【アメリカNOW!】マイクロン、アプライドマテリアルズ、エヌビディアなど目標株価乖離率が大きい銘柄

【アメリカNOW!】マイクロン、アプライドマテリアルズ、エヌビディアなど目標株価乖離率が大きい銘柄

投資情報部 榮 聡

2026/09/14

先週の米国株式市場は、長期金利の上昇、原油価格の上昇、利上げ期待の強まりなどが重石となって、下落しました。今週の株価材料として、9月FOMC、長期金利の動向、原油価格の動向が注目されます。

今回は目標株価との乖離率が大きい銘柄から、マイクロン テクノロジー(MU)エヌビディア(NVDA)アプライド マテリアルズ(AMAT)アマゾン ドットコム(AMZN)シスコ システムズ(CSCO)を選んでご紹介いたします。

図表1 S&P500指数の一目均衡表(日足、3ヵ月)

先週は悪材料が重なって反落して、上値の重い印象となりました。一方、テクニカル的には一目均衡表の「雲」が徐々に厚くなるタイミングに差し掛かっていることから、下値支持も期待されます。

※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成

図表2 業種別指数騰落率・個別銘柄騰落率(「5日」は9/3(木)終値から9/11(金)終値によります。)

S&P500業種指数騰落 5日 1ヵ月 3ヵ月
エネルギー 1.0% 4.9% 13.8%
コミュニケーションサービス 0.1% 0.7% -0.8%
情報技術 0.0% -0.6% 4.9%
S&P500 -1.2% -1.7% 3.0%
資本財・サービス -1.3% -7.7% -2.2%
生活必需品 -1.6% -3.0% -3.3%
公益事業 -1.6% -4.7% -4.9%
不動産 -1.9% -4.1% -3.7%
金融 -2.3% -1.7% 7.3%
一般消費財・サービス -2.5% -3.5% -1.2%
素材 -3.1% -2.4% -1.4%
ヘルスケア -4.6% -1.3% 7.6%
騰落率上位(5日) 騰落率
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ 13.1%
インテル 12.3%
クアルコム 7.9%
メタ・プラットフォームズ 6.1%
テキサス・インスツルメンツ 5.9%
騰落率下位(5日) 騰落率
アムジェン -15.0%
アドビ -11.7%
ブッキング・ホールディングス -10.9%
サービスナウ -9.0%
パランティア・テクノロジーズ -8.4%

注:個別銘柄の騰落率上位、下位はS&P100指数が母集団です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

先週の米国株式市場

S&P500指数は週間で0.8%、ダウ平均は1.6%、ナスダック指数は0.7%の下落でした。

長期金利が直近の高値を超えて上昇が続いたこと、米国とイランの攻撃の応酬を受けてWTI先物価格が1バレル100ドル以上に上昇したことが相場の重石となりました。一方、フィラデルフィア半導体株指数は週間で0.8%の上昇となって、企業業績の好調を織り込む動きは途絶えていないことも確認できました。

8月生産者物価指数の総合指数の前年比伸び率が市場予想を上回り、足もとで原油価格が上昇していることも相まって、市場の利上げ期待を押し上げました。同コア指数、8月消費者物価指数の総合指数、コア指数の前年比伸び率は市場予想に一致しました。

業種指数では、WTI先物価格が1バレル100ドル以上に上昇したことを受けてエネルギーが上昇、コミュニケーションサービス、情報技術がプラスを確保しました。ヘルスケアは、アムジェンが悪材料で大幅に下落したほか、主要銘柄にも下落したものが多く、大幅に下落しました。

個別株では、騰落率上位には半導体株が目立ちました。アムジェン(AMGN)は、ノバルティスの心疾患治療薬の臨床試験結果が不振で、同種の薬を開発しているアムジェンにも懸念が波及しました。

今週の米国株式市場

好調な企業業績が相場を押し上げる力になると期待される一方、政策金利の引き上げ期待、長期債利回りの動向、中東情勢などが株価を抑える要因になる状況が続きそうです。

今週の株価材料として、9月FOMC、長期金利の動向、原油価格の動向が注目されます。

9/16(水)にFOMC結果発表が予定されています。先週の8月物価指標や足もとの原油価格上昇を受けて、市場の利上げ期待が高まっています。FedWatchの利上げ確率は、9/14(月)午前9時時点で86%となっています。実際に利上げとなった場合に、年内のさらなる利上げ期待が生じるのか、一旦据え置きが続く見通しとなるのか注目されます。

