優待内容は多種多様!?～30万円未満で買える2月株主優待銘柄15選

優待内容は多種多様!?～30万円未満で買える2月株主優待銘柄15選

日経平均株価は再び高値圏の動きになっています。2/8（木）には、1990/2/20以来の高値水準を回復しました。決算発表が進む中、トヨタ（7203）や日本製鉄（5401）の好決算、三菱商（8058）の大規模な自社株買い等、主力企業から好材料が相次いだことで市場心理が改善。アームの好決算・株価急騰を受け、ソフトバンクグループ（9984）が急騰し、日経平均高寄与度銘柄が選好されました。

ちなみに、2月・3月決算銘柄では、小売・外食産業等の好決算が目立っています。仕入価格や人件費等コストは上昇していますが、そのことで価格転嫁（値上げ）しやすい空気が広がり、むしろ採算改善につながっているようです。2月はそうした小売・外食関連銘柄の多くが決算期末を迎え、配当や株主優待の権利が確定します。

そこで、今回の「日本株投資戦略」では「2月株主優待」銘柄にスポットを当てることとしました。2月末に株主優待の権利が確定する会社数は130社近く、3月末に確定する会社数（780社超）と比べるとかなり少なくなっています。ただ、小売・外食等生活に密着した銘柄が多く、株主優待も日々の生活の中で利用できる銘柄が多くなっています。金銭換算した場合も魅力的な銘柄が多いようです。上記したように、好業績銘柄も多く、株価が安定しやすいのも魅力的かもしれません。

ご紹介する2月株主優待銘柄のスクリーニング条件は以下の通りです。

（1）東証上場銘柄
（2）2月に株主優待の権利確定を予定している銘柄
（3）株主優待の権利を確定するのに必要な最低投資金額が30万円（株価が3,000円）未満
（4）株主優待の権利を確保するための最低投資単位が100株
（5）株主優待の権利を確保するための最低保有期間の条件がない
（6）直近四半期（累計）の営業利益が黒字
（7）信用取引規制が実施されていない（2/8時点）
（8）SBI証券株主優待検索ページで、閲覧回数の多い上位50銘柄以内（2/8時点）

すべての条件を満たす銘柄をSBI証券株主優待検索ページで、閲覧回数の多い順に並べたものが下の図表です。
なお、「2月に権利が確定する株主優待銘柄」のほとんどが2/27（火）を権利付最終日としています。この場合、2/28（水）の権利落ち日以降に買い付けができても、配当および株主優待の権利を確保することはできませんので、ご注意ください。

また、権利付最終日に優待実施銘柄を買い、権利落ち日に売ることで、効率良く株主優待の権利獲得を考える投資家の方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここで注意すべき点は、買い付ける時の株価が予想外に高くなったり、売る時の株価が予想外に安くなったりなど、相当額の売却損がでてしまうケースです。配当取りも同様で、権利落ち日には配当実施分だけ株価が下がることが多くなっています。ノーコスト・ノーリスクで株主優待や配当を享受することは難しいでしょう。

それでも、コストやリスクを軽減して、株主優待の権利を確保する方法はあります。ひとつは、複数銘柄に投資をし、リスク分散を図る方法です。今回は、株主優待の権利確定に必要な最低金額を30万円（→スクリーニング条件に追加）としましたので、資金100万円でも、最低3銘柄以上投資可能ですから、ある程度の分散投資ができる計算です。
もうひとつは「つなぎ売り」を活用した取引です。「つなぎ売り」で株主優待をお得に活用する方法については、SBI証券のWebページでご紹介していますので、ご参考ください。ただ、「つなぎ売り」をした場合、信用取引の「売り」により、配当調整金を支払う必要が出て、実質的に配当を受け取れなくなるなど、重要な注意点*（下記脚注の詳細参照）もあります。メリットとデメリットを十分理解した上でのご利用をお願い申し上げます。

*重要な注意点　～つなぎ売りを利用した場合の「配当金（現物と信用）受け払いの差額」～
※権利付き最終日の大引け時点でつなぎ売りをしている場合、現物については税金が差し引かれた配当金（配当金の約80％）を受取り、一般信用売り建玉については配当落ち調整（配当金の100％）金をお支払いいただきます。したがいまして、配当金の約20％の差額をお客さまにご負担いただくことになります。
※現物株式の配当金は、源泉税（20.315％）が差し引かれた金額で支払われます。
※一般信用売り取引の場合は、配当落ち調整金として配当金の100％をお支払いいただきます。
※権利付き最終売買日と権利落ち日をまたいで信用売建玉がある場合、権利落ち日に予想配当金相当額（予定配当調整金）をあらかじめ委託保証金現金から拘束させていただき、配当金が確定後に拘束金から支払いを行います。信用売建玉に対する支払予定配当金相当額合計（予定配当調整金合計）は、「口座管理」＞「信用建余力」＞「建余力・追加保証金」の「増担保・配当調整金」に表示させていただいております。

