引け後に決算を発表したキオクシアホールディングス(285A)は、ストップ高水準で取引を終えました。2026年4-6月期の大幅な増収増益見通しが好感されています。
アメリカでは、20日(水)に半導体大手エヌビディアが決算発表を予定しています。内容によっては日本のAI・半導体関連株にも影響を及ぼす可能性があり、注目が集まります。

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図表1 日経平均株価の値動きとその背景

図表2 日経平均株価

図表3 日米欧中央銀行会議の結果発表予定

図表4 日経平均株価採用銘柄の騰落率上位(5/8-5/15)

図表5 日経平均株価採用銘柄の騰落率下位(5/8-5/15)

「日経平均は7万円」が視野に?決算一巡、上値余地を探る

■決算発表がほぼ一巡し、日経平均株価採用銘柄の予想1株利益(EPS)が大きく上昇


東京証券取引所等に上場する企業のうち、3月、6月、9月、12月を本決算とする銘柄の決算発表は5/15(金)までに、保険や一部企業を除き、終了しました。企業業績は予想以上に好調であったと見受けられます。日経平均株価の動きに影響する採用銘柄の業績も総じて好調でした。


日経平均株価は3/31(火)に年初来安値51,063円72銭を付けて以降上昇し、5/18(月)終値60,815円95銭まで19.1%上昇しました。4月半ばまでは2月、8月決算企業等、5月半ばまでは上記の3月決算企業等の発表が行われました。決算発表を経て、日経平均株価の予想1株利益(加重平均ベース※)は同期間、2,697円50銭から3,273円42銭まで21.3%増加しました。なお、日経平均株価の予想1株利益(指数ベース)も同期間に10.5%増加しました。株価上昇の多くは、業績見通しの向上を織り込んだものと考えられます。


※以下、断りのない限り、日経平均株価の予想1株利益は「加重平均ベース」とします。


ちなみに、日経平均採用銘柄の決算月別銘柄数は3月180銘柄、6月3銘柄、9月1銘柄、12月30銘柄で、これらの合計214銘柄(日経平均採用銘柄数の95%)が4月下旬から5/20(水)にかけて、原則として決算発表を行う予定でした。


日経平均株価のPERは5/18(月)時点では、実績ベースで18.94倍、予想ベースで17.40倍です。これらから計算される1株利益は実績ベースで3,210円97銭、予想ベースで3,495円15銭(実績比8.8%増)となっています。すなわち日経平均株価は、採用銘柄の前期比8%程度の純増益を織り込んでいるとみられます。


仮に5/18(月)時点の予想1株利益3,495円に予想PER20倍をかけると69,900円、同21倍をかけると73,395円と計算されます。2026年の年初来、予想PERの最高値は20.9倍(2/27)であり、同21倍は決して無理な倍率ではないでしょう。「日経平均は7万円」が十分視野に入ったと考えられます。

図表6 日経平均株価(日足)と予想1株利益(EPS)、予想PER

■関税・中東の影響からの回復力も重要か


ご参考までに、図表7において、日経平均採用銘柄のうち、今期会社予想純利益の前期比増益額(会社予想未公表の銘柄は市場コンセンサス)が大きい順に並べています。キオクシアホールディングス(285A)を筆頭に半導体関連銘柄の「貢献」が目立ちます。


その他、自動車、鉄鋼など前期の関税の影響やサプライチェーンの混乱に苦しんだ企業が「正常化」を予想していることも影響しています。このうち自動車については、EV(電気自動車)ビジネスが混乱しており、そこからの回復を目指すことになります。金利上昇を背景に銀行株の姿も見えますが、同セクターは株価面でも回復の兆しを強めています。

図表7 日経平均採用銘柄の今期予想増益額・上位20社

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信用取引のご注意事項

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