【アメリカNOW!】来期も7割増収を見込むエヌビディアほか、最近の好決算銘柄

投資情報部 榮 聡
2026/08/31
先週の米国株式市場は、エヌビディアやセールスフォースなどの決算が相場上昇をけん引した一方、ウォーシュFRB議長の講演は市場の利上げ期待を強め、相場の下落要因になりました。今週の株価材料として、8月雇用統計、8月企業景況感、G20財務大臣・中央銀行総裁会議が注目されます。
今回は過去3週間に四半期決算を発表した銘柄から、エヌビディア(NVDA)、クラウド ストライク ホールディングス A(CRWD)、セールスフォース(CRM)、ディアー(DE)、ノードソン(NDSN)を選んでご紹介いたします。
図表1 S&P500指数の一目均衡表(日足、3ヵ月)
高値圏でのもみ合いになっています。エヌビディア決算を受けたAI相場に対する楽観と政策金利の引き上げ期待の綱引きになりそうです。
※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成
図表2 業種別指数騰落率・個別銘柄騰落率
| S&P500業種指数騰落 | 5日 | 1ヵ月 | 3ヵ月 |
| 情報技術 | 1.8% | 5.9% | -1.2% |
| コミュニケーションサービス | 1.6% | 0.4% | -7.0% |
| 金融 | 1.1% | 1.9% | 12.7% |
| S&P500 | 0.5% | 3.0% | 1.7% |
| 一般消費財・サービス | 0.1% | 0.6% | -3.4% |
| 公益事業 | -0.2% | -4.0% | -3.9% |
| 素材 | -0.4% | 6.7% | 4.8% |
| 生活必需品 | -0.5% | -0.5% | 1.6% |
| 不動産 | -1.3% | -1.2% | 1.4% |
| 資本財・サービス | -1.7% | -1.5% | 2.3% |
| エネルギー | -2.0% | 4.3% | 11.3% |
| ヘルスケア | -2.0% | 5.2% | 14.5% |
| 騰落率上位(5日) | 騰落率 |
| セールスフォース | 22.4% |
| サービスナウ | 12.6% |
| マイクロソフト | 6.3% |
| アドビ | 5.9% |
| メタ・プラットフォームズ | 5.1% |
| 騰落率下位(5日) | 騰落率 |
| イーライリリー | -6.4% |
| アプライド・マテリアルズ | -6.2% |
| エクソンモービル・ホールディ | -5.1% |
| GEベルノバ | -4.7% |
| テスラ | -3.9% |
注:個別銘柄の騰落率上位、下位はS&P100指数が母集団です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
先週の米国株式市場
S&P500指数は週間で0.5%、ダウ平均は0.5%、ナスダック指数は0.8%の上昇でした。
先々週の相場下落要因になった米30年国債利回りは、反落して相場を支える要因になりました。8/26(水)の7月個人消費支出物価指数は市場予想をやや上回りましたが、相場へのネガティブな反応は抑えられました。
8/26(水)引け後に決算を発表したエヌビディア、セールスフォース、クラウドストライクなどが8/27(木)に大幅な上昇となって相場反発をけん引しました。
一方、8/28(金)のウォーシュFRB議長の講演では、「基調インフレ率が目標に向かっていると確信できなければ、まだやるべき仕事がある」と発言して、市場の政策金利引き上げ期待を高め、米10年国債利回りが4.7%台に上昇したことから、相場は反落しました。
業種指数では、情報技術やコミュニケーションサービスなどテクノロジー株や金利上昇を受けた金融が上昇しました。ヘルスケアは前週の上昇から反落、原油価格の下落を受けてエネルギーも下落しました。
個別株で下落が目立ったイーライ リリィ(LLY)は、糖尿病治療薬「マンジャロ」が心臓病への適応拡大を認められるという好材料がありましたが、前週に史上最高値を更新していたことから利益確定売りが嵩んだとみられます。
今週の米国株式市場
ウォーシュFRB議長のジャクソンホールでの講演は、大局的な話が中心で直近の政策金利にヒントを与えないと見られていましたが、結局フォワードガイダンスを与える結果となりました。