■図表　30万円未満で買える2月株主優待銘柄15選

• ※会社公表データ、SBI証券株主優待検索ページを参考にSBI証券が作成。
• ※銘柄名右カッコ内の数字は決算月です。カッコ内数字のない銘柄は2月決算銘柄です。
• ※2月決算銘柄の「2月末1株配当」は、会社予想ベースの期末1株配当を示しています。8月決算銘柄は会社予想ベースの中間1株配当を示しています。
• ※DDグループ（3073）の信用取引は「一般信用取引」のみの対応です。その他の銘柄はすべて「一般信用取引」、「制度信用取引」での取引が可能です。
• ※「優待獲得最低株数での優待内容の概要」は、優待獲得最低株数を保有時の株主優待の内容についてその概要を示しており、すべてを示していないこともありますので、ご注意ください。また、保有株数により、株主優待の内容が異なることもありますので、ご注意ください。

一部掲載銘柄を解説！

■リンガーハット（8200）～　長崎ちゃんぽん。食事優待券は、長期保有株主への優遇あり

長崎ちゃんぽんで有名な「リンガーハット」など、全国657店舗(24年1月末時点)の飲食店を運営。コロナ禍の影響で、直近3期は営業赤字が続いていましたが、今期(24.2期)は4期ぶりの黒字転化となる予定です。

保有株数に応じて、額面550円の食事優待券が付与されます。
▹　100株以上300株未満　　　税込 1,650円相当（優待券3枚）
▹　300株以上500株未満　　　税込 3,850円相当（優待券7枚）
▹　500株以上1,000株未満　　税込 6,600円相当（優待券12枚）
▹　1,000株以上2,000株未満　税込 13,750円相当（優待券25枚）
▹　2,000株以上税込 27,500円相当（優待券50枚）

また、3年以上の長期保有の株主には下記の通り、優待が加算されます（2月末保有株主のみ加算対象。継続保有条件の基準日も年1回、毎年2月末のみ）。

▹　100株～999株　＋2枚（＋1,100円）
▹　1,000株以上　　＋4枚（＋2,200円）

■ＤＤグループ（3073）～　飲食・アミューズメント事業の他、ホテル・不動産事業に展開

主力は「飲食・アミューズメント事業」で、レストラン、カフェ、居酒屋等を自社グループで業態開発し、都心部、首都圏主要都市を中心に展開しています。また「ホテル・不動産事業」では、湘南の感度の高いビーチカルチャーをベースとした、人々の暮らしに関わる事業をしています。

24.2期3Q累計業績は売上高273億円（前年同期比18％増）、営業利益23億円（黒字転換）と好調です。コロナ禍からの回復で、人流が回復しました。期末配当は無配の予定です。

2/27（火）時点の株主に対し、保有株式に応じ、以下のような株主優待を予定しています。

・100株以上600株未満・・・株主優待券6,000円相当
・600株以上1,200株未満・・・株主優待券12,000円相当、またはお米5kgから選択
・1,200株以上6,000株未満・・・株主優待券24,000円相当、またはお米10kgから選択
・6,000株以上12,000株未満・・・株主優待券36,000円相当、またはお米15kgから選択
・12,000株以上・・・株主優待券48,000円相当、またはお米20kgから選択

株主優待券は1枚1,000円単位で飲食代金・施設利用料として使えます。1回の会計に対する利用枚数の制限はありません。他の割引、割引券との併用はできません。利用できない店舗もありますので注意が必要です。

■良品計画（7453）～5％割引が適用される優待カード、限度額・回数の制限はナシ

世界32カの国・地域で1251店舗を運営する世界的小売大手です(23.8期末時点)。足元の業績は、国内の値上げ効果で各利益項目の利益率が大きく改善しています。今後もアジアや国内を中心に、出店を加速させる計画です。

株主優待は、100株（１単元）以上保有で、買い物の際に5%割引が適用される優待カードが付与されます。
無印良品の他、Caf´e MUJIなどの全国で使用できます。他の割引との併用は利用不可ですが、SALE・マークダウンは対象なので、割引価格からさらに5％優待として利用可能です。利用限度額および利用回数の制限は設けていないため、同社店舗をよく利用する方ほど、お得な内容となっています。