日経平均 約34年ぶりの3万5,000円台! 10年好成績日本株ファンドは?

日経平均 約34年ぶりの3万5,000円台! 10年好成績日本株ファンドは?

投資情報部 川上雅人

2024/01/15

日経平均 約34年ぶりの3万5,000円台へ

11日の東京株式市場で日経平均株価(終値)は1990年2月以来、33年11ヵ月ぶりに節目の3万5,000円台を上回りました。

日本株(日経平均)の上昇要因は、日銀の早期正常化観測の後退や円安水準維持による企業業績の拡大期待、デフレ脱却に向けた日本経済の好転を期待した買いなどが挙げられます。加えて、新NISAに伴う日本株買いへの思惑も上昇を後押ししたと考えられます。

新NISAに伴う日本株の買い付け金額(予想)や当面の株価見通しについては、1月9日に弊社ストラテジストがコラム「新NISAで史上最高値更新が視野に!?その理由は?」を掲載していますのでご参照ください。

年初からの主な世界の株価指数を比較すると、日本はまだ5営業日だけではありますが、海外の株価指数と比べて日本株の上昇が目立ちます(図表1)。

こうした環境下で、今回はNISAで買える長期で好成績の日本株ファンドを取り上げます。12月末のファンドデータから3年、5年、10年のすべての期間において日本株インデックスファンドのリターンを上回るアクティブファンド(SBI証券取り扱い)は図表2となります。これらのファンドは様々な投資環境下においても長期で好成績を上げているファンドといえるため、NISAの成長投資枠における有望な日本株ファンドの候補になると考えます。3年・5年・10年で揃って好成績となったファンドの内訳は、テクノロジー株式ファンドが10年リターンで1位と2位に、配当に着目したファンドが3本となっています。

図表1 主な株価指数のパフォーマンス比較  (2023年12月末~2024年1月11日 2023年12月末=100)

※QUICKデータをもとにSBI証券作成

図表2 10年好成績日本株ファンドの特徴と運用成績

順位 ファンド名 特徴
(投資対象)
3年
リターン
(年率)
5年
リターン
(年率)
10年
リターン
(年率)
1 情報エレクトロニクスファンド エレクトロニクス、情報通信に関する企業群の株式 11.40% 23.18% 14.82%
2 フィデリティ・テクノロジー厳選株式ファンド(愛称:Jテック+) 成長力が高いと判断される日本のテクノロジー関連企業の株式 9.49% 20.99% 13.92%
3 One国内株オープン(愛称:自由演技) マクロの投資環境の変化に応じて投資スタイルを適宜変更し銘柄を選択 11.98% 14.26% 13.21%
4 小型ブルーチップオープン 中長期的視点に立った成長性やバリュエーションを勘案して銘柄を選択 14.46% 18.65% 12.56%
5 三井住友・配当フォーカスオープン 「配当」に着目し「中長期的な株価の上昇」と「配当収入」の獲得をめざす 17.58% 13.13% 11.84%
6 日本好配当リバランスオープン 日経500採用銘柄で予想配当利回りの高い上位70銘柄程度 25.86% 14.62% 11.37%
7 三菱UFJ 日本株オープン「35」 「企業の成長性」に着目して厳選した「35銘柄」に主に投資 9.37% 17.07% 11.16%
8 日興ジャパン高配当株式ファンド 配当成長が期待できる企業に投資、インカム収入と中長期の値上がり益を追求 16.11% 13.08% 11.02%
参考 ニッセイ日経225インデックスファンド 日経平均インデックスファンド 8.60% 12.72% 9.22%

※ウエルスアドバイザーのファンド検索をもとにSBI証券作成
※新NISA・成長投資枠対象でSBI証券取り扱いファンドの10年リターンランキング(2023年12月末基準)
※3年・5年・10年の期間全てで10年リターン首位のインデックスファンドのリターンを上回るアクティブファンドを表示
※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません

10年好成績日本株ファンドの特徴は?

1位の情報エレクトロニクスファンドはエレクトロニクス、情報通信に関する企業群の株式に投資しており、組入上位銘柄はディスコ、日立製作所、ローム、ソニーグループなどとなっています(11月末基準)(※)。組入銘柄数は41銘柄で業種では電気機器や機械が多く、半導体関連株の比率が高いのが特徴といえます。1984年2月に運用スタートしたため、約34年ぶりを超える約40年の長寿ファンドです。SBIプレミアムセレクトのファンドです(SBIセレクト、SBIプレミアムセレクトの詳細はこちら)。

2位のフィデリティ・テクノロジー厳選株式ファンド(愛称:Jテック+)は成長力が高いと判断される日本のテクノロジー関連企業の株式に投資しており、組入上位銘柄は東京エレクトロン、キーエンス、村田製作所、野村総合研究所などとなっています(10月末基準)(※)。組入銘柄数は35銘柄で、こちらも半導体関連株の比率が高くなっています。

3位のOne国内株オープン(愛称:自由演技)は、ファンドの愛称の通り、マクロの投資環境の変化に応じて投資スタイルを適宜変更し銘柄を選択しているファンドです。組入上位銘柄はトヨタ自動車、ソニーグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、キーエンスなどとなっており、組入銘柄数は200銘柄となっています(10月末基準)(※)。SBIセレクトのファンドです。

4位の小型ブルーチップオープンは、主に中小型株を投資対象とし中長期的視点に立った成長性やバリュエーションを勘案して銘柄を選択しているファンドです。組入上位銘柄は豊田通商、横浜ゴム、いすゞ自動車、ロームなどとなっており、組入銘柄数は74銘柄となっています(11月末基準)(※)。SBIセレクトのファンドです。

5位の三井住友・配当フォーカスオープンは、「配当」に着目し「中長期的な株価の上昇」と「配当収入」の獲得をめざすファンドで、上位組入銘柄は三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、JBCCホールディングス、KDDIなどとなっています(11月末基準)(※)。組入銘柄数は95銘柄で、予想配当利回りは3.6%です。

6位の日本好配当リバランスオープンは、日経500採用銘柄で予想配当利回りの高い上位70銘柄程度にほぼ均等投資しているファンドです。12月7日基準の組入銘柄数は71銘柄となっており、予想配当利回りは4.3%となっています。SBIプレミアムセレクトのファンドです。

7位の三菱UFJ 日本株オープン「35」は、「企業の成長性」に着目して厳選した「35銘柄」に主に投資しているファンドです。組入上位銘柄は、エンプラス、日東紡績、トリケミカル研究所、MARUWAなどとなっており、組入銘柄数は42銘柄です(12月末基準)(※)。SBIセレクトのファンドです。

8位の日興ジャパン高配当株式ファンドは、配当成長が期待できる企業に投資して、インカム収入と中長期の値上がり益を追求するファンドです。組入上位銘柄は三菱UFJフィナンシャル・グループ、トヨタ自動車、三井住友フィナンシャルグループ、東京海上ホールディングスなどとなっており、組入銘柄数は53銘柄で、予想配当利回りは3.2%となっています(11月末基準)(※)。

NISAで売れ筋となっている日本を含む全世界株式インデックスファンドのeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)では、日本株の比率は5.5%です。NISAで日本株への分散投資を考えるなら上記アクティブファンドの活用が有効と考えます。その際には、1つのファンドを選ぶのではなく、異なるテーマのファンド(テクノロジー、配当、中小型など)を組み合わせて保有することが、パフォーマンスを安定化させるポイントになると予想します。

(※)個別銘柄の取引を推奨するものではありません。

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