米国の10年国債利回りは4.97%、30年国債利回りは5.36%を付けて、長期金利の上昇基調が続いています。さらに、長期金利の上昇を抑制しようとしてベッセント財務長官が市場を挑発、あるいは敵対するような言動をとっていることが、むしろ市場を不安定化させないか懸念されます。同氏の言動がエスカレートしないか注視する必要があるでしょう。

WTI先物価格は、先週、今年5月以来となる1バレル100ドルを付けました。米国がイランのタンカーを撃沈する一方、イランもこれまで攻撃対象としてきた湾岸諸国の米軍施設ではなく、米国海軍を直接攻撃するなど、従来とは異なる事態が起きていることに市場が反応しました。また、トランプ大統領が、戦闘の終結は中間選挙後になると発言したことから、当面の事態収拾はないとの見方を強めたようです。

経済指標では上記のほか、9/14(月)に中国の8月鉱工業生産(前年比+4.8%の予想、前月は同+4.5%)・小売売上高(前年比+0.8%の予想、前月は同+0.6%)、9/16(水)に米国の小売売上高(前月比+0.8%の予想)、9/17(木)に米国の8月住宅着工(前月比+6.9%の予想)・建設許可件数(前月比-1.5%の予想)などの発表が予定されています。

今週の5銘柄

今回は、アナリストの目標株価と現在値の乖離率({目標株価÷現在値-1}×100)が大きい銘柄をご紹介いたします。

スクリーニング条件として、過去3ヵ月の通期予想EPSの修正率と目標株価の修正率がともに3%以上であることを設定しました。業績動向が好調であり、しかもその内容が株価にプラスのインパクトを与えると期待できるものを探すというのが趣旨です。

この条件でS&P100指数採用銘柄を対象に、目標株価乖離率が大きい順に抽出したのが図表3です。ここから上位のマイクロン テクノロジー(MU)、エヌビディア(NVDA)、アプライド マテリアルズ(AMAT)、アマゾン ドットコム(AMZN)、シスコ システムズ(CSCO)を選んでご紹介いたします。

上位3銘柄の乖離率が大きく、しかも、いずれも半導体株であることが目立ちます。

半導体株については、フィラデルフィア半導体株指数が6月後半から7月後半にかけて大きく調整した後、8月から1ヵ月以上にわたって保ち合いに転じています。50日移動平均線、100日移動平均線が集まるテクニカル上、重要なポイントに差し掛かっています。

直近の四半期決算発表中に特にネガティブな話は出ておらず、業績の好調を再び織り込み始める可能性がありそうです。今回のスクリーニングで、アナリスト目標株価に対する割安度が高くなっていることも確認できました。

図表3 アナリスト目標株価乖離率が大きい銘柄(S&P100指数採用銘柄が対象)

※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表4 今週の5銘柄の投資指標

注:予想PERは今期予想EPSに基づいて計算しています。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

今週の注目銘柄

取引 チャート 銘柄 株価
(9/11)
予想PER
(倍)
ポイント
買付チャートマイクロン テクノロジー(MU)975.26ドル6.4

【バリュエーションの低さが目立つ】

・DRAM、フラッシュとも手掛ける半導体メモリー大手。半導体メモリーは、業績の変動性が大きいため、バリュエーションは低くしか評価されませんが、エヌビディア決算会見での見通しを勘案すると、メモリー企業の業績リスクはかなり低減したと考えられます。

・エヌビディアは、半導体メモリーの価格上昇を吸収するため、顧客に同社製品価格の15%引き上げを要請しています。さらに、同社自身も粗利率の低下という形で負担する見通しであることを表明しました。また、「半導体メモリーの不足は来年中も継続し、価格も上昇する見通しだ」と述べています。