この講演を受けて、FedWatch予想による9月FOMCでの利上げ確率は1週間前の40%から57%まで上昇しています(日本時間8/31(月)午前9時)。9月利上げの可能性を巡って相場の不安定要因になると考えられます。
一方、先週はエヌビディアの決算でAI投資の持続性に関して安心感が広がり、AIインフラ株が上昇するときには下落することが多かったソフトウェア株にも見直し買いが入って、潮目が変わりつつあるとの印象でした。半導体株、ソフトウェア株が同時に堅調になるとすれば、相場を押し上げる力になると期待できそうです。
今週の株価材料として、8月雇用統計、8月企業景況感、G20財務大臣・中央銀行総裁会議が注目されます。
9/4(金)に発表される8月雇用統計の非農業部門雇用者数は前月比5.5万人増の予想です。前月の同2.3万人減から回復するものの、「雇用市場は緩やかな鈍化傾向にある」との見方が確認されると考えられます。
企業景況感は、製造業、非製造業とも50を大きく上回り、かつここ数ヵ月にわたり改善基調で、米景気の堅調を示唆してきました。9/1(火)の8月製造業景気指数は、前月の55.6から55.2に悪化の予想、9/3(木)の8月非製造業景気指数は前月の54.1から変わらずの予想です。
G20財務大臣・中央銀行総裁会議は、8/31(月)と9/1(火)にのスカロライナ州アシュビルで開催されます。日米が円買い協調介入、米財務省が同国国債相場に「介入」した後ですので、市場の注目を集めると見られます。
経済指標では上記のほか、9/1(火)に8月ADP雇用統計(前月比4.7万人増の予想)などの発表が予定されています。
今週の5銘柄
今回は8/10(月)以降に四半期決算を発表した企業から、好決算と考えられる銘柄を図表3にリストアップしました。
ここからエヌビディア(NVDA)、クラウド ストライク ホールディングス A(CRWD)、セールスフォース(CRM)、ディアー(DE)、ノードソン(NDSN)を選んでご紹介いたします。
図表3 好決算銘柄の決算概要(S&P500指数採用銘柄、8/10(月)以降に決算を発表した銘柄より)
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
図表4 今週の5銘柄の投資指標
注:予想PERは今期予想EPSに基づいて計算しています。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
今週の注目銘柄
| 取引 | チャート | 銘柄 | 株価 (8/28) |
予想PER (倍) |
ポイント |
| 買付 | エヌビディア(NVDA) | 217.55ドル | 23.5 | 【来年度も7割増収の見通し】 ・半導体メモリー不足が続く中でも、2028年1月期の売上は前年同期比約70%増が期待できるとの見通しを示しました。半導体メモリー価格上昇の影響を受けて粗利率は11-1月期に71~72%に低下するものの、2027年2-4月期に製品価格引き上げの効果が出て2028年1月期は72~73%になる見通しです。 ・5-7月期決算は売上が前年同期比106%増、EPSが同128%増で、市場予想をそれぞれ4%、6%上回って好調でした。8-10月期ガイダンスの中央値は売上が1,080億ドル(前年同期比89%増)、粗利率は74.0%です。 | |
| 買付 | クラウド ストライク ホールディングス A(CRWD) | 218.40ドル | 174.2 | 【AIの広がりがサイバーセキュリティへの需要を刺激】 ・サイバーセキュリティ大手。アンソロピックが同社の「Claude Mythos」について、「主要なOSやウェブブラウザー」の脆弱性を突くことができ、一般公開するには危険すぎると主張したことを受け、企業のサイバーセキュリティに対する気運が一気に高まったことから恩恵を受けています。 ・5-7月期の売上・EPS、8-10月期売上ガイダンスとも市場予想を上回り、通期の売上見通しを引き上げました。成長の勢いを端的に示す年間経常収益(ARR)の純増額は333百万ドルで、前年同期比51%増となり、市場予想を16%上回りました。 | |
