日経平均は一休み?で有効な投資戦略は?

日経平均は一休み?で有効な投資戦略は?

投資情報部 淺井一郎  栗本奈緒実

2024/03/26

先行き不透明感が払拭され、日経平均は最高値を更新!

3月第3週(3/18-22)の日経平均は、前週末比2,180円79銭高(+5.36%)となり、週足べースで大幅反発。主要各国・地域の金融政策会合を通過し、最高値を更新した週でした。22日(金)には、取引時間中に41,000円の大台を突破する場面もありました。

週半ばのFOMCがヤマ場でした。足元の米インフレ指標が想定外に堅調であったため、FRBによる利下げ開始が想定より遅れるのではとの懸念がありました。現地時間20日(水)に発表されたFOMCメンバーの政策金利予想(ドットチャート)は、年内3回の利下げ実施が中央値となり、前回3月発表時から維持された格好です。政策金利の動向を反映しやすい2年債を中心に、債券利回りは低下。リスクオンムードから半導体・AI関連のみならず、幅広いセクターの買いへとつながりました。

米国株に連れ高したことに加え、円安・ドル高が維持されたことも日経平均の押し上げ材料となりました。日銀会合では、マイナス金利政策の解除等を含む大規模金融緩和(量的・質的金融緩和)の修正が決定。先行きの不透明感が払拭されたほか、会合後の総裁会見で、緩和的な姿勢を維持すると説明がありました。22日(金)には1ドル151円80銭台をつけ、昨年11月以来の円安ドル高水準に位置しています(3/26時点)。

日経平均株価採用銘柄の上昇率上位(3/15~3/22・図表7)は、首位含め不動産業から4銘柄がランクイン。日銀の金融政策会合を大過なく通過し、安心感から買いが入りました。米金利が低下し、リスクオンムードが広がったことで、電気機器からも3銘柄がランクインした格好です。

日経平均株価採用銘柄の下落率(3/15~3/22・図表8)の首位は、東京電力ホールディングス(9501)でした。前週は柏崎刈羽原子力発電所の再稼働への期待感から騰落率上位の首位で、調整が入りました。海運大手3社も並んでおり、高配当銘柄として選好されている分、28日(木)の権利落ち日以降への警戒感が漂っているようです。

図表1 日経平均株価およびNYダウの値動きとその背景

図表2 日経平均株価

図表3 NYダウ

図表4 ドル・円相場

図表5 主な予定

図表6 日米欧中央銀行会議の結果発表予定

図表7 日経平均株価採用銘柄の騰落率上位(3/15~3/22)

図表8 日経平均株価採用銘柄の騰落率下位(3/15~3/22)

日経平均は一休み?で有効な投資戦略は?

先週の日経平均は全4営業日で上昇し、3/22(金)に一時41,000円台に乗せる動きとなりました。しかし、週明け25日(月)は上値の重さが意識される展開となるなか、前日比▲474円と5営業日ぶりに反落しました。日経平均の先高観は変わらないと見られる一方、足元は過熱感が意識されやすい局面であることも事実でしょう。また、日経平均の上昇を支えてきた米国株式市場についても、NYダウが40,000ドル到達を目前に足踏み状態にあることも気になるところです。

そこで本稿では、当面の日経平均について3つの物色動向から方向性を考えてみたいと思います。

まず1つ目は、値がさハイテク株の動向です。日経平均の構成銘柄で象徴的な値がさハイテク株と言えば、東京エレクトロン(8035)とアドバンテスト(6857)でしょう。図表9は両社の株価の推移を示したグラフですが、今年の国内株式市場において両社の株価上昇が相場をけん引してきたことは一目瞭然です。

ただ現状については上値の重さが意識されているのも確かなようです。東京エレクトロンについては22日(金)の取引時間中に40,000円を超えましたが、その後は利益確定の売りに押されて大台割れとなっています。また、アドバンテストについては11日(月)に大幅下落して5週移動平均線を割り込んで以降、未だに同移動平均線が上値抵抗線として意識されているようです。

また、バリュエーションで見ても、アナリスト予想(Quickコンセンサス予想)を基に算出した来期(25年3月期)予想PERは、東京エレクトロンが39.8倍、アドバンテストは49.0倍と割高感が否めません。割高だから買えないという訳ではないですが、株価のモメンタム(勢い)が弱い状況では、高バリュエーション銘柄に手を出し難い状況になっても不思議ではないと思われます。

AI(人工知能)や半導体市場の成長期待を手掛かりとした中長期的な株価上昇期待に変化はないと考えられます。ただ、目先は好材料が一巡している可能性があり、米国株式市場でエヌビディアを筆頭に関連銘柄への注目が高まるまで、国内値がさハイテク株物色の動きについても、一巡するものと考えられます。

図表9 アドバンテストと東京エレクトロンの株価

2つ目は外需株(輸出株)物色についてですが、これについては円相場の動きに着目してみましょう。現状、円相場は1ドル=151円台で推移しています。円相場は3月上旬に米国長期金利の低下を受けて1ドル=146円台へ円高が進みましたが、その後は再び円安へ切り返しました。先週の日銀金融政策決定会合ではマイナス金利政策が解除され、約17年ぶりに政策金利が引き上げられましたが、植田日銀総裁が金融引き締めを急がない姿勢を示したことで、円売りの動きが強まりました。

円相場が為替介入に踏み切った22年11月や、介入警戒感が高まった23年10月から11月頃の水準に接近してきたことで、市場では再び為替介入の可能性への意識が高まっています。実際、鈴木財務相は「(為替相場の)行き過ぎた動きには、あらゆる手段を排除せず適切に対応したい」と述べています。現状はこうした口先介入の効果もあり、過度な円安進行は抑制されています。

また、日米金利差と円相場の関係から見ると、一段の円安進行の可能性は低いと見られます。図表10は円相場と日米金利差(10年国債利回り差、2年国債利回り差)の推移を見たグラフです。同グラフを見ると、1ドル=150円台を突破した22年11月、23年10月から11月(赤い丸で囲った箇所)の頃の日米金利差に比べて、現状の金利差は(2年国債、10年国債ともに)小さいことが分かります。現状の円相場は、日銀の緩和的な政策スタンスを手掛かりに進んだ円安ですが、日米金利差の観点から見れば、やや前のめりだったと思われます。

円安進展が株価上昇の手掛かりの1つとなっていた外需株にとっては、円相場が円安から円高へ揺り戻すことで、株価の逆風になることが想定されます。

図表10 円相場と日米金利差(2年、10年)

3つ目は内需株の動きです。先週の国内株式市場では不動産株が堅調に推移し、TOPIXを大きくアウトパフォームしました。日銀金融政策決定会合が終了し、金利先高観が一巡したことが不動産株物色につながったと見られます。そのほかでも出遅れ感の強い内需株などを物色する動きが見られました。

1つ目と2つ目の物色動向で説明した通り、当面は値がさハイテク株や外需株への物色が期待し難い展開となれば、消去法的な観点からも内需株など出遅れ感の強い銘柄に物色の矛先が向かう可能性は十分に想定されるところです。低位株などを含めて個別銘柄を選定して投資していくことが有効な戦略になると考えられます。

そして、こうした銘柄は日経平均の寄与度が大きい値がさ株ではなく、また(外需株に比べて)時価総額も大きくないため、日経平均やTOPIXといった株価指数の押し上げ効果は薄いと考えられます。日経平均が41,000円台を超えて上昇するには、少し時間がかかると考えられます。

図表11 米東証株価指数(TOPIX)と不動産株指数

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