買付チャートエヌビディア(NVDA)218.29ドル23.3

【来年度も7割増収の見通し】

・半導体メモリー不足が続く中でも、2028年1月期の売上は前年度比約70%増になると期待できるとの見通しを示しました。半導体メモリー価格上昇の影響を受けて粗利率は11-1月期に71~72%に低下するものの、2027年2-4月期に製品価格引き上げの効果が出て2028年1月期は72~73%になる見通しです。

・5-7月期決算は売上が前年同期比106%増、EPSが同128%増で、市場予想をそれぞれ4%、6%上回って好調でした。8-10月期ガイダンスの中央値は売上が1,080億ドル(前年同期比89%増)、粗利率は74.0%です。

買付チャートアプライド マテリアルズ(AMAT)456.49ドル24.4

【技術革新を背景に売上が加速】

・半導体製造装置の大手。ラムリサーチ、東京エレクトロンとともに、成膜装置、エッチング装置、コータ・デベロッパ、洗浄装置など幅広い半導体製造装置を提供します。ロジック半導体、DRAM、アドバンストパッケージング分野の技術革新が進む中で業績成長が期待されます。

・売上成長率は5-7月期の前年同期比25%増から8-10月期は同51%増へ、年度では2026年10月期予想の前年比27%増から2027年10月期の同36%増へ加速が見込まれています。2026年後半から半導体メモリー向けの需要が売上拡大をけん引する見通しです。

買付チャートアマゾン ドットコム(AMZN)256.78ドル17.7

【投資の成果が出始めている】

・同社の幅広い事業で投資の成果が出始めています。4-6月期のクラウド事業の伸びは前年同期比37%増と1-3月期の同28%増から大幅に加速、独自開発のAI半導体「Trainium」も成長をけん引します。また、小売事業では、即日配達サービスと対話型AIショッピングアシスタント「Rufus」の投入によって市場シェアを拡大できると期待されます。

・通期の予想EPSが40%も上方修正されているのは、アンソロピックの投資評価益が主因です。7-9月期の業績ガイダンス中央値は、売上・営業利益とも市場予想をやや下回りましたが、大きな問題ではないと見られます。

買付チャートシスコ システムズ(CSCO)112.13ドル22.0

【AI需要、更新需要で売上が加速】

・通信機器の世界的大手。主力はネット接続用ルーターとスイッチです。AIを背景とするハイパースケーラーのネットワーク機器需要に加え、企業・大学のネットワーク更新需要が重なり、売上が加速しています。

・5-7月期決算は、売上が前年同期比18%増、調整後EPSが同23%増で、それぞれ市場予想を2%、4%上回って好調でした。2027年7月期の売上ガイダンスは、少なくとも前年比15%増となっており、売上加速が顕著になっています。

注:予想PERはBloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。使用した予想EPSの決算期は、マイクロンテクノロジーが2027年8月期、エヌビディアが2027年1月期、アプライドマテリアルズが2027年10月期、アマゾンが2026年12月期、シスコシステムズが2027年7月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成

主要イベントの予定

  経済指標・イベント 企業決算・イベント
14(月) ・中国鉱工業生産・小売売上高(8月)  
15(火) ・NY連銀製造業景気指数(9月)
・米20年国債入札
 
16(水) ・日本機械受注(7月)
・米小売売上高(8月)
・米NAHB住宅市場指数(9月)
・FOMC政策金利
レナー
17(木) ・米新規失業保険申請件数(9月12日に終わる週)
・米住宅着工・建設許可件数(8月)
・米中古住宅販売成約(8月)
 
18(金) ・日銀金融政策  
21(月) ・シカゴ連銀全米活動指数(8月)
・シカゴ連銀グールズビー総裁の講演
 
22(火) ・米2年国債入札 オートゾーン
23(水) ・S&Pグローバル米国製造業PMI(9月)
・米5年国債入札
 
24(木) ・米新規失業保険申請件数(9月19日に終わる週)
・米新築住宅販売件数(8月)
・米7年国債入札
コストコホールセール
25(金) ・米耐久財受注(8月)
・米ミシガン大学消費者信頼感(9月、確報値)
 

注:日付は現地時間によります。(E)はBloombergによる予想を示します。企業決算の赤字でのハイライトは、当社顧客保有人数の1~30位、青字のハイライトは31~50位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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