| 買付 | セールスフォース(CRM) | 256.00ドル | 15.3 | 【アンソロピックとの提携を強化】 ・販売促進と顧客関係管理のソフトウェア企業です。市場予想を上回る決算でAIとの競合懸念を和らげ、アンソロピックとの提携拡大が好感されて8/27(木)に株価が大幅に上昇しました。アンソロピックとの提携では、同社のAIモデル「Claude」にセールスフォースのエンタープライズデータとワークフロー、ビジネスロジック、実行およびガバナンスを結合した「Claudeforce」を投入すると発表しました。 ・5-7月期決算は、市場予想を上回る増収・増益を達成して、2027年1月期の売上見通しを459~462億ドルから461~464億ドルに引き上げました。 | |
| 買付 | ディアー(DE) | 630.33ドル | 28.1 | 【農業機械は来年に向け回復へ】 ・農業機械の世界的大手です。大型コンバインやトラクターを主力製品とする一方、建設機械、林業機械なども手掛けます。主力の農業機械は2026年10月期まで3期連続の減収見通しですが、農家の経済状況の改善を受けて2027年10月期には回復に向かうとの見通しが出ています。 ・5-7月期決算では、大型農機部門は前年同期比6%の減収となりましたが、小型農機や建設機械の増収がこれをカバーし、全体で前年同期比5%の増収を達成しました。 | |
| 買付 | ノードソン(NDSN) | 324.59ドル | 25.1 | 【知る人ぞ知る安定成長企業】 ・工業用の接着剤、シーラント、コーティング剤用のディスペンシング装置の設計・製造を行う企業です。上場前から62年連続の増配を記録しています。1979年にナスダック市場に上場し、2022年にS&P500指数に採用されました。 ・5-7月期決算は、各種工業用の売上が前年同期比5%増と堅調で、ハイテク産業向けのアドバンスト・テクノロジー・ソリューション部門が同28%増と伸びて好決算となりました。期末の受注残が前年同期比35%増になっていることを踏まえ、通期の業績ガイダンスを引き上げました。 |
注:予想PERはBloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。使用した予想EPSの決算期は、エヌビディア、クラウドストライクホールディングス、セールスフォースは2027年1月期、ディアー、ノードソンは2027年10月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成
主要イベントの予定
| 経済指標・イベント | 企業決算・イベント | |
| 31(月) | ・G20財務大臣・中央銀行総裁会議(9月1日まで) | |
| 9月 1(火) |
・米ISM製造業景気指数(8月) ・米求人労働異動調査(7月) |
パロアルトネットワークス、メドトロニック |
| 2(水) | ・米ADP雇用統計(8月) ・米製造業受注(7月) ・地区連銀経済報告(ベージュブック) |
ブロードコム |
| 3(木) | ・米チャレンジャー人員削減(8月) ・米貿易統計(7月) ・米新規失業保険申請件数(8月29日に終わる週) ・米ISM非製造業景気指数(8月) |
ルルレモンアスレティカ |
| 4(金) | ・米雇用統計(8月) | |
| 7(月) | 米国市場休場(レイバーデー) ・ユーロ圏実質GDP(4-6月期、確報値) |
|
| 8(火) | ・米NFIB中小企業楽観指数(8月) ・NY連銀1年インフレ期待(8月) ・米3年国債入札 |
|
| 9(水) | ・米10年国債入札 | |
| 10(木) | ・ECB政策金利 ・米新規失業保険申請件数(9月5日に終わる週) ・米生産者物価指数(8月) ・米中古住宅販売件数(8月) ・米30年国債入札 |
オラクル、アドビ |
| 11(金) | ・米消費者物価指数(8月) ・米ミシガン大学消費者信頼感(9月、速報値) |
注:日付は現地時間によります。(E)はBloombergによる予想を示します。企業決算の赤字でのハイライトは、当社顧客保有人数の1~30位、青字のハイライトは31~50位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成
※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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